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1話

突然

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十二月二日水曜日

私の名前は、村原瑠々亜(むらはら るるあ)。
現役大学生二年目だ。二十歳の成人式を来月に控えている。
今は姉との二人暮らしで姉の収入と私のバイト代で暮らしている。
姉の名前は、柚々華(ゆゆか)。
一昨年大学を卒業し、今は大手企業で働いている。

「ねぇ李花、来週お姉ちゃんの誕生日だから、お願い!
ショッピングセンターついてきて?」
お汁粉片手に隣を歩く李花に言った。
彼女は私の幼馴染の西田 李花。
「柚々ちゃん十日が誕生日だったよね!もちろんついていく!」
李花は幼いころから近所でよく遊んでいたから、お姉ちゃんとも仲が良かった。
こうして二人で近くのショッピングセンターに向かった。

それからプレゼントを買って、夜ご飯を一緒に食べて解散した。

     ~帰宅後~

「おかえり!今日は李花ちゃんと何しに行ってきたの?」
お風呂上がりでパックを張りながらこっちを見て姉がほほ笑んでいる。
「ご飯に行ってただけだよ~。ハンバーグ食べてきた。」
「おぉ~。いいなあハンバーグ。私も食べたい!」
パック後に美容液を塗る姉を見て、私は感づいた。
「ねぇ、お姉ちゃん明日なにするの?」
ギクッとした姉はこっちを見て、
「明日は、夜商談があるから先にご飯食べててね。」
と言ってにっこり笑い洗面台に向かった。




十二月三日木曜日
朝起きるともうお姉ちゃんは会社に行ってたみたいだ。
カゴの中にある洗濯物を干してから私も大学へ向かった。
(夜ご飯冷蔵庫に入ってるからレンジで温めて食べてね。)
と姉からラインが来ていた。
(了解。お仕事頑張ってね。)
と打ち終わり学校についた。

午後から雲が多くなってきて、なんだか嫌な予感がした。
天気予報では晴れマークだったのに、ポツポツと雨音が響き始めている。
「李花ごめん!洗濯物干しっぱなしだったから、先家帰るね!!」
まだ授業の片づけをしている李花に大きな声で叫んで勢いよく学校を後にした。

ゴゴゴーゴーゴーと稲妻を走らせた雷とともに大粒の水の塊が私と洗濯物を濡らした。

「あー最悪。びしょびしょじゃん。部屋干し臭くなるのにー。」
と一人愚痴を吐きながら洗濯物を部屋の中に干しなおした。
(そういえば、お姉ちゃん今日帰り遅くなるって言ってたけど、この雨で大丈夫かな?)
心配になって姉にラインを送って見たけど一時間、既読にならない。
(お姉ちゃん、雨ひどいけど帰り何時になる?)
昨日商談があるって言ってたし、まだ仕事中なのかも、と思い先にご飯とお風呂を済ませた。
午後八時半、ピロン♪と通知が来た。
(お疲れ~。洗濯間に合った?)
李花からだった。
(全然アウトだった~。(笑))
と返信し、お姉ちゃんとのラインを見ると、既読がついていた。
多分今終わったころなんだろうな、と思っていたら、
(今日は雨もひどいし、遅くなるから会社に泊まるね。瑠々亜も雨気を付けてね。)
と返信が来た。
初めての一人の夜だった。


夜中更に雨音と雷がひどくなって、中々眠れなかった。




十二月四日金曜日
昨日とは裏腹にすごく天気のいい朝だった。
中々眠れなかった事もあり、久しぶりに寝坊してしまった。
急いでいたせいで、携帯を家に忘れて行ってしまった。
今日は李花と映画を見に行く約束をしていた。
「昨日雨ひどかったねー。眠れた?」
李花はいつも私の心配をしてくれる。
「全然眠れなかったよ。おかげで寝坊しちゃったし。携帯忘れるし。最近ついてないかも。」
「でも今日は映画の約束だし、楽しみだね!」
と気分を明るくしてくれる。

学校が終わって通いつけの映画館で映画を見て帰ってる途中、
ビルに移るテレビにニュース速報で姉の名前と顔写真が乗った。
一瞬私は何がどうなってるのかわからなかった。

『昨夜、午後九時半過ぎ中西町の西門公園の近くで死亡した状態で女性が発見されました。
警察の調べによると、死亡したのは小路町に在住の会社員 村原 柚々華さん24歳です。
詳しい死因等は判明しておらず、警察は、事故・事件どちらともの視点で捜査をする模様です。』

(え…。お姉ちゃんの、こ、と。?)
いきなりの話に視点が合わなくなり、私は倒れたらしい。
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