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第四章 スカウト(下)
25 高1の文化祭、アニメカフェを作ろう!
しおりを挟む四月中旬、私の学校がはじまって一週後また美月の家で会うと、いろんな話をするなか高校でいじめがないかと聞くと安心した。ワイシャツと黒いスカートの代わりに、今彼女の制服はセーラー服で、まだ慣れていないので彼女は私の意見をよく聞いた。そして彼女は言った。「彰くんはどんな制服が一番好き?」
「なんでもいいよ」
「そうなの。でも彰くんの学校も制服がかわいいと思う」
「一般的でしょ」
「え、ちょっとスカートが短いかな」
うーん?
スカートが短いかどうかと関係なく、十五歳の私はなぜそんなに女の子たちの足を見たのかわからなかった。教室に入る瞬間に机の下の同級生の足を見たし、階段で上に女子がいたら彼女たちのスカートもチラッと見たのは反射神経みたいだった。それは一瞬のことでほとんど当たりはなかったが、一回放送文化部の女子の先輩が、同級生はこの部に所属してたから彼女を覚えていて、自転車に乗っていた彼女は油断して、ちょっと暗いけど、オレンジかピンク色のそこは目に焼き付けちゃった。
私の恥ずかしい行為をだれにも言ったことがなかった。だが五月教室に着いたときに、同級生の男子たちの話をふと聞くと、多分そんなことを思うのは私だけじゃないとわかった。「すげえ!うまいね、お前!」
「めっちゃ時間がかかったよ、いい写真を探すのに」
四人が見ている携帯の画面に覗いてみると、グラドルかポルノ女優かの身体に同級生の西谷嶺の頭を入れ替えた合成だった。笑顔の西谷はSNSから取ったらしくて、見た瞬間は彼女に気の毒だと感じたが合成の上手さは否定できなくて、だから彼らは盛り上がっていたのか。私のことに気づくと男子の江畑は言った。「気に入った?松島。えー、考えたけどね、おっぱいが大きいすぎるかな。西谷のくらいならもっとリアルだと思うよ」
「お前自分でやってよ!」
そのあとだれかがチクったみたいで彼ら四人は職員室に呼ばれた。もし私がもっと長くいて一緒に呼ばれたら、もう同級生の女の子と対面する勇気がないじゃないか。
放課後は毎日、運動着に着替えて紗季とテニス部の練習をすると、夕方彼女と一緒に自転車に乗って山道を通って帰った。それは前とあまり変わらないが、もう高校生になったからか、テニス部の人たちと同級生にもよく私は紗季と交際しているかと言われた。ある日体育の授業のあと、顔を洗いながら近くにいた女子たちが休日に出かけることを話すと、紗季は彼氏と忙しいんじゃないかと言った。すると紗季は答えた。「彼氏いないよ!そんな壁ドンばかりする人なんて嫌だ!」
……私のこと?
五月、部活が六時前に終わるといつものようにテニスボールを片付けていた。ボールのバスケットを部室に置くと、出るときに私は先輩と会った。少し話すと彼女は私の家はこの周辺にあるかと聞いた。「はい、又渡駅の近くです」
「あ、ちょっと遠いけどね。早く帰った方がいい」
二年生の彼女は津雲という名前だった。冷静で練習するときにたまに怖く見えて、話かけられるのはちょっと珍しかった。私は言った。「そろそろ試合なので、先輩も頑張ってください」
「ありがとう、松島もね……え、まだやってるのか」
テニス部の部屋の近くに軽音楽部があって、その時間でもまだドラムなどの楽器の音が聞こえた。「頑張ってますね。えっと、先輩の友だちがいるのですか」
「うん、ちょっと見に行くね」
高校生になると放課後はみんな忙しくなった。いろんな部屋は部活に使われるし、グラウンドに出ると野球部、サッカー部、陸上部はいつもいて、走りに来る柔道部やハンドボール部とかを一緒に見ると、これは学校というよりスポーツキャンプだろうか。
テニスのことだけではなく、高一でまた委員を務めた紗季は参加することを強く薦めてきて、私が断ると彼女は言った。「大丈夫よ、そんなに忙しくないんだ。ほかの人と仲良くなれるよ」
紗季が言った通り、委員会の役割は掃除当番を管理することぐらいしかなかった。しかし秋の文化祭が近づくと、これも委員会の仕事だったことを私は今まで忘れていて、同級生はいきいきといろんな着想を飛ばしていたが、あまり具体的にならなかった。そろそろもう夏休みなので、紗季とほかの女子の導きで委員会のミーティングが行われた。
放課後に私たち八人は教室の空いた席にすわって、この町にはいい店がないせいか『カフェ』を検討していて、それはほかの同級生も同じ意見だった。だが二年C組はもうメイドカフェをえらんだそうで、うちのとどう異なるかと話し合うと、『鉄切りブレード』のテーマにしないかと提案された。
漫画が原作の『鉄切りブレード』は今大人気のアニメとなった。幕末の設定で、それは江戸時代の終わりの一八五〇年代を背景に、未来からきたロボット軍は世界を制覇する目的で侵攻してきて、もう役目がないと思っていた武者たちが日本を救うために最後の決戦をしていた。ストーリーのなかで、いろんなキャラクターの死は男子も泣くほど悲しかった。そしてアニメの二十三話に、倒れたロボットのパーツで鍛えて作った刀と銃弾によってロボットは陸上で人間と戦うのが難しくなり、黒色の船形の最強ロボットが江戸湾から襲って来て、その戦いで落命した武者たちの悲劇は感動的なシーンとなった。紗季のおすすめで私はアニメの全部を見たけど。
その案を相談しながら、私の隣の吉木は言った。彼は委員じゃなくて、委員会に友だちがいるから一緒にすわっていた。「このテーマで、コーラとかさ、『野蛮の黒蜜』と呼んでみれば?外人のことを野蛮と言ったらやっぱり和風だよね」
「……いいけど、着物を着るだけではだめなの」と女子の庄司は聞いた。彼女は弓道部にいて、このミーティングに参加するため部活を休んだ。
「そうしたら茶道カフェになるよ……木剣か偽物の刀か、武者と言ったら必要だし、あとはキャラクターのコスチュームと髪型ができればね。でもその時代なんて、『尊王攘夷』みたいなモットーの掛物をかけたらみんなこの漫画だと気づくだろう」
ほかの友だちは言った。「そんなに外人が嫌なんて、先生になにも言われないか」
吉木は答えた「ないでしょ。だって今もあまり変わらないし。この辺外人がぶらぶらして、それはアジア人なら泥棒かおっさんたちがまだ凝視するよ。まあ、どう?この提案」
私の反対にすわっていた紗季は言い出した。「ほかのカフェと戦えるの、結局」
「なんでそう思う?」
「えっと、ちょっと薄いかな。相手がメイドカフェをしたら」
紗季に私は聞いた。「地味ってこと?」
「そうそう、そんな感じ。お金払って、写真を撮ったらメイドカフェだよね。うちのカフェで写真を撮ったらさっき言ったどこかの茶道、茶室?うん、そんなところにいるみたいかな」
「そうね」弓道部の女子の庄司はうなずいた。
そして吉木は言った。「そうだけど、うちは西谷もかわいいし、齋藤も……あとは中川。接客したらいっぱいの客を惹けるよ」
紗季の隣にすわっている西谷を見ると彼女は迷惑そうだった。紗季は眉をひそめた。「なんで私の名前を言うときそんなに言いよどんだの?」
「いえいえ、中川はバイトがあるかわからないから」
「そう?しないよ。今はカフェのことばかり……だから問題は着物だけ?」
そして男子の濱口は言った。「松江になんか店があるよね」
「レンタル?」
紗季は聞くと、彼は続けた。「いくらか知らないけど、『丸』の名前みたい、多分探索したら出ると思う。えっと、あとで電話してみるから」
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