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55.攻略者対象者side【ルドside】
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【ルドside】~本当に世話の焼ける奴~
アンナがレッドを庇って噛みつき草に噛まれたとアン先生に聞いた。俺は慌てて薬物教室に駆け付けた。俺に出来ることがあるかは分からないが、ブロッサ嬢はタイミング悪く他の生徒の治療中で手が離せない。それになぜかとても嫌な予感がする。慌てて行ってみると、すでにぎざぎざの歯はアンナの手から取れて傷も治っていた。そしてレッドがアンナを抱きしめている。どういうことだ?
俺は一瞬意味が分からなかったが、次の瞬間、シルバーが真っ青な顔でマリーに薬を無理やり飲ませているのを見て理解した。そういうことか、マリーの魔力が止まりそうだ。無理しやがって…。俺は慌ててマリーに駆け寄った。マリーはシルバーの飲ませた薬でなんとか命を取り留めてくれた。シルバーが泣きそうな声で話しかけている。マリーも返事をしている。何とか大丈夫そうだな。そう思って魔力の流れを詳しく診るためにマリーに声を掛けながら魔力を流し手を握った。すると、マリーの手首に金色のブレスレットが現れ、マリーの瞳が水色から金色に変わった。どういうことだ?
次から次へとお前は…。マリーは薬だけでは限界だったようで、のんきにおやすみと言って寝てしまった。俺は一応王太子殿下だぞ。まぁ丁度いいか。皆に瞳の色のことがばれるのだけは避けたい。マリーが目覚める前に王宮に向かおう。シルバーとレッドにも詳しく状況を聞かないとな。ああ見えて、レッドも意外と優秀だからな。色々と気づいちまっただろうし、信頼できる奴だからな。それにしても仲間を助けることができてほっとしたのか寝ながらもマリーは微笑んでいた。俺は馬車の中で思わず、
「ほんとに世話の焼ける奴だな。こんなに世話を焼いているんだ、そろそろ友達枠から兄さん枠くらいにしてくれよ。」
と、呟くと、シルバーが驚いた顔をしていた。心の中では恋人枠でもいいぞなんて本当は思っていたが、父上から自分の身も魔法で守れないような令嬢は残念だが王妃としては認められないなと言われてしまった。たしかに王妃は常に危険にさらされる。俺がずっとそばにいることもできない。悔しいけど父上のいう通りだ。ならせめて、学生の間だけでもため口の聞ける仲でいたい。幸い俺の中でも恋心というよりは兄弟愛に近いしな。
散々俺たちを心配させておいて、マリーは目を覚ますと、金色の瞳なんてカッコいいとか、突然左手についたブレスレットも素敵とか、急に転移できるようになったことも、すごく魔法のできる人みたいで素敵ね?とか、すんなりすべてを受け入れていた。どんだけ男前なんだ。ちょっとからかって二人で転移したら照れるかと思ったのに、照れるどころか、にこにこしながら簡単に出来ちゃったね、なんて言いやがって…。すごく可愛かったな。
それにしても、夢で拾ったブレスレットが実際に手首にあるとか、意味不明だろうが。どうしてマリーは不安にならないんだ?マリーの手首にブレスレットが現れたのは明らかに俺が魔力を流しながら手を握った時だった。それからしばらくして、ブレスレットから人の気配を感じて、マリーには言えなかったが少し怖かった。誰かに監視されているような…。いや、見守られているような感じがした。マリーが鈍感なのか、いや、シルバーたちも気付いていないようだったから、王家の者にしか分からないものなのか?
それにしても、マリーといると次から次へと不思議な場面に出くわすな。本当に目が離せない奴だ。それなのにマリーは、のんきな顔してルドと私の瞳の色がお揃いになったね、なんてはしゃぎやがって。
知らないんだな。瞳の色が金色なのは王家を継承する者だけなんだぞ。もっと言うと、今は父上と俺しかいないんだぞ。気づいた時に面白そうだから黙っておくか。それでもマリーのことだ、初めはびっくりするだろうが、ラッキーとかなんとか言って、結局簡単に受け入れそうだな。マリーはたぶん、これからも危険な場面に遭遇するんだろうな。そして何度でも仲間を助けるためなら自分の命を懸けてしまうんだろう。それならせめて、俺の婚約者の間くらいは、俺にお前を守らせてくれ。お前は絶対にそんなこと望まないんだろうけど、俺がしたいんだ。それくらいは許して欲しい。
アンナがレッドを庇って噛みつき草に噛まれたとアン先生に聞いた。俺は慌てて薬物教室に駆け付けた。俺に出来ることがあるかは分からないが、ブロッサ嬢はタイミング悪く他の生徒の治療中で手が離せない。それになぜかとても嫌な予感がする。慌てて行ってみると、すでにぎざぎざの歯はアンナの手から取れて傷も治っていた。そしてレッドがアンナを抱きしめている。どういうことだ?
俺は一瞬意味が分からなかったが、次の瞬間、シルバーが真っ青な顔でマリーに薬を無理やり飲ませているのを見て理解した。そういうことか、マリーの魔力が止まりそうだ。無理しやがって…。俺は慌ててマリーに駆け寄った。マリーはシルバーの飲ませた薬でなんとか命を取り留めてくれた。シルバーが泣きそうな声で話しかけている。マリーも返事をしている。何とか大丈夫そうだな。そう思って魔力の流れを詳しく診るためにマリーに声を掛けながら魔力を流し手を握った。すると、マリーの手首に金色のブレスレットが現れ、マリーの瞳が水色から金色に変わった。どういうことだ?
次から次へとお前は…。マリーは薬だけでは限界だったようで、のんきにおやすみと言って寝てしまった。俺は一応王太子殿下だぞ。まぁ丁度いいか。皆に瞳の色のことがばれるのだけは避けたい。マリーが目覚める前に王宮に向かおう。シルバーとレッドにも詳しく状況を聞かないとな。ああ見えて、レッドも意外と優秀だからな。色々と気づいちまっただろうし、信頼できる奴だからな。それにしても仲間を助けることができてほっとしたのか寝ながらもマリーは微笑んでいた。俺は馬車の中で思わず、
「ほんとに世話の焼ける奴だな。こんなに世話を焼いているんだ、そろそろ友達枠から兄さん枠くらいにしてくれよ。」
と、呟くと、シルバーが驚いた顔をしていた。心の中では恋人枠でもいいぞなんて本当は思っていたが、父上から自分の身も魔法で守れないような令嬢は残念だが王妃としては認められないなと言われてしまった。たしかに王妃は常に危険にさらされる。俺がずっとそばにいることもできない。悔しいけど父上のいう通りだ。ならせめて、学生の間だけでもため口の聞ける仲でいたい。幸い俺の中でも恋心というよりは兄弟愛に近いしな。
散々俺たちを心配させておいて、マリーは目を覚ますと、金色の瞳なんてカッコいいとか、突然左手についたブレスレットも素敵とか、急に転移できるようになったことも、すごく魔法のできる人みたいで素敵ね?とか、すんなりすべてを受け入れていた。どんだけ男前なんだ。ちょっとからかって二人で転移したら照れるかと思ったのに、照れるどころか、にこにこしながら簡単に出来ちゃったね、なんて言いやがって…。すごく可愛かったな。
それにしても、夢で拾ったブレスレットが実際に手首にあるとか、意味不明だろうが。どうしてマリーは不安にならないんだ?マリーの手首にブレスレットが現れたのは明らかに俺が魔力を流しながら手を握った時だった。それからしばらくして、ブレスレットから人の気配を感じて、マリーには言えなかったが少し怖かった。誰かに監視されているような…。いや、見守られているような感じがした。マリーが鈍感なのか、いや、シルバーたちも気付いていないようだったから、王家の者にしか分からないものなのか?
それにしても、マリーといると次から次へと不思議な場面に出くわすな。本当に目が離せない奴だ。それなのにマリーは、のんきな顔してルドと私の瞳の色がお揃いになったね、なんてはしゃぎやがって。
知らないんだな。瞳の色が金色なのは王家を継承する者だけなんだぞ。もっと言うと、今は父上と俺しかいないんだぞ。気づいた時に面白そうだから黙っておくか。それでもマリーのことだ、初めはびっくりするだろうが、ラッキーとかなんとか言って、結局簡単に受け入れそうだな。マリーはたぶん、これからも危険な場面に遭遇するんだろうな。そして何度でも仲間を助けるためなら自分の命を懸けてしまうんだろう。それならせめて、俺の婚約者の間くらいは、俺にお前を守らせてくれ。お前は絶対にそんなこと望まないんだろうけど、俺がしたいんだ。それくらいは許して欲しい。
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