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グレイセル王国からの逃亡
冒険者のこと
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肉が焼けたのでグレースを呼んで冒険者達に渡してもらう。しばらくしてグレースがこちらにやって来た。
「ありがとな。坊主は料理が上手いな。期待以上だった。あいつらも絶賛してた」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。やっぱり肉はいいよね。じゃあこっちに座って」
「やっぱ肉だよな!で?聞きたいことって?」
「いろいろあるんだけど、まずはグレース達のパーティーの階級を教えて」
「銅級だ。冒険者のなかでは1番多い階級だな。坊主は階級について知ってるのか?」
「知ってるよ。下から鉄・銅・銀・金・白金・ミスリルだよね?本で読んだよ」
「当たってる。字が読めるのはいいことだ。田舎出身のやつらはそこで苦労する。読めなくてもいいが不便だからな」
やっぱりそうか、この世界の文字が覚えやすいものでよかった。僕も苦労組だったかもしれない。
「覚えるのは大変だったけどね。グレース達は冒険者になってからどれくらいで銅級になったの?」
「3年だな。だいたいそれくらいが平均だ。ソロだったりパーティーの人数が少ないやつらはもう少しかかってた」
「階級が上がる条件は?」
「それは公表されてないから俺もわからん。銅級から銀級に上がるやつらが少ないことを考えると依頼をコツコツこなすだけでは上がらないのかもな」
「条件がわからないのは厳しいね。グレースはこの国で冒険者登録したの?やっぱり国によって条件は違うのかな」
「いや、条件はどの国も同じだと思う。冒険者ギルドは、国を超えて組織されてるからな。俺はストバーラ帝国の出身で、そこで登録したがどの国も階級の比率に差は感じなかった」
「ストバーラ帝国って大きな港が有名な国だよね!1年中暖かい国だって聞いたことある。僕はイーザリア王国に行きたいと思ってて、グレースは行ったことある?」
「坊主はよく勉強してるな!俺はそこの生まれだから寒さに弱くて……この国は寒すぎるから冬になる前に暖かい国に行こうと仲間に相談してたところだ。イーザリア王国も暖くていい国だぞ。凶悪な魔物が少ないから初心者冒険者が多い印象だな」
「なるほどね。もう少しだけ、魔法使いについて聞いていい?」
僕は生活魔法の給水でコップに水を入れグレースに手渡した。
「坊主は気が利くな」
「どういたしまして。冒険者で魔法使いって多いの?」
「そこまで多くない。剣・槍・盾・斥候・魔法使い・回復職の順で多い印象だな。他には弓とか斧とかがちらほらいる感じだ」
「じゃあグレースは貴重な魔法使いってことか」
「まあな、俺は魔法使いとしては中の下だけど」
「適性が多くないと魔法使いは厳しいかな?」
「そんなことはない。適性が少なくても使い方次第だ。でも強いと言われている魔法使いは大体3つ以上適性があるって噂だ」
「なるほど。回復職も適性が多い人が強いの?」
「回復職に戦闘の強さを求めることはないな。聖属性の適性持ちは少ないから」
「じゃあ聖属性の適性を持ってたら注目の的だね」
「たしかに貴重だがそこまで注目は浴びないな。弱い回復しか使えない、戦えない初心者回復職はお荷物になるから」
「お荷物ね。わかった。たくさん質問してごめんね。いろいろ参考になったよ!ありがとうグレース」
「いいってことよ。じゃあ俺は持ち場に戻るわ。肉串美味かったぜ」
本当はもう少し聞きたいことがあったが、そろそろ兄さんが限界だろう。話しが終わった途端兄さんが僕に近寄る。
「ルカあいつに嫌なことはされてないか?」
「兄さんずっと見てたでしょ。何もなかったよ。冒険者生活する時の参考になった。早くイーザリア王国に行きたいね」
「そうだな」
もう少しでポポスの街に到着する。ポポスの街に行けば一気にイーザリア王国の関所まで行ける乗合馬車がある。
「僕は先に寝るね、おやすみ兄さん」
「おやすみ」
「じゃあなー!坊主、次会うことがあったら美味いもん奢ってやるよ」
「ありがとうグレース!期待してるね」
グレースに手を振って別れる。ここはポポスの街だ。
「やっとポポスに着いたな」
「もうくたくた。早く宿を取って休みたいけど乗合馬車も確認しよっか」
「ああ、そうしよう」
乗合馬車の受付に確認すると、イーザリア王国の関所がある街までの直行便は2日後に出発するとのこと。
「2日後かあ。準備がギリギリになるけど兄さんは大丈夫?」
「かまわない」
さっそく予約する。金額は通行税込みで金貨1枚と銀貨2枚だった。懐が寂しくなってきた。
「ルカ手持ちはあるか?」
「そろそろ厳しいかも。本当に危なくなったら借りるね」
「わかった。遠慮するなよ」
「ありがとう」
ポポスの街から関所まで乗合馬車で8日。しっかり準備しよう。イーザリア王国までもう少しだ。
「ありがとな。坊主は料理が上手いな。期待以上だった。あいつらも絶賛してた」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。やっぱり肉はいいよね。じゃあこっちに座って」
「やっぱ肉だよな!で?聞きたいことって?」
「いろいろあるんだけど、まずはグレース達のパーティーの階級を教えて」
「銅級だ。冒険者のなかでは1番多い階級だな。坊主は階級について知ってるのか?」
「知ってるよ。下から鉄・銅・銀・金・白金・ミスリルだよね?本で読んだよ」
「当たってる。字が読めるのはいいことだ。田舎出身のやつらはそこで苦労する。読めなくてもいいが不便だからな」
やっぱりそうか、この世界の文字が覚えやすいものでよかった。僕も苦労組だったかもしれない。
「覚えるのは大変だったけどね。グレース達は冒険者になってからどれくらいで銅級になったの?」
「3年だな。だいたいそれくらいが平均だ。ソロだったりパーティーの人数が少ないやつらはもう少しかかってた」
「階級が上がる条件は?」
「それは公表されてないから俺もわからん。銅級から銀級に上がるやつらが少ないことを考えると依頼をコツコツこなすだけでは上がらないのかもな」
「条件がわからないのは厳しいね。グレースはこの国で冒険者登録したの?やっぱり国によって条件は違うのかな」
「いや、条件はどの国も同じだと思う。冒険者ギルドは、国を超えて組織されてるからな。俺はストバーラ帝国の出身で、そこで登録したがどの国も階級の比率に差は感じなかった」
「ストバーラ帝国って大きな港が有名な国だよね!1年中暖かい国だって聞いたことある。僕はイーザリア王国に行きたいと思ってて、グレースは行ったことある?」
「坊主はよく勉強してるな!俺はそこの生まれだから寒さに弱くて……この国は寒すぎるから冬になる前に暖かい国に行こうと仲間に相談してたところだ。イーザリア王国も暖くていい国だぞ。凶悪な魔物が少ないから初心者冒険者が多い印象だな」
「なるほどね。もう少しだけ、魔法使いについて聞いていい?」
僕は生活魔法の給水でコップに水を入れグレースに手渡した。
「坊主は気が利くな」
「どういたしまして。冒険者で魔法使いって多いの?」
「そこまで多くない。剣・槍・盾・斥候・魔法使い・回復職の順で多い印象だな。他には弓とか斧とかがちらほらいる感じだ」
「じゃあグレースは貴重な魔法使いってことか」
「まあな、俺は魔法使いとしては中の下だけど」
「適性が多くないと魔法使いは厳しいかな?」
「そんなことはない。適性が少なくても使い方次第だ。でも強いと言われている魔法使いは大体3つ以上適性があるって噂だ」
「なるほど。回復職も適性が多い人が強いの?」
「回復職に戦闘の強さを求めることはないな。聖属性の適性持ちは少ないから」
「じゃあ聖属性の適性を持ってたら注目の的だね」
「たしかに貴重だがそこまで注目は浴びないな。弱い回復しか使えない、戦えない初心者回復職はお荷物になるから」
「お荷物ね。わかった。たくさん質問してごめんね。いろいろ参考になったよ!ありがとうグレース」
「いいってことよ。じゃあ俺は持ち場に戻るわ。肉串美味かったぜ」
本当はもう少し聞きたいことがあったが、そろそろ兄さんが限界だろう。話しが終わった途端兄さんが僕に近寄る。
「ルカあいつに嫌なことはされてないか?」
「兄さんずっと見てたでしょ。何もなかったよ。冒険者生活する時の参考になった。早くイーザリア王国に行きたいね」
「そうだな」
もう少しでポポスの街に到着する。ポポスの街に行けば一気にイーザリア王国の関所まで行ける乗合馬車がある。
「僕は先に寝るね、おやすみ兄さん」
「おやすみ」
「じゃあなー!坊主、次会うことがあったら美味いもん奢ってやるよ」
「ありがとうグレース!期待してるね」
グレースに手を振って別れる。ここはポポスの街だ。
「やっとポポスに着いたな」
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「ああ、そうしよう」
乗合馬車の受付に確認すると、イーザリア王国の関所がある街までの直行便は2日後に出発するとのこと。
「2日後かあ。準備がギリギリになるけど兄さんは大丈夫?」
「かまわない」
さっそく予約する。金額は通行税込みで金貨1枚と銀貨2枚だった。懐が寂しくなってきた。
「ルカ手持ちはあるか?」
「そろそろ厳しいかも。本当に危なくなったら借りるね」
「わかった。遠慮するなよ」
「ありがとう」
ポポスの街から関所まで乗合馬車で8日。しっかり準備しよう。イーザリア王国までもう少しだ。
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