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28.ブラックリリー公爵家に帰ってきました
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ブラックリリー公爵家のエントランスホールでお父様が私を抱きしめて大号泣している。お母様は若干引き気味だけど、何故かお兄様とアーサーは順番待ち?先ずはお父様に確認しないとね。
「お父様心配してくださってありがとうございます。ところでお父様、私のことを、魔道具で監視していらっしゃいます?」
「うっ!!」
お父様、怪しすぎます。誤魔化したいのは分かりますが、天井をこれでもかと見上げる人初めて見ました。
「あなた、ちょっとこちらへ。」
あらまずいわね。お母様の右の眉がぴくぴくしているわ。お母様は知らなかったのね。仕方ありません、お父様は愛するお母様から優しく叱ってもらいましょう。
「マリー僕の天使。」
お兄様苦しいです。むぎゅーって、力が強すぎます。たかが一日、会わなかっただけですよ。
「心配でどうにかなるかと思ったよ。毎日見ていたマリーの寝顔が見れないんだもん。一人で寝てるみたいで淋しかったよ。」
えっ?!さらっと変態発言が飛び出しましたけど。
ちょっと待って、アーサーまで頷いているわ。これはみんなのいる場所で話す話ではないわね。ここは、エントランスホールですからね。
「ちょっと二人とも私の部屋に来てください。」
私はお兄様にどうやって私の寝顔を見ていたのか聞いてみた。聞いてすごく後悔したけど、本当にやめて欲しいわ。
「簡単なことだよ。うちのシャンデリアはぜーんぶ映像型の魔道具だから結界を張らないと全部見えるんだよ。」
「何ですって!」
「マリーは公爵家の令嬢なんだよ。いつ攫われてもおかしくないんだよ。今まで何回攫われかけたと思っているの。ほんとに、マリーは全然気が付いていないんだね。」
「えっ?そうなんですか?」
二人が大きく頷いている。なんだか話が物騒になってきたわね。
「この間なんて、マリーが窓を開けっぱなしにしてるから、入ってくださいって言ってるようなものだよ。侵入者の方が首を傾げて警戒しながら入ってきたよ。マリーは寝てたけどね。父上は仕事上嫌われ役もやっているから、理不尽に恨んでいる人は多いと思うよ。それに、父上がマリーのことを溺愛しているのは有名だからマリーを人質にすれば、お父様は何でも言うことを聞くとでも思っているんだろうね。」
そんな、全然知らなかった。
「もちろん、着替えの最中はサリーが魔道具をストップさせるから安心して。」
何かよく分からないけど、最低限のプライバシーは守られているのね。
「だけど、腹巻の中に魔道具はやめた方がいいと思うよ。僕、お腹壊さないかすごく心配したんだから。」
あーー!最低限のプライバシー守られていませんでした。
恥ずかしすぎる。誰か助けて。うそ、アーサー?何してるの?
突然アーサーが私に近づいてきて、ほんの少しズボンをめくって、私に見せてきた。えっ⁉こ、これは。
「もしかして、私と同じ腹巻?」
僕もつけているから恥ずかしくないって言いたいの?衝撃的すぎて、たしかに恥ずかしかった気持ちはどこかへ行ったけど、アーサーごめんね。腹巻は夜しかつけてないんだよ。ちゃんと教えないと。
「アーサーあのね。ピンクの…腹巻…お揃いだね…。」
じゃないでしょ!このままでは、私の好きなアーサーが世間から変態だと思われちゃうわよ。マリー頑張るのよ!
「アーサー、腹巻は夜寝る時の二人のお揃いにしようね。分かった?」
あら、ぼんって、真っ赤になっちゃたわ。可愛い。そうじゃなくて、もう一つ言わなきゃ。ピンクは無いわ。
「今度色違いの腹巻をプレゼントするからそっちを使ってね。」
まぁ、ゆでだこみたいに真っ赤になって頷いてくれているわ。
「もう、ずるいよマリー、僕のはないの?僕のは?」
もう困ったお兄様ね。今はそれどころではないでしょ。私の大事なアーサーが世間様に変態扱いされるかどうかの瀬戸際なのよ!
「お兄様には何か素敵な物をアーサーと考えて送りますわ。」
「本当に?ありがとうマリー。」
「それじゃあ、これ二人にあげる。」
「何ですか?この魔道具は?」
「通信機だよ。ほんのちょっとの風魔法で使えるよ。そしてなんと、国の裏側にいても繋がる高性能だよ。」
「お兄様すごいです。やっぱりお兄様は天才です。」
「うん、ありがとう。使い方は簡単だよ。そのハート形の魔道具を握りながら風魔法を流して、通信したい人の名前を呼ぶ。呼ばれた人はハート型の魔道具を握って返事をするだけ、簡単でしょ。」
「簡単ですね。」
「そうでしょ。マリーが使えなかったら意味がないものね。」
素直過ぎるのも問題ね。本当に失礼なんだから。
「これでみんな寂しくないよね。何処にいても話せるし、顔もみれるよ。ああ、そうそう。この魔道具ね、変装用魔道具をつけていても、ちゃんと、相手にはいつもの姿で見えるから安心して使って、家族用だからね。今回は父上も行くって言っていたから、お父様とお母様も持っているから家族全員持っているよ。」
こういう所は本当に気が利くし、この短時間で作っちゃうんだから、尊敬できるお兄様だわ。
「平民街に行くの、淋しいと思っていたんです。お兄様ありがとうございました。」
アーサーが急に私を抱きしめてきた。すごく寂しさが伝わってくる。
「お父様心配してくださってありがとうございます。ところでお父様、私のことを、魔道具で監視していらっしゃいます?」
「うっ!!」
お父様、怪しすぎます。誤魔化したいのは分かりますが、天井をこれでもかと見上げる人初めて見ました。
「あなた、ちょっとこちらへ。」
あらまずいわね。お母様の右の眉がぴくぴくしているわ。お母様は知らなかったのね。仕方ありません、お父様は愛するお母様から優しく叱ってもらいましょう。
「マリー僕の天使。」
お兄様苦しいです。むぎゅーって、力が強すぎます。たかが一日、会わなかっただけですよ。
「心配でどうにかなるかと思ったよ。毎日見ていたマリーの寝顔が見れないんだもん。一人で寝てるみたいで淋しかったよ。」
えっ?!さらっと変態発言が飛び出しましたけど。
ちょっと待って、アーサーまで頷いているわ。これはみんなのいる場所で話す話ではないわね。ここは、エントランスホールですからね。
「ちょっと二人とも私の部屋に来てください。」
私はお兄様にどうやって私の寝顔を見ていたのか聞いてみた。聞いてすごく後悔したけど、本当にやめて欲しいわ。
「簡単なことだよ。うちのシャンデリアはぜーんぶ映像型の魔道具だから結界を張らないと全部見えるんだよ。」
「何ですって!」
「マリーは公爵家の令嬢なんだよ。いつ攫われてもおかしくないんだよ。今まで何回攫われかけたと思っているの。ほんとに、マリーは全然気が付いていないんだね。」
「えっ?そうなんですか?」
二人が大きく頷いている。なんだか話が物騒になってきたわね。
「この間なんて、マリーが窓を開けっぱなしにしてるから、入ってくださいって言ってるようなものだよ。侵入者の方が首を傾げて警戒しながら入ってきたよ。マリーは寝てたけどね。父上は仕事上嫌われ役もやっているから、理不尽に恨んでいる人は多いと思うよ。それに、父上がマリーのことを溺愛しているのは有名だからマリーを人質にすれば、お父様は何でも言うことを聞くとでも思っているんだろうね。」
そんな、全然知らなかった。
「もちろん、着替えの最中はサリーが魔道具をストップさせるから安心して。」
何かよく分からないけど、最低限のプライバシーは守られているのね。
「だけど、腹巻の中に魔道具はやめた方がいいと思うよ。僕、お腹壊さないかすごく心配したんだから。」
あーー!最低限のプライバシー守られていませんでした。
恥ずかしすぎる。誰か助けて。うそ、アーサー?何してるの?
突然アーサーが私に近づいてきて、ほんの少しズボンをめくって、私に見せてきた。えっ⁉こ、これは。
「もしかして、私と同じ腹巻?」
僕もつけているから恥ずかしくないって言いたいの?衝撃的すぎて、たしかに恥ずかしかった気持ちはどこかへ行ったけど、アーサーごめんね。腹巻は夜しかつけてないんだよ。ちゃんと教えないと。
「アーサーあのね。ピンクの…腹巻…お揃いだね…。」
じゃないでしょ!このままでは、私の好きなアーサーが世間から変態だと思われちゃうわよ。マリー頑張るのよ!
「アーサー、腹巻は夜寝る時の二人のお揃いにしようね。分かった?」
あら、ぼんって、真っ赤になっちゃたわ。可愛い。そうじゃなくて、もう一つ言わなきゃ。ピンクは無いわ。
「今度色違いの腹巻をプレゼントするからそっちを使ってね。」
まぁ、ゆでだこみたいに真っ赤になって頷いてくれているわ。
「もう、ずるいよマリー、僕のはないの?僕のは?」
もう困ったお兄様ね。今はそれどころではないでしょ。私の大事なアーサーが世間様に変態扱いされるかどうかの瀬戸際なのよ!
「お兄様には何か素敵な物をアーサーと考えて送りますわ。」
「本当に?ありがとうマリー。」
「それじゃあ、これ二人にあげる。」
「何ですか?この魔道具は?」
「通信機だよ。ほんのちょっとの風魔法で使えるよ。そしてなんと、国の裏側にいても繋がる高性能だよ。」
「お兄様すごいです。やっぱりお兄様は天才です。」
「うん、ありがとう。使い方は簡単だよ。そのハート形の魔道具を握りながら風魔法を流して、通信したい人の名前を呼ぶ。呼ばれた人はハート型の魔道具を握って返事をするだけ、簡単でしょ。」
「簡単ですね。」
「そうでしょ。マリーが使えなかったら意味がないものね。」
素直過ぎるのも問題ね。本当に失礼なんだから。
「これでみんな寂しくないよね。何処にいても話せるし、顔もみれるよ。ああ、そうそう。この魔道具ね、変装用魔道具をつけていても、ちゃんと、相手にはいつもの姿で見えるから安心して使って、家族用だからね。今回は父上も行くって言っていたから、お父様とお母様も持っているから家族全員持っているよ。」
こういう所は本当に気が利くし、この短時間で作っちゃうんだから、尊敬できるお兄様だわ。
「平民街に行くの、淋しいと思っていたんです。お兄様ありがとうございました。」
アーサーが急に私を抱きしめてきた。すごく寂しさが伝わってくる。
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