宇宙戦争時代の科学者、異世界へ転生する【創世の大賢者】

赤い獅子舞のチャァ

文字の大きさ
上 下
187 / 274
冒険の旅

白神高地1

しおりを挟む
 浅虫温泉でもう一泊した私達だったが、一寸思う所あって、このまま十和田経由で戻るのではなく、白神山を目指した。
 何でってね、あの豊穣神に恵まれたような山には、良い酵母が育ってる筈なんだよ。
 豊穣神と言えばさぁ、宇迦御魂じゃない?
 って事はさ、この玉藻とも非常に縁が有る気もするしね。
 なんたって、玉藻が全員本体と合体すれば妲己でしょう?
 妲己で正しいとすれば宇迦御魂と一緒に祭られて同一化したお稲荷様でしょう?
 もう一柱宇迦御魂の兄神が祭られてると言う話もあるけどな。
 なのであんなに豊かな高地を湛えた山なら何か関連がある気がする。
 なので、敢えてそっちから回って見ようと言う事に成った訳。
 私自身も折角だから色んな所回りたかったのも有るしな。
 そっちが本音な訳じゃ無いぞ、絶対違うんだからな?
 って言うかね、この大陸? がね、だんだん判って来たぞ。
 形は大幅に日本列島と違うし、規模も圧倒的に大きいんだけどな、先ず、北海道が存在して無い事と、規模や形が違うだけで、概ね方角と地名が日本列島とほぼ一致するんだ。
 で、たま~に、全然違う位置関係の所にある地名とかも有るんだよ。
 ホントにたまに、ね?
 その突飛な地名がどう言う法則なのかは知らんけど、でもそう言う所には、日本列島のその地名と同じ特色が有ると言う事。
 例えば気象条件が非常に似通って居たりとか、同じ泉質の温泉が有るとか。
 これはこの大陸全土に張り巡らせたナノマシンで調査した結果判った事なんだけど、判ったと言うだけでどうという事は無いんだけどね、でも、地理に疎いより聡い方が都合良いだろ?
 まぁ、そんなこんなで今向かって居るのは白神高地って奴。
 とっても肥沃な山岳地で、まさに神の地と言う感じに様々な山菜やキノコ、そしてそれらを食べに来る兎や鹿などの野生動物も豊富。
 と、まぁ、兎に角肥沃な大地なのだ。
 そしてね、この世界のパンは、何だかんだ言っても黒パンやカチカチパンなのだ。
 小麦自体はかなり香りも味も良いので食べれば美味しいは美味しいんだけどね・・・兎に角かてぇんだわ。
 白神酵母と言う大変優秀な天然酵母が有ると言う話は知って居たので、これを絶対に見つけるのだ。
 そしてふんわりもちもちの天然酵母のパンをこの世に誕生させたいのだ。
 山越えで白神へ行こうと思って居たんだけど、ナノマシン調べで、途中に絶望レベルのゴルジ帯になって居る河川が通って居る事が判明。
 迂回するとなると、クリムゾンスパイダーで走る事を考えると昨日も行った弘前の方角にぐるっと迂回して行く方が早いと言う事に成ってしまった。
 少し道程的には長くなってしまったけど、白神を外す事は出来ないからね、仕方無いよね~。
 暫く走って行くと、海岸線へと出た。
 更に暫く走って行くと、海水の混じる湖に行き当った、これは若しかすると、十三湖って奴かしら?
 すると、以前に見つけたあの湖よりも質の良いシジミが獲れるんじゃね?
 一寸やってみるかな?
 そう言えばあの湖のシジミって、ポイズンサーペントのお陰で絶滅し掛けてたよな、ここのシジミ持って行って、交配させたらかなりの手助けが出来そうだよな。
 良し、これは獲っておかない手は無いね。
 早速シジミ漁を始めると、まぁ、予想を超えてかなりの量が獲れる事獲れる事。もしかしてこの辺の人ってこの美味しい貝の存在をまだあまり知らないんじゃ?
 ってか、良く周囲を見回して見たけど殆ど民家らしきものが見当たらない。
 ああ、そう言う事ね、この辺は人の居住エリアでは無くて魔獣とかのエリアの真っただ中って事か。
 シジミ漁してたら狼さんやら熊さんやらいっぱい集まって来たくせぇ。
 周囲に集まって来たそいつらを鑑定してみると、こちの大陸にしかいない固有種のようだ。
 狼型の魔獣は、帝狼と言う名だった、強さはこれまでの狼型の魔獣でも群を抜いて強いし、体の大きさもこれまでの比じゃ無かった。
 熊の方は、日輪熊・・・月の輪熊じゃ無くて日輪なんだね・・・
 こっちも今まで倒して来た熊のどれよりも一番強かった。
 まぁ私の敵じゃ無いのは間違い無いんだけど。
 流石にこの位の強さのレベルになると、強者の気配ってのを敏感に察して居るようで、遠巻きに見ているだけで寄って来ようとはしない。
 なので、ほっとく事にした。
 だけどね、何だか私の行動をじっと見守ってる節が有ったので、この辺の守護者なのかなーって思って、この湖に海水と一緒に流れ込んで来たと思われる魚を数匹釣り上げて、迷惑料だとばかりに熊さんと狼さんに投げてやると、それを咥えて満足そうに山の方へと戻って行くのが見えた。
 成程、これは良い前例を作れた気がするぞ?
 その内この湖のすぐ脇に村でも作って、シジミ漁で生計を立てさせてみたら面白いかもね。
 シジミ漁をする為に狼と熊に魚とって先にくれてやったら漁に夢中になってても大丈夫なんだろ、きっと、このパターンは。
 実際にあの熊と狼以上に強い魔獣の存在はこの付近には確認出来ない。
 あいつら知能もかなり高い気がするので、多分餌貰ったら他の魔獣も寄って来ないようにしてくれる可能性もあるな。
 実験とばかりに、溢れていると思われる気配をぐっと抑えて見たけど、本当に何も現れる事は無かった。
 やっぱあいつらが二大巨頭みたいで、アイツらが手を引くと他の魔獣も手出しが出来ないのだろう。
 この様子なら湖畔村とまでは行かずとも付近に村を作れるだろう。
 その内やってみるか。(と言うか本体がやるでしょ。)
 この世界、決して魔獣は全面的に敵とか害獣指定な訳では無く、共存が可能、それを証明出来る可能性もここに発見する事が出来た。
 私の旅の意味もここに更に広がったかな?
 まぁ、本体のエリーの考えていた旅をする意味はもっとこの世界の可能性を考える為の検証だからね。
 シジミを十分な量収穫した私は、その半分をスパイダーの生命維持装置を改造したプラントで育成、半分は私の食用としてスパイダーのストレージに突っ込んで深川飯とシジミ汁をメニューに加えた。
 そのままお昼ご飯と洒落込んで深川飯とシジミ汁を玉藻ちゃんと楽しんで居ると、目的地に間もなく到着と言うお知らせをAIから受けた。
 よっしゃ~!
 新しく作った、微生物を探査するナノマシンを放つぞ~!
 ンで、ナノマシンを放って一時間、お昼ご飯をゆっくり堪能しただけでなく、買い付けた高品質のリンゴを使って作ったコンポートをデザートで堪能しまくって待って居たが、もう発見したらしい。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。 僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。 僕の夢……どこいった?

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ポーション必要ですか?作るので10時間待てますか?

chocopoppo
ファンタジー
松本(35)は会社でうたた寝をした瞬間に異世界転移してしまった。 特別な才能を持っているわけでも、与えられたわけでもない彼は当然戦うことなど出来ないが、彼には持ち前の『単調作業適性』と『社会人適性』のスキル(?)があった。 第二の『社会人』人生を送るため、超資格重視社会で手に職付けようと奮闘する、自称『どこにでもいる』社会人のお話。(Image generation AI : DALL-E3 / Operator & Finisher : chocopoppo)

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

処理中です...