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イーザリア王国編
依頼の確認と今後の方針
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兄さんの手を引っ張って依頼書が貼られている壁の前まで行く。時間が経って落ち着いたのか兄さんは大人しくついてきてる。
まずは鉄級の依頼書を確認してみた。今は冬なので壁に貼られている依頼書もまばらだ。
「鉄級依頼」
・ゴブリン討伐
・ホーンラビット討伐
・薬草採取
・城壁修理
・守衛
・側溝の掃除
・迷子猫の捜索
・孤児院の清掃
他にもあったが目についたのはこれくらいか。依頼書には内容と依頼人の名前、報酬が書かれている。詳細を知りたければ受付に聞きに行く仕組みのようだ。
鉄級は討伐依頼が少なくて日雇いの仕事や雑用が多い。
迷子猫の捜索という依頼もあったので、お金があれば誰でも気軽に依頼ができるようだ。
ちなみにグレートボア討伐は銅級依頼だった。しかもパーティーでの討伐推奨。兄さんの強さが改めてわかった。
「なあルカ、今後の方針を話し合わないか」
「今後の方針?」
兄さんが近くにあった椅子を引いて座るよう促してきた。たしかに国を出て冒険者登録をすることに必死で冒険者生活については具体的に話し合っていなかった。
「まずルカは世界を回ることが目的で階級を上げることにそこまでこだわっていない、ということでいいか」
「そうだね。せめて銅級に上がるまではイーザリア王国にいたいけど、何年もかかるなら別の国に行ってるかな」
「つまりこの支部にも固執しない、と」
「冒険者登録をしたばかりだから最低でも半年はいたいけどね」
「半年?長くないか」
そんなに長いだろうか?僕の感覚では普通だと思ったけどもしかして、
「ミゲルのこと?」
「それもあるが。ここは男が多い」
「冒険者だからこんなものじゃない?むしろ女性が意外といるなって思ったぐらいだよ」
「比率じゃなくて数の問題だ。イーザリアは凶悪な魔物が少ないから、冒険者が少ないと思っていたが想定外の規模だ」
「ダンジョンがあるからね。トリフェにもあるけど僕達には関係ないからなぁ」
そう、この世界にはダンジョンがある。はるか昔突如として現れたらしい。誰が何の目的で出現させたのかは不明だが、莫大な富をもたらす宝の山として今日まで探索されている。もちろん死のリスクはあるが、一発当たれば大金が手に入るので冒険者に大人気だ。
ダンジョン毎に特徴があるらしくトリフェでは中級者向けのダンジョンがあると聞いた。前世の記憶がある僕はゲームみたいで面白そうだと思っているが、ダンジョンは銅級以上じゃないと入れないので今の僕達には関係ない。
「人が多いということは、変なやつも多いということだ。ルカは綺麗な顔をしているからな。用心するに越したことはない」
僕の顔をそのように評価していたとは……驚いたが、過去の過保護な言動を思い返し納得した。
「綺麗な顔って言われても女の子に間違われたことないし心配しすぎだよ」
「男でもいいってやつは意外とたくさんいる。特にルカは楚々としてるし口調も柔らかくて冒険者らしくない。珍しい毛色を好むバカはどこにでもいるから気をつけてくれ。俺が絶対に守ると言いたいが、ミゲルみたいなやつもいるからな」
「わかった。僕も用心する。自衛のために魔法も考えておくよ」
「そうだな。そうしてくれると助かる」
今まで自分の容姿について考えたことがなかったので反省した。兄さんを安心させるためにも、変なやつを撃退する魔法を早く開発しておこう。
「ごめんなさい、人の目とか全然気にしてなかった。これからも僕に思うことがあったら言ってほしい」
「謝らなくていい。脅すようなことを言って悪かった。ルカは俺が守るから」
やっぱり兄さんは優しい人だ。もっと周りを意識して行動するようにしよう。
「ところでさ」
「どうした?」
「そろそろ手離さない?」
「嫌だ。消毒だ」
依頼書の前まで兄さんの手を引いて移動したが、そこから手を離そうとしても離してくれなかった。消毒かぁ。やっぱり兄さんは少し過保護かもしれない。
まずは鉄級の依頼書を確認してみた。今は冬なので壁に貼られている依頼書もまばらだ。
「鉄級依頼」
・ゴブリン討伐
・ホーンラビット討伐
・薬草採取
・城壁修理
・守衛
・側溝の掃除
・迷子猫の捜索
・孤児院の清掃
他にもあったが目についたのはこれくらいか。依頼書には内容と依頼人の名前、報酬が書かれている。詳細を知りたければ受付に聞きに行く仕組みのようだ。
鉄級は討伐依頼が少なくて日雇いの仕事や雑用が多い。
迷子猫の捜索という依頼もあったので、お金があれば誰でも気軽に依頼ができるようだ。
ちなみにグレートボア討伐は銅級依頼だった。しかもパーティーでの討伐推奨。兄さんの強さが改めてわかった。
「なあルカ、今後の方針を話し合わないか」
「今後の方針?」
兄さんが近くにあった椅子を引いて座るよう促してきた。たしかに国を出て冒険者登録をすることに必死で冒険者生活については具体的に話し合っていなかった。
「まずルカは世界を回ることが目的で階級を上げることにそこまでこだわっていない、ということでいいか」
「そうだね。せめて銅級に上がるまではイーザリア王国にいたいけど、何年もかかるなら別の国に行ってるかな」
「つまりこの支部にも固執しない、と」
「冒険者登録をしたばかりだから最低でも半年はいたいけどね」
「半年?長くないか」
そんなに長いだろうか?僕の感覚では普通だと思ったけどもしかして、
「ミゲルのこと?」
「それもあるが。ここは男が多い」
「冒険者だからこんなものじゃない?むしろ女性が意外といるなって思ったぐらいだよ」
「比率じゃなくて数の問題だ。イーザリアは凶悪な魔物が少ないから、冒険者が少ないと思っていたが想定外の規模だ」
「ダンジョンがあるからね。トリフェにもあるけど僕達には関係ないからなぁ」
そう、この世界にはダンジョンがある。はるか昔突如として現れたらしい。誰が何の目的で出現させたのかは不明だが、莫大な富をもたらす宝の山として今日まで探索されている。もちろん死のリスクはあるが、一発当たれば大金が手に入るので冒険者に大人気だ。
ダンジョン毎に特徴があるらしくトリフェでは中級者向けのダンジョンがあると聞いた。前世の記憶がある僕はゲームみたいで面白そうだと思っているが、ダンジョンは銅級以上じゃないと入れないので今の僕達には関係ない。
「人が多いということは、変なやつも多いということだ。ルカは綺麗な顔をしているからな。用心するに越したことはない」
僕の顔をそのように評価していたとは……驚いたが、過去の過保護な言動を思い返し納得した。
「綺麗な顔って言われても女の子に間違われたことないし心配しすぎだよ」
「男でもいいってやつは意外とたくさんいる。特にルカは楚々としてるし口調も柔らかくて冒険者らしくない。珍しい毛色を好むバカはどこにでもいるから気をつけてくれ。俺が絶対に守ると言いたいが、ミゲルみたいなやつもいるからな」
「わかった。僕も用心する。自衛のために魔法も考えておくよ」
「そうだな。そうしてくれると助かる」
今まで自分の容姿について考えたことがなかったので反省した。兄さんを安心させるためにも、変なやつを撃退する魔法を早く開発しておこう。
「ごめんなさい、人の目とか全然気にしてなかった。これからも僕に思うことがあったら言ってほしい」
「謝らなくていい。脅すようなことを言って悪かった。ルカは俺が守るから」
やっぱり兄さんは優しい人だ。もっと周りを意識して行動するようにしよう。
「ところでさ」
「どうした?」
「そろそろ手離さない?」
「嫌だ。消毒だ」
依頼書の前まで兄さんの手を引いて移動したが、そこから手を離そうとしても離してくれなかった。消毒かぁ。やっぱり兄さんは少し過保護かもしれない。
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