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リル・クーロのホワイト&ホワイト
○5話
しおりを挟む服を脱ぎ散らかしたおれたちの素肌が重なる。
お互い下穿きだけになって抱き合うと、皮膚がぴったり合さって恍惚とした。
弾力があって、柔らかくて、温かい。
おれも筋肉量はそれなりにあるし、ケイジュも完成された男の身体だからもっと硬さを感じると思っていた。
けど、確かにごつごつしてるんだけど、気持ちいい。
人間の身体が肉と血でできていることを今更実感する。
おれの胸とケイジュの胸がくっついて、その奥の心臓の鼓動が伝わってきた。
おれの胸に埋まる異物も、ケイジュの体温で温められて馴染んでいる。
筋肉の弾力とじっとり汗ばんだ皮膚の感触が卑猥で、おれはため息をついた。
ケイジュもずっと無言でおれの身体を撫でていた。
その指が背中のくぼみを辿り、腰回りの肉付きも確かめられた。
少し恥ずかしかったので、お返しにケイジュの身体も撫でてやった。
厚みのある肩はくっきりした形の筋肉が覆っていてかっこいい。
それから広くてしなやかな背中、ぎゅっと筋肉で引き締まった腰。
脇腹を触るとケイジュが擽ったそうに息を漏らす。
おれはその吐息を聞いて、腹の奥が熱くなる。
とっくにケイジュは気付いているとは思うけど、そっと腰を引いて股間を押し付けないようにする。
そこはキスをしてからずっと熱くて、どくどくしていた。
直視してないからわからないけど、きっと勃起している。
それをケイジュに触ってと強請る勇気はまだない。
けど、ケイジュはおれの腰を思い切り引き寄せて股間同士を擦り付けた。
ごり、とおれのではない硬い感触があって、おれは目を見開く。
「……ケイジュ、すごい、これ、」
おれの腰が勝手に揺れて、勃起したペニスが擦れ合う。
腰から背中を伝って首の後ろまで、びりびりと興奮が走る。
ケイジュがおれ相手に興奮しているなんて信じられない。
けど、動かぬ証拠を押し付けられておれは思考を放棄した。
むく、とおれのペニスがもう一段階成長して下穿きの布を押し上げる。
「……っふぅ、セオドア、触らせてくれ、ここ」
ケイジュは掠れた声で囁き、緩く腰を突き上げた。
ケイジュの熱がおれにも伝染する。
おれはたまらなくなって自分の下穿きに手をかけた。
膝立ちになり下におろすと、おれのペニスは先端から先走りの糸を引いていて、それから腹にぶつかりそうなほど屹立する。
その様をケイジュにも見られていたので羞恥に襲われるが、ケイジュは恍惚としたため息をついて、おれの股間に手を伸ばした。
「これが、セオドアの……」
ケイジュの大きな手がおれのペニスの幹に触れる。
指先で軽く太さを確かめるように撫でて、亀頭をやんわりと手のひらに包まれる。
最近ずっと抜いてなかったので、おれのペニスはびくんびくんと嬉しそうに震えた。
ちょっとした刺激のはずなのに、ケイジュの手に触られると快感が段違いに大きい。
「ふっ、ぅく、ケイジュも、脱いで」
このままじゃすぐに射精してしまいそうなので、一旦意識をそらす。
おれがケイジュを促すと、ケイジュも下着を脱いで全裸になった。
彫刻のように美しい腹筋のその下に、目を疑うくらい立派なブツがそそり立っている。
「すっ……っげ」
おれは思わず感嘆していた。
血管を浮き立たせた幹は太く、長く、カリは大きく張り出して段差がエグいことになっている。
色は肌よりも浅黒く、亀頭は血の色を透かした肉の色だ。
恐る恐る触れると、焼けそうな熱さと力強い脈動を感じる。
ケイジュの芸術品めいた美しい肢体にそんな生々しい器官が生えているのはアンバランスにも感じるくらいだった。
男が思う、理想の男性器をそのまま体現したペニス。
普通なら自信をなくしてちょっと萎えそうなものだけど、おれは口を閉じるのも忘れるくらい高揚していた。
ケイジュの男の部分に触れている。
その事実がおれの脳内を桃色に染めていく。
おれはやんわりとケイジュのペニスの根本を握る。
手の力なんて物ともしない頼もしい硬さを感じて、おれは呼吸が早くなった。
そのままゆっくりと上まで擦り上げると、ふ、と鋭く息を吐く音が聞こえた。
顔を上げると、ケイジュの余裕のない表情が目に飛び込んでくる。
「セオドア……ッ」
手の中のペニスがびっくんと重々しく痙攣する。
その後ケイジュのペニスの先端からじわりと透明な液体がにじむ。
ケイジュは眉をしかめ、鋭い目つきのままおれを見ていた。
けどその頬がほかほかと赤くなっているし、唇もだらしなく半開きで息を吐き出していた。
感じている顔なんだ、と認識するともう止まれなかった。
膝立ちのままケイジュににじり寄って、ケイジュの唇を奪う。
一瞬硬直したケイジュだったが、すぐにキスに応えておれの口内を舌でまさぐる。
おれが拙いながらもケイジュのペニスを上下に扱けば、ケイジュもおれのペニスを握り込んで刺激を与えてくれた。
滲んだ先走りが塗り広げられてくちゅくちゅと卑猥な音がし始める。
より一層滑らかに扱けるようになって、誤魔化せないほどの快感が押し寄せる。
ケイジュの親指が裏筋を押しつつ上へ、そして鈴口をなぞって亀頭全体をくるくるとなぞる。
おれの膝から力が抜けて、ベッドの上に尻もちをついた。
「けいじゅ、ま、って、すぐ、いっちまいそ」
おれは一度ケイジュのペニスから手を離した。
けど、ケイジュは休憩など与えずにおれに詰め寄る。
「おれも、もう保たないから、一緒に……」
ケイジュもおれのすぐ前に腰をおろし、膝を軽く叩いてみせる。
「セオドア、ここに座れ」
「だ、駄目だ、おれ重いんだぞ」
「セオドアの体重ごときで体を痛めるほどヤワじゃない。つべこべ言わずに、来い」
ケイジュの言葉遣いがいつもよりも荒っぽくておれは何も言い返せなくなった。
おれに従って当然、みたいな態度で来られると反抗できない。
おれはケイジュの足をまたいで、あまり体重をかけないように腰を下ろす。
けど、ケイジュはおれの腰を両手で鷲掴みにして引き寄せてくる。
バランスを崩したおれはケイジュの肩にすがりつくことになり、腰がピッタリとくっつく。
当然そこに生えているペニスも触れ合って、指とは違う熱さと感触に目眩がした。
「こ、れ、当たって、」
「……っく、セオドアの、熱い……」
ケイジュはようやく満足げに頬を緩めて、再びおれのペニスに手を添える。
おれとケイジュのペニスを裏筋同士でぴったりと重ね合わせて、その状態でカリの段差を手のひらで擦られるとたまらなく気持ちいい。
「はぁ、っう、あ」
「セオドア、おれのも、触ってくれ」
おれは快楽の波にさらわれそうになりながらも肩に置いていた手を離す。
手のひらでケイジュのペニスを自分のペニスに押し付けると、ごり、とお互いの幹が擦れて背中が震えた。
「っふ、そのまま、動かせ」
ケイジュの目が爛々と光り、おれに命令する。
おれは言われるがままケイジュのペニスを刺激した。
おれのペニスと触れ合っていない場所を指で擦り、裏筋は固くなった幹同士を押し付けた。
「ふぅ、うっ、これ、きもち、いい?」
おれは絶頂の予感で内ももが震えていたが、なんとか耐えてケイジュに尋ねる。
ケイジュはとろりと微笑んで、きもちいい、と答えてくれた。
嬉しくなって、射精欲がますます強くなる。
けど、まだ、もう少し、我慢。
おれは下腹に力を込めて自分を戒める。
けどケイジュの手も動き出してしまったのでおれの自制がいつまで保つかはわからなくなった。
ケイジュは手を動かしながら、更に腰を揺すった。
ベッドのスプリングを利用して、おれの身体も揺さぶる。
そうなると当然くっついたペニスはずりずりと擦れ合うことになって、おれは強く目を閉じた。
ぎゅっと陰嚢が持ち上がって、精液を吐き出そうと必死になっているのがわかる。
もどかしい。
けど、もう少し、ケイジュの熱を感じていたい。
「っく、ふ、うう、うぐッ」
おれは呻いて背中を丸め、絶頂を押し込める。
手だけは必死に動かして、ケイジュのペニスを扱いた。
どくん、どくん、と指先に大きな脈動を感じる。
目を開けると、ケイジュは目を閉じ、射精を堪えるように唇を噛んでいた。
けど、腰を突き上げる動きは止まらない。
おれもそれに合わせて動きながら、その卑猥な顔を目に焼き付ける。
衝動をやり過ごしたケイジュが目を開けて、おれを見る。
その瞳の色が、いつもとは違って見える。
深い蒼色の瞳に、紫色が混じっていた。
まるで夜明け直前の空のように。
その美しさにおれは一瞬我を忘れて魅入った。
「セオ、ドア、精気を、吸わせてくれ」
ケイジュの表情も、何かに魅入られているように一直線におれを見つめている。
おれは夜明けの色から目を離せないまま頷いた。
ケイジュに与えられるなら何でもあげたい。
ケイジュの瞳の紫色がより一層濃さを増して、黒い瞳孔を囲む虹彩に暁光のような紅が交じる。
ケイジュの呼吸が一瞬止まり、その後ケイジュは全速力で走った後のように大きく胸を上下させて空気を貪った。
急に体温が上がったように額に汗がにじみ、輪郭を伝って胸に落ちていく。
ケイジュの表情は恍惚としていた。
目の焦点が失われ、開いたままの口から熱っぽい息を吐き出している。
おれが呆然としていると、ケイジュがより一層激しく動き出した。
「っう、あっ、あっ、ああッ」
ケイジュは獣のように一心不乱におれを揺さぶり、おれとケイジュの亀頭同士がぶつかる。
「っは、ハァッ、セオドア……!」
「けいじゅ、ッ、あ、ぐ、だめ、だ、もう……ッ!」
ケイジュの手も強くおれのペニスを擦りたて、おれはひとたまりもなく絶頂に駆け上がった。
びゅく、と白濁がおれの腹に飛び散る。
ケイジュは未だに瞳に紅を閃かせ、おれが吐精する様を見ていた。
おれは射精の快楽と見られていることへの羞恥で頭が真っ白になった。
背中が仰け反り、びっくんと大きく跳ねたペニスがびゅるびゅると大量の精液を吐き出す。
その間も手だけは一生懸命動かしていたので、ケイジュのペニスも大きく震える。
そして、手に熱い液体が降り注ぐ感触があった。
「っぐ、ぁ、うぅッ」
おれが目を落とすと、ケイジュのペニスも痙攣し白濁を溢していた。
ケイジュの胸まで勢い良く飛び、上気した胸板を白くよごしていく。
精液の一部はおれの手の中に溜まり、おれが出した体液と混じり合った。
おれはその光景になんとも言えない充足を感じて、息を吐き出した。
射精は長く続き、ようやく2人とも身体の緊張が解ける頃にはお互い胸も腹もドロドロになっていた。
少し呼吸が整うと、ケイジュはおれの後頭部に手を添えておれに口付ける。
射精したばかりなのに、休ませる気など一切ない、貪るようなキスだった。
おれはそれに呆気なく流されて貪欲に次の快楽を求めてケイジュの背中に腕をまわす。
精液と汗でぬるぬるした胸と腹が重なって、ねちゃ、と卑猥な音を立てるのも興奮を煽った。
ケイジュの瞳にはもうあの暁の光は見えない。
けど、飢えた獣のような目つきは維持したままで、おれはほのかに笑う。
これが夢じゃないと、まだ、思い知らせてくれるんだ。
どうせなら徹底的にやって欲しいと、おれはケイジュに身体を擦り付けて挑発する。
ケイジュは凶暴に目を細めると、おれの体を軽々ベッドに押し倒した。
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