7 / 123
7.デビュタント(初めての夜会)です①
しおりを挟む
私は両手に花?状態でホールに続く階段を下りている。みんなこちらを見ているわ。こんなにも素敵な男性を二人も連れていますからね。本当なら幸せの絶頂?って、ところかもしれないけど、今はそれどころではないわね。馬車を降りる時のお兄様の発言で、私は怒り心頭なんですもの。意外とお兄様が危険人物かもしれないわね。お兄様に悪気がないのは分かるんだけど、そういうのは余計にやっかいなのよね。
冷静にならなくっちゃ。もしかしたら、私の聞き違いとか勘違いがあるのかも?そう思って確かめたら逆効果で…、やりすぎちゃったわ。
馬車を降りる時、お兄様はアーサーに、
「アーサー、今日もご令嬢たちのことよろしくね。僕が挨拶回りを担当するから、アーサーはご令嬢に微笑んでいてね。どうしても苦手なんだよね。あの香水の匂いも、ぐいぐい来る感じも、思い出しただけで鳥肌が立っちゃうよ。アーサーがご令嬢を惹き付けてくれてるおかげで、すごく安心できるよ。」
許すまじ、お兄様!アーサーに何させてるの!いっきに頭に血が上っちゃったけど、もしかしたら、ご令嬢に錯覚を起こさせる魔法でもあるのかもしれないわね。
「お兄様、それはどういうことですか?」
「あのね、前は必ず夜会に行くと、僕はご令嬢に囲まれて怖かったんだ。それでアーサーに相談したの。そうしたら僕も頑張るよって言ってくれて。なにをするのかな?って思っていたんだけど、いつも無表情のアーサーが、僕の周りにいたご令嬢たちに少しだけ微笑んでくれたんだ。そのとたん僕の周りにいたご令嬢が、アーサーをうっとりと見はじめて、アーサーの虜になっちゃったんだよ。そのおかげで、僕はご令嬢の恐怖から救われたんだ。アーサーは本当にすごいよ。」
・・・頭の中でブチっと音がした。許すまじ、お兄様!!
「お兄様は今後アーサーに頼らずに、ご自分で何とかしてください。アーサーは私以外のご令嬢に二度と微笑んではだめ!!分かった?ずっと私の隣にいるの!大体アーサーの癖に生意気なのよ!!」
ああ、やってしまった。上から目線の嫌な子よね。悪役令嬢みたいね、今度こそ嫌われたわよね。
でも、アーサーが他の令嬢に微笑むなんて、考えただけで嫌だもの。絶対にだめ!
もう、色々な意味でどうにかなりそうよ。
お兄様も私に言われて焦っているようで、
「アーサー以外、誰に助けてもらえばいいの。」
とぶつぶつ言っている。助けてほしいのは私の方よ、お兄様。
その時、アーサーがそれはそれは嬉しそうに私に向かって微笑んできた。えっ、うそ、なんで…。
「マリー。僕は今日からマリーにだけ微笑むよ。それに、マリーの隣にずっといると約束するよ。」
あれ、私、悪役令嬢みたいだったのに、嫌われてない?!それどころか、私にだけ微笑むとか、隣にずっといるとか、私が言わせたんだけど、嬉しすぎて顔がにやけてしまうわ。どうしよう…。
これから大事なデビュタントなのにドキドキが止まらない。
そして今に至る。アーサーは階段を下りながらも、ずっと微笑みかけてくれているし、いつもより距離が近い気がする。
お兄様は立ち直りが早いのか、まっ、何とかなるよね。今日はマリーがいるんだから…と、若干失礼な発言も聞こえたけど、流石は公爵家の令息。アーサーに負けないくらい堂々と、笑顔を張り付けて歩いている。
やっと、ホールに着いたわ…。まずは王族の皆様に挨拶をするのだけど、挨拶の列に並ぼうとすると、すっと道があけられたの。
「えっ?」
「どうぞ、公爵家のご令息ご令嬢、お先にお並びください。」
と、サンドリー伯爵が私たちに向かっておっしゃった。嫌よ、目立ちたくなんかないんだから、ここは遠慮して…。そう思ってお兄様たちを見ると、明らかに好きにしていいよと顔に書いてある。頼りになるのか、ならないのか。仕方ないわね。
「伯爵様、お気持ちだけで…。」
私がそう言いかけると、了解、とでも言うように、お兄様が話を引き継いでくれた。
「サンドリー伯爵、私のような若輩者に対してもお優しいお心遣い感謝します。ですが私共は大丈夫ですので、ここで並ばせていただく間、あなた様の領地で話題のブドウ酒の話を、是非聞かせていただけないでしょうか?」
お兄様流石だわ。サンドリー伯爵めちゃくちゃ嬉しそうだもの。優しいだけのお兄様ではなかったのね。お兄様のこと、頼りにならないなんて思ってごめんなさい。お兄様は私の意見を尊重してくれたのね。
王族の挨拶の列に並んだ時は、相当時間がかかると覚悟していたのに、あっという間に自分たちの順番がきたわ。お兄様とアーサーが挨拶をして、それから私を紹介してくれたの。
「マリー・ブラックリリーでございます。本日デビュタントを迎えることができました。」
私は無難な挨拶のみをしたわ。もともと王太子殿下に興味はないから、目立たず静かに記憶から削除してもらいましょう。
「おお、その方がマリー嬢か、美しいな。ルドと同じ年だったな。学園では関わることもあろう。その時はよろしく頼む。」
「恐れ多いことです。よろしくお願いします。」
私は心の中で、よろしく頼まれたくないけどね…。なんて不敬なことを考えていたから、王太子殿下の方を全く見ないというとんでもなく失礼なことをして、逆に王太子殿下の印象に残ってしまったことに気付きもしなかった。
王族への挨拶のあとは、宰相様や騎士団長様、アーサーのお父様のブルサンダー公爵様など沢山の方に挨拶し、もちろん攻略対象者の方にもお会いして、もうくたくただわ…。
「お兄様、疲れましたわ。」
「うん、もういいんじゃないかな。これであいさつも大方終わったし、あとは料理でも食べようか。」
「はい、賛成です。アーサーも行きましょう。」
私は嬉しくなって、二人の腕をひっぱった。
その時、後ろから先程挨拶したばかりの優しそうなアーサーのお父様の声がしてきた。
「アーサー、すまない…。ちょっとだけ二人で話さないかい?」
「父上すみません。僕はマリー嬢の隣から離れるわけにはいかないんです。ずっと隣にいないと。」
え~!断っちゃうの?隣にいてって言ったけど、用事がある時はいいのよ。って、後で説明するとして、今はアーサーのお父様がしゅんってなちゃってるから、
「アーサー、私はお兄様と、あそこで、アーサーの分も料理をとっておくから、安心してお父様とお話をしてきて。」
未来のお父様には好印象を持ってもらわないとね。それから、アーサーへの私の気持ちだけど、少しも伝わってなかったみたいね。きっと、護衛騎士枠?か何かと勘違いしちゃったのね。だから少しも目を離せない、そばから離れられないみたいな考え方になっちゃったのね。それも仕方がないかもしれないわね…。今まで散々上から目線で話しちゃったし、さっきもアーサーの癖に生意気とか言っちゃったしね。色々とアーサーに聞きたいことはあるけど、それは家に帰ってからね。
「マリーが言うなら…。ちょっと行ってくるね。すぐに帰ってくるからね。」
「マリー嬢ありがとう。」
アーサーのお父様から素敵な笑顔をいただきました。
「じゃあマリー、お兄様と向こうに行こうか。」
私はお兄様の言葉に頷いて、三人の好きな物を皿に載せ、窓際の小さなテーブルとソファーで休憩することにしたの。
冷静にならなくっちゃ。もしかしたら、私の聞き違いとか勘違いがあるのかも?そう思って確かめたら逆効果で…、やりすぎちゃったわ。
馬車を降りる時、お兄様はアーサーに、
「アーサー、今日もご令嬢たちのことよろしくね。僕が挨拶回りを担当するから、アーサーはご令嬢に微笑んでいてね。どうしても苦手なんだよね。あの香水の匂いも、ぐいぐい来る感じも、思い出しただけで鳥肌が立っちゃうよ。アーサーがご令嬢を惹き付けてくれてるおかげで、すごく安心できるよ。」
許すまじ、お兄様!アーサーに何させてるの!いっきに頭に血が上っちゃったけど、もしかしたら、ご令嬢に錯覚を起こさせる魔法でもあるのかもしれないわね。
「お兄様、それはどういうことですか?」
「あのね、前は必ず夜会に行くと、僕はご令嬢に囲まれて怖かったんだ。それでアーサーに相談したの。そうしたら僕も頑張るよって言ってくれて。なにをするのかな?って思っていたんだけど、いつも無表情のアーサーが、僕の周りにいたご令嬢たちに少しだけ微笑んでくれたんだ。そのとたん僕の周りにいたご令嬢が、アーサーをうっとりと見はじめて、アーサーの虜になっちゃったんだよ。そのおかげで、僕はご令嬢の恐怖から救われたんだ。アーサーは本当にすごいよ。」
・・・頭の中でブチっと音がした。許すまじ、お兄様!!
「お兄様は今後アーサーに頼らずに、ご自分で何とかしてください。アーサーは私以外のご令嬢に二度と微笑んではだめ!!分かった?ずっと私の隣にいるの!大体アーサーの癖に生意気なのよ!!」
ああ、やってしまった。上から目線の嫌な子よね。悪役令嬢みたいね、今度こそ嫌われたわよね。
でも、アーサーが他の令嬢に微笑むなんて、考えただけで嫌だもの。絶対にだめ!
もう、色々な意味でどうにかなりそうよ。
お兄様も私に言われて焦っているようで、
「アーサー以外、誰に助けてもらえばいいの。」
とぶつぶつ言っている。助けてほしいのは私の方よ、お兄様。
その時、アーサーがそれはそれは嬉しそうに私に向かって微笑んできた。えっ、うそ、なんで…。
「マリー。僕は今日からマリーにだけ微笑むよ。それに、マリーの隣にずっといると約束するよ。」
あれ、私、悪役令嬢みたいだったのに、嫌われてない?!それどころか、私にだけ微笑むとか、隣にずっといるとか、私が言わせたんだけど、嬉しすぎて顔がにやけてしまうわ。どうしよう…。
これから大事なデビュタントなのにドキドキが止まらない。
そして今に至る。アーサーは階段を下りながらも、ずっと微笑みかけてくれているし、いつもより距離が近い気がする。
お兄様は立ち直りが早いのか、まっ、何とかなるよね。今日はマリーがいるんだから…と、若干失礼な発言も聞こえたけど、流石は公爵家の令息。アーサーに負けないくらい堂々と、笑顔を張り付けて歩いている。
やっと、ホールに着いたわ…。まずは王族の皆様に挨拶をするのだけど、挨拶の列に並ぼうとすると、すっと道があけられたの。
「えっ?」
「どうぞ、公爵家のご令息ご令嬢、お先にお並びください。」
と、サンドリー伯爵が私たちに向かっておっしゃった。嫌よ、目立ちたくなんかないんだから、ここは遠慮して…。そう思ってお兄様たちを見ると、明らかに好きにしていいよと顔に書いてある。頼りになるのか、ならないのか。仕方ないわね。
「伯爵様、お気持ちだけで…。」
私がそう言いかけると、了解、とでも言うように、お兄様が話を引き継いでくれた。
「サンドリー伯爵、私のような若輩者に対してもお優しいお心遣い感謝します。ですが私共は大丈夫ですので、ここで並ばせていただく間、あなた様の領地で話題のブドウ酒の話を、是非聞かせていただけないでしょうか?」
お兄様流石だわ。サンドリー伯爵めちゃくちゃ嬉しそうだもの。優しいだけのお兄様ではなかったのね。お兄様のこと、頼りにならないなんて思ってごめんなさい。お兄様は私の意見を尊重してくれたのね。
王族の挨拶の列に並んだ時は、相当時間がかかると覚悟していたのに、あっという間に自分たちの順番がきたわ。お兄様とアーサーが挨拶をして、それから私を紹介してくれたの。
「マリー・ブラックリリーでございます。本日デビュタントを迎えることができました。」
私は無難な挨拶のみをしたわ。もともと王太子殿下に興味はないから、目立たず静かに記憶から削除してもらいましょう。
「おお、その方がマリー嬢か、美しいな。ルドと同じ年だったな。学園では関わることもあろう。その時はよろしく頼む。」
「恐れ多いことです。よろしくお願いします。」
私は心の中で、よろしく頼まれたくないけどね…。なんて不敬なことを考えていたから、王太子殿下の方を全く見ないというとんでもなく失礼なことをして、逆に王太子殿下の印象に残ってしまったことに気付きもしなかった。
王族への挨拶のあとは、宰相様や騎士団長様、アーサーのお父様のブルサンダー公爵様など沢山の方に挨拶し、もちろん攻略対象者の方にもお会いして、もうくたくただわ…。
「お兄様、疲れましたわ。」
「うん、もういいんじゃないかな。これであいさつも大方終わったし、あとは料理でも食べようか。」
「はい、賛成です。アーサーも行きましょう。」
私は嬉しくなって、二人の腕をひっぱった。
その時、後ろから先程挨拶したばかりの優しそうなアーサーのお父様の声がしてきた。
「アーサー、すまない…。ちょっとだけ二人で話さないかい?」
「父上すみません。僕はマリー嬢の隣から離れるわけにはいかないんです。ずっと隣にいないと。」
え~!断っちゃうの?隣にいてって言ったけど、用事がある時はいいのよ。って、後で説明するとして、今はアーサーのお父様がしゅんってなちゃってるから、
「アーサー、私はお兄様と、あそこで、アーサーの分も料理をとっておくから、安心してお父様とお話をしてきて。」
未来のお父様には好印象を持ってもらわないとね。それから、アーサーへの私の気持ちだけど、少しも伝わってなかったみたいね。きっと、護衛騎士枠?か何かと勘違いしちゃったのね。だから少しも目を離せない、そばから離れられないみたいな考え方になっちゃったのね。それも仕方がないかもしれないわね…。今まで散々上から目線で話しちゃったし、さっきもアーサーの癖に生意気とか言っちゃったしね。色々とアーサーに聞きたいことはあるけど、それは家に帰ってからね。
「マリーが言うなら…。ちょっと行ってくるね。すぐに帰ってくるからね。」
「マリー嬢ありがとう。」
アーサーのお父様から素敵な笑顔をいただきました。
「じゃあマリー、お兄様と向こうに行こうか。」
私はお兄様の言葉に頷いて、三人の好きな物を皿に載せ、窓際の小さなテーブルとソファーで休憩することにしたの。
1
お気に入りに追加
128
あなたにおすすめの小説

【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》

やり直し令嬢の備忘録
西藤島 みや
ファンタジー
レイノルズの悪魔、アイリス・マリアンナ・レイノルズは、皇太子クロードの婚約者レミを拐かし、暴漢に襲わせた罪で塔に幽閉され、呪詛を吐いて死んだ……しかし、その呪詛が余りに強かったのか、10年前へと再び蘇ってしまう。
これを好機に、今度こそレミを追い落とそうと誓うアイリスだが、前とはずいぶん違ってしまい……
王道悪役令嬢もの、どこかで見たようなテンプレ展開です。ちょこちょこ過去アイリスの残酷描写があります。
また、外伝は、ざまあされたレミ嬢視点となりますので、お好みにならないかたは、ご注意のほど、お願いします。

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。

【完結】冤罪で殺された王太子の婚約者は100年後に生まれ変わりました。今世では愛し愛される相手を見つけたいと思っています。
金峯蓮華
恋愛
どうやら私は階段から突き落とされ落下する間に前世の記憶を思い出していたらしい。
前世は冤罪を着せられて殺害されたのだった。それにしても酷い。その後あの国はどうなったのだろう?
私の願い通り滅びたのだろうか?
前世で冤罪を着せられ殺害された王太子の婚約者だった令嬢が生まれ変わった今世で愛し愛される相手とめぐりあい幸せになるお話。
緩い世界観の緩いお話しです。
ご都合主義です。
*タイトル変更しました。すみません。

公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。

悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない
おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。
どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに!
あれ、でも意外と悪くないかも!
断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。
※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。
【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜
まほりろ
恋愛
ムーンライトノベルズで日間総合1位、週間総合2位になった作品です。
【完結】「ディアーナ・フォークト! 貴様との婚約を破棄する!!」見目麗しい第二王子にそう言い渡されたとき、ディアーナは騎士団長の子息に取り押さえられ膝をついていた。王子の側近により読み上げられるディアーナの罪状。第二王子の腕の中で幸せそうに微笑むヒロインのユリア。悪役令嬢のディアーナはユリアに斬りかかり、義理の兄で第二王子の近衛隊のフリードに斬り殺される。
三日月杏奈は漫画好きの普通の女の子、バナナの皮で滑って転んで死んだ。享年二十歳。
目を覚ました杏奈は少女漫画「クリンゲル学園の天使」悪役令嬢ディアーナ・フォークト転生していた。破滅フラグを壊す為に義理の兄と仲良くしようとしたら溺愛されました。
私の事を大切にしてくれるお義兄様と仲良く暮らします。王子殿下私のことは放っておいてください。
ムーンライトノベルズにも投稿しています。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる