宇宙戦争時代の科学者、異世界へ転生する【創世の大賢者】

赤い獅子舞のチャァ

文字の大きさ
上 下
200 / 274
冒険の旅

宇都宮の英雄

しおりを挟む
 ‐MkⅣ—
 うん、ちょっとやり過ぎたと思う・・・
 MkⅢがイオンクラフトで空中浮遊を披露して出て来ちゃったのもこの熱狂的な称賛を手伝って居るとは思うんだけどさ・・・
 もしかして、私を信仰する宗教とか立ち上がってねぇか??
 どうしよう・・・
 私はここで、今日は、未だ怪我人が多々存在するのでポーションでも売ろうかと思ってたんだけど、それ所じゃない状況に追い込まれている。
 まさかさぁ、昨日のスタンピード騒動の後、さっさと帰った私も悪かったけど、まさかこんな扱いになってるなんて思いもよらなかったよ。
 救世主扱いっつーか、完全にカリスマにされて祭り上げられてるよね・・・
 やりにくいなぁ、もう。
 売るつもりで持って来たポーションもさぁ、これじゃ無償で配るしかなさそうな雰囲気じゃね?
 あぁくそう、損したなぁ~。
 完全に天女様だの女神様だのと囃し立てられてるんですけど・・・
 誰かこの状況から救い出して、お願い!
 この可哀そうな美少女をさぁ・・・
 うう~、タダで開放してくれそうに無いよねぇ~・・・
 仕方無い、ポーション配ってやるか~・・・ハァ。
「怪我した人に飲ませて~! お薬配りますよ~!」
「「「「「「「「おおおおおお~~~~~~~~!!!!!!!」」」」」」」」」」
 大歓声だ。
 すると、中に、火の加具土命様と叫んでいるご夫婦が・・・
 ああ、多分この人達がMkⅢの出会ったご夫婦だねぇ。
 まさしくこの人達が確実に私に信仰を向けてる第一人者って所かぁ、メンドクセェ~。
 仕方無い、瞬歩でそこらの屋根の上にでも避難して、顔を変えて出直すとするか。
 よっ・・・っと。
 さて、誰のアバター借りようかなぁ~・・・
 よっし、ザインにしよう。
 光学変装って奴ねw
 うん、これでやっと普通に街を楽しめる。
 歩いて居ると、何やら不穏な空気が漂って来たのでちょっと首を突っ込んでみる事にした。
「止めて下さい、このお薬はお父さんに飲ませるんです。」
「ケッ!死にぞこないなんかに飲ませるのは勿体ねぇや、もっと有意義に使ってやろうってんだから寄こしやがれ。」
 どうもさっき私が配ったポーションを子供から横取りしようとする輩が居るらしい・・・
「まちなさい、これはこの子の、返して。」
 何だかアバターに引っ張られた口調になってる気がするのだけど・・・多分気のせい、では無いよね(汗
「何だテメェ、関係ない奴ぁ引っ込んでろ!」
「弱い者虐め、ダメ、カコワルイオ」
 うん、ほぼザインになってるねw
 ちょっと面白くなってきた。
「おい!ふざけんなよねぇちゃん!」
 何とっ!女の子って一発で認識されたァっ!
「嬉しい、女の子って一目で認識された、初めてかも。」
「わけわかんねー事言ってんなよ?あぁ?」
 ナイフを突きつけようとして来たので、ウンディーネを召喚してナイフを取り上げる。
「エルフに鉄で出来た物突き付ける、それは、宣戦布告。
 僕は、許さない。」
『ザイン、こいつ等ザインの敵? 貰っても良い?』
 ウンディーネの悪い癖が始まったみたいなので、お任せしちゃおう。
「ん、あげる、遊んであげて。」
『まっかせて~。』
 カツアゲ犯、と言うか盗賊だろうね、その3人組の顔面に目掛けてウォーターボールが飛んで行き、顔に張り付いて止まる。
「「「ぼがが、ぐががが!!!??」」」
「何言ってるか、判んない、謝るのなら、辞めさせてあげる。」
 盗賊達は慌てて盾に首を振る。でも、謝罪を聞く事は出来ないので、あえて首を傾げてやった。
 すると、リーダーと思わしき盗賊が、慌てて土下座をし、崇めるかのような動きをする。
 すると残りの二人も急いで真似をし、土下座。
「ウンディーネ、死んじゃう前に辞めてあげて。」
『はいはーい。』
 顔の前のウォーターボールが、霧散した。
「テメェ!やりやがったな!?」
 一人懲りていないのが居たので、ウンディーネがもう一度・・・
「ぐばががが。」
「ちゃんと反省するまで、何度でもやるって。」
「す、すまねぇ、許してくれ、こいつは俺が言い聞かせるから。」
「ん、わかった、ウンディーネ。」
『もう終わり?根性無いわね~、あんた達。』
「これは、なんです?水の人間みてぇな・・・」
「ん、ウンディーネ、彼女は、水の上位精霊。」
「初めて見やした・・・姉さんと呼ばせて下せぇ!」
「やめて、貴方達を拘束します。」
 プラトを召喚、プラトがプラーシャで拘束して、片が付いた。
 番屋に突き出して、終了。
「あの、有難う御座います、お姉さんは、エルフさんですよね。」
「ん、エルフ、ザイデリュウス。」
「私は菊と言う名です。
 お父さんに飲ませるお薬を守ってくれてありがとう。」
「待って、お父さんの怪我、僕に見せて。」
 お菊ちゃんのお家迄ついて行く事にした。
 多分ね、この子の切羽詰まった様子だとさ、ポーションじゃ治りきらない程の重症者だと思うんだよ。
「おとっつぁん! 今お薬貰って来たから、飲んで。」
「ああ、済まないね、お菊や。」
「ん、待って、この薬じゃ、治らない。」
 思ってた通り、と言うか、想像の上を行く様な酷い怪我だった、良く生きてるよね、この人。
「どう言う事?エルフのお姉ちゃん。」
「この薬、ローポーション、怪我、傷を塞ぐだけ・・・
 この人、欠損してる。」
「でも、でも・・・」
 お菊ちゃんは目にいっぱい涙を溜めて、それでも泣かない様にこらえている。
「ちょっと待って。」
 光学変装を解く。
「救世主・・・様?」
「そう、私、あんまりにも騒ぎが大きくなったので、変装してたの。
 安心して、貴女のお父さんは私が治します。」
 そう言って、急いで診察を掛ける。
 すごいよ、良く生きててくれたよね。
 肩関節から右手全部、左足、そして肝臓の付近が食われて無くなってる。
 運よくポーションを手に入れて飲んだのだろう。
 辛うじて虫の息ではあるが、まだ生きていた。
「お菊ちゃん、このお薬をお父さんに飲ませてね。」
 手渡したのは、SPフルポーション
 減った分も一時間の間は常にリジェネ状態でSPを回復させる優れもの。
 このレベルの怪我では、再生する時に使用するSPも消費が大きいのでこれしか使えないと踏んで手渡した、高級品、と言うか、かなり貴重な品だ。
「飲ませました。」
「よし、じゃあ行くよ・・・」
 頭の中で欠損部位の全ての再生を、闇魔法ナノマシンへ指示する為に試行しつつ、魔法回路に闇のナノマシンを取り込んで行く。
 指示を受けたナノマシンから徐々に患部へと集まって行き、黒い霧のように見えるなのましんのフィールドが形成される。
「全知全能なる神々よ、我に治癒の力を与え給え、我はハイエルフ、エリー・ナカムラなり。
 我が名の下に、お力をお貸し願い給う。
 かの者の欠損を修復するが我が望み。
 エリー・ナカムラの名の下に、癒したまえ!
 蘇生の光、リザレクション。」
 患部が急激な再生により、光り輝く。
 闇のナノマシンのフィールドである所から溢れる光は、その輝きを益々強調されて神々しくさえあった。
 お菊ちゃんは、その様子を息を呑みつつ、見入っている。
 徐々に再生されて行くお菊ちゃんのお父さんの体。
 SPを確認しつつ、速度を調節する。
 すげぇな、術を使ったのは私だけどさ、この魔法、作ったの本体よね、私も本体も同一人物だから私がすごい訳でも有るんだけど、本当に本体を尊敬するわ、こんなの良く作ったわ、マジ卍。
 SPの問題で中々速度が出せず、30分ほど掛かってしまった。
「ふう・・・終わったよ。
 もうお父さんは大丈夫よ、お菊ちゃん。
「あ・・・ありがとうごぢゃいまぢだ、うえぇぇ・・・うえぇぇぇぇぇぇ~~。」
 お父さんに絶望させない様にって、泣かない様にこらえて来たんだね、今は存分に泣くと良いよ、お菊ちゃん。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。 僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。 僕の夢……どこいった?

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

処理中です...