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戦争
交戦中4(クリス視点)
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エリーに電脳化をして貰った私は、今、膨大な知識が増えていた。
人体の仕組みを完全に網羅して居る、凄い。
その上、様々な病気の知識までが有る、エリーって、マジで何者なんだろう。
更に、今までの常識ではあり得なかった事が出来るようになっていた。
今の私の周囲には、エリーが生み出したナノマシンと言う物が漂って居るらしいんだけど、それを媒介にして、周囲の魔素を集め、即席で治療が出来るヒールと言う魔法?が使えるようになる、らしい、試して見ないとどんなもんなのかも理解出来て居ないけど・・・でも今なら知識上では知って居る、不思議な感覚。
キースに施した腕を動かす為にやった電脳化と私にやった電脳化は違う事も理解して居る。
私に施された電脳化は知識とナノマシン操作に特化して居るらしい。
ヒールの他に、キュアポイズンなど、幾つかの回復系?魔法?が使えるようになった・・・らしい。
怪我した人とか居ないけど、試しに魔法を使ってみようと思った瞬間に視界に変な窓みたいなのが現れて、使える魔法の一覧みたいなのが出て来た。
だけど怪我人とか病人が居ないので今は使えないんだと言う理解が自然と出来ている、私の知識が増えていると言う事なのだろう。
次に、どんな治療が出来るんだろうと考えた瞬間、膨大な量の、処置できると思える症状が出て来た。
「す、凄い、これが電脳化・・・」
思わず無意識に口に出して居た、イケナイ、未だ秘密にしておかなくちゃ。
そう言えばエリーは、私にもポーションが作れるようになったって言ってたっけ・・・と考えると今度は、製法が出て来たんだけど・・・ハイポーションって・・・何?
私が知って居るのはローポーションだけの筈なんだけど。
他にも、診察と言うスキルが出来て居た、これは治療する人の症状やその瞬間の状況などが一目で判るらしい。
更には、解毒ポーションや、麻痺や猛毒に対する耐性を一時的に付与出来るガードポーションなんてのも製法が出て来た。
もしかして、エリーってマジで天才?
確か未だ、ここにきて4~5カ月の筈なのに、こんなに私の知らない薬を作って居るなんて。
これだけ知識に特化した電脳なのに、それでもエリーが言うには、私はこの電脳化で十分に戦えると言う。
確かに色んな格闘技の技を、私は知って居る、いや、私の電脳が知って居るだけなのだけど。
私は、戦争に駆り出されたキースが心配で自分自身も参戦してキースの力になりたいと言う思いでこの電脳化をエリーにお願いした。
だから、今は誰にも秘密にして居るので、今の私は未だ、只の薬師のクリスだ。
だけど、ついに敵国が攻めて来たらしい。
エリーの後ろを着いて行くと、何故かエリーは領主様の陣地へと入って行った。
どうやらエリーの担当箇所が横に広がって展開すると思われる戦場の中央を突破して遊撃する遊撃部隊らしい・・・一人で?え?
打ち合わせをしている間、陣のテントの外で待って居ると、キースに見つかってしまった。
「おい、クリス、お前こんな所で何やってるんだ?ギルドで待ってろって言っただろ?危ないぞ、戦場なんだから。」
「うん、ごめんねキース、私はキースやザインが心配で、一緒に居たいからエリーにお願いして連れて来て貰ったの。」
「ダメだ、お前にもしもの事が有ったら俺が困る。」
そこへエリーがテントから出て来た。
「お~お、お熱い事で、ラブラブするなら戦争終わらせてからにしようね~、お二人さん。」
「ってエリー!どう言う事だよ、何でクリス連れて来た?」
「まぁまぁキース、そう目くじら立てるな、クリスなら私が完璧に守ってやるから安心しろ、それに、クリスだってそんなに弱くないぞ、ワンパンでKOされたの忘れちゃった?」
「チっ、いやな事言うな、エリーは・・・
判った、もしクリスが怪我したらいくらエリーでも許さねぇから覚えとけよ?」
「ああ、その時はクリスも義体化してやるよ、タダでな。」
「そう言う事言ってるんじゃねぇけど、まぁ良いわ、お前なら口にしたことは守ってくれそうだからよ。」
キースは何とか納得してくれたみたい。
-------------------
敵将が口上を述べると、エリーが拡声器を使って敵兵達を煽るように小馬鹿にしている。
電脳のお陰で今エリーが使って居る拡声器と言う魔道具が何なのかもわかるし、何でエリーがこんな事言って煽ってるのかもわかる、電脳化って本当に凄い。
頭に来たらしい前列付近に居た敵兵達が、命令無視で突撃して来てなし崩しに開戦した。
エリーの作戦大ハマり、判って居ると面白い。
当面、私の役割は、エリーについて回って怪我人を見つけたらヒールを掛けて回る、もしくは、軽傷ならポーションを配って歩く事。
エリーは足も速いから、私も身体強化を掛けて瞬足移動している。
ハイポーションを試しに先日作ってみて判った事、このハイポーションはより効率的に使うには、診察をして、その治療個所に適切な術式を組んでポーションに記憶させる事でその効果は数倍に跳ね上がるみたいだ。
エリーの考える事は途轍もない。
それこそ、前世の記憶を持ってこっちに来たとか言ってたけど、その膨大な時間を使って培った知識の応用をこの世界でやって居るんだろうね。
やっぱりすごいと思う、領主様には賢者とか言われてるみたいだけど、成程って感じ。
エリーにくっついて、治療をしながら移動を繰り返して居ると、治療中の私にちょっかいを出して来た敵将が居た。
「おい!お前が治して廻ってる聖女って奴だにゃ?
邪魔にゃんだよね~、死んで貰うにゃ!」
診察中だった私は今患者から目が離せない、とっさに身体硬化を発動させると、肩口付近に軽い衝撃が来た、と思ったら、変な喋り方をする敵将の振り下ろしたと思われる剣が折れ、剣先が有らぬ方向へ飛んで行くのが見えた。
え?ちょっと衝撃が来たな、程度で痛くも何とも無かったんだけど?
「にゃっ!? 剣が折れたにゃ?
まぁ良いにゃ、それにしても剣があっさり折れるにゃんてどんな凶悪な鎧着込んでるんにゃ?
まあどの道アタイの戦い方は本当は剣にゃんか使わにゃい、素手の格闘だからにゃ!」
ヒールをかけ始めたばかりの私の側頭部に蹴りが飛んで来たのが見えた、普通はこんな速い蹴り見えた時には当たってるんだろうけど、来るのが見えたのですっと頭を下げてかわした。
「にゃにゃ!? アタイの蹴りをよけた?」
「うるさい!ちょっと黙っててくれない?
ほっといたらこの人死んじゃうんだからね!」
つい口を突いたセリフだった。
「こいつ、にゃめんにゃよ!」
私の肩に掴み掛って来たので、丁度開いて居た左手で裏拳を打ち込むと、受けられると思って居たのにクリーンヒット。
「ぶっ! お前、聖女の癖に強そうだにゃ?
拳聖のアタイに不意打ちとは言え一発入れるにゃんて、やってくれるにゃ。」
--------
元冒険者、オーブ・コクーン将軍
彼女は、猫亜人の長の娘だったが、ある時父親との確執が爆発、家を飛び出すも、行く当てが無く彷徨って居た所をランクル帝国の騎士爵にして拳神と謳われる六英雄の一人、ライン戦線のゴリラと称されるハンマー使いで有名な、ガンダルフ・アームストロング准男爵の兄君、拳神の名を欲しいままにした、六英雄最強と謳われたニック・アームストロング男爵に拾われ、格闘術を学ぶ。
拳聖にまで上り詰めるも、し、ニック・アームストロングが歳の為逝去、その拳の腕を試すべくして冒険者となったが、ランクル帝国宰相、ヤリス・クロス侯爵の口車に乗ってしまう。
その上、魔道具、隷属の首輪と言う厄介なアイテムを嵌められたお陰で宰相の下の世話から、軍を率いるこうした仕事まで、こき使われていた。
(くっそぉ~、この首輪さえ外れたらあんにゃ糞ジジイ塵も残さず粉々(こにゃごにゃ)に粉砕してやるところにゃのに・・・)
隷属の首輪とは、主導権のリードと呼ばれるロープ型の魔道具と一対になって居る、リモートコントロール機能の付いた、強制的に言いなりにさせる為の道具である。
どうやらこれも、エリーがこちらに来る以前の賢者と呼ばれた者の作品らしいが、何でこんな厄介な物を作ったのであろうか。
---
「ふう、とりあえず容体は安定したみたいね、ちょっとそこの貴方! この怪我人を連れて下がって下さい! これを飲ませるのも忘れないで!」
私がヒールを掛けていた冒険者の人(いつも飲んだくれてる姿しか見た事の無かった人なので名前は知らない)の容態が安定して、ローポーションを飲める程度にまで回復させる事が出来たので、その人の相棒っぽい人に預けて、私の邪魔をした面倒な敵兵に向き合う事にした。
「お、やっとやる気ににゃったかにゃ?」
猫亜人だった。
割と可愛いかも知れない、少しモフモフ系だ。
「貴方何? 私の治療の邪魔して、どんなつもりだった訳?」
と、問いただしつつ、私は有る事に気が付いた。
(あ、あれは隷属の首輪じゃない? 何でもう根絶したと言われて居る魔道具がまだこんな所に有る訳? って事はこの子もしかすると言いなりになってて仕方なく戦ってる?)
「にゃぁに、折角アタイが倒した奴らを回復して周られちゃたまったもんじゃにゃいからね。
倒しても倒しても終わらにゃいじゃにゃいか!」
「あ、そう、私はあいにくこうして人を治療するしか脳が無いので貴方とは正反対みたいね。
私は、見ての通り、治療術師のクリス、先に名乗ったのだから名前くらい教えなさい。」
「へぇ、聖女様じゃにゃいのかにゃ?
あんにゃ技使えるやつ見た事にゃいぞ?
アタイは、第四隊の隊長して居る、オーブ・コクーンにゃ、一応将軍職にゃよ。」
「ふぅん、じゃあ尚更私はあなたを倒さなきゃいけないみたいね。
さぁ、良いわよ、いつでも!」
左前に構えているコクーンを見て、その隙の無さからかなりの腕前なのだろうと思った私は、相手の混乱を誘う目的もあり、右前に構える八極拳の構えを取る。
「へぇ、左利きにゃんだ? だからさっきの裏拳結構鋭かったわけだにゃ?」
勘違いをされた、好都合だ。
睨みあいつつ、身体硬化、身体加速、身体強化を同時に発動させる。
手始めに八極拳のごく普通の刺突拳を打ってみると、ちゃんとかわす、うん、思った通り強い。
次の瞬間、右足の回し蹴りが飛んで来たので、掴みとってドラゴンスクリューで投げ飛ばす。
だけど彼方もかなりやれるみたいで、目いっぱい回転掛けたつもりだったんだけどしっかり着地を決めてすぐに構えを取っている。
今度は私は、虎鶴拳の、虎の構えを取る。
虎鶴拳と言うのは、形意拳の中でも最高峰の、虎と鶴の二つの動物を一度に模した拳法だ。
今度は左前の構えに成るので、相手は混乱して居る様だ。
「にゃに? その構えはアタイの故郷の拳法の構えかにゃ?」
混乱して居る意味は少し違ったらしい・・・
そのまま、鶴の構えに切り替えると、ますます混乱した。
「お前、にゃんにゃんだ?色んな構えを持ってるにゃ、しかもさっきのにゃげ技も初めてもらったにゃ、いったいにゃに者?」
「ちょっと色んな格闘術を知って居るだけよ。」
そして決定打にかける打ち合いが始まってほどなくして、私の視界の片隅に映って居るエリーが、弩弓の大きな矢を受けて倒れる瞬間を見てしまった。
「エリーーー!!!」
何とも言えない怒りが込み上げて来た。
すると、私の身体強化に変化が現れた。
突然、拳速が倍程に跳ね上がり、その威力もやはり、これまでの倍以上と言った威力を発揮した、打った拳が、コクーンの胸元に届く、慌てたコクーンはとっさにクロスガードをする、その拳が当たった左を前にしたクロスガードが崩れるも何とか凌いだ様だったが、その左腕は折れたようだ。
私はそのまま思考加速も発動し、更に距離を詰める。
蹴りを放つが、それはフェイク。
コクーンの鳩尾に狙いを付けて放たれた蹴りを受けようとして屈んだ瞬間、その足を引き震脚に変え、瓦割を打つ。
それは見事にコクーンの左肩甲骨にヒットした。
そのまま前のめりになったコクーンを背中から腹に腕を通し腰をホールドした私は力いっぱい振り上げる。
ふっと重力から開放されたコクーンの体の重量を感じなくなった次の瞬間、今度は力一杯地面にたたきつける。
パワー・ボム。
これ以上無い位に決まった。
だけどこれは、コクーンを倒す為にはなった技では無く、隷属の首輪を破壊する為に少し出ていた石にその首輪の蝶番部分をぶつける為の技だった。
一応ダメージもあるだろうから、コクーンは放って置いてそのままエリーの元へ走って行く。
「エリー!死んじゃダメぇーーー!!」
大急ぎで診察スキルを発動し、矢尻を手刀で切断し引き抜いてヒールを掛ける。
「何だ、心配性だな、クリス。 私は大丈夫だ、セルフバリヤーが切れた瞬間に矢が飛んで来てウッカリ受けちゃっただけだし、死ぬ事も無いってば。」
「でも、でも!」
「私の事は良いから、あの手練れの猫ちゃんが恨めしそうに睨んでるぞ、決着付けてやれ。」
「うん、判った、せめて、コレ。」
私は、興味本位から試作して居たハイポーションを手渡した。
「ははは、やっぱ作っちゃってたか、私も甘いな、未だ秘匿するつもりだったのに、さぁ、行って来い、大丈夫だから。」
と言ってエリーはハイポーションを煽った。
「うん、勝って来るからね。」
と言って振り返ると、何故かそれまで蒸し暑い位だった筈のそこに吹雪が吹き荒れて居た・・・何だ、あれ・・・
でもそんな事には構って居られない。
もうボロボロなその猫亜人に、私はヒールを掛けてやると、また新たな構えを取る。プロレスリングと言う格闘術の構えだった。
この格闘技は、投、極、打の全ての要素を持った、エリーのくれた情報の中でも恐らく最強と思える物だった。
「くっそう、にゃんでお前そんにゃに強いにゃ! アタイはこれでも拳聖にゃんだぞ!? にゃんでアタイが圧倒されなきゃいけにゃいんだ!ずるいぞ!」
多分、構えを捨てて突っ込んでくる所を見ると、一撃必殺の奥義でも放つつもりなんだろう。
でもまだ私の身体強化はブーストが掛かったままだった。
「そんな事」その攻撃を片手で受け止める
「言ったって」掌底で二激目をはじく
「負けたくないのは一緒っ!」状態が上がったコクーンの肩目掛けて、フランケンシュタイナー クリーンヒット。
「大体ねぇ!」 フランケンシュタイナーの首投げ迄決まった。
「そんなこと!」持ち上げてバックを取ってホールド
「知らんがなっ!」ジャーマンスープレクス、決まった、但し、死なないように、たまたま近くにあった兎の穴に頭が入るように投げている。
ホールドして居た腕を解いて立ち上がる、コクーンは頭をすっぽり地面に埋め逆さダイノジみたいな恰好で逆立ち状態で手足を痙攣させて立って居た。
「っしゃぁっ! ンなろぉ~っ!」
思わず叫んでしまった。
隷属の首輪は先程のパワーボムで蝶番は壊れて居たので今の衝撃で外れたようだった。
って、普通にダイノジって言葉が過ったけどダイノジってどんな字かな、知らないのに出て来るって事はエリーが植え付けた知識なんだろう、後で聞こうかな。
「見事な犬神家だ・・・決まったな、おめでとう、君もこれで、ネームドかもよ?」
後ろから、エリーに声を掛けられた、イヌガミケ? って何だろう。
良かった、エリー、死ななかった。
振り返ると、矢の刺さって居たのが何処だったかも判らない程に完全に治ったエリーがニヤニヤして、親指を立てて立って居た。
「大丈夫?どこも痛くない?ちゃんと治った?」
「ああ、大丈夫だ、どこも痛く無いし何処にも傷跡も残って無い、美少女は不死身なのよ?」
「ばっかじゃ無いの?何が美少女は不死身よ。
可愛いのは間違っては居ないけどね。」
「さぁ、怪我人の治療に行くよ、大方片付いちゃったみたいだしね。 全くやれやれだよ、ザインちゃんもまさかここでシヴァを召喚出来るようになるとはね~。」
って、シヴァって何?
ザインってばどんな召喚術覚えたってのよ、怖いんだけど!
エリーは多分、ザインに呆れて居るのだろう。
エリーに付いて行こうとしたら、後ろから声を掛けられた。
「ま、待つにゃ・・・」
未だやる気?いい加減にして欲しいんだけど。
振り返ると、そこには、膝を折って座り両手をついて頭を下げるコクーンが居た。
「え?何してんのよ。」
「完敗だにゃ、しかも隷属の首輪も壊して貰って、挙句に死にゃにゃいようにあにゃにハマる様ににゃげてくれた、師匠と呼ばせて欲しいにゃ! 弟子にして欲しいにゃ!」
「な」の音が「にゃ」になってしまうようで、何言ってるのか判んない事に成って居るけど、弟子にして欲しいって、止めてよね。
「私、弟子は取ってませ~ん。 あ、これ飲んでね。」
と言って、ローポーションを一つ置いて逃げ出し、エリーを追いかけたのだった。
「エリー!待ってよ~!」
「あ、逃げんにゃ、待つにゃ~!」
人体の仕組みを完全に網羅して居る、凄い。
その上、様々な病気の知識までが有る、エリーって、マジで何者なんだろう。
更に、今までの常識ではあり得なかった事が出来るようになっていた。
今の私の周囲には、エリーが生み出したナノマシンと言う物が漂って居るらしいんだけど、それを媒介にして、周囲の魔素を集め、即席で治療が出来るヒールと言う魔法?が使えるようになる、らしい、試して見ないとどんなもんなのかも理解出来て居ないけど・・・でも今なら知識上では知って居る、不思議な感覚。
キースに施した腕を動かす為にやった電脳化と私にやった電脳化は違う事も理解して居る。
私に施された電脳化は知識とナノマシン操作に特化して居るらしい。
ヒールの他に、キュアポイズンなど、幾つかの回復系?魔法?が使えるようになった・・・らしい。
怪我した人とか居ないけど、試しに魔法を使ってみようと思った瞬間に視界に変な窓みたいなのが現れて、使える魔法の一覧みたいなのが出て来た。
だけど怪我人とか病人が居ないので今は使えないんだと言う理解が自然と出来ている、私の知識が増えていると言う事なのだろう。
次に、どんな治療が出来るんだろうと考えた瞬間、膨大な量の、処置できると思える症状が出て来た。
「す、凄い、これが電脳化・・・」
思わず無意識に口に出して居た、イケナイ、未だ秘密にしておかなくちゃ。
そう言えばエリーは、私にもポーションが作れるようになったって言ってたっけ・・・と考えると今度は、製法が出て来たんだけど・・・ハイポーションって・・・何?
私が知って居るのはローポーションだけの筈なんだけど。
他にも、診察と言うスキルが出来て居た、これは治療する人の症状やその瞬間の状況などが一目で判るらしい。
更には、解毒ポーションや、麻痺や猛毒に対する耐性を一時的に付与出来るガードポーションなんてのも製法が出て来た。
もしかして、エリーってマジで天才?
確か未だ、ここにきて4~5カ月の筈なのに、こんなに私の知らない薬を作って居るなんて。
これだけ知識に特化した電脳なのに、それでもエリーが言うには、私はこの電脳化で十分に戦えると言う。
確かに色んな格闘技の技を、私は知って居る、いや、私の電脳が知って居るだけなのだけど。
私は、戦争に駆り出されたキースが心配で自分自身も参戦してキースの力になりたいと言う思いでこの電脳化をエリーにお願いした。
だから、今は誰にも秘密にして居るので、今の私は未だ、只の薬師のクリスだ。
だけど、ついに敵国が攻めて来たらしい。
エリーの後ろを着いて行くと、何故かエリーは領主様の陣地へと入って行った。
どうやらエリーの担当箇所が横に広がって展開すると思われる戦場の中央を突破して遊撃する遊撃部隊らしい・・・一人で?え?
打ち合わせをしている間、陣のテントの外で待って居ると、キースに見つかってしまった。
「おい、クリス、お前こんな所で何やってるんだ?ギルドで待ってろって言っただろ?危ないぞ、戦場なんだから。」
「うん、ごめんねキース、私はキースやザインが心配で、一緒に居たいからエリーにお願いして連れて来て貰ったの。」
「ダメだ、お前にもしもの事が有ったら俺が困る。」
そこへエリーがテントから出て来た。
「お~お、お熱い事で、ラブラブするなら戦争終わらせてからにしようね~、お二人さん。」
「ってエリー!どう言う事だよ、何でクリス連れて来た?」
「まぁまぁキース、そう目くじら立てるな、クリスなら私が完璧に守ってやるから安心しろ、それに、クリスだってそんなに弱くないぞ、ワンパンでKOされたの忘れちゃった?」
「チっ、いやな事言うな、エリーは・・・
判った、もしクリスが怪我したらいくらエリーでも許さねぇから覚えとけよ?」
「ああ、その時はクリスも義体化してやるよ、タダでな。」
「そう言う事言ってるんじゃねぇけど、まぁ良いわ、お前なら口にしたことは守ってくれそうだからよ。」
キースは何とか納得してくれたみたい。
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敵将が口上を述べると、エリーが拡声器を使って敵兵達を煽るように小馬鹿にしている。
電脳のお陰で今エリーが使って居る拡声器と言う魔道具が何なのかもわかるし、何でエリーがこんな事言って煽ってるのかもわかる、電脳化って本当に凄い。
頭に来たらしい前列付近に居た敵兵達が、命令無視で突撃して来てなし崩しに開戦した。
エリーの作戦大ハマり、判って居ると面白い。
当面、私の役割は、エリーについて回って怪我人を見つけたらヒールを掛けて回る、もしくは、軽傷ならポーションを配って歩く事。
エリーは足も速いから、私も身体強化を掛けて瞬足移動している。
ハイポーションを試しに先日作ってみて判った事、このハイポーションはより効率的に使うには、診察をして、その治療個所に適切な術式を組んでポーションに記憶させる事でその効果は数倍に跳ね上がるみたいだ。
エリーの考える事は途轍もない。
それこそ、前世の記憶を持ってこっちに来たとか言ってたけど、その膨大な時間を使って培った知識の応用をこの世界でやって居るんだろうね。
やっぱりすごいと思う、領主様には賢者とか言われてるみたいだけど、成程って感じ。
エリーにくっついて、治療をしながら移動を繰り返して居ると、治療中の私にちょっかいを出して来た敵将が居た。
「おい!お前が治して廻ってる聖女って奴だにゃ?
邪魔にゃんだよね~、死んで貰うにゃ!」
診察中だった私は今患者から目が離せない、とっさに身体硬化を発動させると、肩口付近に軽い衝撃が来た、と思ったら、変な喋り方をする敵将の振り下ろしたと思われる剣が折れ、剣先が有らぬ方向へ飛んで行くのが見えた。
え?ちょっと衝撃が来たな、程度で痛くも何とも無かったんだけど?
「にゃっ!? 剣が折れたにゃ?
まぁ良いにゃ、それにしても剣があっさり折れるにゃんてどんな凶悪な鎧着込んでるんにゃ?
まあどの道アタイの戦い方は本当は剣にゃんか使わにゃい、素手の格闘だからにゃ!」
ヒールをかけ始めたばかりの私の側頭部に蹴りが飛んで来たのが見えた、普通はこんな速い蹴り見えた時には当たってるんだろうけど、来るのが見えたのですっと頭を下げてかわした。
「にゃにゃ!? アタイの蹴りをよけた?」
「うるさい!ちょっと黙っててくれない?
ほっといたらこの人死んじゃうんだからね!」
つい口を突いたセリフだった。
「こいつ、にゃめんにゃよ!」
私の肩に掴み掛って来たので、丁度開いて居た左手で裏拳を打ち込むと、受けられると思って居たのにクリーンヒット。
「ぶっ! お前、聖女の癖に強そうだにゃ?
拳聖のアタイに不意打ちとは言え一発入れるにゃんて、やってくれるにゃ。」
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元冒険者、オーブ・コクーン将軍
彼女は、猫亜人の長の娘だったが、ある時父親との確執が爆発、家を飛び出すも、行く当てが無く彷徨って居た所をランクル帝国の騎士爵にして拳神と謳われる六英雄の一人、ライン戦線のゴリラと称されるハンマー使いで有名な、ガンダルフ・アームストロング准男爵の兄君、拳神の名を欲しいままにした、六英雄最強と謳われたニック・アームストロング男爵に拾われ、格闘術を学ぶ。
拳聖にまで上り詰めるも、し、ニック・アームストロングが歳の為逝去、その拳の腕を試すべくして冒険者となったが、ランクル帝国宰相、ヤリス・クロス侯爵の口車に乗ってしまう。
その上、魔道具、隷属の首輪と言う厄介なアイテムを嵌められたお陰で宰相の下の世話から、軍を率いるこうした仕事まで、こき使われていた。
(くっそぉ~、この首輪さえ外れたらあんにゃ糞ジジイ塵も残さず粉々(こにゃごにゃ)に粉砕してやるところにゃのに・・・)
隷属の首輪とは、主導権のリードと呼ばれるロープ型の魔道具と一対になって居る、リモートコントロール機能の付いた、強制的に言いなりにさせる為の道具である。
どうやらこれも、エリーがこちらに来る以前の賢者と呼ばれた者の作品らしいが、何でこんな厄介な物を作ったのであろうか。
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「ふう、とりあえず容体は安定したみたいね、ちょっとそこの貴方! この怪我人を連れて下がって下さい! これを飲ませるのも忘れないで!」
私がヒールを掛けていた冒険者の人(いつも飲んだくれてる姿しか見た事の無かった人なので名前は知らない)の容態が安定して、ローポーションを飲める程度にまで回復させる事が出来たので、その人の相棒っぽい人に預けて、私の邪魔をした面倒な敵兵に向き合う事にした。
「お、やっとやる気ににゃったかにゃ?」
猫亜人だった。
割と可愛いかも知れない、少しモフモフ系だ。
「貴方何? 私の治療の邪魔して、どんなつもりだった訳?」
と、問いただしつつ、私は有る事に気が付いた。
(あ、あれは隷属の首輪じゃない? 何でもう根絶したと言われて居る魔道具がまだこんな所に有る訳? って事はこの子もしかすると言いなりになってて仕方なく戦ってる?)
「にゃぁに、折角アタイが倒した奴らを回復して周られちゃたまったもんじゃにゃいからね。
倒しても倒しても終わらにゃいじゃにゃいか!」
「あ、そう、私はあいにくこうして人を治療するしか脳が無いので貴方とは正反対みたいね。
私は、見ての通り、治療術師のクリス、先に名乗ったのだから名前くらい教えなさい。」
「へぇ、聖女様じゃにゃいのかにゃ?
あんにゃ技使えるやつ見た事にゃいぞ?
アタイは、第四隊の隊長して居る、オーブ・コクーンにゃ、一応将軍職にゃよ。」
「ふぅん、じゃあ尚更私はあなたを倒さなきゃいけないみたいね。
さぁ、良いわよ、いつでも!」
左前に構えているコクーンを見て、その隙の無さからかなりの腕前なのだろうと思った私は、相手の混乱を誘う目的もあり、右前に構える八極拳の構えを取る。
「へぇ、左利きにゃんだ? だからさっきの裏拳結構鋭かったわけだにゃ?」
勘違いをされた、好都合だ。
睨みあいつつ、身体硬化、身体加速、身体強化を同時に発動させる。
手始めに八極拳のごく普通の刺突拳を打ってみると、ちゃんとかわす、うん、思った通り強い。
次の瞬間、右足の回し蹴りが飛んで来たので、掴みとってドラゴンスクリューで投げ飛ばす。
だけど彼方もかなりやれるみたいで、目いっぱい回転掛けたつもりだったんだけどしっかり着地を決めてすぐに構えを取っている。
今度は私は、虎鶴拳の、虎の構えを取る。
虎鶴拳と言うのは、形意拳の中でも最高峰の、虎と鶴の二つの動物を一度に模した拳法だ。
今度は左前の構えに成るので、相手は混乱して居る様だ。
「にゃに? その構えはアタイの故郷の拳法の構えかにゃ?」
混乱して居る意味は少し違ったらしい・・・
そのまま、鶴の構えに切り替えると、ますます混乱した。
「お前、にゃんにゃんだ?色んな構えを持ってるにゃ、しかもさっきのにゃげ技も初めてもらったにゃ、いったいにゃに者?」
「ちょっと色んな格闘術を知って居るだけよ。」
そして決定打にかける打ち合いが始まってほどなくして、私の視界の片隅に映って居るエリーが、弩弓の大きな矢を受けて倒れる瞬間を見てしまった。
「エリーーー!!!」
何とも言えない怒りが込み上げて来た。
すると、私の身体強化に変化が現れた。
突然、拳速が倍程に跳ね上がり、その威力もやはり、これまでの倍以上と言った威力を発揮した、打った拳が、コクーンの胸元に届く、慌てたコクーンはとっさにクロスガードをする、その拳が当たった左を前にしたクロスガードが崩れるも何とか凌いだ様だったが、その左腕は折れたようだ。
私はそのまま思考加速も発動し、更に距離を詰める。
蹴りを放つが、それはフェイク。
コクーンの鳩尾に狙いを付けて放たれた蹴りを受けようとして屈んだ瞬間、その足を引き震脚に変え、瓦割を打つ。
それは見事にコクーンの左肩甲骨にヒットした。
そのまま前のめりになったコクーンを背中から腹に腕を通し腰をホールドした私は力いっぱい振り上げる。
ふっと重力から開放されたコクーンの体の重量を感じなくなった次の瞬間、今度は力一杯地面にたたきつける。
パワー・ボム。
これ以上無い位に決まった。
だけどこれは、コクーンを倒す為にはなった技では無く、隷属の首輪を破壊する為に少し出ていた石にその首輪の蝶番部分をぶつける為の技だった。
一応ダメージもあるだろうから、コクーンは放って置いてそのままエリーの元へ走って行く。
「エリー!死んじゃダメぇーーー!!」
大急ぎで診察スキルを発動し、矢尻を手刀で切断し引き抜いてヒールを掛ける。
「何だ、心配性だな、クリス。 私は大丈夫だ、セルフバリヤーが切れた瞬間に矢が飛んで来てウッカリ受けちゃっただけだし、死ぬ事も無いってば。」
「でも、でも!」
「私の事は良いから、あの手練れの猫ちゃんが恨めしそうに睨んでるぞ、決着付けてやれ。」
「うん、判った、せめて、コレ。」
私は、興味本位から試作して居たハイポーションを手渡した。
「ははは、やっぱ作っちゃってたか、私も甘いな、未だ秘匿するつもりだったのに、さぁ、行って来い、大丈夫だから。」
と言ってエリーはハイポーションを煽った。
「うん、勝って来るからね。」
と言って振り返ると、何故かそれまで蒸し暑い位だった筈のそこに吹雪が吹き荒れて居た・・・何だ、あれ・・・
でもそんな事には構って居られない。
もうボロボロなその猫亜人に、私はヒールを掛けてやると、また新たな構えを取る。プロレスリングと言う格闘術の構えだった。
この格闘技は、投、極、打の全ての要素を持った、エリーのくれた情報の中でも恐らく最強と思える物だった。
「くっそう、にゃんでお前そんにゃに強いにゃ! アタイはこれでも拳聖にゃんだぞ!? にゃんでアタイが圧倒されなきゃいけにゃいんだ!ずるいぞ!」
多分、構えを捨てて突っ込んでくる所を見ると、一撃必殺の奥義でも放つつもりなんだろう。
でもまだ私の身体強化はブーストが掛かったままだった。
「そんな事」その攻撃を片手で受け止める
「言ったって」掌底で二激目をはじく
「負けたくないのは一緒っ!」状態が上がったコクーンの肩目掛けて、フランケンシュタイナー クリーンヒット。
「大体ねぇ!」 フランケンシュタイナーの首投げ迄決まった。
「そんなこと!」持ち上げてバックを取ってホールド
「知らんがなっ!」ジャーマンスープレクス、決まった、但し、死なないように、たまたま近くにあった兎の穴に頭が入るように投げている。
ホールドして居た腕を解いて立ち上がる、コクーンは頭をすっぽり地面に埋め逆さダイノジみたいな恰好で逆立ち状態で手足を痙攣させて立って居た。
「っしゃぁっ! ンなろぉ~っ!」
思わず叫んでしまった。
隷属の首輪は先程のパワーボムで蝶番は壊れて居たので今の衝撃で外れたようだった。
って、普通にダイノジって言葉が過ったけどダイノジってどんな字かな、知らないのに出て来るって事はエリーが植え付けた知識なんだろう、後で聞こうかな。
「見事な犬神家だ・・・決まったな、おめでとう、君もこれで、ネームドかもよ?」
後ろから、エリーに声を掛けられた、イヌガミケ? って何だろう。
良かった、エリー、死ななかった。
振り返ると、矢の刺さって居たのが何処だったかも判らない程に完全に治ったエリーがニヤニヤして、親指を立てて立って居た。
「大丈夫?どこも痛くない?ちゃんと治った?」
「ああ、大丈夫だ、どこも痛く無いし何処にも傷跡も残って無い、美少女は不死身なのよ?」
「ばっかじゃ無いの?何が美少女は不死身よ。
可愛いのは間違っては居ないけどね。」
「さぁ、怪我人の治療に行くよ、大方片付いちゃったみたいだしね。 全くやれやれだよ、ザインちゃんもまさかここでシヴァを召喚出来るようになるとはね~。」
って、シヴァって何?
ザインってばどんな召喚術覚えたってのよ、怖いんだけど!
エリーは多分、ザインに呆れて居るのだろう。
エリーに付いて行こうとしたら、後ろから声を掛けられた。
「ま、待つにゃ・・・」
未だやる気?いい加減にして欲しいんだけど。
振り返ると、そこには、膝を折って座り両手をついて頭を下げるコクーンが居た。
「え?何してんのよ。」
「完敗だにゃ、しかも隷属の首輪も壊して貰って、挙句に死にゃにゃいようにあにゃにハマる様ににゃげてくれた、師匠と呼ばせて欲しいにゃ! 弟子にして欲しいにゃ!」
「な」の音が「にゃ」になってしまうようで、何言ってるのか判んない事に成って居るけど、弟子にして欲しいって、止めてよね。
「私、弟子は取ってませ~ん。 あ、これ飲んでね。」
と言って、ローポーションを一つ置いて逃げ出し、エリーを追いかけたのだった。
「エリー!待ってよ~!」
「あ、逃げんにゃ、待つにゃ~!」
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