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ラウリア王国編
カレー
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バーナデットと出会って2週間が経った。今では見かけたら一言二言会話を交わすような仲になった。
予想通りバーナデットはギルド内で影響力のある冒険者だったようで、彼が現れてから酒場の雰囲気が落ち着いた。さすが白金級冒険者だ。
僕達の関係に何か思うところがあるのか、バーナデットは眩しいものを見る目で僕と兄さんの会話を眺めている時がある。
兄さんはその視線が苦手なようでバーナデットを見るだけで警戒するようになった。敵意や悪意を一切感じないから下手に文句を言えないことにも不満を募らせているようだ。
しかし兄さんのイライラも今日だけは確実に解消されるだろう。
何十回と試作して無駄になったスパイスは数知れず。途中から金額に換算することをやめた。
本当に長かった。いっそ妥協しようかとも思ったが諦めきれず、やっと納得のいくカレーが完成した。このトマトチキンカレーを食べたら、兄さんも今までの試作品が美味しくなかったと認めるはずだ。
まだ日本でよく食べられているカレーを再現できていないが、そこは時間をかけて絶対完成させようと思う。
「兄さん!やっとカレーが完成したよ!今からまた作るから今日の夕飯は楽しみにしてて!」
「やっとか。お疲れ様。俺は追加で鍛練してくる」
兄さんはそれだけ言うと鍛練をするため外に出た。ここの拠点は庭が広いのでさぞかし激しい鍛練をしていることだろう。
さっそくカレーを作っていく。まずは油にホールスパイスを入れて炒め香りを引き出す。
そこに玉ねぎ、すりおろしたにんにくとしょうがを炒めたらトマトを加える。
トマトの水分が少し飛んだらパウダースパイスを入れる。配合は僕のオリジナルだ。
そこにあらかじめヨーグルトに漬け込んで火を入れた鶏肉を加え混ぜ合わせる。
しばらく煮込んだ後仕上げにガラムマサラを入れて馴染んだら完成だ。
ガラムマサラは複数の香辛料を配合したもので、今回使ったのはお店で購入したものだ。そこのガラムマサラが気に入って買い占めた時兄さんの顔が引き攣っていた。とんでもない金額になったからね。完全に顔を覚えられてしまったので、逃げるようにそのお店がある街を飛び出したのは記憶に新しい。
「まだ出来ないのか」
「兄さん邪魔だよ」
匂いにつられて鍛練をそこそこで切り上げたのだろう。兄さんが背後から抱きついていた。
僕も背が伸びたとはいえ、兄さんとの身長差はまだまだある。狭いキッチンで接近されると、とんでもない存在感だ。
「くすぐったいよ」
「いい匂いだ」
「味見目当て?残念だけど今日はだめだよ」
「それもあるが……」
「もう出来るから。テーブルで待ってて」
兄さんが渋々移動した。僕もスパイスの香りを嗅いでいたらお腹が空いてきた。
早く盛り付けて出してしまおう。カレーに合わせるのはもちろんご飯だと言いたいが、残念ながらミヅホで買ったお米は合わなかった。
だからこの国で古くから食べられているお米を用意した。見た目も味も前世のタイ米に近い。香りがよくてパラパラとした食感がカレーとの相性抜群だ。炊く時に少量のバターやスパイスを入れてみたが正解だった。
あとは無限収納にしまっていたチャパティも出す。以前全粒粉を大量に手に入れたので兄さんにも作るのを手伝ってもらった。「生地をこねるより大剣振ってたほうが楽だ」と疲れ切って真顔で話す兄さんが可笑しくて、労るより先に笑ったら拗ねられたことがあったなぁ。
思い出したらまた笑いそうになった。気持ちを切り替えてサラダを用意した。これで今日の夕飯は完成だ。
「お待たせ。たくさん作ったから遠慮しないで食べてね」
「ありがとう」
兄さんがカレーを一口味わうように食べたと思ったら、目を見開いてガツガツ食べ出した。
聞かなくてもわかる。これは本当に気に入ったやつだ。多めに作っておいてよかった。
「おかわりを」
「気に入ってくれて嬉しい。さっきより多めに盛るね」
「すまない」
兄さんが食べるのを見届けていたら、僕が食べ始めるより先におかわりをお願いされた。
どれくらい食べるつもりだろう。ちょっと面白くなってきた。
カレーを多めに盛って兄さんに出す。このペースだとまたすぐに食べ終わるだろう。
僕も慌ててカレーを食べた。やっぱり感動する。トマトの甘味と酸味のなかにスパイスが香り複雑で深い味わいとなっている。後からくるピリッとした辛みで食欲が進む。
このカレーと比べたら、最初の方に作った試作品はトマトソースにスパイスを入れただけのものだ。そう思うくらい何もかもが違う。
完食だ。綺麗さっぱりなくなった。鍋いっぱいに作ったのに少しも残っていない。
兄さんは食べる勢いがほとんど落ちないままカレーを食べ続けた。作った側からしたらどんな称賛の言葉よりも嬉しい食べっぷりだった。
「美味かった」
兄さんがしみじみと呟く。食べ過ぎて動けないようだ。途中足りないかもと心配したけど、どうやら満足してもらえたらしい。
「ルカ」
兄さんが僕に手招きした。初めてのことに驚いたがとりあえず兄さんに近づく。
「どうしたの?」
椅子に座っている兄さんの正面に立つといきなり両手を包み込むように握られた。突然のことに戸惑っていると兄さんが目を輝かせながら口を開いた。
「俺は毎日ルカのカレーを食べたい」
「へ?」
「だめか?」
「……いや、は、破産しちゃうからだめ」
「たしかにな。毎年ドラゴンを狩れば可能か?計算しないとな」
「ドラゴンは目立ちすぎるからやめとこう」
「さすがに難しいか。そうなると今後は金策も考えながら魔物を狩らないと。ふたりで頑張ろうな」
「うん、そうだね。後片付けしてくる」
「いつもすまない。動けるようになったら手伝うから」
「よろしく」
兄さんがいる場所から僕の表情が完全に見えない位置まで移動した。
あれは爆弾発言というやつだろうか。本気でそのつもりがなかったようで、金策を真剣に考えている姿に何も言えなくなった。毎日僕の作ったカレーが食べたいって……
いや、プロポーズだよねそれ。
危うくそんなツッコミを入れるところだった。それを言ったらどんな空気になったのかな。
兄さんは焦るだろうか、それとも普段通りそんなつもりはなかったと落ち着いて答えるのだろうか。
だめだ。どちらも面白すぎる。にやけ顔から元に戻れない。思いっきり笑いたいけど、あんな真剣な兄さんを笑ったら失礼だ。
しばらくにやけていたけど、兄さんが後片付けを手伝ってくれる頃には落ち着いた。洗い物をしている兄さんの背中を見つめながら静かに思う。
あの時一瞬だけ想像した。
冒険者を辞めてどこかのんびりとした田舎に家を買って、毎日兄さんのために料理を作って、兄さんと一緒にそれを食べて、夜になったら抱き合いながら一緒に寝る。そんな平穏で幸福な生活を。
予想通りバーナデットはギルド内で影響力のある冒険者だったようで、彼が現れてから酒場の雰囲気が落ち着いた。さすが白金級冒険者だ。
僕達の関係に何か思うところがあるのか、バーナデットは眩しいものを見る目で僕と兄さんの会話を眺めている時がある。
兄さんはその視線が苦手なようでバーナデットを見るだけで警戒するようになった。敵意や悪意を一切感じないから下手に文句を言えないことにも不満を募らせているようだ。
しかし兄さんのイライラも今日だけは確実に解消されるだろう。
何十回と試作して無駄になったスパイスは数知れず。途中から金額に換算することをやめた。
本当に長かった。いっそ妥協しようかとも思ったが諦めきれず、やっと納得のいくカレーが完成した。このトマトチキンカレーを食べたら、兄さんも今までの試作品が美味しくなかったと認めるはずだ。
まだ日本でよく食べられているカレーを再現できていないが、そこは時間をかけて絶対完成させようと思う。
「兄さん!やっとカレーが完成したよ!今からまた作るから今日の夕飯は楽しみにしてて!」
「やっとか。お疲れ様。俺は追加で鍛練してくる」
兄さんはそれだけ言うと鍛練をするため外に出た。ここの拠点は庭が広いのでさぞかし激しい鍛練をしていることだろう。
さっそくカレーを作っていく。まずは油にホールスパイスを入れて炒め香りを引き出す。
そこに玉ねぎ、すりおろしたにんにくとしょうがを炒めたらトマトを加える。
トマトの水分が少し飛んだらパウダースパイスを入れる。配合は僕のオリジナルだ。
そこにあらかじめヨーグルトに漬け込んで火を入れた鶏肉を加え混ぜ合わせる。
しばらく煮込んだ後仕上げにガラムマサラを入れて馴染んだら完成だ。
ガラムマサラは複数の香辛料を配合したもので、今回使ったのはお店で購入したものだ。そこのガラムマサラが気に入って買い占めた時兄さんの顔が引き攣っていた。とんでもない金額になったからね。完全に顔を覚えられてしまったので、逃げるようにそのお店がある街を飛び出したのは記憶に新しい。
「まだ出来ないのか」
「兄さん邪魔だよ」
匂いにつられて鍛練をそこそこで切り上げたのだろう。兄さんが背後から抱きついていた。
僕も背が伸びたとはいえ、兄さんとの身長差はまだまだある。狭いキッチンで接近されると、とんでもない存在感だ。
「くすぐったいよ」
「いい匂いだ」
「味見目当て?残念だけど今日はだめだよ」
「それもあるが……」
「もう出来るから。テーブルで待ってて」
兄さんが渋々移動した。僕もスパイスの香りを嗅いでいたらお腹が空いてきた。
早く盛り付けて出してしまおう。カレーに合わせるのはもちろんご飯だと言いたいが、残念ながらミヅホで買ったお米は合わなかった。
だからこの国で古くから食べられているお米を用意した。見た目も味も前世のタイ米に近い。香りがよくてパラパラとした食感がカレーとの相性抜群だ。炊く時に少量のバターやスパイスを入れてみたが正解だった。
あとは無限収納にしまっていたチャパティも出す。以前全粒粉を大量に手に入れたので兄さんにも作るのを手伝ってもらった。「生地をこねるより大剣振ってたほうが楽だ」と疲れ切って真顔で話す兄さんが可笑しくて、労るより先に笑ったら拗ねられたことがあったなぁ。
思い出したらまた笑いそうになった。気持ちを切り替えてサラダを用意した。これで今日の夕飯は完成だ。
「お待たせ。たくさん作ったから遠慮しないで食べてね」
「ありがとう」
兄さんがカレーを一口味わうように食べたと思ったら、目を見開いてガツガツ食べ出した。
聞かなくてもわかる。これは本当に気に入ったやつだ。多めに作っておいてよかった。
「おかわりを」
「気に入ってくれて嬉しい。さっきより多めに盛るね」
「すまない」
兄さんが食べるのを見届けていたら、僕が食べ始めるより先におかわりをお願いされた。
どれくらい食べるつもりだろう。ちょっと面白くなってきた。
カレーを多めに盛って兄さんに出す。このペースだとまたすぐに食べ終わるだろう。
僕も慌ててカレーを食べた。やっぱり感動する。トマトの甘味と酸味のなかにスパイスが香り複雑で深い味わいとなっている。後からくるピリッとした辛みで食欲が進む。
このカレーと比べたら、最初の方に作った試作品はトマトソースにスパイスを入れただけのものだ。そう思うくらい何もかもが違う。
完食だ。綺麗さっぱりなくなった。鍋いっぱいに作ったのに少しも残っていない。
兄さんは食べる勢いがほとんど落ちないままカレーを食べ続けた。作った側からしたらどんな称賛の言葉よりも嬉しい食べっぷりだった。
「美味かった」
兄さんがしみじみと呟く。食べ過ぎて動けないようだ。途中足りないかもと心配したけど、どうやら満足してもらえたらしい。
「ルカ」
兄さんが僕に手招きした。初めてのことに驚いたがとりあえず兄さんに近づく。
「どうしたの?」
椅子に座っている兄さんの正面に立つといきなり両手を包み込むように握られた。突然のことに戸惑っていると兄さんが目を輝かせながら口を開いた。
「俺は毎日ルカのカレーを食べたい」
「へ?」
「だめか?」
「……いや、は、破産しちゃうからだめ」
「たしかにな。毎年ドラゴンを狩れば可能か?計算しないとな」
「ドラゴンは目立ちすぎるからやめとこう」
「さすがに難しいか。そうなると今後は金策も考えながら魔物を狩らないと。ふたりで頑張ろうな」
「うん、そうだね。後片付けしてくる」
「いつもすまない。動けるようになったら手伝うから」
「よろしく」
兄さんがいる場所から僕の表情が完全に見えない位置まで移動した。
あれは爆弾発言というやつだろうか。本気でそのつもりがなかったようで、金策を真剣に考えている姿に何も言えなくなった。毎日僕の作ったカレーが食べたいって……
いや、プロポーズだよねそれ。
危うくそんなツッコミを入れるところだった。それを言ったらどんな空気になったのかな。
兄さんは焦るだろうか、それとも普段通りそんなつもりはなかったと落ち着いて答えるのだろうか。
だめだ。どちらも面白すぎる。にやけ顔から元に戻れない。思いっきり笑いたいけど、あんな真剣な兄さんを笑ったら失礼だ。
しばらくにやけていたけど、兄さんが後片付けを手伝ってくれる頃には落ち着いた。洗い物をしている兄さんの背中を見つめながら静かに思う。
あの時一瞬だけ想像した。
冒険者を辞めてどこかのんびりとした田舎に家を買って、毎日兄さんのために料理を作って、兄さんと一緒にそれを食べて、夜になったら抱き合いながら一緒に寝る。そんな平穏で幸福な生活を。
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