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冒険の旅
番外編10.旅路にて。(ジ・アース)その2
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-カレイラ-
一見良さげな温泉村があったから、休憩しよう。
そう言い出しっぺはクリスさんだった、けど、辞めようと言い出したのもクリスさんだった、そして私も、イヤな予感がして堪らなかったんです。
近づくまでは、気にも留めていなかった嫌な気配が、どうしてもぬぐい取れなかったの。
それがどんな物なのか、そこまでは、掴み切れなかったんです。
それが、まさかこんな酷い状況に発展するなんて、流石に想像できませんでした。
クリスさんに起こされる直前に、私も目を覚ましかけていました。
あんな異様な気配は、そうそう感じた事が無かったです。
どうしてって、泊まって居た宿屋の周囲全体、そして宿屋の建物内部にも幾つもの気配が漂ってたんです。
それは、明らかに私達を狙った物である事も間違い無かったんです、ハッキリ言って怖かったです。
だけど、ここは私もしっかりしないといけないと思って、おとり役を自分からクリスさんに申し出て、走りました。
村の門に向かって全力で。
建物からは、6つ程の気配が付いて来て居るのが判って居たので、撃退しようと、エリーさんに貰ったこの能力、魔法剣を展開、水刃剣で撃退を試みたんですけど、確かに攻撃は当たって居るし、一度は退ける事が出来るのだけど、あまり聞いて居ないようで困って居る所に、クリスさんが追い付いてきました。
私の魔法剣で撃退できなかったその敵を、クリスさんは、武器も持たずにあっと言う間に一体倒してしまった、凄いです。
打撃の方が効いて居る様にも見えたので、私も武器を変更して、トンファーに切り替え、エンチャントする魔法も、土魔法へと変えて見ました。
「クリスさん、キースさんは?」
「大丈夫、もう起きて警戒してたから、あっち任せて来た。」
「おかげで助かりました、この人達オカシイです、水刃で切っても大したダメージが無いみたい。」
「でしょうね、私が倒した人で確認したけど、角が有る、オーガの亜種か何かかしらね?」
「じゃあ、手加減は要らないですね。」
「それも待って? 一応会話が出来るのは確かなんだから、皆意識刈り取って縛り上げるわよ。」
「判りました! トンファーにして正解、お任せ~。」
どうもこっちの方が、ノックバックが大きい分、楽に戦えたので、これで行く事にしました。
クリスさん、凄いなぁ、完全に武器を必要として居ないのがすごい。
クリスさんは、倒して意識を刈り取った相手に対して回復魔法迄掛けながら戦ってる、殺さずに確保するのが目的なんですね。
私の実力じゃ、本気で掛からないとコッチが危ないって言うのに、本当に凄い人。
私の尊敬するお姉さん、二人の尊敬する人の内の一人だけあって、本当にカッコイイ。
1人は、エリーさん、あの人は、私に魔法を教えてくれて、剣とこのトンファーを教えてくれた師匠のような人。
そしてクリスさんは、兎に角優しさに溢れていて、それを力尽くで実践出来る人。
大きな弩弓の矢が刺さったエリーさんを助ける為に、鉄製の矢を手刀でぶった切ってまで助けたのも、このクリスさんだって聞いた事があります。
私は、とにかく自分のリズムを崩さないように心掛けながら少しづつダメージを蓄積させる戦い方しかできないので、クリスさんみたいな一撃必殺的な攻撃が欲しいと常々思います。
クリスさんは、敵の脚を持って振り回して、周囲の敵を巻き込んで蹴散らしてる。
私にあんなパワーがあったらなぁ・・・
そう思った瞬間、私の電脳から一つの導き出された答えが返ってくる。
パワーブースト。
エンチャント魔法の一種になるらしいので、その魔法は私にとって最適でした。
早速、パワーブーストを頭の中で唱えると、体内で、マナが急激に活性化するのが判る。
そして、それが全身へと広がっていく。
と、突然のように、私のトンファーを振る音が変化した。
圧倒的な風切音、これは、凄い、行ける、そう思った私は、良く蹴りを多用するクリスさんを真似て、回し蹴りとかも使って見る事にしました。
背後に接近する気配を感じた私は、とっさに後ろ回し蹴りって言う奴かなぁ? そんな動きで、冗談に蹴りを入れると、クリーンヒットした。
その相手が、吹っ飛んで行くのが一瞬視界に入った。
パワーだけじゃ無くて、スピードも上がって居る気がする。
クリスさんのそれには、今は遠く及ばないけれど、私も、もっと鍛えればきっとあの高みへと昇れる気がしてきました。
オーブちゃんに組み手をお願いした時には、頑張ればそこまで行ける気がしていた。
クリスさんの戦い方を見ていて、その自信は打ち砕かれた気がしていた私は、又自信を取り戻す事が出来そうでした。
でも、まだまだ頑張らなきゃって思いが、それ以上に強くなったんです。
勇者と言われたお父さんの技を、受け継いで、お母さんの心の強さを受け継いだ私は、次の勇者を目指して頑張るって決めた。
勇者に成れなくても、聖騎士位にはなりたいな。
そんな夢も、取り戻した気がしました。
クリスさんのような強い人と一緒に戦える事を、今は誇りにしよう。
これから自分を鍛えて行けば良いんだから。
ようやく一通り全部を倒せた私は、クリスさんの新しい技に愕然としました。
な・・・何それ、手から何が出たの???
それヤバい奴??
何が起きて居るのか判らなかった。残敵掃討位に、片手間に敵をあしらいながら、私の視線はクリスさんに釘付けになって居ました。
しゅ、しゅごい・・・
思わず上ずって呂律まで回らなくなってしまった。
その次のクリスさんの攻撃は、もっととんでもなかった。
何?あの禍々しいオーラ・・・
確かに、クリスさんが駆けつけてくれた時、少し苛ついてるように見えたけど、その結果がこのオーラなんだろうか・・・ハッキリ言って、怖い・・・
そんなオーラを纏ったまま、敵の密集している辺りに飛び込むクリスさん。
三体の敵を吹き飛ばした。普通、飛び込んだくらいでこんなに相手が吹き飛ぶなんかあり得ないんですけど~?!
吹き飛ばされた敵を見ると、気が振れたかのように奇声を発しながら痙攣している、あ、これヤバい奴・・・
クリスさんのあの禍々しいオーラには精神攻撃の効果も有るみたい・・・
こんなの、かすっただけでもヤバ谷園・・・
ぶっ壊されるにちまいないれしゅ。
クリスさんを今日ほど怖いと思った事は無いです。
聖女どころか、魔王に一瞬見えちゃいました。
さっき一瞬出たヤバ谷園って意味解んないけど・・・
その後のクリスさんの技も、普通なら即死級だった。
クリスさんとは仲良くしよぉ~っと・・・
「ふう、方付きましたね、クリスさん。」
襲って来た全員を縛り上げ、お父さん達の方へ戻って見ると、そこに有った筈の宿の建物は全焼して、周囲も焼け野原のようになって居た、そして、キースさんとお父さん、お母さんが、蹂躙をして居た・・・
クリスさん・・・私みんなが怖い・・・
宿の女将さんだったと思われる鬼が、お母さんに両腕切り落とされてこっちに逃げてきた・・・どっちが鬼だか判んないわ、これじゃ。
取り合えず私とクリスさんで鬼を確保して、逆上して我を忘れているお母さんを宥める。
クリスさんがお母さんから事情を聞いて見ると、電脳エッチの真っ最中で、あとちょっとって所で邪魔されたのでプチっとキレて、火遁の術で周囲消し飛ばしたらしい・・・何やってんのよ、もう。
一見良さげな温泉村があったから、休憩しよう。
そう言い出しっぺはクリスさんだった、けど、辞めようと言い出したのもクリスさんだった、そして私も、イヤな予感がして堪らなかったんです。
近づくまでは、気にも留めていなかった嫌な気配が、どうしてもぬぐい取れなかったの。
それがどんな物なのか、そこまでは、掴み切れなかったんです。
それが、まさかこんな酷い状況に発展するなんて、流石に想像できませんでした。
クリスさんに起こされる直前に、私も目を覚ましかけていました。
あんな異様な気配は、そうそう感じた事が無かったです。
どうしてって、泊まって居た宿屋の周囲全体、そして宿屋の建物内部にも幾つもの気配が漂ってたんです。
それは、明らかに私達を狙った物である事も間違い無かったんです、ハッキリ言って怖かったです。
だけど、ここは私もしっかりしないといけないと思って、おとり役を自分からクリスさんに申し出て、走りました。
村の門に向かって全力で。
建物からは、6つ程の気配が付いて来て居るのが判って居たので、撃退しようと、エリーさんに貰ったこの能力、魔法剣を展開、水刃剣で撃退を試みたんですけど、確かに攻撃は当たって居るし、一度は退ける事が出来るのだけど、あまり聞いて居ないようで困って居る所に、クリスさんが追い付いてきました。
私の魔法剣で撃退できなかったその敵を、クリスさんは、武器も持たずにあっと言う間に一体倒してしまった、凄いです。
打撃の方が効いて居る様にも見えたので、私も武器を変更して、トンファーに切り替え、エンチャントする魔法も、土魔法へと変えて見ました。
「クリスさん、キースさんは?」
「大丈夫、もう起きて警戒してたから、あっち任せて来た。」
「おかげで助かりました、この人達オカシイです、水刃で切っても大したダメージが無いみたい。」
「でしょうね、私が倒した人で確認したけど、角が有る、オーガの亜種か何かかしらね?」
「じゃあ、手加減は要らないですね。」
「それも待って? 一応会話が出来るのは確かなんだから、皆意識刈り取って縛り上げるわよ。」
「判りました! トンファーにして正解、お任せ~。」
どうもこっちの方が、ノックバックが大きい分、楽に戦えたので、これで行く事にしました。
クリスさん、凄いなぁ、完全に武器を必要として居ないのがすごい。
クリスさんは、倒して意識を刈り取った相手に対して回復魔法迄掛けながら戦ってる、殺さずに確保するのが目的なんですね。
私の実力じゃ、本気で掛からないとコッチが危ないって言うのに、本当に凄い人。
私の尊敬するお姉さん、二人の尊敬する人の内の一人だけあって、本当にカッコイイ。
1人は、エリーさん、あの人は、私に魔法を教えてくれて、剣とこのトンファーを教えてくれた師匠のような人。
そしてクリスさんは、兎に角優しさに溢れていて、それを力尽くで実践出来る人。
大きな弩弓の矢が刺さったエリーさんを助ける為に、鉄製の矢を手刀でぶった切ってまで助けたのも、このクリスさんだって聞いた事があります。
私は、とにかく自分のリズムを崩さないように心掛けながら少しづつダメージを蓄積させる戦い方しかできないので、クリスさんみたいな一撃必殺的な攻撃が欲しいと常々思います。
クリスさんは、敵の脚を持って振り回して、周囲の敵を巻き込んで蹴散らしてる。
私にあんなパワーがあったらなぁ・・・
そう思った瞬間、私の電脳から一つの導き出された答えが返ってくる。
パワーブースト。
エンチャント魔法の一種になるらしいので、その魔法は私にとって最適でした。
早速、パワーブーストを頭の中で唱えると、体内で、マナが急激に活性化するのが判る。
そして、それが全身へと広がっていく。
と、突然のように、私のトンファーを振る音が変化した。
圧倒的な風切音、これは、凄い、行ける、そう思った私は、良く蹴りを多用するクリスさんを真似て、回し蹴りとかも使って見る事にしました。
背後に接近する気配を感じた私は、とっさに後ろ回し蹴りって言う奴かなぁ? そんな動きで、冗談に蹴りを入れると、クリーンヒットした。
その相手が、吹っ飛んで行くのが一瞬視界に入った。
パワーだけじゃ無くて、スピードも上がって居る気がする。
クリスさんのそれには、今は遠く及ばないけれど、私も、もっと鍛えればきっとあの高みへと昇れる気がしてきました。
オーブちゃんに組み手をお願いした時には、頑張ればそこまで行ける気がしていた。
クリスさんの戦い方を見ていて、その自信は打ち砕かれた気がしていた私は、又自信を取り戻す事が出来そうでした。
でも、まだまだ頑張らなきゃって思いが、それ以上に強くなったんです。
勇者と言われたお父さんの技を、受け継いで、お母さんの心の強さを受け継いだ私は、次の勇者を目指して頑張るって決めた。
勇者に成れなくても、聖騎士位にはなりたいな。
そんな夢も、取り戻した気がしました。
クリスさんのような強い人と一緒に戦える事を、今は誇りにしよう。
これから自分を鍛えて行けば良いんだから。
ようやく一通り全部を倒せた私は、クリスさんの新しい技に愕然としました。
な・・・何それ、手から何が出たの???
それヤバい奴??
何が起きて居るのか判らなかった。残敵掃討位に、片手間に敵をあしらいながら、私の視線はクリスさんに釘付けになって居ました。
しゅ、しゅごい・・・
思わず上ずって呂律まで回らなくなってしまった。
その次のクリスさんの攻撃は、もっととんでもなかった。
何?あの禍々しいオーラ・・・
確かに、クリスさんが駆けつけてくれた時、少し苛ついてるように見えたけど、その結果がこのオーラなんだろうか・・・ハッキリ言って、怖い・・・
そんなオーラを纏ったまま、敵の密集している辺りに飛び込むクリスさん。
三体の敵を吹き飛ばした。普通、飛び込んだくらいでこんなに相手が吹き飛ぶなんかあり得ないんですけど~?!
吹き飛ばされた敵を見ると、気が振れたかのように奇声を発しながら痙攣している、あ、これヤバい奴・・・
クリスさんのあの禍々しいオーラには精神攻撃の効果も有るみたい・・・
こんなの、かすっただけでもヤバ谷園・・・
ぶっ壊されるにちまいないれしゅ。
クリスさんを今日ほど怖いと思った事は無いです。
聖女どころか、魔王に一瞬見えちゃいました。
さっき一瞬出たヤバ谷園って意味解んないけど・・・
その後のクリスさんの技も、普通なら即死級だった。
クリスさんとは仲良くしよぉ~っと・・・
「ふう、方付きましたね、クリスさん。」
襲って来た全員を縛り上げ、お父さん達の方へ戻って見ると、そこに有った筈の宿の建物は全焼して、周囲も焼け野原のようになって居た、そして、キースさんとお父さん、お母さんが、蹂躙をして居た・・・
クリスさん・・・私みんなが怖い・・・
宿の女将さんだったと思われる鬼が、お母さんに両腕切り落とされてこっちに逃げてきた・・・どっちが鬼だか判んないわ、これじゃ。
取り合えず私とクリスさんで鬼を確保して、逆上して我を忘れているお母さんを宥める。
クリスさんがお母さんから事情を聞いて見ると、電脳エッチの真っ最中で、あとちょっとって所で邪魔されたのでプチっとキレて、火遁の術で周囲消し飛ばしたらしい・・・何やってんのよ、もう。
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