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閑話 とある主従の日常(アルチュール視点)
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第十六話の前日譚
書類を片手で抱え執務室に入ると、真剣な顔で仕事に取り組む主人がいた。俺に気づいた途端、仕事の手を止めて話しかけてくる。
「アルチュール、聞いてくれ。今日も私の妻が可愛い」
真面目な顔で何を言ってるんだこいつは。乳兄弟として、従者として長らく一緒にいたが、こんなにお花畑な主人は初めてだ。
まあ、その異常事態も一ヶ月続けばすっかり日常となったが。
「はいはい。適当でいいから早くここにある書類全部にサインしてくれない? 遅くなったら俺が叔父さんに怒られるから」
「君とレジスが血族なのが未だに信じられん」
「あの人は一族の中でも特別真面目だし」
そんなに似てないものかね?
そういえば、主人の奥方であるノア様も露骨に驚いてたな。貴族であんなに表情がわかりやすい人って中々いないから面白かった。
「書いている間話を聞いてくれ」
「かしこまりました。で? 今日はどんなところが可愛かったの?」
「一口が、小さかった」
幼児か。ノア様の名誉のために、彼はやや小柄ながら一般的な成人男性だと心の中で叫ぶ。
頭でわかっていても、それお前の一口がでかいだけだろという野暮な言葉が思わず出そうになる。
「それは、何? 昼食の話?」
「そうだ。君も見ていたと思うが、先日私がハナコと狩ったオーク肉に美味しそうに齧りついてくれてな」
その時の光景を思い返したのかジェラルドが微笑む。はたから見るとささいな変化だが、これはすごくテンションが上がってる。サインを書くペースが速くなったのがその証拠だ。
「玄関に血抜きしたオークの死骸持ってきた時は何事かと思ったけどね」
「あれは私も反省している。でも、ノアは喜んでくれた」
「あー、大はしゃぎだったね」
俺はあれを見た時腰を抜かしそうになったのに、ノア様は『旦那様が狩ったんですか? 一撃で? すごい、すごい!』と大興奮だった。
王都育ちの都会っ子だと思っていたのに、あの子意外と度胸あるんだよなぁ。
「私が狩ってきた肉だからたくさん食べたいと一生懸命咀嚼してくれて、見ていたら愛おしくて泣きそうになった」
「いい話じゃん。俺じゃなくてノア様に話したら?」
「だめだ。こんな重い話、引かれるかもしれないだろう」
「どうかな?」
そんなことないと思うけど。でも、ジェラルドが臆病になる理由もわかるから直接否定しない。
ジェラルドは威圧というスキルのせいで、過去五人の奥方と離縁している。まあ、そのうちの二人は俺が追い出したんだけど。例の騒動でジェラルドにバレた時はこっぴどく怒られた。罰として今でも減給処分が続いている。
人間や動物、魔物に至るまで、尋常ではない恐怖心を与え、押さえつける能力。
耐性がある俺ですら、長時間同じ空間にいると得体の知れない恐怖で血の気が引く。
制限なしでジェラルドと一緒にいられるのは、精神干渉系スキルの持ち主だけだ。
一人目の奥方は精神干渉系スキル持ちだったが、ジェラルドを拒絶した。家族や友人から祝福されず、人々から無条件で恐れられる夫との生活に耐え切れなかったそうだ。自殺未遂をするまで追い込まれたのは同情するが、それなら誰でもいいから相談してほしかった。
その後、二人目、三人目の奥方ともいろいろあって離縁し、もともと孤立ぎみだったジェラルドは、完全に誰かと一緒になることを諦めた。
そこに現れたのがノア様だ。俺もジェラルドも、この屋敷にいるやつらは全員、ノア様の癒しスキルが精神干渉系だと思っていなかった。
俺が彼を追い出そうと画策して失敗し、やっと勘違いに気がついたのだ。
事実が発覚するまでの間、ノア様は弱音を吐くことなく辺境伯の妻としてジェラルドに歩み寄っていた。
それだけでなく、いつのまにかほとんどの使用人と仲良くなっていた。
自業自得だが、そのおかげで俺は依然として肩身が狭い思いをしている。ノア様がフォローしてくれたおかげで許されそうな気配はあるけど。
「それよりもだ。由々しき事態だ」
「何、どうした?」
「使用人はノアのことを名前で呼んでいるのに、夫である私が未だに呼べていないのはおかしいと思わないか?」
「呼べばいいじゃん」
「いきなり名前で呼んで、気持ち悪いと思われないだろうか……」
このままだと話がループしてしまう。長くは付き合えないから、さっさと進めることにする。
「大丈夫だって。あの子ならお前がノアたんって呼んでも笑って受け入れてくれるよ」
「滅多なことを言うな! 呼ぶわけないだろ!」
いけると思うけどな。たぶんノア様なら『僕もジェラルドたんって呼ぼうかなー』とか言いそうだ。ああ、そうか。その手があったか。
「じゃあさ、お互い名前で呼ぶことにしたら?」
「互いに……名前で……」
照れたように手で顔を覆うジェラルド。三十一歳のそれは絵面がきつい。成人した男のやることか?
俺がとっくの昔に失ったものがこいつにはまだある。心が漂白されそうで辛い、見てられない。
「二人きりになってさぁ、正直に旦那様じゃなくて名前で呼んでほしいって言えばいい。そんで、どさくさに紛れてノアって呼べば?」
「馴れ馴れしく名前を言うな。死にたいのか」
「睨むなって」
こっわ。思わず目をつぶってしまった。ヘタレなくせに嫉妬心だけは一人前なんだから。
「だが、君の助言には感謝する。いつもありがとう」
「はいはい、どういたしまして」
ジェラルドが素直に礼を言うのはいつものことなのに、なんだか落ち着かない。残念ながら恋愛相談に乗るのは向いていないようだ。
「サインが遅くなって申し訳ない。平気なのか?」
書類の束を渡されて、やっと長時間にわたって話し込んでいたことに気づいた。
「不思議とまだいける。最近調子がいいみたい」
「また適当なことを言って」
ジェラルドに苦笑いされたが、俺自身理由がわからないから説明のしようもない。
大方、ふわふわしたこそばゆい雰囲気に当てられて恐怖心も遠のいたのだろう。
「ま、適当に頑張れよ」
「善処する」
できれば末永くジェラルドとノア様にお仕えできたら。なんて、柄にもない願望が頭に浮かんで、緩んだ口元を書類でそっと隠した。
※ ジェラルドとアルチュールはお互いのことを「世話が焼ける弟分だなぁ」と思っている
書類を片手で抱え執務室に入ると、真剣な顔で仕事に取り組む主人がいた。俺に気づいた途端、仕事の手を止めて話しかけてくる。
「アルチュール、聞いてくれ。今日も私の妻が可愛い」
真面目な顔で何を言ってるんだこいつは。乳兄弟として、従者として長らく一緒にいたが、こんなにお花畑な主人は初めてだ。
まあ、その異常事態も一ヶ月続けばすっかり日常となったが。
「はいはい。適当でいいから早くここにある書類全部にサインしてくれない? 遅くなったら俺が叔父さんに怒られるから」
「君とレジスが血族なのが未だに信じられん」
「あの人は一族の中でも特別真面目だし」
そんなに似てないものかね?
そういえば、主人の奥方であるノア様も露骨に驚いてたな。貴族であんなに表情がわかりやすい人って中々いないから面白かった。
「書いている間話を聞いてくれ」
「かしこまりました。で? 今日はどんなところが可愛かったの?」
「一口が、小さかった」
幼児か。ノア様の名誉のために、彼はやや小柄ながら一般的な成人男性だと心の中で叫ぶ。
頭でわかっていても、それお前の一口がでかいだけだろという野暮な言葉が思わず出そうになる。
「それは、何? 昼食の話?」
「そうだ。君も見ていたと思うが、先日私がハナコと狩ったオーク肉に美味しそうに齧りついてくれてな」
その時の光景を思い返したのかジェラルドが微笑む。はたから見るとささいな変化だが、これはすごくテンションが上がってる。サインを書くペースが速くなったのがその証拠だ。
「玄関に血抜きしたオークの死骸持ってきた時は何事かと思ったけどね」
「あれは私も反省している。でも、ノアは喜んでくれた」
「あー、大はしゃぎだったね」
俺はあれを見た時腰を抜かしそうになったのに、ノア様は『旦那様が狩ったんですか? 一撃で? すごい、すごい!』と大興奮だった。
王都育ちの都会っ子だと思っていたのに、あの子意外と度胸あるんだよなぁ。
「私が狩ってきた肉だからたくさん食べたいと一生懸命咀嚼してくれて、見ていたら愛おしくて泣きそうになった」
「いい話じゃん。俺じゃなくてノア様に話したら?」
「だめだ。こんな重い話、引かれるかもしれないだろう」
「どうかな?」
そんなことないと思うけど。でも、ジェラルドが臆病になる理由もわかるから直接否定しない。
ジェラルドは威圧というスキルのせいで、過去五人の奥方と離縁している。まあ、そのうちの二人は俺が追い出したんだけど。例の騒動でジェラルドにバレた時はこっぴどく怒られた。罰として今でも減給処分が続いている。
人間や動物、魔物に至るまで、尋常ではない恐怖心を与え、押さえつける能力。
耐性がある俺ですら、長時間同じ空間にいると得体の知れない恐怖で血の気が引く。
制限なしでジェラルドと一緒にいられるのは、精神干渉系スキルの持ち主だけだ。
一人目の奥方は精神干渉系スキル持ちだったが、ジェラルドを拒絶した。家族や友人から祝福されず、人々から無条件で恐れられる夫との生活に耐え切れなかったそうだ。自殺未遂をするまで追い込まれたのは同情するが、それなら誰でもいいから相談してほしかった。
その後、二人目、三人目の奥方ともいろいろあって離縁し、もともと孤立ぎみだったジェラルドは、完全に誰かと一緒になることを諦めた。
そこに現れたのがノア様だ。俺もジェラルドも、この屋敷にいるやつらは全員、ノア様の癒しスキルが精神干渉系だと思っていなかった。
俺が彼を追い出そうと画策して失敗し、やっと勘違いに気がついたのだ。
事実が発覚するまでの間、ノア様は弱音を吐くことなく辺境伯の妻としてジェラルドに歩み寄っていた。
それだけでなく、いつのまにかほとんどの使用人と仲良くなっていた。
自業自得だが、そのおかげで俺は依然として肩身が狭い思いをしている。ノア様がフォローしてくれたおかげで許されそうな気配はあるけど。
「それよりもだ。由々しき事態だ」
「何、どうした?」
「使用人はノアのことを名前で呼んでいるのに、夫である私が未だに呼べていないのはおかしいと思わないか?」
「呼べばいいじゃん」
「いきなり名前で呼んで、気持ち悪いと思われないだろうか……」
このままだと話がループしてしまう。長くは付き合えないから、さっさと進めることにする。
「大丈夫だって。あの子ならお前がノアたんって呼んでも笑って受け入れてくれるよ」
「滅多なことを言うな! 呼ぶわけないだろ!」
いけると思うけどな。たぶんノア様なら『僕もジェラルドたんって呼ぼうかなー』とか言いそうだ。ああ、そうか。その手があったか。
「じゃあさ、お互い名前で呼ぶことにしたら?」
「互いに……名前で……」
照れたように手で顔を覆うジェラルド。三十一歳のそれは絵面がきつい。成人した男のやることか?
俺がとっくの昔に失ったものがこいつにはまだある。心が漂白されそうで辛い、見てられない。
「二人きりになってさぁ、正直に旦那様じゃなくて名前で呼んでほしいって言えばいい。そんで、どさくさに紛れてノアって呼べば?」
「馴れ馴れしく名前を言うな。死にたいのか」
「睨むなって」
こっわ。思わず目をつぶってしまった。ヘタレなくせに嫉妬心だけは一人前なんだから。
「だが、君の助言には感謝する。いつもありがとう」
「はいはい、どういたしまして」
ジェラルドが素直に礼を言うのはいつものことなのに、なんだか落ち着かない。残念ながら恋愛相談に乗るのは向いていないようだ。
「サインが遅くなって申し訳ない。平気なのか?」
書類の束を渡されて、やっと長時間にわたって話し込んでいたことに気づいた。
「不思議とまだいける。最近調子がいいみたい」
「また適当なことを言って」
ジェラルドに苦笑いされたが、俺自身理由がわからないから説明のしようもない。
大方、ふわふわしたこそばゆい雰囲気に当てられて恐怖心も遠のいたのだろう。
「ま、適当に頑張れよ」
「善処する」
できれば末永くジェラルドとノア様にお仕えできたら。なんて、柄にもない願望が頭に浮かんで、緩んだ口元を書類でそっと隠した。
※ ジェラルドとアルチュールはお互いのことを「世話が焼ける弟分だなぁ」と思っている
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