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冒険、捜索、情報収集

全身義体5

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 ギルドの地下の解体場へと足を運ぶ、やっぱここが一番人目を避けるのに適してるし広いので色々助かるのだ。
「では、奥さんとお子さん達はここから先には来ないで下さいね、多分入れないと思うけど。」
「どういう仕組みなんだ?」
「私の持つアルケミストスキルの支配空間に成るのだと思いますよ。
 実際、この空間内部は埃一つも無い完全無菌室になってるから。」
「錬金術の支配空間って事か?
 って言うかそれはもはや魔法のようだな。」
「うん、私もこんな事が何で出来るのか判って居ないのできっとこれが糞ったれ神が私にくれた能力なのだろうけど、これはもはや魔法だよな、でも私も魔法は使えないしこの世界にも魔法は存在しないのだろう?」
「ああ、お伽噺の世界だな、魔法なんてのは。」
「まぁ、時間も惜しいので始めるよ、先ずはこの薬を飲んでね。
 貴方を脳神経を含めて仮死状態にする薬だ。」
「この薬もお前が作ったのか?こんな薬見た事も聞いた事もない。」
「厳密に言うと薬では無い。
 この間キースに義手を付けてやった時に笑気ガスによる全身麻酔でやったんだけどやっぱりこっちの方が扱いが楽だったから開発して見んだが・・・
 一時的に死んだ状態にしつつ状態を維持させるナノマシンなんだ、こいつを体内に取り込むと何年でも心肺停止脳波停止状態でその時の肉体を維持し続ける事が出来る。
 そして解除コードをナノマシンに認識させる事で解除が可能だ。
 宇宙探索時代の始まる切っ掛けになった発明品だ、コールドスリープと言う技術だな、まぁ何言ってるのかは解らないのだろうけども。」
「すまん、聞いて置いて申し訳ないが殆ど解らなかった。」
「なので御託はもういらんよな、始めるぞ、飲んでくれ。」
「ああ、判った。」
 覚悟を決めたカイエンの飲みっぷりはやけ酒でも飲むようであった、やっぱ怖いのだろう。
 その様子を遠巻きに見ていた奥さんのマカンヌが何故か、まるで沿道でマラソンの応援をする観戦者みたいに手旗を振って声援を送って居る。
 手旗は自作してるっぽいね、なんかこの人お茶目さんだわ。
 マカンヌさんに付き合って一緒に手旗を振って居る子供達の表情がすっごく微妙だ、うん、そう言う表情になるよね、心中お察ししますよホント。
 妙にテンション高いんだけど何処かズレてる感じなんだよなぁ。
 なんかズッコケてしまいそうなノリで一瞬たじろいだけども、気を取り直して術式開始だ。
 ブレインソケットケースを開いた状態で空中に固定する、何故こんな事が出来るのかは良く解って無いけどコレもきっとスキルに載って居ないけど転生時に貰った権能の一つなのかも?
 そして頭蓋後頭部から脊椎迄を切り開き脊髄神経系ごと、大脳、小脳、海馬等の脳細胞系統、顔面方面の神経系と大脳動脈、大脳静脈を抜き出す。
 この辺りでカイエンの一番下の娘、パメラは貧血を起こして倒れた、やっぱりね、だから言ったのに・・・
 脳血管を人工血管に繋いで100年以上は劣化しない人工血液を通し人工心肺系と繋いでソケットケースにそれら全てを収める。
 もうこの辺りまで来るとどう言う技術なのかも解らないらしく、残りの子供達もにわかに不安そうな表情を隠せて居ない、やめとけって言ったのに見に来るからそうなるんだよ、無理を押して行動するのはカッコ悪いよ、マジで。
 相変わらず奥さんだけは笑顔で手旗振って応援してる、何で手旗なのかも応援するのかも丸で意味不明、あんたはマジで沿道で声援送ってるマラソン観戦者かよ。
 ソケットケースに収めた後は、ソケットケースのバッテリーケースにバッテリーを差し込み電源をオンにすると、後は自動で神経系と伝送系を繋いで最適化をしてくれる、電脳の初期動作だ。
 暫くすると初期動作が問題なく終わった事をLEDの色が変わり知らせる。
「さぁ、これで、仕上げ。」
 全身義体の後頭部ハッチを開き、ソケットケースをビルトインし、ハッチを閉じる。
 視神経、全身の運動神経系等が義体に接続、最適化が終了すれば速やかに覚醒するだろう。
 これで手術は終了だ、実にスムーズに術式が進んだ為、僅か4時間の短時間で終わったのだった。
 通常は、電脳化に掛かる時間だけで6時間と言われて居るのでやはり今の私のスキル等の能力はかなりチートだと思う。
 -----------
 10分後
 全身義体になったカイエンが目を覚ました。
 なんだかんだ妙な行動で周囲を脱力されつつ、奥さんも本当は不安で一杯だったのだろう、カイエンが目を覚ました瞬間、突然号泣し、その場でしゃがみ込んだのだった。
 でもまだ抱き合って貰っては困る、カイエンのパワーコントロールが未だだからだ、コレばかりは壊れやすい卵を掴む等の精密な作業を繰り返して自力で最適化をするしか無いのだ。
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