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23.不思議な夢の話をシルバーと王太子殿下(ルド)にしました
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私が見た夢の話を、絵も交えて詳しく説明した。二人とも、ものすごく真剣に聞いてくれて、私が書いた瓶の絵や風景も食い入るように見てくれた。一通り話し終わると、シルバーが、
「それは僕の育てているカサブランカの花園の研究風景にそっくりだね。ガラス瓶も特注で頼んで今使っている物にそっくりだし、こんなことがあるなんてびっくりしたよ。」
シルバーの話にもびっくりしたけど、次に話してくれたルドの話には、もっとびっくりした。
「ああ、そうだね。僕もびっくりしてるよ。でもとりあえず、マリーが思ったより、元気そうで安心したよ。それでピンクに変わった液体の話だけど、これは、王家に昔から伝わるまぼろしの薬に似ているね。僕も子供の頃に一度だけ高熱を出して死にかけたことがあってね。その時にほんの一滴舌の上にしょっぱい海水のような液体を飲まされたんだ。そうしたら、信じられないけど次の日にはすっかり元気になっていたんだ。その液体が薄いピンク色をしていたよ。」
「そんなことがあったんですね…。」
魔力の強いルドが普通の風邪にかかるわけないし、その頃、はやり病なんて聞いたことないから、たぶん、毒か何かね…。そんなことを思っていると、
「そんなことがあって、しばらくしてから、父上に教えてもらったんだ。あとほんの少ししか残っていなかったから今もあるかはわからないけど、カサブランカ領にしか咲かないカサブランカの花びらを使って作るらしいよ。ただもう作れる人がいないとも父上は言っていたんだ。」
「そんなぁ…。まぼろしの薬…カサブランカの花びら…ピンク…しょっぱい…夢では私が魔法でちょろちょろ水を入れていた…。」
「大丈夫マリー?」
「ええ、アーサー大丈夫だよ。ちょっと、情報が多くて。シルバー、夢の情報で申し訳ないんだけど、私をその花園に連れて行ってもらえる?」
「もちろんだよ。こちらからお願いしたいくらいだよ。カサブランカ公爵領までは馬車で半日もあれば着くよ。すぐにでも出発しよう。明日は土曜日だし、丁度いいね。」
私はシルバーにお礼を言った。
「ありがとうシルバー。明日の朝には出発できるように準備するわ。それからアーサー、お兄様のことお願いね。」
「そうだね。今も苦しんでいる人たちがいるんだものね。マリー無理だけはしないでね。」
「うん、ありがとう。」
「それじゃあマリー明日迎えに来るよ。朝食は馬車の中で食べよう。少しでも時間が欲しいからね。学園を休む訳にはいかないから、二日しかないけど頑張ろうね。
「ええ、よろしくお願いします。ルドも貴重な情報をありがとう。」
「ああ、役に立てたならうれしいよ。でも、僕もついていくよ。僕しか実物を知らないからね…。どうしたんだい?マリー?」
「えっ?」
私は無意識のうちにみんなの気持ちが嬉しくて涙を流していたみたい。こんな夢の話でも馬鹿にせずに一生懸命聞いてくれて、心がすごく温かくなったわ。
「嬉しくて涙が出ちゃったみたい。」
少し恥ずかしかった。
だけどシルバーとルドが帰ってから、アーサーがおかしいの…。私はさっきからアーサーの膝の上に乗せられている。そして、今にも泣きそうな顔でアーサーが私をじっと見つめている。
「マリーいつの間にシルバーと王太子殿下と仲良くなったの。お互いに呼び捨てするくらい。」
そういうこと!たしかに説明してなっかたわね。
「シルバーはね、クラスが一緒でね、グループも一緒になったの。それでグループのみんなで友達になったの。それと、ルドも自意識過剰だったって謝ってくれて、友達になったの。」
説明したから分かってくれると思ったのに、更に不安そうな顔になってしまった。
「アーサー、そんな不安そうな顔しないで。」
「ごめんね。マリーが、僕以外の人を好きになったらどうしようって不安になっちゃって。」
「そんなこと、あるわけないじゃない。アーサーでもそんなこと言うと怒るわよ。私のアーサー愛を甘く見ないで。とーっても長いんだから。」
あれ、変なこと言っちゃったわね。どうしよう。嘘はついてないけど、恥ずかしい。
あら、アーサーが真っ赤になっちゃった。
「ありがとう……マリー。」
アーサーは嬉しそうに微笑んでくれたけど、私は、素直に言い過ぎちゃって恥ずかしくなって、
「ねぇアーサー、さっき言ったこと忘れてくれないかしら?嘘は言ってないけど、恥ずかしくって。」
「嫌だよ、マリーから僕への愛だよ。僕はマリーのことになると、すごく心が狭くなるし、自信がなくなるんだ。さっきなんて、マリーを取られるかもって思ったら、シルバーと王太子殿下のことを一瞬消しちゃいたくなったんだ。だから、僕が不安にならないように、これからも、恥ずかしがらずに言ってよ。」
消したくなったですって。まずいわね。私の大切なアーサーが犯罪者になっちゃうわ。でもそれくらい私のことが好きってことよね。嬉しいけど、犯罪者はだめ!これからは、アーサーが私の愛を疑わないくらい、恥ずかしいけど伝えていくわ!
「分かったから、犯罪者になっちゃだめよ。私が悲しむんだからね。これからうーんとアーサーに私のアーサー愛を伝えてあげるから、覚悟しておいてね。」
アーサーは真っ赤になって何度も頷いていた。これって、普通逆じゃないのかしら?男の人が女の人に愛をささやくみたいな。そんなことを考えていたらアーサーが、
「僕もマリーに沢山伝えるからね。マリーが僕の名前を呼んでくれるだけで、僕は幸せなんだ。心が、ぱっと明るくなって、元気が湧いてくるんだよ。マリーのその水色の髪も瞳も誰よりも美しいと思うし、微笑んだ顔は女神みたいに美しいし…。」
アーサーが恥ずかしすぎること言い出したわね。嬉しいを通り越して恥ずかしすぎて心臓がやばいのよ。顔に血が集まってる感じがするから真っ赤だろうけど、血管が切れたら大変よ。
「アーサー、もう十分よ。お互い少しずつ伝えましょう。」
「そうだね、明日からマリーは忙しいんだからゆっくり休まないといけなかったね。サリーに準備してくれるように言っておくよ。サリーもついていくだろうからね。」
「ええ、ありがとうアーサー。」
後悔しない為にも、私、頑張るからね。
「それは僕の育てているカサブランカの花園の研究風景にそっくりだね。ガラス瓶も特注で頼んで今使っている物にそっくりだし、こんなことがあるなんてびっくりしたよ。」
シルバーの話にもびっくりしたけど、次に話してくれたルドの話には、もっとびっくりした。
「ああ、そうだね。僕もびっくりしてるよ。でもとりあえず、マリーが思ったより、元気そうで安心したよ。それでピンクに変わった液体の話だけど、これは、王家に昔から伝わるまぼろしの薬に似ているね。僕も子供の頃に一度だけ高熱を出して死にかけたことがあってね。その時にほんの一滴舌の上にしょっぱい海水のような液体を飲まされたんだ。そうしたら、信じられないけど次の日にはすっかり元気になっていたんだ。その液体が薄いピンク色をしていたよ。」
「そんなことがあったんですね…。」
魔力の強いルドが普通の風邪にかかるわけないし、その頃、はやり病なんて聞いたことないから、たぶん、毒か何かね…。そんなことを思っていると、
「そんなことがあって、しばらくしてから、父上に教えてもらったんだ。あとほんの少ししか残っていなかったから今もあるかはわからないけど、カサブランカ領にしか咲かないカサブランカの花びらを使って作るらしいよ。ただもう作れる人がいないとも父上は言っていたんだ。」
「そんなぁ…。まぼろしの薬…カサブランカの花びら…ピンク…しょっぱい…夢では私が魔法でちょろちょろ水を入れていた…。」
「大丈夫マリー?」
「ええ、アーサー大丈夫だよ。ちょっと、情報が多くて。シルバー、夢の情報で申し訳ないんだけど、私をその花園に連れて行ってもらえる?」
「もちろんだよ。こちらからお願いしたいくらいだよ。カサブランカ公爵領までは馬車で半日もあれば着くよ。すぐにでも出発しよう。明日は土曜日だし、丁度いいね。」
私はシルバーにお礼を言った。
「ありがとうシルバー。明日の朝には出発できるように準備するわ。それからアーサー、お兄様のことお願いね。」
「そうだね。今も苦しんでいる人たちがいるんだものね。マリー無理だけはしないでね。」
「うん、ありがとう。」
「それじゃあマリー明日迎えに来るよ。朝食は馬車の中で食べよう。少しでも時間が欲しいからね。学園を休む訳にはいかないから、二日しかないけど頑張ろうね。
「ええ、よろしくお願いします。ルドも貴重な情報をありがとう。」
「ああ、役に立てたならうれしいよ。でも、僕もついていくよ。僕しか実物を知らないからね…。どうしたんだい?マリー?」
「えっ?」
私は無意識のうちにみんなの気持ちが嬉しくて涙を流していたみたい。こんな夢の話でも馬鹿にせずに一生懸命聞いてくれて、心がすごく温かくなったわ。
「嬉しくて涙が出ちゃったみたい。」
少し恥ずかしかった。
だけどシルバーとルドが帰ってから、アーサーがおかしいの…。私はさっきからアーサーの膝の上に乗せられている。そして、今にも泣きそうな顔でアーサーが私をじっと見つめている。
「マリーいつの間にシルバーと王太子殿下と仲良くなったの。お互いに呼び捨てするくらい。」
そういうこと!たしかに説明してなっかたわね。
「シルバーはね、クラスが一緒でね、グループも一緒になったの。それでグループのみんなで友達になったの。それと、ルドも自意識過剰だったって謝ってくれて、友達になったの。」
説明したから分かってくれると思ったのに、更に不安そうな顔になってしまった。
「アーサー、そんな不安そうな顔しないで。」
「ごめんね。マリーが、僕以外の人を好きになったらどうしようって不安になっちゃって。」
「そんなこと、あるわけないじゃない。アーサーでもそんなこと言うと怒るわよ。私のアーサー愛を甘く見ないで。とーっても長いんだから。」
あれ、変なこと言っちゃったわね。どうしよう。嘘はついてないけど、恥ずかしい。
あら、アーサーが真っ赤になっちゃった。
「ありがとう……マリー。」
アーサーは嬉しそうに微笑んでくれたけど、私は、素直に言い過ぎちゃって恥ずかしくなって、
「ねぇアーサー、さっき言ったこと忘れてくれないかしら?嘘は言ってないけど、恥ずかしくって。」
「嫌だよ、マリーから僕への愛だよ。僕はマリーのことになると、すごく心が狭くなるし、自信がなくなるんだ。さっきなんて、マリーを取られるかもって思ったら、シルバーと王太子殿下のことを一瞬消しちゃいたくなったんだ。だから、僕が不安にならないように、これからも、恥ずかしがらずに言ってよ。」
消したくなったですって。まずいわね。私の大切なアーサーが犯罪者になっちゃうわ。でもそれくらい私のことが好きってことよね。嬉しいけど、犯罪者はだめ!これからは、アーサーが私の愛を疑わないくらい、恥ずかしいけど伝えていくわ!
「分かったから、犯罪者になっちゃだめよ。私が悲しむんだからね。これからうーんとアーサーに私のアーサー愛を伝えてあげるから、覚悟しておいてね。」
アーサーは真っ赤になって何度も頷いていた。これって、普通逆じゃないのかしら?男の人が女の人に愛をささやくみたいな。そんなことを考えていたらアーサーが、
「僕もマリーに沢山伝えるからね。マリーが僕の名前を呼んでくれるだけで、僕は幸せなんだ。心が、ぱっと明るくなって、元気が湧いてくるんだよ。マリーのその水色の髪も瞳も誰よりも美しいと思うし、微笑んだ顔は女神みたいに美しいし…。」
アーサーが恥ずかしすぎること言い出したわね。嬉しいを通り越して恥ずかしすぎて心臓がやばいのよ。顔に血が集まってる感じがするから真っ赤だろうけど、血管が切れたら大変よ。
「アーサー、もう十分よ。お互い少しずつ伝えましょう。」
「そうだね、明日からマリーは忙しいんだからゆっくり休まないといけなかったね。サリーに準備してくれるように言っておくよ。サリーもついていくだろうからね。」
「ええ、ありがとうアーサー。」
後悔しない為にも、私、頑張るからね。
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