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イーザリア王国編
変なやつ撃退魔法
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※攻めが受けっぽい?描写があるので一応注意
翌朝、兄さんは泣きすぎて目がパンパンに腫れていた。でもその顔はとても穏やかで晴れ晴れとしていた。
僕は兄さんの目を冷やすため魔法で氷を出して布に包む。
「はい、兄さん。目の周りを冷やしたらすぐ腫れが引くから」
「ありがとう、ルカ」
兄さんは氷が入っている布を嬉しそうに受け取り目に当てた。気持ちよさそうだ。
「今日はお休みしようか」
「目の腫れが引いたら普段通り動ける」
「声もガラガラだ。今日はやりたいことがあるし休みにしよう。兄さんにも協力してもらうよ」
「やりたいこと?」
「昨日言ってた変なやつから身を守るための魔法。思いついたから実験したい」
「もう思いついたのか!」
目に布を当てているから表情がほとんど見えないはずなのに、すごく驚いていることが伝わった。
「うん、昨日魔物狩りで草原に向かう途中でね」
「思いついてすぐできるものではないと思うが……。」
僕が考えた変なやつから身を守るための魔法はその名も《全自動スタンガンもどき》だ。
全身に魔法でできた電気の膜を纏い僕に触れる直前で放電する仕組みだ。放電に一瞬でも当たったら相手は痛みで反射的に僕と距離を取るようになる。威力も何段階か調節ができるようにした。
最後に兄さんがうっかり触っても感電しないように調整したら完成だ。
「魔法の完成のために、ご協力お願いします」
「よくわからないがすごい魔法だということはわかった。俺にできることなら何でも言ってくれ」
魔法が完成しない事情を説明して協力を取り付けた。兄さんは内容も聞かずに承諾してくれた。
さっそく指示を出そうとして気づく。
「すっかり忘れてた。先に朝食にしようか」
「そうだな」
兄さんに呆れたような顔をされた。魔法に夢中になってすっかり忘れてた。朝食後部屋に戻り、兄さんにお願いする。
「さっそくだけど、兄さん服脱いで」
「は?」
「上だけでいいから服を脱いでベッドに横になって」
「服を脱いでベッドに?俺の聞き間違えか?」
「合ってるよ。魔力を掴みたいから身体に直接触りたいの」
「??わかった」
僕は生体認証の仕組みを応用して、魔力で本人を特定することができないかと考えていた。
それが出来たら兄さんにだけ放電の魔法が効かないようにすることが可能だ。
兄さん個人の魔力の特徴を把握するには、体内に流れてる魔力を僕の魔力で掴んで確認する必要がある。
魔力を掴むなら身体に直接触れるやり方が1番確実だ。いやらしい意図はないが、内容が内容なだけに兄さんがすんなりお願いを聞いてくれて助かった。
『やっぱりかっこいいなあ』
兄さんの身体を見て思わずため息が出る。筋骨隆々としていて、いかにも戦う男って感じだ。僕の理想がそこに詰まっている。
「どうした?」
ベッドに横になっている兄さんが不安気に僕を見つめる。僕は慌てて行動に移す。
「ごめんね、今から直接触るよ。僕の魔力を流すから嫌な感じがしたらすぐ言ってね」
魔力を掴むため、兄さんの身体の上に馬乗りになり左胸に僕の右手を添える。
「あっ!」
「ごめんね!手が冷たかったかな?」
「びっくりしただけだ。続けてくれ」
びっくりさせてしまったようだ。風邪を引かれたら大変なので急ぐことにする。
「また左胸に手を当てるよ」
「わかった」
左胸、心臓の位置に手を当てて魔力の流れを確認する。あいかわらずスムーズでいい巡り方をしている。魔力の流れに沿うように次は左脇腹まで手をススッと移動させる。
「ん…」
兄さんが小さく息を吐くが気にせず続ける。次は臍下部いわゆる丹田と呼ばれるところに手を当てる。
「ルカっ!そこはっ」
兄さんの焦ったような声が聞こえるが無視して声をかける。
「今からここに魔力を流すから。魔力の相性が悪いとすっごく不快みたいだからすぐ言ってね」
「っ…わかった」
ゆっくりと魔力を流す。兄さんの魔力に僕の魔力が混じるようにじっくりと丁寧に流していく。
「はぁっ……ルカもう」
「気持ち悪い?」
「ふ……あったかい」
「それはよかった」
僕達の魔力の相性はかなりいいようだ。血の繋がった兄弟だし当然かもしれない。
あと少し、もう少しで何か掴めそうだ。僕は兄さんの丹田に右手を当てて魔力を流したまま、左手を兄さんの首筋に添える。
兄さんが大きいから、かなり腕を伸ばさないといけない。最終的に僕が兄さんに伸し掛かるような体勢になった。
左手を兄さんの首筋に当てたまま、親指で顔の輪郭をなぞり、右耳を軽くつまむと兄さんの身体がビクリと震えた。
「ぅ……やめっ」
「もう少し、あとちょっとで……よし!掴めた!」
やった!触らなくても兄さんの魔力の特徴を完全に把握することができた。僕の仮説が正しければこれで魔法の完成だ。
「兄さんやったよ!成功だ。これで魔法が完成できる!協力ありがとう」
興奮冷めやらぬまま声を上げて、はたと気づいた。
22歳男性に馬乗りになって身体を弄る12歳。絵面がひどい。兄さんは慣れないことをされたからか、ぐったりしていて顔が赤い。その様子を見て血の気が引いた。いくらなんでも調子に乗りすぎた。
「兄さんごめんなさい。夢中になってついやりすぎました」
「ルカは過去にも魔法を作っていたらしいが、今のようなことをしてたのか?」
兄さんが服を着ながら顔をしかめて尋ねる。
「こんなこと他の人に頼むわけないじゃん!後にも先にも兄さんだけだよ!」
失言だったかと気づいた時にはもう遅い。いくら兄さんでも怒るだろうと恐る恐る顔を確認すると、なぜか微笑んでいた。
「そうか、俺だけか。ならいい。次からは事前に詳しく説明してくれ。魔法の実験をするのは、くれぐれも、俺だけにしておけ」
「わかった。気をつけるね」
次回以降の約束も取り付けてしまった。完全に怒られるかと思っていたが拍子抜けだ。
機嫌良く笑う兄さんを見てこれ以上この話題を広げるわけにもいかず、変なやつ撃退魔法の完成に集中することにした。
翌朝、兄さんは泣きすぎて目がパンパンに腫れていた。でもその顔はとても穏やかで晴れ晴れとしていた。
僕は兄さんの目を冷やすため魔法で氷を出して布に包む。
「はい、兄さん。目の周りを冷やしたらすぐ腫れが引くから」
「ありがとう、ルカ」
兄さんは氷が入っている布を嬉しそうに受け取り目に当てた。気持ちよさそうだ。
「今日はお休みしようか」
「目の腫れが引いたら普段通り動ける」
「声もガラガラだ。今日はやりたいことがあるし休みにしよう。兄さんにも協力してもらうよ」
「やりたいこと?」
「昨日言ってた変なやつから身を守るための魔法。思いついたから実験したい」
「もう思いついたのか!」
目に布を当てているから表情がほとんど見えないはずなのに、すごく驚いていることが伝わった。
「うん、昨日魔物狩りで草原に向かう途中でね」
「思いついてすぐできるものではないと思うが……。」
僕が考えた変なやつから身を守るための魔法はその名も《全自動スタンガンもどき》だ。
全身に魔法でできた電気の膜を纏い僕に触れる直前で放電する仕組みだ。放電に一瞬でも当たったら相手は痛みで反射的に僕と距離を取るようになる。威力も何段階か調節ができるようにした。
最後に兄さんがうっかり触っても感電しないように調整したら完成だ。
「魔法の完成のために、ご協力お願いします」
「よくわからないがすごい魔法だということはわかった。俺にできることなら何でも言ってくれ」
魔法が完成しない事情を説明して協力を取り付けた。兄さんは内容も聞かずに承諾してくれた。
さっそく指示を出そうとして気づく。
「すっかり忘れてた。先に朝食にしようか」
「そうだな」
兄さんに呆れたような顔をされた。魔法に夢中になってすっかり忘れてた。朝食後部屋に戻り、兄さんにお願いする。
「さっそくだけど、兄さん服脱いで」
「は?」
「上だけでいいから服を脱いでベッドに横になって」
「服を脱いでベッドに?俺の聞き間違えか?」
「合ってるよ。魔力を掴みたいから身体に直接触りたいの」
「??わかった」
僕は生体認証の仕組みを応用して、魔力で本人を特定することができないかと考えていた。
それが出来たら兄さんにだけ放電の魔法が効かないようにすることが可能だ。
兄さん個人の魔力の特徴を把握するには、体内に流れてる魔力を僕の魔力で掴んで確認する必要がある。
魔力を掴むなら身体に直接触れるやり方が1番確実だ。いやらしい意図はないが、内容が内容なだけに兄さんがすんなりお願いを聞いてくれて助かった。
『やっぱりかっこいいなあ』
兄さんの身体を見て思わずため息が出る。筋骨隆々としていて、いかにも戦う男って感じだ。僕の理想がそこに詰まっている。
「どうした?」
ベッドに横になっている兄さんが不安気に僕を見つめる。僕は慌てて行動に移す。
「ごめんね、今から直接触るよ。僕の魔力を流すから嫌な感じがしたらすぐ言ってね」
魔力を掴むため、兄さんの身体の上に馬乗りになり左胸に僕の右手を添える。
「あっ!」
「ごめんね!手が冷たかったかな?」
「びっくりしただけだ。続けてくれ」
びっくりさせてしまったようだ。風邪を引かれたら大変なので急ぐことにする。
「また左胸に手を当てるよ」
「わかった」
左胸、心臓の位置に手を当てて魔力の流れを確認する。あいかわらずスムーズでいい巡り方をしている。魔力の流れに沿うように次は左脇腹まで手をススッと移動させる。
「ん…」
兄さんが小さく息を吐くが気にせず続ける。次は臍下部いわゆる丹田と呼ばれるところに手を当てる。
「ルカっ!そこはっ」
兄さんの焦ったような声が聞こえるが無視して声をかける。
「今からここに魔力を流すから。魔力の相性が悪いとすっごく不快みたいだからすぐ言ってね」
「っ…わかった」
ゆっくりと魔力を流す。兄さんの魔力に僕の魔力が混じるようにじっくりと丁寧に流していく。
「はぁっ……ルカもう」
「気持ち悪い?」
「ふ……あったかい」
「それはよかった」
僕達の魔力の相性はかなりいいようだ。血の繋がった兄弟だし当然かもしれない。
あと少し、もう少しで何か掴めそうだ。僕は兄さんの丹田に右手を当てて魔力を流したまま、左手を兄さんの首筋に添える。
兄さんが大きいから、かなり腕を伸ばさないといけない。最終的に僕が兄さんに伸し掛かるような体勢になった。
左手を兄さんの首筋に当てたまま、親指で顔の輪郭をなぞり、右耳を軽くつまむと兄さんの身体がビクリと震えた。
「ぅ……やめっ」
「もう少し、あとちょっとで……よし!掴めた!」
やった!触らなくても兄さんの魔力の特徴を完全に把握することができた。僕の仮説が正しければこれで魔法の完成だ。
「兄さんやったよ!成功だ。これで魔法が完成できる!協力ありがとう」
興奮冷めやらぬまま声を上げて、はたと気づいた。
22歳男性に馬乗りになって身体を弄る12歳。絵面がひどい。兄さんは慣れないことをされたからか、ぐったりしていて顔が赤い。その様子を見て血の気が引いた。いくらなんでも調子に乗りすぎた。
「兄さんごめんなさい。夢中になってついやりすぎました」
「ルカは過去にも魔法を作っていたらしいが、今のようなことをしてたのか?」
兄さんが服を着ながら顔をしかめて尋ねる。
「こんなこと他の人に頼むわけないじゃん!後にも先にも兄さんだけだよ!」
失言だったかと気づいた時にはもう遅い。いくら兄さんでも怒るだろうと恐る恐る顔を確認すると、なぜか微笑んでいた。
「そうか、俺だけか。ならいい。次からは事前に詳しく説明してくれ。魔法の実験をするのは、くれぐれも、俺だけにしておけ」
「わかった。気をつけるね」
次回以降の約束も取り付けてしまった。完全に怒られるかと思っていたが拍子抜けだ。
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