幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた

久野真一

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第7章 高校三年生の夏と俺たち

第22話 ダブルデート(後編)

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「こういうレジャープール来るのは初めてだけど」
「ちょっとワクワクするよね」

 レジャー施設に入場して、屋内で合流した俺たち。
 室内にある何種類ものウォータースライダーに色々なお風呂。
 電気風呂とかまであるのはちょっとおもしろいかも。
 流水プールも楽しめそうだし、心が浮き立って来た。

「ところで修ちゃん。水着、どう?」

 百合の正面に顔を向けると微妙に胸を隠すポーズ。
 宣言通り白のビキニタイプだけどフリルがついていて可愛らしい。
 露出を強調するのが嫌な百合らしいチョイスだ。
 いや、実は俺の趣味も入っているんだけど。

 ともあれ、百合は大胆に肌を強調するよりこういうのが似合う。

「うん。可愛いし似合ってる。予想以上だ」

 無駄なお肉がついていない身体にとてもよく水着がフィットしている。
 「下着みたいで落ち着かない」らしく少し恥じらってくれるのもいい。

「もう一声欲しいなー」

 また厄介なリクエストを。

「少し……そそる、かも」
「エッチ」
「じゃあどう言えば良かったんだよ」
「フリルが可愛らしさを強調してるとか」
「もちろん、それもあるけどさ」

 大体、水着選びの時に百合が俺の趣味を聞いて来た癖に。

「これくらいにしておこっか。ありがとね、修ちゃん」

 言うなりそっと手を繋いで来た。

「ああ。俺の方こそ。好みの水着着てくれてありがとうだ」

 うん。幸せだ。今はこんなバカップルだけど、いずれは夫婦か。
 少し先の未来に思いを馳せていたら。

「あんたたち、相変わらずラブラブね。もう手を繋いでるし」

 登場したのはゆうだった。
 花柄のワンピース型水着で、露出抑えめという感じだ。

「別にダブルデートだし、いいだろ?」
「そうそう。ゆうちゃんも宗吾そうご君とやればいいんだよ!」

 二人して煽る煽る。

「私達はもうちょっと節度あるお付き合いしてるわけで。あんたたちとは違うの」

 なんて言うけど、もっとイチャつきたいのを我慢していると見た。

「宗吾とプールでいちゃつきたくないのか?恋人同士、悪いことはないだろ」
「そ、それは多少はあるけど……。私があんまり甘えるのも妙だし」

 優もこういうところは難儀だ。彼氏に思いっきり甘えてもいいだろうに。
 宗吾もきっと嫌がらない。

「あ、三人ともごめん。遅れた」

 最後に登場したのは宗吾。筋肉質で引き締まった身体。
 細マッチョというか何というか。男の俺から見ても羨ましい。
 トランクスタイプの地味な水着だけど、些細なことだ。

「宗吾は普段筋トレでもやってるのか?」
「ああ。週三回くらいで定期的にな」
「納得だ」

 俺ももっと鍛えてみようかなあ。

「あ、あの。宗吾君。水着、似合ってる」

 早速、優が褒めだした。

(百合もこう言ってくれればいいのに)
(修ちゃんは言って欲しいの?)
(出来れば)
(じゃあ……似合ってるよ)
(お、おう)

 ちょっとした冗談のつもりだった。
 しかし、真剣な目つきで言われてしまうと戸惑う。

「優さんも。水着、凄く似合ってる。ワンピースも可愛いし」

 照れ照れしながら宗吾もまんざらではなさそうだ。
 しかし……。

(優ちゃんたちはまだ初体験してないのかな?)
(……今言うのもどうかと思うが。まだじゃないかな)
(だよね。肌晒すのに凄い恥ずかしそうだし)
(ま、二人には二人のペースがあるだろ)
(そだね)

「よし。こっからは二人と二人に別れよう」
「修二と百合さん。俺と優さんか?」
「それ以外に何があるよ。男同士とか、相手の彼女とかやだぞ」
「了解。三時間後に待ち合わせでどうだ?」
「おっけー」

 ここからは百合と二人行動だ。

「百合はどこから行きたい?」
「やっぱりまずはウォータースライダー!」
「来ると思ったよ。待ち時間あるし、さっさと行くか」

 移動すると案の定30分待ちだった。
 カップルで滑る客もしばしばで、俺たちもその一組だ。

「こう。さすがに後ろから抱きしめるのは照れるな」
「う、うん。外、だしね」

 いよいよ俺たちが滑る番になっての会話。
 家ではよくあるけど、衆人環視だと少し照れがある。
 ともあれ、いよいよスタートだ。

「ひゃー。変な感じ」
「胃が持ち上がる……」

 直線上のウォータースライダーを一気に降りて。
 ドバーンとプールに投げ出される。

「……楽しい!」
「最後に投げ出されるのは爽快だなー」
「もう一度行こ?」
「よし、そうするか」

 もう一度ウォータースライダーを楽しんだ俺たち。
 さらに、プールに備え付けのお風呂も堪能だ。

「電気風呂って。ほんとに、ビリビリってするんだね」
「これ本当に健康にいいのか?」

 電気風呂で身体がビリビリする感覚を味わったり。

「あー。気持ちが安らぐな」
「結構身体冷えてたんだね」

 暖かいお風呂に入って身体を温めたり。
 さらにサウナでは。

「これ、汗出ても水分減るだけじゃないか?」
「私もそんな気がする」

 身も蓋もない会話を交わし合ったり。
 あっという間に3時間は過ぎて行った。

「あのさ。合流する前にちょっとしたいことがあるんだけど」
「エッチなこと?」
「じゃねえよ。プールの隅っこあるだろ。そこで……」
「やっぱりエッチなこと……」
「話聞けって。ちょっと二人きりになりたいだけだって」
「ふーん……いいよ♪」

 何かを感じとったのか。客から死角になる隅っこで向き合う。
 どう切り出すかと思っていたら、柔らかい肌の感触が。

「ん。こういうのもいいね♪」

 幸せそうな顔をして抱きしめられてしまった。

「なんだよ。百合だってしたかったんじゃないか」
「私から言うのも誘ってるみたいでしょ?」
「誘ってもいいんだけど」

 しばらく抱きしめあっているとふと目が合う。
 ちゅっと唇同士を合わせて少し深いキス。

「いつもと違うけど、こういうのもいいね」
「ああ。普段より倍くらい可愛く見える」
「普段は1/2しか可愛くないの?」
「それは言いがかりだろー」

 掛け合いをした後、今度こそ入り口で合流。

「宗吾君。きょうはとっても楽しかった」
「俺の方こそ。優さんが甘えてくれて嬉しかった」
「そ、その。嫌だった?」
「そんなわけないって。むしろ嬉しかったよ」
「たまには甘えて、いいかな?」
「もちろん」

 などとやたらラブラブしている二人いたのだった。

「よ、お待たせ!」
「ラブラブだねーお二人とも!」

 ビクっと振り返った二人の前には俺たち。

「ちょ、ちょっと。どこから見てたのよ?」
「「今日はとっても楽しかった」かな」
「あー、もう。あんたらに目撃されるなんて」
「ドンマイ、優」
「気づいてたのなら止めてよ!」
「いやー。恋人同士の甘い一時は邪魔出来ないだろ」
「あー言えばこう言う!」

 優もからかうとこんな面白い一面があったとは。

「百合さんも修二も、その辺にしといてくれ」

 割って入って来たのは宗吾。

「そうだな。ともあれ、ダブルデートは成功か?」
「そ、そうだな。修二たちの方は?」

 成功と言えば成功だけど。
 ひと目につかない所でキスしていたのは……。

「大丈夫。修ちゃんとしっかりラブラブしてたから♪」
「そうだな。ま、ラブラブしてたよな」

 抱きしめた感触やキスの感触が脳裏に蘇る。
 
「ま、見ずに済んで良かったかもな」
「宗吾君。それはちょっとひどいよー!」
「いやいや。あんたらの日頃の行いが悪いでしょ」

 お互い、どうやら二人っきりで色々楽しめたらしい。

 プールを出て、最寄り駅まで到着して。

「じゃあ、またな。二人とも」
「また一緒にあそぼーねー」

 解散した俺達は家路に急ぐ。
 空はオレンジ色で西に太陽が沈もうとしていた。

「今日はいい一日だったな」
「うん。明日からまた受験勉強頑張れそう」
「百合教官。びしばししごいてくれよ」
「修ちゃんなら大丈夫だろうけど。任せて!」

 こうしてリフレッシュしつつ、明日からまた受験勉強へ向けて
 頑張ることのしたのだった。
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