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39.黄金の蛇様とブロッサ嬢
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やっぱり…。お父様がとんでもないことを言い出した。
「もちろん、黄金の蛇様を助けるんだよ。ブロッサの作ったまぼろしの薬でね。」
「「・・・」」
結界を張ってまでルドと話していたのは、蛇様を実験台にする話だったのね。これは、下手をすると、戦争になりかねない案件じゃない!
そんな恐ろしい話は、にやって笑って、話してはいけません。これは、そんなレベルの話ではありませんよ。大体その楽しそうな表情がもうだめです。常識というものがこの二人にはないのでしょうか。縋るような気持ちでシルバーを見ると、左右に首を振りながら、
「ごめんね。」
って謝られた。そうよね。この二人を止められる人なんているのかしら。こちらの心配をよそに、あの二人は楽しそうにためらうこともなくティースプーン一杯分の薬を蛇様に飲ませた。その途端、蛇様がただでさえ金ぴかなのに、更に輝きだして、目を開けた。眩しすぎよ。あら、瞳の色はピンクだったのね。ちょっとかわいいかも。それにしても元気になってくれてよかったわ。
これで戦争は回避されたわね。私は廊下で心配して待っているだろう先程のお世話係の人たちに教えてあげようと扉を開けた。その途端、するすると蛇様が出て行ってしまった。結構早いわね。なんて思っていたら、係りの人の嬉しそうな声と慌てた声が聞こえてきた。
「黄金の蛇様、良かったです。あれ、蛇様、どちらへ、お待ちください。誰か、蛇様を捕まえてください。」
私が捕まえに行こうとすると、お父様が私を見て、
「捕まえたよ。」
って微笑んでくださった。
「ひっ!」
お父様が指さした方向を見ると、黄金の蛇様が魔法の透明なケースの中に入って宙に浮いていた。そしてこちらを睨んで、しゃーって、威嚇してきている。お父様、私に微笑んでいる場合ではありません。でも、係りの方にはお礼を言われたからとりあえず良かったのかしら?そこへ、チャングさんが来て、なんとチェリー男爵とヒロインが王太子殿下に挨拶に来たと教えてくれた。
たぶん男爵家の養女になることと、まだ患者さんが残っているからいつ頃ヒロインを連れて行っていいか、なんて感じの話よね。でも、ヒロインを連れてくるとは思わなかったわ。今度会ったら、ブロッサ嬢って呼ばないとね。そんなことを考えていると、ルドが、
「さぁ、みんなで行きましょうか。」
と、何やらまた楽しそうな顔をしている。チャングさんは蛇が苦手ということでいつの間にかどこかへ行ってしまわれ、ルドは蛇様のお世話係の人にもう少し様子をみるからと勝手に了承を得ていた。そして、お父様に目で合図した。嫌な予感しかしないわね。そう思いながらお父様の方を見ると、あろうことか蛇様を魔法のケースから出してしまった。もう知らないから…。
自由になった蛇様は迷うことなく応接室の前に来て、明らかに中に入りたがっている。もしかして、蛇様はブロッサの薬で治ったって分かっているのかしら。
「お父様。もしかして、蛇様はブロッサさんの作ったまぼろしの薬で治ったことが分かっているのでしょうか?こんな賢い蛇は初めて見ました。」
そう言うと、お父様が、
「娘の心が綺麗すぎて心配だ。どう見ても怪しいだろう。」
とかなんとかつぶやいていた。いえいえお父様。残念ながらあなたの娘は、自分でも知らないうちにカエルの心臓を凍らせるような悪役令嬢ですよ。言えませんけどね。
流石に蛇様は扉は開けられないようで、ノックをしてお父様が開けた。そこには可愛らしいドレスを着た、たぶんもう男爵令嬢になっている、ブロッサ嬢とチェリー男爵がいた。一瞬皇太子殿下を見てブロッサ嬢が微笑みかけたけど、蛇様が迷うことなくブロッサ嬢の膝の上にちょこんと乗ってしまったので、ブロッサ嬢はソファーに座ったまま気絶してしまった。
蛇様は何となく嬉しそうに見える。気絶しているブロッサ嬢の膝の上で丸まって大人しくなった。気絶しているブロッサ嬢を起こして、また気絶するのもかわいそうだからと、とりあえず、チェリー男爵の話を先に聞くことになった。なぜか、私やシルバー、お父様までいる状態だけど。チェリー男爵の話は想像通りで、ブロッサが男爵家の養女になったこと。救護院での奉仕活動に対する決め事。(実際にこちらはお金がらみでびっくりしちゃった)ルドはこの三日間の奉仕で十分感謝していると説明し、チェリー男爵が養女にされるなら、三日分の奉仕活動のお礼は男爵家に渡すと伝えたら大喜びだった。
蛇様の面倒もブロッサ嬢がみてくれるなら世話係に今まで渡していた報酬の二倍を男爵家に払うと説明すると了承していた。ブロッサ嬢に聞かなくていいのかしら。でもあんなに懐いちゃってるもの、仕方ないのかしら。
その後、今までのお世話係の方の話を聞いたところ、どうやら、黄金の蛇様は中身も普通の蛇ではなかったようで、食事は魔力。姿は変えられるらしい。これは救護院の方も千年も前の記録で半信半疑らしいけど、ここの救護院のマークが蛇だったため蛇になったらしい。瞳と体の色は何に変わってもそのままだとか。とにかく、初代お世話係の方の記録にはそう書いてあると言っていた。
「では、ブロッサ嬢が目を覚ます前に何か可愛らしいものに変化してもらわないと。」
そうルドが言った時、思い出したわ!そう言えば、ゲームの中でヒロインの右肩に小りすがいつも乗っていたわ。なんで忘れていたのかしら?ピンクの瞳に、ゴールドの毛並み。
「薬師様は何がいいと思われますか?こういうことは女性に聞いた方がいいと思いまして。」
まぁ、よくぞ聞いてくださいました、チェリー男爵。丁度今、思い出したばかりの正解を教えますわ。
「小りすなんてどうでしょうか?」
これが正解なのよ。そう思って蛇様を見つめると、人の言葉が分かるのか蛇様はむくっと頭をあげて、一瞬頷いたように見えた。次の瞬間、目を開けていられないくらいの光を放ち、可愛らしい小りすの姿に変わっていた。
「まぁーなんて可愛らしいのかしら?」
眩しさで目を覚ましたらしいブロッサ嬢は蛇様じゃなくて、りす様を見て微笑んでいる。危なかったわね。
小りすになったりす様は、やっぱり、黄金の毛並みにピンクの瞳だった。
「ブロッサ、お前が名前をつけて、お世話をしなさい。食事は魔力でいいそうだよ。」
チェリー男爵の言葉にブロッサ嬢は頷き、少し考えてから、
「ピゴくん」
わぁ~ゲームと同じ名前を言ったわ。やっぱりヒロインね。なんとなく嬉しくなっちゃった。
「もちろん、黄金の蛇様を助けるんだよ。ブロッサの作ったまぼろしの薬でね。」
「「・・・」」
結界を張ってまでルドと話していたのは、蛇様を実験台にする話だったのね。これは、下手をすると、戦争になりかねない案件じゃない!
そんな恐ろしい話は、にやって笑って、話してはいけません。これは、そんなレベルの話ではありませんよ。大体その楽しそうな表情がもうだめです。常識というものがこの二人にはないのでしょうか。縋るような気持ちでシルバーを見ると、左右に首を振りながら、
「ごめんね。」
って謝られた。そうよね。この二人を止められる人なんているのかしら。こちらの心配をよそに、あの二人は楽しそうにためらうこともなくティースプーン一杯分の薬を蛇様に飲ませた。その途端、蛇様がただでさえ金ぴかなのに、更に輝きだして、目を開けた。眩しすぎよ。あら、瞳の色はピンクだったのね。ちょっとかわいいかも。それにしても元気になってくれてよかったわ。
これで戦争は回避されたわね。私は廊下で心配して待っているだろう先程のお世話係の人たちに教えてあげようと扉を開けた。その途端、するすると蛇様が出て行ってしまった。結構早いわね。なんて思っていたら、係りの人の嬉しそうな声と慌てた声が聞こえてきた。
「黄金の蛇様、良かったです。あれ、蛇様、どちらへ、お待ちください。誰か、蛇様を捕まえてください。」
私が捕まえに行こうとすると、お父様が私を見て、
「捕まえたよ。」
って微笑んでくださった。
「ひっ!」
お父様が指さした方向を見ると、黄金の蛇様が魔法の透明なケースの中に入って宙に浮いていた。そしてこちらを睨んで、しゃーって、威嚇してきている。お父様、私に微笑んでいる場合ではありません。でも、係りの方にはお礼を言われたからとりあえず良かったのかしら?そこへ、チャングさんが来て、なんとチェリー男爵とヒロインが王太子殿下に挨拶に来たと教えてくれた。
たぶん男爵家の養女になることと、まだ患者さんが残っているからいつ頃ヒロインを連れて行っていいか、なんて感じの話よね。でも、ヒロインを連れてくるとは思わなかったわ。今度会ったら、ブロッサ嬢って呼ばないとね。そんなことを考えていると、ルドが、
「さぁ、みんなで行きましょうか。」
と、何やらまた楽しそうな顔をしている。チャングさんは蛇が苦手ということでいつの間にかどこかへ行ってしまわれ、ルドは蛇様のお世話係の人にもう少し様子をみるからと勝手に了承を得ていた。そして、お父様に目で合図した。嫌な予感しかしないわね。そう思いながらお父様の方を見ると、あろうことか蛇様を魔法のケースから出してしまった。もう知らないから…。
自由になった蛇様は迷うことなく応接室の前に来て、明らかに中に入りたがっている。もしかして、蛇様はブロッサの薬で治ったって分かっているのかしら。
「お父様。もしかして、蛇様はブロッサさんの作ったまぼろしの薬で治ったことが分かっているのでしょうか?こんな賢い蛇は初めて見ました。」
そう言うと、お父様が、
「娘の心が綺麗すぎて心配だ。どう見ても怪しいだろう。」
とかなんとかつぶやいていた。いえいえお父様。残念ながらあなたの娘は、自分でも知らないうちにカエルの心臓を凍らせるような悪役令嬢ですよ。言えませんけどね。
流石に蛇様は扉は開けられないようで、ノックをしてお父様が開けた。そこには可愛らしいドレスを着た、たぶんもう男爵令嬢になっている、ブロッサ嬢とチェリー男爵がいた。一瞬皇太子殿下を見てブロッサ嬢が微笑みかけたけど、蛇様が迷うことなくブロッサ嬢の膝の上にちょこんと乗ってしまったので、ブロッサ嬢はソファーに座ったまま気絶してしまった。
蛇様は何となく嬉しそうに見える。気絶しているブロッサ嬢の膝の上で丸まって大人しくなった。気絶しているブロッサ嬢を起こして、また気絶するのもかわいそうだからと、とりあえず、チェリー男爵の話を先に聞くことになった。なぜか、私やシルバー、お父様までいる状態だけど。チェリー男爵の話は想像通りで、ブロッサが男爵家の養女になったこと。救護院での奉仕活動に対する決め事。(実際にこちらはお金がらみでびっくりしちゃった)ルドはこの三日間の奉仕で十分感謝していると説明し、チェリー男爵が養女にされるなら、三日分の奉仕活動のお礼は男爵家に渡すと伝えたら大喜びだった。
蛇様の面倒もブロッサ嬢がみてくれるなら世話係に今まで渡していた報酬の二倍を男爵家に払うと説明すると了承していた。ブロッサ嬢に聞かなくていいのかしら。でもあんなに懐いちゃってるもの、仕方ないのかしら。
その後、今までのお世話係の方の話を聞いたところ、どうやら、黄金の蛇様は中身も普通の蛇ではなかったようで、食事は魔力。姿は変えられるらしい。これは救護院の方も千年も前の記録で半信半疑らしいけど、ここの救護院のマークが蛇だったため蛇になったらしい。瞳と体の色は何に変わってもそのままだとか。とにかく、初代お世話係の方の記録にはそう書いてあると言っていた。
「では、ブロッサ嬢が目を覚ます前に何か可愛らしいものに変化してもらわないと。」
そうルドが言った時、思い出したわ!そう言えば、ゲームの中でヒロインの右肩に小りすがいつも乗っていたわ。なんで忘れていたのかしら?ピンクの瞳に、ゴールドの毛並み。
「薬師様は何がいいと思われますか?こういうことは女性に聞いた方がいいと思いまして。」
まぁ、よくぞ聞いてくださいました、チェリー男爵。丁度今、思い出したばかりの正解を教えますわ。
「小りすなんてどうでしょうか?」
これが正解なのよ。そう思って蛇様を見つめると、人の言葉が分かるのか蛇様はむくっと頭をあげて、一瞬頷いたように見えた。次の瞬間、目を開けていられないくらいの光を放ち、可愛らしい小りすの姿に変わっていた。
「まぁーなんて可愛らしいのかしら?」
眩しさで目を覚ましたらしいブロッサ嬢は蛇様じゃなくて、りす様を見て微笑んでいる。危なかったわね。
小りすになったりす様は、やっぱり、黄金の毛並みにピンクの瞳だった。
「ブロッサ、お前が名前をつけて、お世話をしなさい。食事は魔力でいいそうだよ。」
チェリー男爵の言葉にブロッサ嬢は頷き、少し考えてから、
「ピゴくん」
わぁ~ゲームと同じ名前を言ったわ。やっぱりヒロインね。なんとなく嬉しくなっちゃった。
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