41 / 123
41.クライムside ~会議室にて男性陣の極秘の会話とは~
しおりを挟む
「今から最高レベルの結界を張る。王太子殿下、陛下と通信機で会話ができるようにして欲しい。」
「ええ、僕もそのつもりでした。蛇のことも、クライム殿が気付いてくださったプラスアルファーの気配の手がかりも欲しいですからね。シルバー準備してくれるかい。」
「ええ、もちろん、あとは簡単なセットをするだけですよ。」
「君たちは本当に優秀だね。」
「父上聞こえますか?」
「ああ、聞こえている、ルドどうした?」
「また映像用の魔道具を使用してください。あと結界も強めでお願いします。今回はかなり重要な話になると思いますので。」
「分かった。これでいいぞ。今回はクライムもいるのか、どうした?」
「どうしたじゃありません。とりあえず陛下、記憶の水晶を見てください…。」
「分かったからクライム、そんな怖い顔をするな。」
「娘が危険な目にあったら、怖い顔くらいじゃすまないですからね。」
それから、黄金の蛇にブロッサ嬢が作ったまぼろしの薬を飲ませて、元気になった蛇が、ブロッサ嬢のところに迷うことなく行き、小りすに変わり、ブロッサ嬢が連れて帰るまですべて見てもらった。それからブロッサ嬢が作ったまぼろしの薬に感じるプラスアルファーの気配についても説明した。
「私からは以上です。プラスアルファーの気配と、黄金の蛇について知っていること、関係があると思われること、すべて言いなさい。」
「クライム、私は一応陛下だぞ。」
「知っています。だから、聞いているのです。」
「そうではなくて。まぁよい。まずはプラスアルファーの気配とクライムが言っていることについてだが、昔隣国にあった古代魔法に魅了というものがある。これはとても危険で今は無くなったとされている。しかし、魔方陣も使わずに魅了の魔法を使える者がいるとは聞いたことがない。どんな魔法かというと、要は惚れ薬だ。口にするものに魔法をかけて食べさせるらしい。食べた者は術者のことが好きになるわけだ。」
「そんな恐ろしい魔法をブロッサ嬢は魔方陣も使わずにやってのけたのか。」
「次に蛇だが、こちらも同じ隣国から贈られたもので、魅了を防ぐための魔道具のようなものだ。実際には感情もあるので魔獣に近いのかもしれない。姿形は自由に変えられる。そしてもともとは予言の女神様のペットのような存在の魔道具であったようだが、偶然予言の女神様の血が一滴落ちたことで知恵や感情を持つようになり、魅了を感知できるようになったらしい。だから魔道具と言うよりは魔獣に近い存在になったわけだ。普段は魔力を餌にしているが魅了を感知すると動かなくなり、魅了の術者のところへ導いてくれる。もしも魅了が復活してしまった時の為に魔女が私に預けてくれたわけだが。そうか、黄金の蛇にその薬を飲ませたのか。ははは、それならもう心配いらないな。」
「どういう意味です?」
「魅了というのは相当強い魔法らしい。黄金の蛇がその者から離れることは一生ないであろう。そして本来なら私の指示のもと魅了の魔力を食らうはずだが、蛇自体が魅了にかかっているのなら、無意識に出す魅了を一滴も残すことなく食べてくれるはずだ。今は小りすであったな。私から学園でも常に共にいることを許可しておこう。近々チェリー男爵から話があるだろうからな。他にも何かあるか?」
「父上、はやり病は、あと数日で完全に終息できると思います。」
「そうか、素晴らしい成果だな。」
「はいこれも、クライム殿とマリー嬢のおかげです。」
「うむ、クライムありがとう。お前は流石だな。知っているとは思うがいつも頼りにしている。そしてシルバー、君もいつも息子を支えてくれてありがとう。」
どうして陛下はいつもそんな恥ずかしいセリフを面と向かって言えるのだ。恥ずかしくはないのか。子供の頃から変わらんな。
「頼りにされているのは知っている…。」
「クライム…。」
陛下、それ以上の言葉を私に期待するな。
「国王陛下、ありがとうございます。」
「シルバー、君はいい奴だな。それでは、数日後にまた会おう。」
そこで、通信機は切れた。
「さてと、我が娘にこの話をどこまで伝えるかだが。二人の意見を聞かせてもらえるだろうか?」
「僕は父上の話からとりあえず、ブロッサ嬢は危険ではないと判断しました。なので、マリー嬢には伝えない方が良いかと思っています。」
「僕もです。マリー嬢にはこれ以上精神的にも負担を掛けたくないので、たぶん、プラスアルファーの気配について聞いてくるとは思いますが、まだよく分からないことにするか、黄金の輝きが増す効果があるかもしれないと言えばマリー嬢なら納得してくれるでしょうから。」
「シルバーいくら何でも、それで納得してくれるか?」
「はい、マリー嬢は貴族令嬢と思えないくらい純粋で綺麗な心をお持ちですから。」
「そ、そうか…。それはそれで心配だが。とりあえず、伝えない方向でいこう。」
「あとは、マリーのまぼろしの薬を作るスピードだが、重症患者にはすでに飲ませてあるから、大丈夫だとは思うのだが。」
「はい、大丈夫です。材料がある分だけ、こちらで作っていただいて、足りなければ、あとは王都で十分かと。」
「よく分かった。こんな大変な仕事をまだ十五歳の我が娘がやっているのかと思うと親として変わってやれないのが情けないが、その分他のところでできるフォローはすべてやってやりたいと思う。」
「「もちろんです。」」
「ありがとう。では、結界を外す。」
いたずら好きで、お転婆で、勉強嫌いだったはずの娘が、こんなに急に成長するなんて。もう少しゆっくりと成長して欲しいものだな。
※読んでいただきありがとうございます。誤字脱字や、口調がおかしくなっている所が度々あるのに、おおらかな気持ちで読んでいただき、すごく嬉しいです!やっと三分の一くらい話が終わりました。あと三分のニも、よろしければお付き合いください。miyoko
「ええ、僕もそのつもりでした。蛇のことも、クライム殿が気付いてくださったプラスアルファーの気配の手がかりも欲しいですからね。シルバー準備してくれるかい。」
「ええ、もちろん、あとは簡単なセットをするだけですよ。」
「君たちは本当に優秀だね。」
「父上聞こえますか?」
「ああ、聞こえている、ルドどうした?」
「また映像用の魔道具を使用してください。あと結界も強めでお願いします。今回はかなり重要な話になると思いますので。」
「分かった。これでいいぞ。今回はクライムもいるのか、どうした?」
「どうしたじゃありません。とりあえず陛下、記憶の水晶を見てください…。」
「分かったからクライム、そんな怖い顔をするな。」
「娘が危険な目にあったら、怖い顔くらいじゃすまないですからね。」
それから、黄金の蛇にブロッサ嬢が作ったまぼろしの薬を飲ませて、元気になった蛇が、ブロッサ嬢のところに迷うことなく行き、小りすに変わり、ブロッサ嬢が連れて帰るまですべて見てもらった。それからブロッサ嬢が作ったまぼろしの薬に感じるプラスアルファーの気配についても説明した。
「私からは以上です。プラスアルファーの気配と、黄金の蛇について知っていること、関係があると思われること、すべて言いなさい。」
「クライム、私は一応陛下だぞ。」
「知っています。だから、聞いているのです。」
「そうではなくて。まぁよい。まずはプラスアルファーの気配とクライムが言っていることについてだが、昔隣国にあった古代魔法に魅了というものがある。これはとても危険で今は無くなったとされている。しかし、魔方陣も使わずに魅了の魔法を使える者がいるとは聞いたことがない。どんな魔法かというと、要は惚れ薬だ。口にするものに魔法をかけて食べさせるらしい。食べた者は術者のことが好きになるわけだ。」
「そんな恐ろしい魔法をブロッサ嬢は魔方陣も使わずにやってのけたのか。」
「次に蛇だが、こちらも同じ隣国から贈られたもので、魅了を防ぐための魔道具のようなものだ。実際には感情もあるので魔獣に近いのかもしれない。姿形は自由に変えられる。そしてもともとは予言の女神様のペットのような存在の魔道具であったようだが、偶然予言の女神様の血が一滴落ちたことで知恵や感情を持つようになり、魅了を感知できるようになったらしい。だから魔道具と言うよりは魔獣に近い存在になったわけだ。普段は魔力を餌にしているが魅了を感知すると動かなくなり、魅了の術者のところへ導いてくれる。もしも魅了が復活してしまった時の為に魔女が私に預けてくれたわけだが。そうか、黄金の蛇にその薬を飲ませたのか。ははは、それならもう心配いらないな。」
「どういう意味です?」
「魅了というのは相当強い魔法らしい。黄金の蛇がその者から離れることは一生ないであろう。そして本来なら私の指示のもと魅了の魔力を食らうはずだが、蛇自体が魅了にかかっているのなら、無意識に出す魅了を一滴も残すことなく食べてくれるはずだ。今は小りすであったな。私から学園でも常に共にいることを許可しておこう。近々チェリー男爵から話があるだろうからな。他にも何かあるか?」
「父上、はやり病は、あと数日で完全に終息できると思います。」
「そうか、素晴らしい成果だな。」
「はいこれも、クライム殿とマリー嬢のおかげです。」
「うむ、クライムありがとう。お前は流石だな。知っているとは思うがいつも頼りにしている。そしてシルバー、君もいつも息子を支えてくれてありがとう。」
どうして陛下はいつもそんな恥ずかしいセリフを面と向かって言えるのだ。恥ずかしくはないのか。子供の頃から変わらんな。
「頼りにされているのは知っている…。」
「クライム…。」
陛下、それ以上の言葉を私に期待するな。
「国王陛下、ありがとうございます。」
「シルバー、君はいい奴だな。それでは、数日後にまた会おう。」
そこで、通信機は切れた。
「さてと、我が娘にこの話をどこまで伝えるかだが。二人の意見を聞かせてもらえるだろうか?」
「僕は父上の話からとりあえず、ブロッサ嬢は危険ではないと判断しました。なので、マリー嬢には伝えない方が良いかと思っています。」
「僕もです。マリー嬢にはこれ以上精神的にも負担を掛けたくないので、たぶん、プラスアルファーの気配について聞いてくるとは思いますが、まだよく分からないことにするか、黄金の輝きが増す効果があるかもしれないと言えばマリー嬢なら納得してくれるでしょうから。」
「シルバーいくら何でも、それで納得してくれるか?」
「はい、マリー嬢は貴族令嬢と思えないくらい純粋で綺麗な心をお持ちですから。」
「そ、そうか…。それはそれで心配だが。とりあえず、伝えない方向でいこう。」
「あとは、マリーのまぼろしの薬を作るスピードだが、重症患者にはすでに飲ませてあるから、大丈夫だとは思うのだが。」
「はい、大丈夫です。材料がある分だけ、こちらで作っていただいて、足りなければ、あとは王都で十分かと。」
「よく分かった。こんな大変な仕事をまだ十五歳の我が娘がやっているのかと思うと親として変わってやれないのが情けないが、その分他のところでできるフォローはすべてやってやりたいと思う。」
「「もちろんです。」」
「ありがとう。では、結界を外す。」
いたずら好きで、お転婆で、勉強嫌いだったはずの娘が、こんなに急に成長するなんて。もう少しゆっくりと成長して欲しいものだな。
※読んでいただきありがとうございます。誤字脱字や、口調がおかしくなっている所が度々あるのに、おおらかな気持ちで読んでいただき、すごく嬉しいです!やっと三分の一くらい話が終わりました。あと三分のニも、よろしければお付き合いください。miyoko
1
お気に入りに追加
128
あなたにおすすめの小説
人質姫と忘れんぼ王子
雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。
やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。
お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。
初めて投稿します。
書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。
初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
小説家になろう様にも掲載しております。
読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。
新○文庫風に作ったそうです。
気に入っています(╹◡╹)
【完結】断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
古堂 素央
恋愛
【完結】
「なんでわたしを突き落とさないのよ」
学園の廊下で、見知らぬ女生徒に声をかけられた公爵令嬢ハナコ。
階段から転げ落ちたことをきっかけに、ハナコは自分が乙女ゲームの世界に生まれ変わったことを知る。しかもハナコは悪役令嬢のポジションで。
しかしなぜかヒロインそっちのけでぐいぐいハナコに迫ってくる攻略対象の王子。その上、王子は前世でハナコがこっぴどく振った瓶底眼鏡の山田そっくりで。
ギロチンエンドか瓶底眼鏡とゴールインするか。選択を迫られる中、他の攻略対象の好感度まで上がっていって!?
悪役令嬢? 断罪ざまぁ? いいえ、冴えない王子と結ばれるくらいなら、ノシつけてヒロインに押しつけます!
黒ヒロインの陰謀を交わしつつ、無事ハナコは王子の魔の手から逃げ切ることはできるのか!?
王太子殿下は小説みたいな恋がしたい
紅花うさぎ
恋愛
私、松本アリスは普通の高校生。趣味は読書で、特に恋愛小説が大好き。ある日高校の図書室で気になる本を手にとったら、その本の世界に入り込んでしまったみたい。
自称本の神様(見習い)によると、元の世界に戻るためには、この国の王太子であるウィルバートを決められた相手と結婚させなきゃいけないんだけど……
恋愛小説好きだったウィルバートは、何故か私を気に入ったみたいでプロポーズまでされちゃった!!
まぁ元の世界には私の居場所なんてなかったし、特に戻りたいわけじゃないんだけど……一生この世界で生きていく覚悟なんか持てそうもない。
それなのにウィルバートが素敵すぎて、言い寄られたら拒絶なんて絶対できなくて。ついつい流されて仮の恋人生活をスタートさせることになっちゃった。
あーん、私は一体どうしたらいいんだろう?
異世界を程よく満喫して元の世界に戻れればいいなと思っている女子高生と、恋愛小説を参考に彼女の心を掴もうとする王太子の恋物語です。
☆「小説家になろう」にも投稿しています。
88回の前世で婚約破棄され続けて男性不信になった令嬢〜今世は絶対に婚約しないと誓ったが、なぜか周囲から溺愛されてしまう
冬月光輝
恋愛
ハウルメルク公爵家の令嬢、クリスティーナには88回分の人生の記憶がある。
前世の88回は全てが男に婚約破棄され、近しい人間に婚約者を掠め取られ、悲惨な最期を遂げていた。
彼女は88回の人生は全て自分磨きに費やしていた。美容から、勉学に運動、果てには剣術や魔術までを最高レベルにまで極めたりした。
それは全て無駄に終わり、クリスは悟った。
“男は必ず裏切る”それなら、いっそ絶対に婚約しないほうが幸せだと。
89回目の人生を婚約しないように努力した彼女は、前世の88回分の経験値が覚醒し、無駄にハイスペックになっていたおかげで、今更モテ期が到来して、周囲から溺愛されるのであった。しかし、男に懲りたクリスはただひたすら迷惑な顔をしていた。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
闇黒の悪役令嬢は溺愛される
葵川真衣
恋愛
公爵令嬢リアは十歳のときに、転生していることを知る。
今は二度目の人生だ。
十六歳の舞踏会、皇太子ジークハルトから、婚約破棄を突き付けられる。
記憶を得たリアは前世同様、世界を旅する決意をする。
前世の仲間と、冒険の日々を送ろう!
婚約破棄された後、すぐ帝都を出られるように、リアは旅の支度をし、舞踏会に向かった。
だが、その夜、前世と異なる出来事が起きて──!?
悪役令嬢、溺愛物語。
☆本編完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる