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番外編
ヒポディアの街⑤
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数時間後、領主の私兵が事情を聞きに僕たちのいる部屋に現れた。
改めて事実を報告すると、私兵の隊長さんから感謝の言葉を寄せられた。彼の話では、一時間ほど前に領主の息子が保護されたようだ。
後日、領主ご本人が直接お礼を言いに来るという申し出を受けた。面倒くさいが、断るわけにもいかない。僕が了承すると、隊長さんは一礼し、去っていった。
ふたりきりになった空間で、兄さんが不思議そうな顔をして僕を見つめた。
「珍しい。ルカのことだから断るかと思った」
「偉い人の顔に泥を塗ると面倒でしょ? 」
「たしかに」
それに、息子くんのことも気になるし。言ったら兄さんが不機嫌になりそうなので、黙っておくことにした。
部屋を出て、ギルド長に現在の状況を確認すると、領主の私兵がトラヴィスを拘束しに、彼が経営する商店に向かっているとの情報が入った。
僕と兄さんは顔を見合わせると、ギルドを出て人気がない場所に移動した。
髪と目の色を元に戻し、ルカとアイザックの姿になる。トラヴィスと対峙するためだ。
「急ごう。嫌な予感がする」
「同感。走ろうか」
兄さんの声が硬い。僕たちは身体強化の魔法を発動させ、トラヴィスの店に向かうために全力で駆け出した。
トラヴィスの店に到着すると、領主の私兵が入り口に陣取っていた。
異変を感じ、店内を窺うと、槍を手にしたトラヴィスが女性を人質に取っていた。
「道を開けろ!」
「その人を解放しろ!」
「うるさい!」
トラヴィスは動かないまま、その槍が伸びて、私兵の太ももに穂先を突き立てた。私兵は痛みに顔をしかめながら、トラヴィスに近づこうと試みるが、仲間に制止されている。
「ダンジョン産の武器は素晴らしいな」
トラヴィスは恍惚とした声で槍を高く掲げた。追い詰められて本性が出たのだろう。
ダンジョン産の武器か。あの伸縮機能は手ごわい。
トラヴィスが槍を振り回し私兵を威嚇するが、壁に当たる様子はない。おそらく、障害物を検知し自動で伸縮して、武器の破損を防ぐようになっているのだろう。
動きに迷いがないところから考えると、伸びても重さが変わらない仕組みのようだ。
「兄さん、僕が魔法で気を引くから」
「ルカは手を出すな。俺が行く」
兄さんの声は冷静だった。表情だっていつもと変わらない。ただ、瞳だけは鋭い厳しさを宿していた。人間、怒りが頂点に達するとかえって冷静になれるものらしい。
僕は黙って頷いた。心配だけど、それ以上に兄さんの覚悟を邪魔しちゃいけないと思ったからだ。
兄さんが入り口で固まっている私兵たちの間をすり抜け、店内に忍び込んだ。
「おい」
「邪魔をするな化け物!」
トラヴィスの槍が兄さんの脇腹に伸びたが、兄さんは身を捻ってそれを躱し、さらにトラヴィスに接近した。
下手に動いてトラヴィスを刺激してはいけないと思ったのか、領主の私兵は動けないでいる。人質の女性は恐怖に言葉を詰まらせていた。
「人質を解放しろ」
「寄るな!お前なんてこの槍があれば……」
槍が伸び、兄さんの太ももの外側をかすめた。傷口から血が滲んでいるが、兄さんは平静な表情を崩さなかった。
「兄さん!」
「来るな!」
「ルカくん?いい声だねえ。最後にお兄さんが死ぬところを見せてあげよう」
ゾッとするような笑顔で、トラヴィスが槍を構える。
動きが速すぎて、気がついた時には兄さんの右腕に槍の先が刺さっていた。
「死ね!死ね!」
「なら、もっと突いてみろ。腹でも首でも、どこでもいい」
兄さんがトラヴィスに一歩近づいた。トラヴィスは兄さんの急所を攻撃しようと、笑いながら槍を引いた。
「抜けろ!抜けろよ!」
兄さんの筋肉が収縮しているのか、トラヴィスが槍を抜こうとしても、槍はびくともしなかった。
トラヴィスはパニックに陥り、必死に槍を握りしめている。武器から手を離すという発想が生まれることはなさそうだ。
兄さんがもう一歩近づいた。槍の自動伸縮機能のおかげで、傷口に深く突き刺さることなく、距離を縮めることができた。
「もう終わりか?」
「近づくなぁ!この化け物め!」
「そうだな」
兄さんは笑っていた。太ももから血を流し、腕に槍が刺さったまま、口角を上げてトラヴィスを睨みつけた。
「戦士なんて全員化け物だ。これぐらいで怯むやつなんていない。魔物の攻撃なんてもっと予測不能だ」
「なぜ急にそんな話を」
兄さんが前進する。もう少しで、トラヴィスに手が届きそうだ。
「戦士ってのはな、腕ちぎれようが腹から内臓飛び出そうが最後まで立っているやつが勝者だ。お前は、そういう世界で生きている化け物をおもちゃにしたんだ」
兄さんの鬼気迫る表情に、トラヴィスがひぃと声を上げた。
「死んでも許されると思うな。死んだ後も化け物どもがお前を待ってるぞ」
トラヴィスが槍から手を離し、尻餅をついた。その顔は恐怖に歪んでいた。
「確保しろ!」
私兵の一人が叫び、トラヴィスを取り囲んで拘束する。トラヴィスは抵抗しないで、おとなしく捕まっていた。
人質の女性もすぐに保護された。あの様子だと怪我はなさそうだ。
「兄さん!傷見せて!」
「ああ」
慌てて兄さんに駆け寄り、怪我の状態を確認する。傷口は深いが、太い血管から外れている。後遺症の心配もなさそうだ。早く移動して僕の回復魔法で治療しよう。
「あの、お怪我の状態は」
若い私兵が話しかけてきた。今はそれどころではないが、無視するわけにもいかない。
「傷口は深いですが、出血は少ないです。こちらで応急処置をするので、申し訳ありませんが場所をお借りしてもよろしいでしょうか?」
「いやいや!協力者の方にそんな対応したら俺たちが怒られちゃいますよ!回復士を呼んでくるので、こちらでお待ちください。簡単ですが、仕切りも作りますので」
若い私兵はそう言い残すと、他の私兵に声をかけ店から飛び出して行った。彼が回復士を呼びにいくのだろう。
あの言い方からして聖職者ではなく、領主専属の回復士が来るはずだ。それなら聖職者を呼ぶより早く治療を受けられる。まあ、僕が回復した方が断然早いけど。そこは文句を言っても仕方ない。
私兵がパーテーションを作ってくれたので、布を敷いて兄さんを座らせる。
「兄さんごめんね。少しだけ傷口塞いでおいたから、もうちょっと我慢してね」
「ルカ、手を」
「うん。大丈夫だよ。回復士が来るまでずっとつないでるからね」
兄さんの表情が和らいだ。さっきまでの迫力はどこかに行っていた。
「いたい」
「待ってて。怪しまれない程度に、もうちょっと回復を」
「ちがう」
「え?」
兄さんが口を曲げている。どこか不機嫌そうだ。
「抱きしめて、元気づけてほしい」
あの頼りになる兄さんが、さっきまで超かっこよかった兄さんが僕に甘えている。
なんだろう、この胸のときめきは。こんな状況じゃなかったら、叫びながらのたうち回っていたに違いない。
「もちろん」
傷口に影響しないよう、慎重に兄さんの頭を抱える。そのままゆっくりと頭を撫でた。
「俺、頑張ったよな」
兄さんが僕に頭を預けながら、静かな声で言った。
兄さんは昨日、トラヴィスを死よりも恐い目に合わせてやると宣言していた。
トラヴィスは確保された時、兄さんの発言に震え、殺してくれと死にたくないを交互に口走っていた。
死後の世界を過度に恐れながら生きるだなんて、死よりも恐ろしいことではないだろうか。
「兄さんは本当にすごいよ。お疲れ様」
さらに力を込めて兄さんの頭を抱く。兄さんはもっと頭を撫でろとアピールするように、僕にもたれかかってきた。
なぜかその姿が小さな子どものように思えた。僕は「しょうがないなぁ」と微笑みながら、労るように兄さんの頭を撫で続けた。
その後回復士がやってきて、兄さんの治療に当たった。領主専任の回復士ということもあって、完璧に治してくれた。
感謝しているのに、心のどこかで面白くないと思ってしまい、自分の嫉妬深さに笑えた。
「兄さん。動けそう?」
「もう大丈夫だ」
「それならさ、トラヴィスの屋敷に向かっていい?」
「かまわない。行くぞ」
急いで高級住宅街の並びにある屋敷に向かう。間に合うだろうか。できれば、彼女が連行される前に話がしたい。
屋敷に着くと、すでに私兵が出入りしていた。中には入れそうにない。
遅かったかと思ったその時、探知の魔法が伯母の魔力を捉えた。
「あの人、逃げようとしてる。庭の隅に向かってる」
「急ごう」
私兵に見つからないように、伯母を追う。そこには、物置のような建物があった。
伯母は床に手を当てて何かを探すような仕草をしながら、ぶつぶつ呟いていた。
「逃げて、トラヴィスと合流しないと」
「トラヴィスならさっき連行されたよ」
「あんたは!なんでここに!」
本当に今から逃亡しようとしている人間なのか疑わしいほどの大声だった。念のため魔法で声が外に出ないようにして正解だった。
床に手を当てて魔力を巡らせる。ああ、なるほどね。逃走経路ってやつだ。
「地下に隠し通路か。街の外に繋がってたりするの?」
「なんで、それを」
「まあ、どうでもいいじゃん。それよりもおばさんと話がしたいんだけど」
「私は急いでるの!」
「もし最後まで僕の話を聞いてくれたら、隠し通路の扉を開けてあげる」
「わかったわ」
伯母は最初戸惑っていた様子だったが、床の仕掛けが見つからないようで、あっさりと僕の話に乗った。
「俺は外で見張りをする」
「ありがとう」
兄さんがすれ違いざまに背中を軽く叩いてくれた。それだけで、心が軽くなった気がした。
「早く話しなさいよ」
「そうだね。まずは、おばさんがトラヴィスの人身売買に関与してた件かな」
「あれは、トラヴィスに言われて仕方なかったの」
「聖属性適性持ちを選んで虐げていたみたいだけど?」
聖属性適性を持つものは基本的にメトゼナリア教会に保護される。ただし、例外もある。魔力が極端に低かったり、回復魔法を使いこなせないなど理由は様々だ。
「あんたいつも悪いように言うわね。あれは、必要な事だったの」
「自分の美貌のために?」
伯母の表情が固まった。本当にわかりやすい人だな。
「なんでそれを知ってるのよ」
「昔、ココレ村の教会で読んだことがあってね。魔法に詳しい知り合いにも聞いたことがある」
懐かしい。司祭様の本の趣味は変わってたからなあ。誰かの日記だと思って読んでみたら、魔法理論の話だったり、興味深くて教会にいる間は退屈しなかった。
「一時期、富裕層を中心に流行った美容法らしいね。すぐに廃れたと聞いたけど」
「そうよ。ある人に教えてもらったの」
資産家の後妻になった時かな。碌でもないな。周りも止めてあげたらいいのに。
「ということは、年単位でそれを続けてるよね?」
「当たり前じゃない。お金を持ってる人間が、自分のために人を使って何が悪いのよ」
「別にそれはいいと思うよ。おばさんのは犯罪だけどね」
そもそも人身売買で得た人材だし、魔法の強要までしてる。
通常、魔力を使い切って気絶したら魔力が全回復するまで魔法は使えない。その状態で無理やり魔法を使うと、かなりの苦痛を伴う。慢性化すると、常に激痛が全身を駆け巡るようになる。
そうなると当然、次第に魔法を使えなくなり、精神を病んでいく。そして、使えなくなったら別の場所に売る。まるで道具のような扱いだ。
「おばさんが連行されたら、判決はどうなるかな?少なくとも労役数年は確定だと思うけど」
「縁起でもないこと言わないで!あんたが逃がしてくれるって話でしょ!」
逃すなんて一言も言ってないけど。面倒だから勘違いさせたままにしておこう。
「おばさんってさ、何ができるの?」
「どういう意味よ」
「読み書きは?」
「失礼ね。聞いてどうするのよ」
「そんなにできない、と。裁縫とか職に直結するような技術は?」
「馬鹿にして!何が聞きたいのよ!」
「技術もなしか。農業もサボってたみたいだしね」
「私には労働なんて向いてないの」
「じゃあ、何ができるの?」
「だから!さっきから何が言いたいのよ!」
「これから先の、刑期が終わった後の話だよ。生きていくのも大変だと思うよ。今の状況を考えると、おばさんを雇ってくれるところは難しいだろうね」
その言葉を聞いて伯母が勝ち誇ったようにせせら笑った。
「お気の毒さま。あんたみたいな根暗にはわからないと思うけど、私にはこの顔があるから。結構需要はあるのよ?」
なるほど、確かに伯母の容姿なら刑期が終わっても、誰かの庇護下におかれるかもしれない。ただし、そのご自慢の美貌が失われない限りという前提だけどね。
「『傷創のない皮膚に回復魔法をかけ続けると老化を極端に遅らせられる』ってやつね」
「それが何?あんたの話は唐突すぎてつまらないのよ」
「僕が読んだ本には続きがあってね。『ただし、定期的に回復魔法をかけ続けないと、逆に老化を早めてしまう』そう書いてあったよ」
「嘘よ!そんなの信じない!」
やっぱり知らなかったか。知ってたら、もうちょっと焦ってるはずだもんな。
それは教えなかった周りの罪でもある。若々しく綺麗な愛人の末路がどうなろうが構わないってやつか。ひどい話だ。その点は伯母に同情する。
「著者は神殿に所属する高位の聖職者でね。『神聖な回復魔法をそのようなくだらないことに使うから神罰が下ったのだ』って書いてた。対応に追われて寝る暇もなかったみたい。社会的地位があるやつらだから、無下にもできないし面倒だって愚痴だらけの変な本だったな」
論文というより個人の日記だもんな。魔法理論はその手の本が多くて、内容を理解するのに時間がかかるのが難点だ。
「私は違う。私は特別だから魔法がなくても」
「賭けてもいい。その顔、三日で崩れるよ」
「嘘よ、そんなの、私を追い込むための」
「嘘でもいいよ。三日後にわかるから。それだと賭けにならないけどね」
「だって、私は、これからもずっと」
伯母が顔を青くして頭を抱えている。おそらく、彼女と話しができる機会はこれが最後だろう。
「ねえ」
「聞きたくない」
「隠し通路を諦めるならそれでいいけど」
「……なによ」
「自分が大切にしているものが、いきなり奪われるってどんな気持ち?」
「なに、それ。そんなの、最悪に決まってるじゃない。これは夢よ。悪い夢なの」
伯母の目は恐怖に見開かれていた。悪夢のような現実か。言い得て妙だ。
「それ、あなたの妹にも同じことが言えるの?」
「あ……あぁ……」
「伯母さん」
「違う、違うわ。私そんなつもりじゃなかった。ただ、あの子が幸せそうなのが面白くなくて、ちょっと痛い目を見せようと思っただけで……」
伯母はわなわなと唇を震わせている。最後に聞きたいことがあったのに、取引不成立だ。
まあ、隠し通路の扉を開けたところで、壁が崩れていて通路が塞がっているから逃げられないけどね。
伯母は力なく呻いて、床に座り込んだ。煌びやかな服が汚れるのも厭わず、ひたすら泣いている。
残念だ。「美貌がなくなったら、あなたに何が残るの?」って聞きたかったけど諦めよう。さようなら、アメリア伯母さん。
物置から出ると、兄さんが壁にもたれて立っていた。
「終わったか?」
「うん。付き合わせてごめんね」
「謝らないでいい。行くぞ」
屋敷から出る直前、物置にかけた防音魔法を解除した。直後、音に気づいたのか領主の私兵が物置に近づく気配を探知した。彼女の身柄が確保されるのも時間の問題だろう。
物置からは女性が許しを乞う声が木霊していた。薄っぺらい、何も心を動かされない雑音が耳を通り抜けて、すぐに消えた。
トラヴィスの屋敷を脱出して、人気のない道をひたすら歩いて街の中心地を目指す。
今後予定している領主との対面など、考えなければならないことは山ほどある。だけど、今は宿屋で身体を休めたい。怒涛の展開に疲れてしまった。
そんなことを考えていると、僕の手を引いて歩いていた兄さんが突然立ち止まった。
兄さんがゆっくりと振り返り、僕の顔を覗き込むように身を屈めた。
「ルカ。頑張ったな」
兄さんは僕に向かって手を伸ばすと、優しく頭を撫でた。
胸の奥からいろんな感情が押し寄せて止まらない。気がついたら目から涙がこぼれていた。
何年もの気持ちが詰まった、重たい水の塊だった。
「そっかぁ。僕、頑張ったんだ」
「ああ。兄としても恋人としても、誇りに思う」
兄さんが優しく抱きしめてくれた。その瞬間、僕はこの人を本当に愛していると改めて思った。
「ありがとう」
兄さんがいたから過去と向き合うことができた。兄さんの存在が僕を支えてくれた。これからもずっと一緒にいたいと思えるのは、兄さんだけだ。
兄さんの背中に手を回すと、それに応えるように兄さんも少し力を込めた。心地よい温もりに目を閉じると、記憶の向こう側で十一歳の僕が微笑んでいる気がした。
改めて事実を報告すると、私兵の隊長さんから感謝の言葉を寄せられた。彼の話では、一時間ほど前に領主の息子が保護されたようだ。
後日、領主ご本人が直接お礼を言いに来るという申し出を受けた。面倒くさいが、断るわけにもいかない。僕が了承すると、隊長さんは一礼し、去っていった。
ふたりきりになった空間で、兄さんが不思議そうな顔をして僕を見つめた。
「珍しい。ルカのことだから断るかと思った」
「偉い人の顔に泥を塗ると面倒でしょ? 」
「たしかに」
それに、息子くんのことも気になるし。言ったら兄さんが不機嫌になりそうなので、黙っておくことにした。
部屋を出て、ギルド長に現在の状況を確認すると、領主の私兵がトラヴィスを拘束しに、彼が経営する商店に向かっているとの情報が入った。
僕と兄さんは顔を見合わせると、ギルドを出て人気がない場所に移動した。
髪と目の色を元に戻し、ルカとアイザックの姿になる。トラヴィスと対峙するためだ。
「急ごう。嫌な予感がする」
「同感。走ろうか」
兄さんの声が硬い。僕たちは身体強化の魔法を発動させ、トラヴィスの店に向かうために全力で駆け出した。
トラヴィスの店に到着すると、領主の私兵が入り口に陣取っていた。
異変を感じ、店内を窺うと、槍を手にしたトラヴィスが女性を人質に取っていた。
「道を開けろ!」
「その人を解放しろ!」
「うるさい!」
トラヴィスは動かないまま、その槍が伸びて、私兵の太ももに穂先を突き立てた。私兵は痛みに顔をしかめながら、トラヴィスに近づこうと試みるが、仲間に制止されている。
「ダンジョン産の武器は素晴らしいな」
トラヴィスは恍惚とした声で槍を高く掲げた。追い詰められて本性が出たのだろう。
ダンジョン産の武器か。あの伸縮機能は手ごわい。
トラヴィスが槍を振り回し私兵を威嚇するが、壁に当たる様子はない。おそらく、障害物を検知し自動で伸縮して、武器の破損を防ぐようになっているのだろう。
動きに迷いがないところから考えると、伸びても重さが変わらない仕組みのようだ。
「兄さん、僕が魔法で気を引くから」
「ルカは手を出すな。俺が行く」
兄さんの声は冷静だった。表情だっていつもと変わらない。ただ、瞳だけは鋭い厳しさを宿していた。人間、怒りが頂点に達するとかえって冷静になれるものらしい。
僕は黙って頷いた。心配だけど、それ以上に兄さんの覚悟を邪魔しちゃいけないと思ったからだ。
兄さんが入り口で固まっている私兵たちの間をすり抜け、店内に忍び込んだ。
「おい」
「邪魔をするな化け物!」
トラヴィスの槍が兄さんの脇腹に伸びたが、兄さんは身を捻ってそれを躱し、さらにトラヴィスに接近した。
下手に動いてトラヴィスを刺激してはいけないと思ったのか、領主の私兵は動けないでいる。人質の女性は恐怖に言葉を詰まらせていた。
「人質を解放しろ」
「寄るな!お前なんてこの槍があれば……」
槍が伸び、兄さんの太ももの外側をかすめた。傷口から血が滲んでいるが、兄さんは平静な表情を崩さなかった。
「兄さん!」
「来るな!」
「ルカくん?いい声だねえ。最後にお兄さんが死ぬところを見せてあげよう」
ゾッとするような笑顔で、トラヴィスが槍を構える。
動きが速すぎて、気がついた時には兄さんの右腕に槍の先が刺さっていた。
「死ね!死ね!」
「なら、もっと突いてみろ。腹でも首でも、どこでもいい」
兄さんがトラヴィスに一歩近づいた。トラヴィスは兄さんの急所を攻撃しようと、笑いながら槍を引いた。
「抜けろ!抜けろよ!」
兄さんの筋肉が収縮しているのか、トラヴィスが槍を抜こうとしても、槍はびくともしなかった。
トラヴィスはパニックに陥り、必死に槍を握りしめている。武器から手を離すという発想が生まれることはなさそうだ。
兄さんがもう一歩近づいた。槍の自動伸縮機能のおかげで、傷口に深く突き刺さることなく、距離を縮めることができた。
「もう終わりか?」
「近づくなぁ!この化け物め!」
「そうだな」
兄さんは笑っていた。太ももから血を流し、腕に槍が刺さったまま、口角を上げてトラヴィスを睨みつけた。
「戦士なんて全員化け物だ。これぐらいで怯むやつなんていない。魔物の攻撃なんてもっと予測不能だ」
「なぜ急にそんな話を」
兄さんが前進する。もう少しで、トラヴィスに手が届きそうだ。
「戦士ってのはな、腕ちぎれようが腹から内臓飛び出そうが最後まで立っているやつが勝者だ。お前は、そういう世界で生きている化け物をおもちゃにしたんだ」
兄さんの鬼気迫る表情に、トラヴィスがひぃと声を上げた。
「死んでも許されると思うな。死んだ後も化け物どもがお前を待ってるぞ」
トラヴィスが槍から手を離し、尻餅をついた。その顔は恐怖に歪んでいた。
「確保しろ!」
私兵の一人が叫び、トラヴィスを取り囲んで拘束する。トラヴィスは抵抗しないで、おとなしく捕まっていた。
人質の女性もすぐに保護された。あの様子だと怪我はなさそうだ。
「兄さん!傷見せて!」
「ああ」
慌てて兄さんに駆け寄り、怪我の状態を確認する。傷口は深いが、太い血管から外れている。後遺症の心配もなさそうだ。早く移動して僕の回復魔法で治療しよう。
「あの、お怪我の状態は」
若い私兵が話しかけてきた。今はそれどころではないが、無視するわけにもいかない。
「傷口は深いですが、出血は少ないです。こちらで応急処置をするので、申し訳ありませんが場所をお借りしてもよろしいでしょうか?」
「いやいや!協力者の方にそんな対応したら俺たちが怒られちゃいますよ!回復士を呼んでくるので、こちらでお待ちください。簡単ですが、仕切りも作りますので」
若い私兵はそう言い残すと、他の私兵に声をかけ店から飛び出して行った。彼が回復士を呼びにいくのだろう。
あの言い方からして聖職者ではなく、領主専属の回復士が来るはずだ。それなら聖職者を呼ぶより早く治療を受けられる。まあ、僕が回復した方が断然早いけど。そこは文句を言っても仕方ない。
私兵がパーテーションを作ってくれたので、布を敷いて兄さんを座らせる。
「兄さんごめんね。少しだけ傷口塞いでおいたから、もうちょっと我慢してね」
「ルカ、手を」
「うん。大丈夫だよ。回復士が来るまでずっとつないでるからね」
兄さんの表情が和らいだ。さっきまでの迫力はどこかに行っていた。
「いたい」
「待ってて。怪しまれない程度に、もうちょっと回復を」
「ちがう」
「え?」
兄さんが口を曲げている。どこか不機嫌そうだ。
「抱きしめて、元気づけてほしい」
あの頼りになる兄さんが、さっきまで超かっこよかった兄さんが僕に甘えている。
なんだろう、この胸のときめきは。こんな状況じゃなかったら、叫びながらのたうち回っていたに違いない。
「もちろん」
傷口に影響しないよう、慎重に兄さんの頭を抱える。そのままゆっくりと頭を撫でた。
「俺、頑張ったよな」
兄さんが僕に頭を預けながら、静かな声で言った。
兄さんは昨日、トラヴィスを死よりも恐い目に合わせてやると宣言していた。
トラヴィスは確保された時、兄さんの発言に震え、殺してくれと死にたくないを交互に口走っていた。
死後の世界を過度に恐れながら生きるだなんて、死よりも恐ろしいことではないだろうか。
「兄さんは本当にすごいよ。お疲れ様」
さらに力を込めて兄さんの頭を抱く。兄さんはもっと頭を撫でろとアピールするように、僕にもたれかかってきた。
なぜかその姿が小さな子どものように思えた。僕は「しょうがないなぁ」と微笑みながら、労るように兄さんの頭を撫で続けた。
その後回復士がやってきて、兄さんの治療に当たった。領主専任の回復士ということもあって、完璧に治してくれた。
感謝しているのに、心のどこかで面白くないと思ってしまい、自分の嫉妬深さに笑えた。
「兄さん。動けそう?」
「もう大丈夫だ」
「それならさ、トラヴィスの屋敷に向かっていい?」
「かまわない。行くぞ」
急いで高級住宅街の並びにある屋敷に向かう。間に合うだろうか。できれば、彼女が連行される前に話がしたい。
屋敷に着くと、すでに私兵が出入りしていた。中には入れそうにない。
遅かったかと思ったその時、探知の魔法が伯母の魔力を捉えた。
「あの人、逃げようとしてる。庭の隅に向かってる」
「急ごう」
私兵に見つからないように、伯母を追う。そこには、物置のような建物があった。
伯母は床に手を当てて何かを探すような仕草をしながら、ぶつぶつ呟いていた。
「逃げて、トラヴィスと合流しないと」
「トラヴィスならさっき連行されたよ」
「あんたは!なんでここに!」
本当に今から逃亡しようとしている人間なのか疑わしいほどの大声だった。念のため魔法で声が外に出ないようにして正解だった。
床に手を当てて魔力を巡らせる。ああ、なるほどね。逃走経路ってやつだ。
「地下に隠し通路か。街の外に繋がってたりするの?」
「なんで、それを」
「まあ、どうでもいいじゃん。それよりもおばさんと話がしたいんだけど」
「私は急いでるの!」
「もし最後まで僕の話を聞いてくれたら、隠し通路の扉を開けてあげる」
「わかったわ」
伯母は最初戸惑っていた様子だったが、床の仕掛けが見つからないようで、あっさりと僕の話に乗った。
「俺は外で見張りをする」
「ありがとう」
兄さんがすれ違いざまに背中を軽く叩いてくれた。それだけで、心が軽くなった気がした。
「早く話しなさいよ」
「そうだね。まずは、おばさんがトラヴィスの人身売買に関与してた件かな」
「あれは、トラヴィスに言われて仕方なかったの」
「聖属性適性持ちを選んで虐げていたみたいだけど?」
聖属性適性を持つものは基本的にメトゼナリア教会に保護される。ただし、例外もある。魔力が極端に低かったり、回復魔法を使いこなせないなど理由は様々だ。
「あんたいつも悪いように言うわね。あれは、必要な事だったの」
「自分の美貌のために?」
伯母の表情が固まった。本当にわかりやすい人だな。
「なんでそれを知ってるのよ」
「昔、ココレ村の教会で読んだことがあってね。魔法に詳しい知り合いにも聞いたことがある」
懐かしい。司祭様の本の趣味は変わってたからなあ。誰かの日記だと思って読んでみたら、魔法理論の話だったり、興味深くて教会にいる間は退屈しなかった。
「一時期、富裕層を中心に流行った美容法らしいね。すぐに廃れたと聞いたけど」
「そうよ。ある人に教えてもらったの」
資産家の後妻になった時かな。碌でもないな。周りも止めてあげたらいいのに。
「ということは、年単位でそれを続けてるよね?」
「当たり前じゃない。お金を持ってる人間が、自分のために人を使って何が悪いのよ」
「別にそれはいいと思うよ。おばさんのは犯罪だけどね」
そもそも人身売買で得た人材だし、魔法の強要までしてる。
通常、魔力を使い切って気絶したら魔力が全回復するまで魔法は使えない。その状態で無理やり魔法を使うと、かなりの苦痛を伴う。慢性化すると、常に激痛が全身を駆け巡るようになる。
そうなると当然、次第に魔法を使えなくなり、精神を病んでいく。そして、使えなくなったら別の場所に売る。まるで道具のような扱いだ。
「おばさんが連行されたら、判決はどうなるかな?少なくとも労役数年は確定だと思うけど」
「縁起でもないこと言わないで!あんたが逃がしてくれるって話でしょ!」
逃すなんて一言も言ってないけど。面倒だから勘違いさせたままにしておこう。
「おばさんってさ、何ができるの?」
「どういう意味よ」
「読み書きは?」
「失礼ね。聞いてどうするのよ」
「そんなにできない、と。裁縫とか職に直結するような技術は?」
「馬鹿にして!何が聞きたいのよ!」
「技術もなしか。農業もサボってたみたいだしね」
「私には労働なんて向いてないの」
「じゃあ、何ができるの?」
「だから!さっきから何が言いたいのよ!」
「これから先の、刑期が終わった後の話だよ。生きていくのも大変だと思うよ。今の状況を考えると、おばさんを雇ってくれるところは難しいだろうね」
その言葉を聞いて伯母が勝ち誇ったようにせせら笑った。
「お気の毒さま。あんたみたいな根暗にはわからないと思うけど、私にはこの顔があるから。結構需要はあるのよ?」
なるほど、確かに伯母の容姿なら刑期が終わっても、誰かの庇護下におかれるかもしれない。ただし、そのご自慢の美貌が失われない限りという前提だけどね。
「『傷創のない皮膚に回復魔法をかけ続けると老化を極端に遅らせられる』ってやつね」
「それが何?あんたの話は唐突すぎてつまらないのよ」
「僕が読んだ本には続きがあってね。『ただし、定期的に回復魔法をかけ続けないと、逆に老化を早めてしまう』そう書いてあったよ」
「嘘よ!そんなの信じない!」
やっぱり知らなかったか。知ってたら、もうちょっと焦ってるはずだもんな。
それは教えなかった周りの罪でもある。若々しく綺麗な愛人の末路がどうなろうが構わないってやつか。ひどい話だ。その点は伯母に同情する。
「著者は神殿に所属する高位の聖職者でね。『神聖な回復魔法をそのようなくだらないことに使うから神罰が下ったのだ』って書いてた。対応に追われて寝る暇もなかったみたい。社会的地位があるやつらだから、無下にもできないし面倒だって愚痴だらけの変な本だったな」
論文というより個人の日記だもんな。魔法理論はその手の本が多くて、内容を理解するのに時間がかかるのが難点だ。
「私は違う。私は特別だから魔法がなくても」
「賭けてもいい。その顔、三日で崩れるよ」
「嘘よ、そんなの、私を追い込むための」
「嘘でもいいよ。三日後にわかるから。それだと賭けにならないけどね」
「だって、私は、これからもずっと」
伯母が顔を青くして頭を抱えている。おそらく、彼女と話しができる機会はこれが最後だろう。
「ねえ」
「聞きたくない」
「隠し通路を諦めるならそれでいいけど」
「……なによ」
「自分が大切にしているものが、いきなり奪われるってどんな気持ち?」
「なに、それ。そんなの、最悪に決まってるじゃない。これは夢よ。悪い夢なの」
伯母の目は恐怖に見開かれていた。悪夢のような現実か。言い得て妙だ。
「それ、あなたの妹にも同じことが言えるの?」
「あ……あぁ……」
「伯母さん」
「違う、違うわ。私そんなつもりじゃなかった。ただ、あの子が幸せそうなのが面白くなくて、ちょっと痛い目を見せようと思っただけで……」
伯母はわなわなと唇を震わせている。最後に聞きたいことがあったのに、取引不成立だ。
まあ、隠し通路の扉を開けたところで、壁が崩れていて通路が塞がっているから逃げられないけどね。
伯母は力なく呻いて、床に座り込んだ。煌びやかな服が汚れるのも厭わず、ひたすら泣いている。
残念だ。「美貌がなくなったら、あなたに何が残るの?」って聞きたかったけど諦めよう。さようなら、アメリア伯母さん。
物置から出ると、兄さんが壁にもたれて立っていた。
「終わったか?」
「うん。付き合わせてごめんね」
「謝らないでいい。行くぞ」
屋敷から出る直前、物置にかけた防音魔法を解除した。直後、音に気づいたのか領主の私兵が物置に近づく気配を探知した。彼女の身柄が確保されるのも時間の問題だろう。
物置からは女性が許しを乞う声が木霊していた。薄っぺらい、何も心を動かされない雑音が耳を通り抜けて、すぐに消えた。
トラヴィスの屋敷を脱出して、人気のない道をひたすら歩いて街の中心地を目指す。
今後予定している領主との対面など、考えなければならないことは山ほどある。だけど、今は宿屋で身体を休めたい。怒涛の展開に疲れてしまった。
そんなことを考えていると、僕の手を引いて歩いていた兄さんが突然立ち止まった。
兄さんがゆっくりと振り返り、僕の顔を覗き込むように身を屈めた。
「ルカ。頑張ったな」
兄さんは僕に向かって手を伸ばすと、優しく頭を撫でた。
胸の奥からいろんな感情が押し寄せて止まらない。気がついたら目から涙がこぼれていた。
何年もの気持ちが詰まった、重たい水の塊だった。
「そっかぁ。僕、頑張ったんだ」
「ああ。兄としても恋人としても、誇りに思う」
兄さんが優しく抱きしめてくれた。その瞬間、僕はこの人を本当に愛していると改めて思った。
「ありがとう」
兄さんがいたから過去と向き合うことができた。兄さんの存在が僕を支えてくれた。これからもずっと一緒にいたいと思えるのは、兄さんだけだ。
兄さんの背中に手を回すと、それに応えるように兄さんも少し力を込めた。心地よい温もりに目を閉じると、記憶の向こう側で十一歳の僕が微笑んでいる気がした。
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