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冒険の旅
伏見稲荷・・・
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「さてっと、そんでこれからの妲己ちゃん玉藻ちゃん達に関してなんだけど、貴女達本当にお稲荷様って見解で良いのかなぁ?」
「それなんどすけど、お稲荷さんがお狐様と言うのは知ってるんどすが、わっちらがそれとは断言しかねますのや。
尻尾が何本かあるのを見ると、お稲荷はんやて、拝まれますのんやわ。」
成程、じゃあ、本物のお稲荷様、宇迦御霊《うかのみたま》との面識も、存在自体も知らないと言う訳だ。
まぁ、本当に宇迦御霊って神様が居るかは私もこの目で見た事無いから知らんけど。
って言うか、妲己ちゃん達って、伏見に居たっつってた気がするんだけど。
まさかとは思うけど、伏見稲荷って未だ無いのか?この世界この大陸に。
少し不審に思って、現在地からそう遠く無かったから案内させてみたら、本当に伏見らしいけど、神社らしきものは何も無かったorz
しゃぁねぇ、作るか、此処に!
「玉藻ちゃん達って、この小高い山に住んでたって事で良いの?」
「そうどす、この上の方に、小さい小屋建ててすんどったんどす。」
そうなのか・・・思いっきり気が生い茂ったような立派な小山がそこにはあった。
此処かぁ、此処に鳥居を立てて、石段を上がって行くと・・・成程、よぉし、やって見るか。
「土よ、大地よ、集わん、我が元へと。
我は其方らの友人、エリー・ナカムラなり。
其方等の名は、ポックル、シェリル、ティターニャ、ガイア!」
実に、土、大地属性大集合だ。大掛かりな土木工事はこれだけ居たらあっと言う間だねっ。
って事で、どんどん開拓は進む。
ティターニャとガイアが掘削して開拓した余りの土をポックルとシェリルが固めて変換して立派な鳥居を作ったり、石段に加工したりしている。
只の土を花崗岩や御影石、下手にすればプルトニウムにすら変換出来るらしい・・・何でこんな変質した?何でこんな妙な進化してんの?このナノマシン群体・・・
ティターニャとガイアに関しても、私のデータベースにある情報よりも圧倒的な速さで掘削整地を熟して要る、この調子だと一時間もしたら予定して居た敷地が全て整地完了するんじゃなかろうか?
序でだから上下水道の確保と、汚水を浄化する為の浄化装置の埋め込みでもさせるか。
割と近くに水源も有るしな、この際だから周囲の上下水道も用意してやるとしよう、それ全部やってもものの2~3時間で終わりそうだ。
この伏見地区はハッキリ言って、タダの農村だったから、水洗にし過ぎても堆肥作りなんかに支障が有ったらいけないからトイレの整備は神社だけにしとくとしよう。
私がここで大掛かりな精霊召喚して大々的な工事を始めた事で周囲住民みんな集まって来てるのを良い事に、地域住民に水道工事をする旨を伝えて見たら、ムッチャクチャ感謝された。
井戸端や川岸迄水汲みに行く苦労が解消する事に対する好感度に、廃棄する水の捨て場や、水田の水路の確保までも出来ると大好評だ。
私自身が精霊を召喚してまで戦う事って最近殆ど無いのでこう言う使い方もアリかと思えて来るねw
で、大方の予想通り1時間程で整地完了したので上下水道の確保に4体を回した後、トリーシアとシルフィードを召喚してお社の建築です。
学生時代に古書を解読するアルバイトしてる時に偶然見つけた合掌作りの設計図とか、伏見稲荷のお社の全容とかで計算して叩き出した再現力を駆使して、お社を作成。
こっちも3時間もあったら出来ちゃいそう、日が落ちる頃には完成かな?
地域住民が私達の為に炊き出ししてくれてお陰でご飯にもあり付けてるし休憩無しで行けちゃいそうだからね。
精霊達はナノマシン群体だから私のマナだけでモノ食べないで動けるからね、私が食べてSP確保しつつマナチャージ駆使したらその位の時間大した消費量では無くなるわけです。
え?そんな事無いだろうって?
そりゃそうでしょ、私の6桁をそろそろ突き抜けそうな最大マナ量のお陰でこれが実現してるんだからさ。
---------
そして遂に完成。
今日はとりあえずここまでと言う事にして、スパイダーで就寝。
そして翌朝・・・・・・・・・・
地域住民も朝っぱらからから、物珍しさも手伝って、社の周りに集まって来た。
そこで、玉藻ちゃん、妲己ちゃんと共に、御神楽を披露して、私が祝詞を唱える事にして、この際だからここの皆をお祓いしてあげる事にした。
実際効果が有るかは知らんけどな、だって私本職の巫女でも無けりゃ相当魔物ぶっ殺してるし、むしろ巫女と言うより戦姫だからねw
こんな私が禊した所で汚れまくってる気がするから宛てにならんだろ?w
-----------
「掛《か》けまくも畏《かしこ》き
伊邪那岐大神《いざなぎのおおかみ》
筑紫《つくし》の日向《ひむか》の橘《たちばな》の小戸《をど》の阿波岐原《あはぎはら》に
禊《みそ》ぎ祓《はら》え給《たま》いし時《とき》に
生《な》り坐《ま》せる祓戸《へど》の大神等《おおかみたち》
諸々《もろもろ》の禍事《まがつこと》・罪《つみ》・穢《けがれ》
有《あ》らむをば
祓《はら》え給《たま》え清《きよ》め給《たま》えと
白《ま》すことを聞《き》こし召《め》せと
恐《かしこ》み恐《かしこ》みも白《もう》す。」
先ずは伊弉諾尊に祝詞を唱え、この地に宇迦御霊を降ろし、妲己ちゃん達を神使として迎えて頂く為に、稲荷秘文《いなりひもん》祝詞を唱える事にした。
「神《それかみ》は
唯一にして御形《みかた》なし
虚《うつろ》にして霊有《みたまあり》
天地《あめつち》開闢《ひらけ》て 此方《このかた》
国常立尊《くにのとこたちのみこと》を拝し奉《まつ》れば
天《あめ》に次玉《つくたま》
地に次玉《つくたま》
人に次玉《やどるたま》
豊受の神の流《ながれ》は
宇賀之御魂命《うがのみたまのみこと》と
生出《なりいで》給ふ
永く神納成就《しんのうじょうじゅ》なさしめ給へば
天に次玉
地に次玉
人に次玉
御末《みすえ》を請《うけ》信ずれば
天狐《てんこ》 地狐《ちこ》
空狐《くうこ》
赤狐《しゃくこ》 白狐《びゃっこ》
稲荷の八霊五狐《はちれいごこ》の
神《しん》の光の玉なれば
誰《たれ》も信ずべし 心願《しんがん》を以て
空界蓮來《くうかいれんらい》
高空《こくう》の玉
神狐《やこ》の神《しん》
鏡位《きょうい》を改め
神寶《かむたから》を以て
七曜九星《しちようきゅうせい》
二十八宿《にじゅうはっしゅく》
當目星《とめぼし》
有程《あるほど》の星
至宝を捧げもって
私《わたくし》を親《したし》む
家を守護し
年月日時《じつじ》
災《わざわい》無く
夜《よ》の守《まも》り、日の守り
大成哉《おおいなるかな》
賢成哉《けんなるかな》
稲荷秘文《いなりひもん》
慎《かしこ》み白《もう》す。」
すると、用意した銅鏡、翡翠の勾玉、草薙剣に見立てて私が打った小刀が、驚いた事に、光を湛えだした。
・・・なぁ、これってまさかとは思うけどさ、顕現するのか?
すっげくまぶしい狐の亜人みたいなのが現れた、マジで来ちゃったよ!
「わらわをこの地へ呼び立てしたのは其方かえ?」
思わず肥坐間ついてしまった私・・・
「はい、私に御座います、ハイエルフのエリー・ナカムラと申します。」
「其方は何を願う者ぞ。」
「此方に控えし妖狐、妲己、その分身体玉藻を、神使の末席に置加え頂きたく。」
「あい分かり申した、社も其方が建てたのですね、この地に豊穣と安寧を約束致しましょう。」
「ありがとうございます。」
「良き社ですね、気に入りました。」
「有り難き幸せに御座います、ご自由にお使い下さいませ、宇迦御霊様の為のお社で御座います故。」
「其方にこの社の宮司を頼もうと思ったのだが、其方は留まる者では無さそうであるのぅ、さて、どのようにしよう。」
「それでは、此方でご用意させて頂いても?」
「宜しいでしょう。」
「では・・・」
実は宮司用にと全身義体と、それに搭載する為のAIを用意しておいたのだ。
ストレージから義体と、義体の電脳ソケットスロットにビルトインする電脳ソケット型の外郭に包まれた、最新AI搭載の量子コンピューターブレインを取り出し、その場でビルトインし、稼働させる。
「ほほほほ、其方は本当に面白い存在であるね、我が父神にも紹介して置いてやろう。」
なっ!? 宇迦御霊の父神って大国主じゃ無かったっけ?
そんな大物が顕現されたらヤバすぎでしょうにっ!
「恐れ多い事で御座います、私はこの地と、この子達の為を思って行動しただけなので、お気になさらずお願い致します。」
「左様か? お主なれば新たな人神として取り立てる事も叶うのでは無いかと思うのだが。」
「恐れながら、私は旅をして回るだけのしがないハイエルフで御座いますが故。」
「ハイエルフは本来地に就く者であると言うのに、益々面白い者じゃな。 良い、好きにするが良い、いつかは我らの一柱として迎えられるよう、用意だけはしておくとしよう。」
本気で言ってます??この方!!!??
「えっと、あの・・・私の称号に魔王と言うのがあるのですが、そんな物を末席に置いてはまずくは有りませんか?」
「え?何で?どこがまずいのじゃ?
神に善悪など無いのだぞ?」
しまった、そんな事をきいた事がある気がする!
そりゃそうよね、邪神なんて神が居たり、荒魂とか言われる暴君の様なのが居たりするんだったよね~・・・orz
「そこまで仰るのでしたら、いつかこの世に未練の無くなった時にでも。」
「うむ、左様か、ではそのように用意をしておくとしよう、では、本日は長きに渡り顕現して居ったのでわらわは少し疲れた、また会おうぞ、エリーよ。」
「はい、お疲れ様でございました。」
ヤッベぇ~、やっと引いてくれたよ・・・
「え・・・エリーはん、今の神々しいお方はまさか??」
「う、うん、宇迦御霊様、です、多分・・・」
「余りにも恐れ多い存在で動けなかったですニャぁ・・・」
オーブもか、やっぱそうなるよね~・・・
「兎に角、今宇迦御霊様が許可して下さったので、妲己ちゃん達は今日から神使、狛犬さんみたいな感じになるみたいなので、このお社を護ってあげてね。」
『おおそうじゃった、妲己並びに玉藻、主らに我が加護を与えるぞよ。』
うぉぁっ!いきなり空から声が降って来た、びっくりしたわ~。
ンで、妲己ちゃん達の体光ってるし、これで神使として本格的に認められたみたいやね。
集まって来て社開きを見物して居た地域の住民達も、本物の神さんが御光臨されたってムッチャクチャ有り難がってるみたい。
これならばお札や破魔矢とかも売れるだろうし、毎年ちゃんとお祭りもしてくれそうで良かった、氏子さんにもなってくれそうだしね。
住民達の羨望の眼差しと、居場所を貰って加護迄貰った妲己ちゃん達の名残惜しそうな顔を眺めつつ、私はそろそろお暇するとしようかな。
こっそりと建造していた飛空艇を亜空間より引っ張り出しながら、妲己ちゃんに激励の言葉を。
「妲己ちゃん、もう大丈夫とは思うけど、怪しい者にはこれからはもっと気を付けてね、お社を護って住民の方々と仲良くね。
私はそろそろ行かないと、多分北の大陸へもう渡っている可能性が高いジ・アースと合流したいし。
玉藻ちゃん、妲己ちゃんを支えて、宇迦御霊様にしっかりお仕えしてね、あ、それと、当面妲己ちゃんに宮司して貰う事に成ると思うけど、ちゃんと宮司さん出来そうな人見つけて、神使としてお勤めしてね。」
「「エリーはん、ホンマに感謝しとります、此方にお越しの際は、是非にお立ち寄りしとおくんなはれ。
歓迎させて頂きますえ。」」
流石本体と分身だけあって全く同じセリフがハモってる。
「それじゃ、又その内、私か本体か誰か来るからさ、その時はよろしくね。」
「「はい、エリーはんも、体にお気をつけて、ほんまにお気をつけて。」」
「泣かないで、これが今生の別れってわけじゃ無いんだから、ね?」
そんなに別れを惜しまれたらこっち迄涙腺緩んじゃうじゃ無いのよ~、何百年も泣いた事なんか無いのにぃ~・・・あ、有るか、最近久々にお米食べられた時に嬉しくて泣いたな、そう言えば。
考えたら涙止まったw
えへへ~。
あ、台無しだった? ま、良いじゃん、私だしな。
「それなんどすけど、お稲荷さんがお狐様と言うのは知ってるんどすが、わっちらがそれとは断言しかねますのや。
尻尾が何本かあるのを見ると、お稲荷はんやて、拝まれますのんやわ。」
成程、じゃあ、本物のお稲荷様、宇迦御霊《うかのみたま》との面識も、存在自体も知らないと言う訳だ。
まぁ、本当に宇迦御霊って神様が居るかは私もこの目で見た事無いから知らんけど。
って言うか、妲己ちゃん達って、伏見に居たっつってた気がするんだけど。
まさかとは思うけど、伏見稲荷って未だ無いのか?この世界この大陸に。
少し不審に思って、現在地からそう遠く無かったから案内させてみたら、本当に伏見らしいけど、神社らしきものは何も無かったorz
しゃぁねぇ、作るか、此処に!
「玉藻ちゃん達って、この小高い山に住んでたって事で良いの?」
「そうどす、この上の方に、小さい小屋建ててすんどったんどす。」
そうなのか・・・思いっきり気が生い茂ったような立派な小山がそこにはあった。
此処かぁ、此処に鳥居を立てて、石段を上がって行くと・・・成程、よぉし、やって見るか。
「土よ、大地よ、集わん、我が元へと。
我は其方らの友人、エリー・ナカムラなり。
其方等の名は、ポックル、シェリル、ティターニャ、ガイア!」
実に、土、大地属性大集合だ。大掛かりな土木工事はこれだけ居たらあっと言う間だねっ。
って事で、どんどん開拓は進む。
ティターニャとガイアが掘削して開拓した余りの土をポックルとシェリルが固めて変換して立派な鳥居を作ったり、石段に加工したりしている。
只の土を花崗岩や御影石、下手にすればプルトニウムにすら変換出来るらしい・・・何でこんな変質した?何でこんな妙な進化してんの?このナノマシン群体・・・
ティターニャとガイアに関しても、私のデータベースにある情報よりも圧倒的な速さで掘削整地を熟して要る、この調子だと一時間もしたら予定して居た敷地が全て整地完了するんじゃなかろうか?
序でだから上下水道の確保と、汚水を浄化する為の浄化装置の埋め込みでもさせるか。
割と近くに水源も有るしな、この際だから周囲の上下水道も用意してやるとしよう、それ全部やってもものの2~3時間で終わりそうだ。
この伏見地区はハッキリ言って、タダの農村だったから、水洗にし過ぎても堆肥作りなんかに支障が有ったらいけないからトイレの整備は神社だけにしとくとしよう。
私がここで大掛かりな精霊召喚して大々的な工事を始めた事で周囲住民みんな集まって来てるのを良い事に、地域住民に水道工事をする旨を伝えて見たら、ムッチャクチャ感謝された。
井戸端や川岸迄水汲みに行く苦労が解消する事に対する好感度に、廃棄する水の捨て場や、水田の水路の確保までも出来ると大好評だ。
私自身が精霊を召喚してまで戦う事って最近殆ど無いのでこう言う使い方もアリかと思えて来るねw
で、大方の予想通り1時間程で整地完了したので上下水道の確保に4体を回した後、トリーシアとシルフィードを召喚してお社の建築です。
学生時代に古書を解読するアルバイトしてる時に偶然見つけた合掌作りの設計図とか、伏見稲荷のお社の全容とかで計算して叩き出した再現力を駆使して、お社を作成。
こっちも3時間もあったら出来ちゃいそう、日が落ちる頃には完成かな?
地域住民が私達の為に炊き出ししてくれてお陰でご飯にもあり付けてるし休憩無しで行けちゃいそうだからね。
精霊達はナノマシン群体だから私のマナだけでモノ食べないで動けるからね、私が食べてSP確保しつつマナチャージ駆使したらその位の時間大した消費量では無くなるわけです。
え?そんな事無いだろうって?
そりゃそうでしょ、私の6桁をそろそろ突き抜けそうな最大マナ量のお陰でこれが実現してるんだからさ。
---------
そして遂に完成。
今日はとりあえずここまでと言う事にして、スパイダーで就寝。
そして翌朝・・・・・・・・・・
地域住民も朝っぱらからから、物珍しさも手伝って、社の周りに集まって来た。
そこで、玉藻ちゃん、妲己ちゃんと共に、御神楽を披露して、私が祝詞を唱える事にして、この際だからここの皆をお祓いしてあげる事にした。
実際効果が有るかは知らんけどな、だって私本職の巫女でも無けりゃ相当魔物ぶっ殺してるし、むしろ巫女と言うより戦姫だからねw
こんな私が禊した所で汚れまくってる気がするから宛てにならんだろ?w
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「掛《か》けまくも畏《かしこ》き
伊邪那岐大神《いざなぎのおおかみ》
筑紫《つくし》の日向《ひむか》の橘《たちばな》の小戸《をど》の阿波岐原《あはぎはら》に
禊《みそ》ぎ祓《はら》え給《たま》いし時《とき》に
生《な》り坐《ま》せる祓戸《へど》の大神等《おおかみたち》
諸々《もろもろ》の禍事《まがつこと》・罪《つみ》・穢《けがれ》
有《あ》らむをば
祓《はら》え給《たま》え清《きよ》め給《たま》えと
白《ま》すことを聞《き》こし召《め》せと
恐《かしこ》み恐《かしこ》みも白《もう》す。」
先ずは伊弉諾尊に祝詞を唱え、この地に宇迦御霊を降ろし、妲己ちゃん達を神使として迎えて頂く為に、稲荷秘文《いなりひもん》祝詞を唱える事にした。
「神《それかみ》は
唯一にして御形《みかた》なし
虚《うつろ》にして霊有《みたまあり》
天地《あめつち》開闢《ひらけ》て 此方《このかた》
国常立尊《くにのとこたちのみこと》を拝し奉《まつ》れば
天《あめ》に次玉《つくたま》
地に次玉《つくたま》
人に次玉《やどるたま》
豊受の神の流《ながれ》は
宇賀之御魂命《うがのみたまのみこと》と
生出《なりいで》給ふ
永く神納成就《しんのうじょうじゅ》なさしめ給へば
天に次玉
地に次玉
人に次玉
御末《みすえ》を請《うけ》信ずれば
天狐《てんこ》 地狐《ちこ》
空狐《くうこ》
赤狐《しゃくこ》 白狐《びゃっこ》
稲荷の八霊五狐《はちれいごこ》の
神《しん》の光の玉なれば
誰《たれ》も信ずべし 心願《しんがん》を以て
空界蓮來《くうかいれんらい》
高空《こくう》の玉
神狐《やこ》の神《しん》
鏡位《きょうい》を改め
神寶《かむたから》を以て
七曜九星《しちようきゅうせい》
二十八宿《にじゅうはっしゅく》
當目星《とめぼし》
有程《あるほど》の星
至宝を捧げもって
私《わたくし》を親《したし》む
家を守護し
年月日時《じつじ》
災《わざわい》無く
夜《よ》の守《まも》り、日の守り
大成哉《おおいなるかな》
賢成哉《けんなるかな》
稲荷秘文《いなりひもん》
慎《かしこ》み白《もう》す。」
すると、用意した銅鏡、翡翠の勾玉、草薙剣に見立てて私が打った小刀が、驚いた事に、光を湛えだした。
・・・なぁ、これってまさかとは思うけどさ、顕現するのか?
すっげくまぶしい狐の亜人みたいなのが現れた、マジで来ちゃったよ!
「わらわをこの地へ呼び立てしたのは其方かえ?」
思わず肥坐間ついてしまった私・・・
「はい、私に御座います、ハイエルフのエリー・ナカムラと申します。」
「其方は何を願う者ぞ。」
「此方に控えし妖狐、妲己、その分身体玉藻を、神使の末席に置加え頂きたく。」
「あい分かり申した、社も其方が建てたのですね、この地に豊穣と安寧を約束致しましょう。」
「ありがとうございます。」
「良き社ですね、気に入りました。」
「有り難き幸せに御座います、ご自由にお使い下さいませ、宇迦御霊様の為のお社で御座います故。」
「其方にこの社の宮司を頼もうと思ったのだが、其方は留まる者では無さそうであるのぅ、さて、どのようにしよう。」
「それでは、此方でご用意させて頂いても?」
「宜しいでしょう。」
「では・・・」
実は宮司用にと全身義体と、それに搭載する為のAIを用意しておいたのだ。
ストレージから義体と、義体の電脳ソケットスロットにビルトインする電脳ソケット型の外郭に包まれた、最新AI搭載の量子コンピューターブレインを取り出し、その場でビルトインし、稼働させる。
「ほほほほ、其方は本当に面白い存在であるね、我が父神にも紹介して置いてやろう。」
なっ!? 宇迦御霊の父神って大国主じゃ無かったっけ?
そんな大物が顕現されたらヤバすぎでしょうにっ!
「恐れ多い事で御座います、私はこの地と、この子達の為を思って行動しただけなので、お気になさらずお願い致します。」
「左様か? お主なれば新たな人神として取り立てる事も叶うのでは無いかと思うのだが。」
「恐れながら、私は旅をして回るだけのしがないハイエルフで御座いますが故。」
「ハイエルフは本来地に就く者であると言うのに、益々面白い者じゃな。 良い、好きにするが良い、いつかは我らの一柱として迎えられるよう、用意だけはしておくとしよう。」
本気で言ってます??この方!!!??
「えっと、あの・・・私の称号に魔王と言うのがあるのですが、そんな物を末席に置いてはまずくは有りませんか?」
「え?何で?どこがまずいのじゃ?
神に善悪など無いのだぞ?」
しまった、そんな事をきいた事がある気がする!
そりゃそうよね、邪神なんて神が居たり、荒魂とか言われる暴君の様なのが居たりするんだったよね~・・・orz
「そこまで仰るのでしたら、いつかこの世に未練の無くなった時にでも。」
「うむ、左様か、ではそのように用意をしておくとしよう、では、本日は長きに渡り顕現して居ったのでわらわは少し疲れた、また会おうぞ、エリーよ。」
「はい、お疲れ様でございました。」
ヤッベぇ~、やっと引いてくれたよ・・・
「え・・・エリーはん、今の神々しいお方はまさか??」
「う、うん、宇迦御霊様、です、多分・・・」
「余りにも恐れ多い存在で動けなかったですニャぁ・・・」
オーブもか、やっぱそうなるよね~・・・
「兎に角、今宇迦御霊様が許可して下さったので、妲己ちゃん達は今日から神使、狛犬さんみたいな感じになるみたいなので、このお社を護ってあげてね。」
『おおそうじゃった、妲己並びに玉藻、主らに我が加護を与えるぞよ。』
うぉぁっ!いきなり空から声が降って来た、びっくりしたわ~。
ンで、妲己ちゃん達の体光ってるし、これで神使として本格的に認められたみたいやね。
集まって来て社開きを見物して居た地域の住民達も、本物の神さんが御光臨されたってムッチャクチャ有り難がってるみたい。
これならばお札や破魔矢とかも売れるだろうし、毎年ちゃんとお祭りもしてくれそうで良かった、氏子さんにもなってくれそうだしね。
住民達の羨望の眼差しと、居場所を貰って加護迄貰った妲己ちゃん達の名残惜しそうな顔を眺めつつ、私はそろそろお暇するとしようかな。
こっそりと建造していた飛空艇を亜空間より引っ張り出しながら、妲己ちゃんに激励の言葉を。
「妲己ちゃん、もう大丈夫とは思うけど、怪しい者にはこれからはもっと気を付けてね、お社を護って住民の方々と仲良くね。
私はそろそろ行かないと、多分北の大陸へもう渡っている可能性が高いジ・アースと合流したいし。
玉藻ちゃん、妲己ちゃんを支えて、宇迦御霊様にしっかりお仕えしてね、あ、それと、当面妲己ちゃんに宮司して貰う事に成ると思うけど、ちゃんと宮司さん出来そうな人見つけて、神使としてお勤めしてね。」
「「エリーはん、ホンマに感謝しとります、此方にお越しの際は、是非にお立ち寄りしとおくんなはれ。
歓迎させて頂きますえ。」」
流石本体と分身だけあって全く同じセリフがハモってる。
「それじゃ、又その内、私か本体か誰か来るからさ、その時はよろしくね。」
「「はい、エリーはんも、体にお気をつけて、ほんまにお気をつけて。」」
「泣かないで、これが今生の別れってわけじゃ無いんだから、ね?」
そんなに別れを惜しまれたらこっち迄涙腺緩んじゃうじゃ無いのよ~、何百年も泣いた事なんか無いのにぃ~・・・あ、有るか、最近久々にお米食べられた時に嬉しくて泣いたな、そう言えば。
考えたら涙止まったw
えへへ~。
あ、台無しだった? ま、良いじゃん、私だしな。
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気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
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この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
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