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ストバーラ帝国編
悲鳴と歓声
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※下ネタ注意
周りにバレないよう兄さんに耳打ちして作戦を伝える。
「兄さん、オークジェネラルがこっちに向かってきてる。訳は後で話すから僕とふたりでやつを倒そう」
「わかった。魔法は大丈夫か?」
「バレないように僕も一緒に接近する。足止めをお願い」
「任せておけ」
「……っ!オークジェネラルの気配だ!皆武器を構えろ!」
エクトルが全員に届くように声を張る。
「ここにきてクソ筋肉ダルマかよ!俺がやる!他のやつらはフォローを」
「私もやるぞ!負けてられるか!」
「ごめん、それ僕達がやっていい?」
「やめとけ!お前の体格だったら一発殴られただけで死ぬぞ!」
「ルカが?やめておいたほうがいい!私がやるから!」
やっぱりアルトゥロとセレナは仲が良い。息ぴったりだ。
「大丈夫!兄さんもいるし。危なくなったらフォローお願い!」
「やつが来るぞ!」
オークジェネラルが姿を現した。やつは仲間をやられたことに、ずいぶんとご立腹だ。
「兄さん、いくよ」
「了解」
僕は身体強化を使い、兄さんと一緒にやつに接近する。もう少しだ、兄さんが足止めしてる間に蹴りをつけなければ。
ここだ!僕は常識の範囲内の射程に入るとすぐに魔法を放った。
「風属性魔法《風斬撃》」
「ブグオォォォォオオ!!!」
パシュっと乾いた音がした。そして程なくしてポトリと落ちるそれ。オークジェネラルの悲鳴で耳が痛い。
「ヒィィィィ!!」
僕を見守っていた一団から悲鳴が上がる。
「おおー!」
別の一団からは歓声が上がる。
「素材は回収した!兄さん遠慮なくやっちゃって!」
「了解」
兄さんがオークジェネラルに斬りかかる。オークジェネラルも負けじと反撃したが切断されたところが痛んだのだろう、ふらついてしまった。兄さんがそこを逃す訳がなく、哀れオークジェネラルは2撃で倒された。
ちなみに悲鳴を上げた一団が『鋼鉄の男』で、歓声を上げた一団が『乙女連合』だ。
なぜかって、オークジェネラル唯一の換金素材が睾丸だからだ。
なんの躊躇もなくオークジェネラルの睾丸を攻撃する美少年。僕なら幻滅する。
僕だって男だ。この攻撃はだいぶ心が痛かった。でも毎日の勧誘を回避するため、僕はやりきったのだ。
これはさすがのセレナもショックを受けたに違いない。夢も醒めただろう。『乙女連合』は乙女だけで活動したほうがいい。
「お前!やっていいことと悪いことがあるだろ!!見てるだけで痛ってえよ!」
エクトルが怒りながら股間をおさえている。
「お疲れ様。いい魔法だった」
パウラが僕を讃えてくれる。
さて、セレナはどうだろう。顔を俯かせてプルプルと身震いしていた。
さすがにやり過ぎたか。悪いことをしてしまったな。
「ルカ!お前にこんな一面があったとは!儚げな顔して嗜虐性を秘めているという二面性。いける……いけるぞ!私は感動した!やはりルカは『乙女連合』の秘密兵器だ!!」
えっ?
「ルカ!俺は今猛烈に感動している!!手段を選ばず攻撃する……その精神はまさに冒険者の鑑!!『鋼鉄の男』に入って漢を学べばお前はもっと強くなれる!!」
はい?
「是非「俺の」「私の」パーティーに加入してくれ!!」
「邪魔をするなアルトゥロ!お前はアイザックだけ誘っておけ!」
「ふん、甘いなセレナ!アイザックとルカ、両方『鋼鉄の男』に加入できる!これは強いぞ!勝ったな!」
「ふざけるな!ならアイザックは用心棒だ!用心棒枠としてルカと一緒に加入させる!」
「ずるいぞ!」
「そっちこそ!」
どうしてそうなるんだよ。僕はその場で頭を抱えた。
兄さんが気遣わしげな表情で、僕の肩を優しく叩いた。……なんというか、本当に申し訳ない。
周りにバレないよう兄さんに耳打ちして作戦を伝える。
「兄さん、オークジェネラルがこっちに向かってきてる。訳は後で話すから僕とふたりでやつを倒そう」
「わかった。魔法は大丈夫か?」
「バレないように僕も一緒に接近する。足止めをお願い」
「任せておけ」
「……っ!オークジェネラルの気配だ!皆武器を構えろ!」
エクトルが全員に届くように声を張る。
「ここにきてクソ筋肉ダルマかよ!俺がやる!他のやつらはフォローを」
「私もやるぞ!負けてられるか!」
「ごめん、それ僕達がやっていい?」
「やめとけ!お前の体格だったら一発殴られただけで死ぬぞ!」
「ルカが?やめておいたほうがいい!私がやるから!」
やっぱりアルトゥロとセレナは仲が良い。息ぴったりだ。
「大丈夫!兄さんもいるし。危なくなったらフォローお願い!」
「やつが来るぞ!」
オークジェネラルが姿を現した。やつは仲間をやられたことに、ずいぶんとご立腹だ。
「兄さん、いくよ」
「了解」
僕は身体強化を使い、兄さんと一緒にやつに接近する。もう少しだ、兄さんが足止めしてる間に蹴りをつけなければ。
ここだ!僕は常識の範囲内の射程に入るとすぐに魔法を放った。
「風属性魔法《風斬撃》」
「ブグオォォォォオオ!!!」
パシュっと乾いた音がした。そして程なくしてポトリと落ちるそれ。オークジェネラルの悲鳴で耳が痛い。
「ヒィィィィ!!」
僕を見守っていた一団から悲鳴が上がる。
「おおー!」
別の一団からは歓声が上がる。
「素材は回収した!兄さん遠慮なくやっちゃって!」
「了解」
兄さんがオークジェネラルに斬りかかる。オークジェネラルも負けじと反撃したが切断されたところが痛んだのだろう、ふらついてしまった。兄さんがそこを逃す訳がなく、哀れオークジェネラルは2撃で倒された。
ちなみに悲鳴を上げた一団が『鋼鉄の男』で、歓声を上げた一団が『乙女連合』だ。
なぜかって、オークジェネラル唯一の換金素材が睾丸だからだ。
なんの躊躇もなくオークジェネラルの睾丸を攻撃する美少年。僕なら幻滅する。
僕だって男だ。この攻撃はだいぶ心が痛かった。でも毎日の勧誘を回避するため、僕はやりきったのだ。
これはさすがのセレナもショックを受けたに違いない。夢も醒めただろう。『乙女連合』は乙女だけで活動したほうがいい。
「お前!やっていいことと悪いことがあるだろ!!見てるだけで痛ってえよ!」
エクトルが怒りながら股間をおさえている。
「お疲れ様。いい魔法だった」
パウラが僕を讃えてくれる。
さて、セレナはどうだろう。顔を俯かせてプルプルと身震いしていた。
さすがにやり過ぎたか。悪いことをしてしまったな。
「ルカ!お前にこんな一面があったとは!儚げな顔して嗜虐性を秘めているという二面性。いける……いけるぞ!私は感動した!やはりルカは『乙女連合』の秘密兵器だ!!」
えっ?
「ルカ!俺は今猛烈に感動している!!手段を選ばず攻撃する……その精神はまさに冒険者の鑑!!『鋼鉄の男』に入って漢を学べばお前はもっと強くなれる!!」
はい?
「是非「俺の」「私の」パーティーに加入してくれ!!」
「邪魔をするなアルトゥロ!お前はアイザックだけ誘っておけ!」
「ふん、甘いなセレナ!アイザックとルカ、両方『鋼鉄の男』に加入できる!これは強いぞ!勝ったな!」
「ふざけるな!ならアイザックは用心棒だ!用心棒枠としてルカと一緒に加入させる!」
「ずるいぞ!」
「そっちこそ!」
どうしてそうなるんだよ。僕はその場で頭を抱えた。
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