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52.夢の中?金色のブレスレットを拾いました
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ここはどこかしら?真っ白な何もない空間。よく見ると少し遠くに私にそっくりな女の子がいる。
「私ここに来たことがあるわ。」
あの子はゲームの中のマリーね。教えてあげたいわ。お兄様はあなたのおかげで助かったのよって。えっ!こっちを振り向いた?目が合った気がする。私のことが見えるの?ゲームの中のマリーの口が動いた。
「あ・り・が・と・う・マリー」
可愛らしい微笑みを浮かべてこちらを見ている。私のこと、ちゃんと見ていてくれたのね…。私もゲームの中のマリーに向かってお礼を言った。
「あなたのおかげで、お兄様を助けることができたわ。ありがとう。」
ゲームの中のマリーは優しく優しく微笑んで、きらきらと輝き出した。後ろに誰かいるわ?誰か迎えに来たの?
えっ、ふわふわのピンクの髪?ゲームの中のブロッサなの?眩しすぎてはっきり見えなかったけど、声だけは、はっきり聞こえたわ。
「また会いましょう。マリーちゃん。」
「えっ、あなたは誰ですか?」
返事は無く、二人が立っていたところには金色のブレスレットが落ちていた。そう言えば、ブロッサの目が金色に光っていたような、ブロッサじゃないのかしら?少し大人びていた気がするし、眩しかったから見間違えたのかしら?マリーとブロッサが仲良しというのもおかしな気がするし…。
金色のブレスレットを拾い上げると急に胸の辺りが燃えるように熱くなり、さっきまで止まりかけていた鼓動が動き出したのが自分でも分かった。すると急に辺りがうるさくなって、
「マリー、死なないで、目を開けて。」
シルバーの必死な声が聞こえてきた。私助かったんだわ。
「シルバー心配かけてごめんなさい。」
シルバーが泣きそうな顔で私を見ている。
「謝るのは僕だよ。僕が無理をさせてしまったんだ。」
「そんなことないわ。」
「マリーごめんね。私のせいで。」
アンナの目が真っ赤だわ。かなり泣いちゃったのね。本当に心配かけてごめんなさいね。
「アンナ、心配しないで悪いのはレッドでしょ。」
冗談で言ったつもりだったけど、よく見たらレッドの右頬が真っ赤だわ。
「レッド、ほっぺたどうしたの?」
「アンナに叩かれた。」
「かみつき草より痛そうね。」
思わずほっとしてそんなことを言いうと、クラスのみんなが笑ってくれた。良かった、ほんとにみんなが笑顔になってくれたわ。でも流石に疲れたわね。
「マリーあのな…。」
「レッド、どうかした?私疲れてるんだけど。」
「そうだよな。でも俺、間違ってないと思うのに叩かれたんだよな。」
「どういう事。」
「俺、アンナのことが好きみたいなんだ。アンナも俺のことを好きなんじゃないかって思ったんだけど…。」
「はぁー、当たり前でしょ。レッドの代わりに噛みつき草に噛まれてくれる人なんて、アンナ以外、一生現れてくれないわよ。」
「そうだよな。でも、叩かれたんだ。」
「一応聞いてあげる。私がレッドのせいで、死にそうになっている時に、アンナのことが好きって気づいたレッドはアンナに何て言ったの?」
「俺のこと好きだろって言った。」
「お馬鹿、そこは俺はアンナのことが好きだ、だけでいいのよ。」
「そうか、ごめん。アンナ、俺お前のことがめちゃくちゃ好きだ。」
ばちーん!あれ?違ったのかな?すごい音がしたけど…。レッドまた叩かれちゃったみたいね。まぁーいいわよね、もう限界よ。すごーく疲れたもの。
「マリー、フルーツジュースだよ少し飲む?」
「シルバーありがとう。」
たしかに、甘いものが欲しい感じはしていたのよね。
寝ちゃうと忘れちゃうかな。さっきの不思議な話どっかにメモっときたいのに疲れすぎて体が動かないわね。仕方ないから、シルバーに言っておこう。
「シルバー不思議な夢を見たの。忘れそうだから覚えておいてくれる?」
「もちろん。」
私はブロッサらしき女の子の話だけすることにした。
「真っ白な空間に、ピンクのふわふわの髪の女の子が現れて、眩しすぎて顔はよく見えなくて、でも、目が金色に見えたの。その子にまた会いましょうって言われたの。すぐにその子は消えちゃって、金色のブレスレットがそこに落ちていて、拾ったら、急に胸が熱くなって目が覚めたの。」
「不思議な夢だね。何か意味がありそうだね。ちゃんと僕が覚えているから安心して。」
「シルバーありがとう。私、すごく眠くって寝てもいい?」
「ああ、もちろんだよ。」
その時、突然手首を掴まれた。
「マリー大丈夫か?」
「ルド?」
「ああ、俺だ。」
あれ、何か手首がきらきらしてる?
「ごめんね、ルド、私眠くて、もう限界なの。おやすみなさい…。」
「えっ、おやすみ?」
ルドが、私の顔を覗き込んでびっくりした顔をした気がしたけど、気のせいよね。そこから慌ててばたばたと、どこかへ連れて行かれた気はしたけど。医務室かな。
「私ここに来たことがあるわ。」
あの子はゲームの中のマリーね。教えてあげたいわ。お兄様はあなたのおかげで助かったのよって。えっ!こっちを振り向いた?目が合った気がする。私のことが見えるの?ゲームの中のマリーの口が動いた。
「あ・り・が・と・う・マリー」
可愛らしい微笑みを浮かべてこちらを見ている。私のこと、ちゃんと見ていてくれたのね…。私もゲームの中のマリーに向かってお礼を言った。
「あなたのおかげで、お兄様を助けることができたわ。ありがとう。」
ゲームの中のマリーは優しく優しく微笑んで、きらきらと輝き出した。後ろに誰かいるわ?誰か迎えに来たの?
えっ、ふわふわのピンクの髪?ゲームの中のブロッサなの?眩しすぎてはっきり見えなかったけど、声だけは、はっきり聞こえたわ。
「また会いましょう。マリーちゃん。」
「えっ、あなたは誰ですか?」
返事は無く、二人が立っていたところには金色のブレスレットが落ちていた。そう言えば、ブロッサの目が金色に光っていたような、ブロッサじゃないのかしら?少し大人びていた気がするし、眩しかったから見間違えたのかしら?マリーとブロッサが仲良しというのもおかしな気がするし…。
金色のブレスレットを拾い上げると急に胸の辺りが燃えるように熱くなり、さっきまで止まりかけていた鼓動が動き出したのが自分でも分かった。すると急に辺りがうるさくなって、
「マリー、死なないで、目を開けて。」
シルバーの必死な声が聞こえてきた。私助かったんだわ。
「シルバー心配かけてごめんなさい。」
シルバーが泣きそうな顔で私を見ている。
「謝るのは僕だよ。僕が無理をさせてしまったんだ。」
「そんなことないわ。」
「マリーごめんね。私のせいで。」
アンナの目が真っ赤だわ。かなり泣いちゃったのね。本当に心配かけてごめんなさいね。
「アンナ、心配しないで悪いのはレッドでしょ。」
冗談で言ったつもりだったけど、よく見たらレッドの右頬が真っ赤だわ。
「レッド、ほっぺたどうしたの?」
「アンナに叩かれた。」
「かみつき草より痛そうね。」
思わずほっとしてそんなことを言いうと、クラスのみんなが笑ってくれた。良かった、ほんとにみんなが笑顔になってくれたわ。でも流石に疲れたわね。
「マリーあのな…。」
「レッド、どうかした?私疲れてるんだけど。」
「そうだよな。でも俺、間違ってないと思うのに叩かれたんだよな。」
「どういう事。」
「俺、アンナのことが好きみたいなんだ。アンナも俺のことを好きなんじゃないかって思ったんだけど…。」
「はぁー、当たり前でしょ。レッドの代わりに噛みつき草に噛まれてくれる人なんて、アンナ以外、一生現れてくれないわよ。」
「そうだよな。でも、叩かれたんだ。」
「一応聞いてあげる。私がレッドのせいで、死にそうになっている時に、アンナのことが好きって気づいたレッドはアンナに何て言ったの?」
「俺のこと好きだろって言った。」
「お馬鹿、そこは俺はアンナのことが好きだ、だけでいいのよ。」
「そうか、ごめん。アンナ、俺お前のことがめちゃくちゃ好きだ。」
ばちーん!あれ?違ったのかな?すごい音がしたけど…。レッドまた叩かれちゃったみたいね。まぁーいいわよね、もう限界よ。すごーく疲れたもの。
「マリー、フルーツジュースだよ少し飲む?」
「シルバーありがとう。」
たしかに、甘いものが欲しい感じはしていたのよね。
寝ちゃうと忘れちゃうかな。さっきの不思議な話どっかにメモっときたいのに疲れすぎて体が動かないわね。仕方ないから、シルバーに言っておこう。
「シルバー不思議な夢を見たの。忘れそうだから覚えておいてくれる?」
「もちろん。」
私はブロッサらしき女の子の話だけすることにした。
「真っ白な空間に、ピンクのふわふわの髪の女の子が現れて、眩しすぎて顔はよく見えなくて、でも、目が金色に見えたの。その子にまた会いましょうって言われたの。すぐにその子は消えちゃって、金色のブレスレットがそこに落ちていて、拾ったら、急に胸が熱くなって目が覚めたの。」
「不思議な夢だね。何か意味がありそうだね。ちゃんと僕が覚えているから安心して。」
「シルバーありがとう。私、すごく眠くって寝てもいい?」
「ああ、もちろんだよ。」
その時、突然手首を掴まれた。
「マリー大丈夫か?」
「ルド?」
「ああ、俺だ。」
あれ、何か手首がきらきらしてる?
「ごめんね、ルド、私眠くて、もう限界なの。おやすみなさい…。」
「えっ、おやすみ?」
ルドが、私の顔を覗き込んでびっくりした顔をした気がしたけど、気のせいよね。そこから慌ててばたばたと、どこかへ連れて行かれた気はしたけど。医務室かな。
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