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62.魔女ルーサside ~ブローサ様との再会~
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【魔女ルーサside】
「いつまで隠れているおつもりですか!ブローサ様!薬師様が部屋から出て行かれた途端、こんなにも分かりやすく駄々漏れの魔力を出しておいて、気付いて欲しくてやっているのが、ばればれなんですよ!」
「ふふふ、流石ルーサね、素敵な魔女さんになったわね。でも実体化は本当に辛いのよ。ブレスレットの姿で許してちょうだい。」
「そうでしたか、それでも、この子の瞳の色はすぐに戻せたんじゃないですか?」
「戻せるわよ。だけど、ルーサと会う方法が他に思いつかなかったんですもの。マリーちゃんも喜んでくれたし、まぁ良かったんじゃない?」
「喜んでいた?ところでブローサ様、ブローサ様のおっしゃっていた、『千年に一度の魔獣(ラムル)現る時予言の女神現る』とは、このマリーのことだったんですか?」
「それがね。微妙なのよね。すべてを司る神様からは私の魂と共鳴する私にそっくりな女の子と聞いていたのだけどね。大体私は神様から特別な力は頂いているけど神じゃないわよ。神様が忙しいって言うから仕方なくこの世界を守っているだけよ。」
「ブローサ様、それを世の中では神というのです。本当にあなたという人は、千年経ってもちっとも変っていないのだから…。」
「そうなの?まぁいいわ。それでね、マリーちゃんがお友達を助けようとして死にかけた時に私の魂と共鳴したのは間違いないの。その時にマリーちゃんの無意識の記憶を見せてもらったんだけど、とてもいい子よ。だけど、なぜかマリーちゃんはブロッサちゃんのことを予言の女神だと信じているみたいなの。」
「そうですか。この子から感じるオーラはブローサ様に瓜二つだったので、ブローサ様の魂と共鳴したのも納得ですが、そっくりな女の子と言われると、たしかにブロッサという女の子でしょうね。」
「話は変わるけど、ピゴくんはどうしているのかしら?」
「ピゴくんでしたら、それこそ、ブロッサという以前のあなた様にそっくりな容姿のピンクの髪にピンクの瞳の女の子と一緒にいますよ。魅了の魔法を無意識に使ってしまうようですが、まぁピゴくんがいるので問題はないでしょう。不思議な子ですよ。ピゴくんが黄金の蛇から小りすに変わった時に、あなたと同じようにピゴくんと呼んだそうですからね。ただ国王陛下が言うには純粋な女の子というだけではないようです。」
「そうなのね。でもきっと大丈夫よ。マリーちゃんみたいに素敵な子がそばにいるんですもの。マリーちゃんは本当に心が優しくて、最高に面白い子よ。ふふふ、きっとルーサも気に入るわ。だからブロッサちゃんも、マリーちゃんや、マリーちゃんの記憶の中で見た、ルドくんやシルバーくんそれからレッドくん、他にも沢山の素敵なお友達に囲まれて、きっといい方向に成長してくれるはずよ。ルーサも協力してあげてね。でも本当に良かったわ。ピゴくんが元気そうで。ピゴくんは、私と、ルアードと、ルアと一緒に過ごした家族だからね。ルーサ私ね、ラムルが小さくなったら一緒に魔の森で暮らそうかと思っているの。ルーサも一緒に住まない?あそこなら魔力があがるから、体が楽よ。千年もラムルと一緒にいたからかしら、なんだか愛着が湧いちゃって。」
「ラムルとですか?それはちょっと、ネクスを殺したかもしれない魔獣とは暮らしたくありません。」
「えっ何を言っているの?ネクスは生きているわよ。あっ!ごめんなさい。これは、内緒だったんだけど。もう千年経つから話せるわね。私ね、どうしてもルーサとネクスと離れるのが淋しくて、人間にならずに、魔人(魔族)のままでいて欲しいって頼んだの。それで、ネクスも賛成してくれて、千年後も変わらずに二人が想い合っていて、ネクスが料理を作り続けていたら霧の谷から出て魔女と魔人のままでいられる魔法をかけたの。だから、もうすぐ、ルーサにも見えるようになるわ。」
「ひどい!私が今まで二人がいなくなってどれだけ淋しい思いをしたと思っているのですか。」
「ごめんなさい。ネクスにその魔法をかけてから、ちょっとトラブルがあって、そのあとすぐに、ラムルが現れちゃったから本当にごめんなさい。」
「そうですね。ブローサ様は悪くないです。どうせ、その魔法は私が知ってしまってはいけないものだったのでしょうし、ブローサ様がそういう所が抜けているのはみんな知っていることですから、勝手に決めたネクスが悪いです。いいでしょう。小さくなったラムルを見張る役も必要でしょうから私がブローサ様と一緒にラムルと住みましょう。」
「ルーサったら、口ではこんなこと言っているけど、嬉しそうね。やっぱり、ネクスのことが好きなのね…。」
「ブローサ様、何か言いましたか?」
「いいえ、何でもないわ。どちらにしてもいまの私には残念ながらできることは何もないわ。マリーちゃんに転移の能力を渡すのが精一杯よ。ルーサと話せてよかったわ。少し眠りにつくけど、ラムルが小さくなったら起こしてちょうだいね。ブレスレットの中で待っているわ。」
ブローサ様の魔力がこんなに小さくなって、本当に寝てしまわれたのか…。千年ぶりに声が聞けただけでも、良しとしないといけないね。さてと、ブローサ様の為にもラムルには小さくなってもらわないといけないけど、まずはこの計画の鍵でもあるブロッサをこの目で見てみようかね。ブローサ様と魔の森で静かに暮らすためにも私にできることはやらせてもらうよ。その後はせっかく王都まで来たのだから、やっぱり美味しい物でも食べて、ブローサ様が目覚められた時に一緒に行けるようにしないとね。千年生きていてもこういう時じゃないと食べれやしないんだから悲しいね。ネクスのことなんていま更、知らないよ…。
「いつまで隠れているおつもりですか!ブローサ様!薬師様が部屋から出て行かれた途端、こんなにも分かりやすく駄々漏れの魔力を出しておいて、気付いて欲しくてやっているのが、ばればれなんですよ!」
「ふふふ、流石ルーサね、素敵な魔女さんになったわね。でも実体化は本当に辛いのよ。ブレスレットの姿で許してちょうだい。」
「そうでしたか、それでも、この子の瞳の色はすぐに戻せたんじゃないですか?」
「戻せるわよ。だけど、ルーサと会う方法が他に思いつかなかったんですもの。マリーちゃんも喜んでくれたし、まぁ良かったんじゃない?」
「喜んでいた?ところでブローサ様、ブローサ様のおっしゃっていた、『千年に一度の魔獣(ラムル)現る時予言の女神現る』とは、このマリーのことだったんですか?」
「それがね。微妙なのよね。すべてを司る神様からは私の魂と共鳴する私にそっくりな女の子と聞いていたのだけどね。大体私は神様から特別な力は頂いているけど神じゃないわよ。神様が忙しいって言うから仕方なくこの世界を守っているだけよ。」
「ブローサ様、それを世の中では神というのです。本当にあなたという人は、千年経ってもちっとも変っていないのだから…。」
「そうなの?まぁいいわ。それでね、マリーちゃんがお友達を助けようとして死にかけた時に私の魂と共鳴したのは間違いないの。その時にマリーちゃんの無意識の記憶を見せてもらったんだけど、とてもいい子よ。だけど、なぜかマリーちゃんはブロッサちゃんのことを予言の女神だと信じているみたいなの。」
「そうですか。この子から感じるオーラはブローサ様に瓜二つだったので、ブローサ様の魂と共鳴したのも納得ですが、そっくりな女の子と言われると、たしかにブロッサという女の子でしょうね。」
「話は変わるけど、ピゴくんはどうしているのかしら?」
「ピゴくんでしたら、それこそ、ブロッサという以前のあなた様にそっくりな容姿のピンクの髪にピンクの瞳の女の子と一緒にいますよ。魅了の魔法を無意識に使ってしまうようですが、まぁピゴくんがいるので問題はないでしょう。不思議な子ですよ。ピゴくんが黄金の蛇から小りすに変わった時に、あなたと同じようにピゴくんと呼んだそうですからね。ただ国王陛下が言うには純粋な女の子というだけではないようです。」
「そうなのね。でもきっと大丈夫よ。マリーちゃんみたいに素敵な子がそばにいるんですもの。マリーちゃんは本当に心が優しくて、最高に面白い子よ。ふふふ、きっとルーサも気に入るわ。だからブロッサちゃんも、マリーちゃんや、マリーちゃんの記憶の中で見た、ルドくんやシルバーくんそれからレッドくん、他にも沢山の素敵なお友達に囲まれて、きっといい方向に成長してくれるはずよ。ルーサも協力してあげてね。でも本当に良かったわ。ピゴくんが元気そうで。ピゴくんは、私と、ルアードと、ルアと一緒に過ごした家族だからね。ルーサ私ね、ラムルが小さくなったら一緒に魔の森で暮らそうかと思っているの。ルーサも一緒に住まない?あそこなら魔力があがるから、体が楽よ。千年もラムルと一緒にいたからかしら、なんだか愛着が湧いちゃって。」
「ラムルとですか?それはちょっと、ネクスを殺したかもしれない魔獣とは暮らしたくありません。」
「えっ何を言っているの?ネクスは生きているわよ。あっ!ごめんなさい。これは、内緒だったんだけど。もう千年経つから話せるわね。私ね、どうしてもルーサとネクスと離れるのが淋しくて、人間にならずに、魔人(魔族)のままでいて欲しいって頼んだの。それで、ネクスも賛成してくれて、千年後も変わらずに二人が想い合っていて、ネクスが料理を作り続けていたら霧の谷から出て魔女と魔人のままでいられる魔法をかけたの。だから、もうすぐ、ルーサにも見えるようになるわ。」
「ひどい!私が今まで二人がいなくなってどれだけ淋しい思いをしたと思っているのですか。」
「ごめんなさい。ネクスにその魔法をかけてから、ちょっとトラブルがあって、そのあとすぐに、ラムルが現れちゃったから本当にごめんなさい。」
「そうですね。ブローサ様は悪くないです。どうせ、その魔法は私が知ってしまってはいけないものだったのでしょうし、ブローサ様がそういう所が抜けているのはみんな知っていることですから、勝手に決めたネクスが悪いです。いいでしょう。小さくなったラムルを見張る役も必要でしょうから私がブローサ様と一緒にラムルと住みましょう。」
「ルーサったら、口ではこんなこと言っているけど、嬉しそうね。やっぱり、ネクスのことが好きなのね…。」
「ブローサ様、何か言いましたか?」
「いいえ、何でもないわ。どちらにしてもいまの私には残念ながらできることは何もないわ。マリーちゃんに転移の能力を渡すのが精一杯よ。ルーサと話せてよかったわ。少し眠りにつくけど、ラムルが小さくなったら起こしてちょうだいね。ブレスレットの中で待っているわ。」
ブローサ様の魔力がこんなに小さくなって、本当に寝てしまわれたのか…。千年ぶりに声が聞けただけでも、良しとしないといけないね。さてと、ブローサ様の為にもラムルには小さくなってもらわないといけないけど、まずはこの計画の鍵でもあるブロッサをこの目で見てみようかね。ブローサ様と魔の森で静かに暮らすためにも私にできることはやらせてもらうよ。その後はせっかく王都まで来たのだから、やっぱり美味しい物でも食べて、ブローサ様が目覚められた時に一緒に行けるようにしないとね。千年生きていてもこういう時じゃないと食べれやしないんだから悲しいね。ネクスのことなんていま更、知らないよ…。
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