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48.次の日、突然、国王陛下に呼ばれました②

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それから、それぞれの役割が決まり、私は魔力をブレスレットに貯めるように言われた。今回は魔法省にいるダンさんという方が魔道具を作ってくれて一日十個のペースで魔力を貯めることになった。お父様も数日後には第一騎士団と合流して現状把握をし、具体的なルートを決めるらしい。危険そうならお父様も同行することになって、お父様と国王陛下はそのまま宰相様のいる執務室へ行ってしまった。

急に淋しくなってきちゃった…。お兄様にイルカの懐中時計渡したかったな。アーサーには、ほんの少しでいいからむぎゅってして欲しかったわ。そんなことを考えていたら涙がぽろぽろ出てきてしまった。
「マリー泣くなよ。すまないな。俺が結界を完璧に張れれば俺が行ったのに。」
「本当よ、ルド、もっと修行しなさいよね。」
思わず、八つ当たりをしてしまった。

「ごめんなさい。完全に八つ当たりだわ。」
「ふふふ、マリーはそれくらいでいいんじゃない。」
「シルバー…。」
「泣いているより、いいぞ。もっと怒ってくれ。」
「ルド…。」
「二人ともありがとう。」

「淋しいけど我慢するわ。第一騎士団の皆さんがついて行ってくれるならきっと魔獣のことは安心よね?馬車での移動はそんなに心配してないの。最初からその辺は想定してお兄様たちが馬車を改造していたのも知っているから。すごいのよ。馬車にキッチンやトイレまでついているんだから。」

「それはすごいね。」
「シルバーの揺れないのもすごかったけど、あの馬車はもう家ね…。」
そんな話をしていると、ルドが陛下の側近の方に呼ばれて出て行き、代わりにダンさんが入ってきた。
「ああ、シルバー殿も一緒でしたか、お初にお目にかかります。魔法省に努めておりますダンといいます。マリー嬢ですね。」

「はい、マリーです。よろしくお願いします。」
「マルク殿と同じ髪色に瞳、やはり、ご兄弟ですね。こちらが、例の魔道具になります。マルク殿のと比べると若干精度が落ちるかもしれませんがよろしくお願いします。」
「花柄までつけて下さったんですか?嬉しいです。でもご負担でしたら次からは柄はいいですからね。」
「安心してください。柄は転写式なのでアーサー殿のものと全く同じですよ。時間も全くかかりません。アーサー殿のオリジナル転写魔道具はマリー様専用と聞いております。」

「そうですか…。」
ありがとうアーサー、心に力が湧いてきたわ。私頑張るからね。
ダンさんが明日からの魔道具はブラックリリー公爵家に届けてくれると言ってくれたけど甘えていいのかしら…。シルバーもそうしてもらった方がいいと言ってくれたので結局甘えることにした。ダンさんは話し終わると本当に時間が無いようですぐに出て行ってしまった。私は私のやれることを全力で頑張らないとね。そんなことを考えていると、シルバーが、

「マリーちょっといいかな?」
「うん、何、シルバー。」
「こんな時に申し訳ないんだけど、父上と母上のことでちょっと相談に乗って欲しいんだけどいいかな?」
「私も気になっていたからいいわよ?」
「このままだと、父上は宰相としての仕事が出来そうもないんだ。ありがとう。」

「えっ!失敗だった?」
「違うよ。お陰様で、大成功だったよ。息子の僕が恥ずかしくなるくらい二人とも真っ赤になって、父上なんてもう一回結婚式を挙げるとか言い出して大変だったんだ。」
「それは何と言うか。でも良かったわね。」

「それで、父上がマリーと一度話したいって、助言をもらいたいって言いだして…。」
「はっ?」
「分かっているよ。マリーがそんな事できないことくらい。」
「えっ?」
何気に失礼なこと言ったわよね。お兄様を尊敬しているからって失礼なところまでマネしなくていいのよ。

「だけど、どうしても話をしたいってきかないんだ。それで今、隣の部屋にいるんだけど、会ってくれる?」
「えっ!それは執務室で今後の相談をしているんでしょう?」
「いや、絶対にできていないよ。見てくれれば分かると思うけど酷いことになっているんだ。あんな父上は初めて見たよ。」

それからシルバーに散々びっくりしないでねとか、本当にすまないとか言われて余計に怖いんですけど、
「もう分かったから早く連れてきてちょうだい。」
「ありがとう。」
「父上入ってきてください。父上、さぁ。」
「ああ、すまない。」

あら、こんなに弱々しい方だったかしら、たしかにこれはまずいわね。今戦争になったら、我が国が敗北間違いなしだわ。青白い顔どころじゃないわね。急激に痩せてしまっているじゃない。これは、何とかしないと、魔獣の前に国が滅びちゃいそうね。でも私、恋愛は超初心者なんですけど、シルバー相談する人私で大丈夫?間違ってない?

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