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アファルータ共和国編
グリーンドラゴン
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照りつける日差しが、森の緑に様々な色を添えている。遮られた陽光が木々の間から差し込み、まばゆい光の矢となって地面に降り注いでいた。
僕達は魔物討伐の依頼を受けて、森の中を探索している。討伐対象はトレントという魔物だ。普段は森の奥深くを縄張りとしているはずなのに、中央付近に現れるようになったそうだ。
トレントは木の魔物で、火属性魔法が弱点という見た目通りのわかりやすい特徴を持っている。しかし、トレントは存在そのものが素材となるので焼失させると貴重な収入源がなくなってしまう。
そのためトレントの攻撃を防ぎながら地道に武器や魔法で斬撃を加え伐採するのが、冒険者の基本の戦い方となる。
うすうす気づいていたが、冒険者と火属性魔法は相性が悪い。火属性魔法は魔物の殲滅に向いているが、素材の確保という観点で考えると最悪の魔法といってもいい。アンデッドや魔物の死骸を焼く時は重宝するが、利点はそれだけだ。
トレント討伐が面倒くさすぎて、目の前の現実から逃れるように火属性魔法の可能性を模索する。
やっと4体目のトレント討伐すなわち伐採が終わり、酷使した身体を労るようにゆっくりと背筋を伸ばす。
7メートルの高さの木を普通に伐採するのも重労働なのに、こちらを攻撃してくる木を4体も相手にするのは大変だった。しかもこの後は、素材の運搬というさらなる重労働が待ち構えている。
指定された場所まで持っていけば、ギルドが手配した冒険者が素材を運んでくれるのでそれまでの辛抱だ。幸いなことに現地点から指定場所までそれほど距離はない。
「やっと丸太の状態になったね」
「そうだな。ここから指定場所まで運搬することを考えると気が滅入るが」
「途中まで無限収納を使おう。怪しまれないように冒険者には1本ずつ渡して、時間を置きながら何回か往復しよう」
「容量は大丈夫か?」
「まだ余裕はあるから大丈夫」
魔法を駆使してなんとか原木を全て運び終えた。もう二度としたくない。護衛依頼を受けない代わりにと安請け合いしたのがいけなかった。
まだ昼を少し過ぎたばかりなので、念のため魔物の残党がいないか確認しようと森の中央へと足を進める。
中央付近までくると森の様子がおかしいことに気づいた。あまりにも静かすぎる。
警戒しながら探知の魔法の範囲を広げると、強大な魔力を秘めた存在がこちらに向かってくるのがわかった。僕達の存在に気がついたようで動きに迷いがない。
「気をつけて。強大な魔力を持ったやつが僕達に気づいて近寄ってきてる」
「逃げるか」
「そうしたいけど途中で追いつかれそう。中途半端に逃げたら街に被害が出るかも」
「丸太を運んでいるやつらに伝言を頼もうか?今は森を抜けて街を目指している頃だろうから」
「彼らじゃ途中で追いつかれると思う。この気配ドラゴンだ」
僕の言葉に兄さんが武器を構え警戒を強める。遠くで轟音が響き大地が震えるほどの迫力を感じる。それから間もなくしてドラゴンの姿が目の前に現れた。
緑色の鱗に覆われたドラゴンは、先ほど戦ったトレントと同じくらいの大きさに思えた。尻尾を入れたらそれ以上かもしれない。
鱗の色と外見の特徴から推測するにあれはグリーンドラゴンだろう。太い前足が特徴的な二足歩行のドラゴンで、翼は体の大きさの割に小さい。鋭い爪と牙を持っていて、長く太い尻尾が周辺の木々を薙ぎ倒している。
グリーンドラゴンはブレスの代わりに毒の霧を吐く。森に生息するくせに、その毒は植物を枯らすほど強力なものだ。もちろん人間が食らえばひとたまりもない。
「グリーンドラゴンか」
「毒はこっちで対処する。尻尾をお願い」
「了解」
「聖属性魔法《聖結界》」
結界を張り、毒に備える。聖結界は状態異常を防御するのに優れていて、魔力を多く込めればグリーンドラゴンの毒も無効化できる。
「結界内なら毒は効かないから動き回っても大丈夫だよ!」
「わかった」
ちょろちょろと動き回る兄さんがうざったいのか、グリーンドラゴンが尻尾を振って牽制する。
やつの気を逸らすため土属性魔法《土槍》を顔に目掛けて発動させる。魔法が当たったと思ったら鱗に弾かれた。目を貫けるようにと硬くしたはずなのに、表面に軽く傷ができただけだった。魔法でグリーンドラゴンを傷つけるのは骨が折れるかもしれない。
グリーンドラゴンの縦に長い瞳孔が僕を睨みつける。己を攻撃する鬱陶しい存在を排除してやろうとグリーンドラゴンが僕に向かって動き出した時、すでに兄さんはやつの背後に回っていた。
「こっちだ。デカブツ」
兄さんがグリーンドラゴンの尻尾を根元から一瞬で切り捨てた。
あの硬い鱗をものともしないとは、まさに兄さんの力の凄さを実感した。身体強化と武器の硬化を同時に使える兄さんに斬れないものなどないのかもしれない。
ドラゴンは驚きと痛みに満ちた咆哮を上げた。尻尾が地面に落ち激しく叩きつけられる。僕はその瞬間、兄さんの果敢な行動に心底感謝した。
「ルカ!あいつを魔法で拘束できるか?」
「棘で拘束したいけど鱗が硬くて上手くいかない!」
「俺が鱗に傷を入れるからもう一度やってみてくれ」
「了解」
兄さんがグリーンドラゴンの足を中心に傷をつけていく。試しに土属性魔法で返しつきの棘を作り、鱗の下の肉に食い込ませる。硬いのは鱗だけだったようで、すんなりと棘が沈んでいった。こうなったらいくらドラゴンといえど簡単には抜け出せないだろう。
お互い決定打に欠ける攻撃が続き戦闘が膠着している。確実に倒すなら首を刎ねるのが一番だ。しかし、グリーンドラゴンは風耐性があるから風斬撃が効かない。ウォーターカッターで首を切るには距離が遠すぎる。
どの魔法を使うか考えあぐねていると、兄さんの方から作戦を提案してくれた。
「少しの間でいい。あいつの動きを完全に止められるか?」
「恐らく。やってみないとわからないけど」
「動きを止めたら階段状に足場を作ってくれ。俺があいつの首を刎ねる」
「わかった」
意識を集中させてイメージを固める。
「火・水複合魔法《氷柱》」
複数の氷柱がグリーンドラゴンの動きを拘束する。足元には返しつきの棘が、腕や首は氷柱がまとわりついているせいで完全に動きが止まっている。ドラゴンが氷柱を壊す前に土属性魔法で足場を作る。
すかさず兄さんが恐怖を感じさせないしっかりとした足取りで足場を駆け上がり、グリーンドラゴンの首を一撃で刎ねた。
グリーンドラゴンは体がしっかり固定されていたからか、倒れることなく直立の姿勢を保ったままだった。魔法を使いゆっくりと地面に横たわらせる。
その瞬間どっと疲れが押し寄せた。ドラゴンの首を固定しながら足場をつくり、聖結界で毒の霧を無力化しつつ探知で魔物や冒険者の接近を常に確認するのは本当に大変だった。
足場から降りた兄さんが心配そうな様子で僕に駆け寄る。
「怪我はないか?魔力は大丈夫か?」
「怪我はないし、魔力は半分以上残ってるよ。兄さんこそ大丈夫?」
「ルカのおかげで平気だ。ありがとう」
「こちらこそ。兄さんかっこよかったよ」
兄さんが照れたように顔を横にそらす。その様子を微笑ましく眺めながら、ドラゴンの死骸をどうするか相談する。
「冒険者ギルドに報告できない以上、埋めるか燃やすかしかないだろう」
「ギルド以外でドラゴンを解体する伝手がないからね。でも……」
「でも?」
「ドラゴンステーキ食べたくない?」
「それはまあ気になるが」
グリーンドラゴンは毒の霧を吐くが、肉は食用可能だ。滅多に討伐されることはないけれど、その肉は非常に美味だと本に書いてあった。毒をためる器官があるので素人は解体できないが、いつか引き受けてくれる人物と知り合いになれるかもしれない。
「ちょっと無限収納の容量増やしてみる」
「さすがに戦闘直後でそれはやめておいた方がいい。今回は諦めよう」
「大丈夫!魔力が切れそうになったら諦めるから」
気がついたら見慣れた寝室にいた。完全にやらかした。ドラゴンを全て収納した瞬間に記憶が途切れている。これはもう腹を括るしかない。
兄さんの足音が近づいてくる。僕にはそれが死刑宣告のように聞こえていた。
「起きたのか。体調はどうだ?」
「ごめんなさい」
「まずは飯を食え。話はそれからだ」
兄さんが用意してくれた食事は消化にいいものだった。僕は丸一日寝ていたらしい。
食事を終えるとカーペットに正座した。兄さんは仁王立ちで僕を見下ろしている。
「何か言いたいことはあるか」
「軽率なことをしました。ごめんなさい」
「あれほど無理をするなと言っただろう」
「弁明のしようもありません」
その後兄さんは淡々と僕の悪かった点を挙げた。その一つ一つが的確なもので、僕に残された道はただひたすら謝ることのみだった。
「心配かけてごめんなさい」
「無事だったからそれでいい。あまり無茶をしないでくれ」
兄さんが正座している僕を立たせて抱きしめてくれた。深く反省した。今後魔法のことで兄さんを心配させないように気をつけよう。
「ルカ」
「どうしたの?」
「ドラゴンステーキ期待してる」
「ありがとう。任せて」
兄さんの優しさに感謝しながら、未知の味を想像して少しだけ胸が高鳴った。
僕達は魔物討伐の依頼を受けて、森の中を探索している。討伐対象はトレントという魔物だ。普段は森の奥深くを縄張りとしているはずなのに、中央付近に現れるようになったそうだ。
トレントは木の魔物で、火属性魔法が弱点という見た目通りのわかりやすい特徴を持っている。しかし、トレントは存在そのものが素材となるので焼失させると貴重な収入源がなくなってしまう。
そのためトレントの攻撃を防ぎながら地道に武器や魔法で斬撃を加え伐採するのが、冒険者の基本の戦い方となる。
うすうす気づいていたが、冒険者と火属性魔法は相性が悪い。火属性魔法は魔物の殲滅に向いているが、素材の確保という観点で考えると最悪の魔法といってもいい。アンデッドや魔物の死骸を焼く時は重宝するが、利点はそれだけだ。
トレント討伐が面倒くさすぎて、目の前の現実から逃れるように火属性魔法の可能性を模索する。
やっと4体目のトレント討伐すなわち伐採が終わり、酷使した身体を労るようにゆっくりと背筋を伸ばす。
7メートルの高さの木を普通に伐採するのも重労働なのに、こちらを攻撃してくる木を4体も相手にするのは大変だった。しかもこの後は、素材の運搬というさらなる重労働が待ち構えている。
指定された場所まで持っていけば、ギルドが手配した冒険者が素材を運んでくれるのでそれまでの辛抱だ。幸いなことに現地点から指定場所までそれほど距離はない。
「やっと丸太の状態になったね」
「そうだな。ここから指定場所まで運搬することを考えると気が滅入るが」
「途中まで無限収納を使おう。怪しまれないように冒険者には1本ずつ渡して、時間を置きながら何回か往復しよう」
「容量は大丈夫か?」
「まだ余裕はあるから大丈夫」
魔法を駆使してなんとか原木を全て運び終えた。もう二度としたくない。護衛依頼を受けない代わりにと安請け合いしたのがいけなかった。
まだ昼を少し過ぎたばかりなので、念のため魔物の残党がいないか確認しようと森の中央へと足を進める。
中央付近までくると森の様子がおかしいことに気づいた。あまりにも静かすぎる。
警戒しながら探知の魔法の範囲を広げると、強大な魔力を秘めた存在がこちらに向かってくるのがわかった。僕達の存在に気がついたようで動きに迷いがない。
「気をつけて。強大な魔力を持ったやつが僕達に気づいて近寄ってきてる」
「逃げるか」
「そうしたいけど途中で追いつかれそう。中途半端に逃げたら街に被害が出るかも」
「丸太を運んでいるやつらに伝言を頼もうか?今は森を抜けて街を目指している頃だろうから」
「彼らじゃ途中で追いつかれると思う。この気配ドラゴンだ」
僕の言葉に兄さんが武器を構え警戒を強める。遠くで轟音が響き大地が震えるほどの迫力を感じる。それから間もなくしてドラゴンの姿が目の前に現れた。
緑色の鱗に覆われたドラゴンは、先ほど戦ったトレントと同じくらいの大きさに思えた。尻尾を入れたらそれ以上かもしれない。
鱗の色と外見の特徴から推測するにあれはグリーンドラゴンだろう。太い前足が特徴的な二足歩行のドラゴンで、翼は体の大きさの割に小さい。鋭い爪と牙を持っていて、長く太い尻尾が周辺の木々を薙ぎ倒している。
グリーンドラゴンはブレスの代わりに毒の霧を吐く。森に生息するくせに、その毒は植物を枯らすほど強力なものだ。もちろん人間が食らえばひとたまりもない。
「グリーンドラゴンか」
「毒はこっちで対処する。尻尾をお願い」
「了解」
「聖属性魔法《聖結界》」
結界を張り、毒に備える。聖結界は状態異常を防御するのに優れていて、魔力を多く込めればグリーンドラゴンの毒も無効化できる。
「結界内なら毒は効かないから動き回っても大丈夫だよ!」
「わかった」
ちょろちょろと動き回る兄さんがうざったいのか、グリーンドラゴンが尻尾を振って牽制する。
やつの気を逸らすため土属性魔法《土槍》を顔に目掛けて発動させる。魔法が当たったと思ったら鱗に弾かれた。目を貫けるようにと硬くしたはずなのに、表面に軽く傷ができただけだった。魔法でグリーンドラゴンを傷つけるのは骨が折れるかもしれない。
グリーンドラゴンの縦に長い瞳孔が僕を睨みつける。己を攻撃する鬱陶しい存在を排除してやろうとグリーンドラゴンが僕に向かって動き出した時、すでに兄さんはやつの背後に回っていた。
「こっちだ。デカブツ」
兄さんがグリーンドラゴンの尻尾を根元から一瞬で切り捨てた。
あの硬い鱗をものともしないとは、まさに兄さんの力の凄さを実感した。身体強化と武器の硬化を同時に使える兄さんに斬れないものなどないのかもしれない。
ドラゴンは驚きと痛みに満ちた咆哮を上げた。尻尾が地面に落ち激しく叩きつけられる。僕はその瞬間、兄さんの果敢な行動に心底感謝した。
「ルカ!あいつを魔法で拘束できるか?」
「棘で拘束したいけど鱗が硬くて上手くいかない!」
「俺が鱗に傷を入れるからもう一度やってみてくれ」
「了解」
兄さんがグリーンドラゴンの足を中心に傷をつけていく。試しに土属性魔法で返しつきの棘を作り、鱗の下の肉に食い込ませる。硬いのは鱗だけだったようで、すんなりと棘が沈んでいった。こうなったらいくらドラゴンといえど簡単には抜け出せないだろう。
お互い決定打に欠ける攻撃が続き戦闘が膠着している。確実に倒すなら首を刎ねるのが一番だ。しかし、グリーンドラゴンは風耐性があるから風斬撃が効かない。ウォーターカッターで首を切るには距離が遠すぎる。
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「少しの間でいい。あいつの動きを完全に止められるか?」
「恐らく。やってみないとわからないけど」
「動きを止めたら階段状に足場を作ってくれ。俺があいつの首を刎ねる」
「わかった」
意識を集中させてイメージを固める。
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すかさず兄さんが恐怖を感じさせないしっかりとした足取りで足場を駆け上がり、グリーンドラゴンの首を一撃で刎ねた。
グリーンドラゴンは体がしっかり固定されていたからか、倒れることなく直立の姿勢を保ったままだった。魔法を使いゆっくりと地面に横たわらせる。
その瞬間どっと疲れが押し寄せた。ドラゴンの首を固定しながら足場をつくり、聖結界で毒の霧を無力化しつつ探知で魔物や冒険者の接近を常に確認するのは本当に大変だった。
足場から降りた兄さんが心配そうな様子で僕に駆け寄る。
「怪我はないか?魔力は大丈夫か?」
「怪我はないし、魔力は半分以上残ってるよ。兄さんこそ大丈夫?」
「ルカのおかげで平気だ。ありがとう」
「こちらこそ。兄さんかっこよかったよ」
兄さんが照れたように顔を横にそらす。その様子を微笑ましく眺めながら、ドラゴンの死骸をどうするか相談する。
「冒険者ギルドに報告できない以上、埋めるか燃やすかしかないだろう」
「ギルド以外でドラゴンを解体する伝手がないからね。でも……」
「でも?」
「ドラゴンステーキ食べたくない?」
「それはまあ気になるが」
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兄さんの足音が近づいてくる。僕にはそれが死刑宣告のように聞こえていた。
「起きたのか。体調はどうだ?」
「ごめんなさい」
「まずは飯を食え。話はそれからだ」
兄さんが用意してくれた食事は消化にいいものだった。僕は丸一日寝ていたらしい。
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「何か言いたいことはあるか」
「軽率なことをしました。ごめんなさい」
「あれほど無理をするなと言っただろう」
「弁明のしようもありません」
その後兄さんは淡々と僕の悪かった点を挙げた。その一つ一つが的確なもので、僕に残された道はただひたすら謝ることのみだった。
「心配かけてごめんなさい」
「無事だったからそれでいい。あまり無茶をしないでくれ」
兄さんが正座している僕を立たせて抱きしめてくれた。深く反省した。今後魔法のことで兄さんを心配させないように気をつけよう。
「ルカ」
「どうしたの?」
「ドラゴンステーキ期待してる」
「ありがとう。任せて」
兄さんの優しさに感謝しながら、未知の味を想像して少しだけ胸が高鳴った。
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