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【芸能界 デビュタント編】 第五章 ツバサプリンセス
40 彰と宇都宮さんのドキドキチャット
しおりを挟む美月はもう女優になったか。
たった去年の夏からじゃないか、彼女がスカウトされたのは。夏の夢だなんてそろそろ消えそうと私たちは冗談っぽく話しても、ツバサタウンのオーディションを応募した彼女は気づいたら二回目、十五人しか残らなかったオーディションに呼ばれた。歌うことがとても上手い人がいたと彼女は覚えていて、とても緊張したそうだったが、結局彼女が受かった。
今回の深夜ドラマは、応募したのはほかの役だったが、主役として受かった。
ゆっくりと日々を過ごしていた美月は、激しそうな流れに飛び込むのは『やってみる』ことだと言ったけど、沈んでいる自分はあがいてることしか考えなさそうで、『やってみる』なんて自分に言いながらもう原点から遠くに流されて戻れないんじゃないかと思った。主役になるとわかると美月と私の関係はあまり変わらないけど、今からどうなるかわからなかった。この世界は島根の田舎と私だけじゃなくて、いろいろあると彼女が見たら、ほどなくここは夏の夢になる、ただ戻れない夏になるんだ。
その前の三月、美月はまだ深夜ドラマの『白いままに走る』のオーディションをまだ受けなかったときに、女優として自分はあまりに『足りない』とたまに悩みを言ったから、それはどう関係があるか私はわからないけど、彼女の自信を付けるためにある日、私は同じカップくらいの下着グラビアの写真を発見すると彼女に送った。
モデルは有名な『桜田ST』アイドルグループのエースの鈴木茜だ。きれいに見えていいと思いながら、チャット画面の上のメッセージにスライドしてみると……私はだれに送ったか。
宇都宮さんだ。
き、既読した。
なんでこんなに早いか。多分朝、島根での管弦楽団の演奏会についてのメッセージを送ったから彼女のチャットは上の方になっていて間違ったんだ。
どうしよう……謝ると私はその写真を取り消した。午後四時くらいだったので、仕事中かもしれない彼女からの返信はすぐに来なかった。もう変態に見られるか、なんと叱られるかと思うとずっと緊張して、結局七時に彼女のメッセージが届いた。『もうそろそろ学校が始まるでしょ。お楽しみ?』
見ていないふりをしていた……『はい。このまま休みの方がいいですけど』
私も知らないふりをした。
前ほど連絡しなかったが、そのとき三日、四日間ずつメッセージを送ってみるとまだ彼女は親しく返事してくれた。いつも一般のやり取りでも、四月に宇都宮さんが写真を送った。
髪の毛と少し顔が見えて、美容院で髪の毛を染めたと彼女は説明して、明るすぎるかと私に聞いた。『全然、本当に似合いますよ』と私は正直に返事した。
『そう?友だちにそう言われて、心配したけど』
その写真に宇都宮さんはヘアスタイル雑誌のモデルさんみたいに美しいと言うと、嬉しそうな彼女はいっぱいのありがとうスタンプを送った。そのなかは『B家族andコーヒー』というブレックファーストにある目玉焼き、パンなどのかわいいキャラクターの人気スタンプで、彼女の送った背中をフォークに刺されたソーセージには『背曲げれないが、感謝』と書かれていた。
普通に微笑みそうなることだが、多分暗い夜のせいか、ただ私の頭は暗すぎたか、妙に美月の話の長芋から、宇都宮さんの背がデカい彼氏のことを思い出しと、まさか……
携帯の画面にそのソーセージに眺めながら次のメッセージが来た。『大きいなのが好きね』
えー!
ど、ど、どういう意味?
それと一緒に送ったのは大きなキウイフルーツの写真だったので私は安心した。夜に彼女はよく果物を食べるそうで、私がおいしそうと言うと彼女は切った梨とミカンの写真も送った。そして私はなにをしているかと聞かれ、気づくとパソコンの画面はエロ漫画のサイトになっていた……
そのページに、制服で黒いストッキングを履いている冷たそうな高校の先輩と男子の後輩のキャラクターが有名な推理アニメから作られていた。今みたいにそういうことをする話だと限らないが、好きなキャラクターで勝手に漫画を作るのは一般に同人誌と呼ばれる。
ぬれぬれのコマに赤らめた先輩キャラの顔を見ながら、私は本を読んでいるとうそのメッセージを送ると、宇都宮さんは邪魔してごめんと答えた。『やっぱり、彰はがり勉だよね』
そんなことないでしょ。『勉強のじゃないです。ただ読んでいます』
『何の本、聞ける?』
私は本当に読みかけの本の表紙の写真を撮って送った。『免れない危機』というタイトルで、経済学の本だった。『最近話題と聞いて、本屋で見つけたから買ってみました』
『え、その本、難しいじゃない?偉いね!私はずっとだらだらしていたの。本当に恥ずかしい』
『ただ私がめっちゃ暇なんです。高校生だから』
そう宇都宮さんは言ったが、本の話になると彼女はいろいろ知っていそうで、読書が好きな人だと感じた。お風呂に入ると彼女は言ってから、戻ると私たちはまた少しやり取りすると、一時くらい彼女はもう寝ると言った。『彰が話してくれて嬉しいね』
『え、そんなことないですよ。私の方が』
『もし私は目を瞑って話したら、彰はこんなに若いなんてあまり気づかないかな』
祖父母の家でバイオリンの教師と知り合って今までよく連絡していることを、もし美月に伝えたら私はお姉さんタイプが好きかと揶揄われる以外彼女はそこまで気にしなさそうだが、なぜかためらった私はそのまま秘密にした。だけど、学校にいたときに宇都宮さんに返信する前に私は過去のメッセージを見ながら、偶然に後ろを同級生の女子の森下が通って、多分宇都宮さんの写真を見かけたから言った。「美人!……松島の彼女なの?」
「え、いえ」
「彼女でしょ?もっと見せて」
宇都宮さんといたときのカフェの写真を見せると、ただ東京にいる家族の知り合いと言っても、森下が私の言葉を無視してその写真を見つめた。「すごいきれいね。東京の人ってこんな感じなんだ。彼女は高校生?大学生?」
「社会人だ」
「そう?いくつなの」
「……二十五」
彼女はちょっと驚いたようだった。「松島は十六?え、九つ上なの?こういう人が好きかな、だから学校の女子にあまり興味がなさそうだよね」
「いや、知り合いって言ったじゃん」
森下は紗季の親友で、当然その情報が早く伝わった。そして四月末、テニス部の部活が終わると私は後輩と一緒にボールを片付けるときに、コートの出口で紗季と会って彼女は話しかけた。「ね、津雲先輩はまだ部室にいるよ」
「なんで?」
「え、会いに行かないの。新しい彼女ができたから?」
なにそれ?帰っている後輩に挨拶すると私は言った。「まだ美月と全然いいんだ」
「でも、美月ちゃんは知らないでしょ」
「……それは」
紗季は微笑んだ。「やばいね、彰くん。君と付き合わなくてよかった……ね、今日一緒に帰る?」
「いいよ。ちょっと待っててくれる?」
「うん。駐輪場でね!」
――――――――――――――――――――
ノート
ー 『桜田ST』のアイドルグループは後で役割があります。
ー 彰の変態チックな?行動は多分男子の平均レベルくらいです。
ー 彰の経済学への興味は後で展開があります。
ー もう彼は普通に紗季と付き合っている??
ー 津雲先輩は彰のハーレムの一人らしいです。
宇都宮さんとはどんな関係になっていくのか……?
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