異世界の学園で愛され姫として王子たちから(性的に)溺愛されました

空廻ロジカ

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異世界の学園で愛され姫として王子たちから(性的に)溺愛されました

哀しみ色の夜に濡れて

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「姫様、こっちもすごく美味しいよ!」
「こちらのミートパイなど、おひい様のお口に合うのではないでしょうか?」
「姫さん。飲み物、とってきてやったぜ」

 亜莉紗ありさと騎士たちは、学舎のテラスで昼食をとっていた。

「アリサ……ソースがついてる」

 フェリクスが顔を近づけてきて、くちびるの横をぺろりと舐められた。

(ああもう、あーもう……ニヤニヤしちゃうじゃん!!)

 なんという鉄板の萌えシチュエーションなのか。これが乙女ゲームのイベントシーンであれば、亜莉紗はきっと携帯ゲーム機を投げ出して悶え転がっているに違いないのだ。

 しかも、主人公ヒロインは亜莉紗自身で、ヒーローたる彼らも画面の中の存在ではない。手を伸ばせばすぐに触れられる位置に存在しているときている。
 触れるどころか。

(毎日、エッチしてるもんなぁ~~)

 「幸せすぎて怖い」という表現があるが、今まさに亜莉紗は「幸せすぎて怖い――くらい幸せなのに、怖いとも感じないくらいに幸せの絶頂」を体感していた。

「おひい様、嬉しそうでいらっしゃいますね」
「そりゃ嬉しいよ? 大好きなみんなと、毎日一緒なんだもん!」
「光栄です」
「僕も姫様と一緒で嬉しいよ……!」
「悪かねぇよな、こういうのも」

 フェリクスもにこにこ笑って、こう言った。

「アリサ、あなたが幸せだと私も嬉しい」

 金髪ハニーブロンドが風に揺れて、青紫の瞳が優しげに細められる。

(スチルゲット! 永久セーブ決定……!!)

 亜莉紗は心のメモリーカードに今この瞬間をしっかりと灼き付けたのだった。



(そろそろ寝よっかな……)

 その夜。亜莉紗は早々に就寝することにした。騎士たちと毎日セックスしているので、寝る前にムラムラすることもなく非常に快調だ。

 明かりを消して、上掛けに潜り込む。

(今日のエッチも気持ちよかったぁ~……)

 亜莉紗は思い出してふふ、と笑う。

(フェリクスにフェラしてあげたら、可愛くって……)

 今日初めて、フェリクスに口腔奉仕をしたのだ。彼は戸惑いながらも目元を赤く染めて、非常に感じてくれた。

(また今度、してあげよっと)

 亜莉紗は非常に満ち足りた気持ちで眠りについたのだった。



 ――――
 ――――――――
 ――――――――――――

 ――何……?

 夜半。ふと意識が浮上して、気がついた。
 ――体が、動かない。何か重たいものが亜莉紗の上に載っている。

(金縛り……!? 嘘……っ)

 初めての経験だった。必ずしも心霊現象ではないことは知っているが、こういう場合どうしたらいいのかがわからない。
 なんとか目を開けることが叶ったので、辺りを見渡そうとした――その時。

 手首を掴まれ、頭上で縫い止められた。さらに、亜莉紗の眼前には人の顔が――

(実体のあるお化け……っ!?)

「ひ……っ」

 悲鳴を出そうとした。だが。

「……亜莉紗」

 上から悲し気な声が降ってきた。そして、頬をてのひらで撫でられる。
 ――お化けじゃない、誰かが亜莉紗にし掛かっているのだ。

 その頃には目も慣れて、亜莉紗はその人物の顔をはっきりと見ることができた。
 知らない顔だ。

「誰……っ!?」
「……忘れちゃったんだ、亜莉紗」

 悲し気な声が告げる。そして、頬に添えられていた手がパジャマの襟にかかった。そのまま、ひとつひとつボタンを外されてゆく。

(――嘘ッ!?)

 この人物は強姦魔なのか。いくら亜莉紗が逆ハー複数プレイを愉しんでいるとはいっても、知らない人物とまではセックスしたくない。

「い、嫌……っ」
「思い出させてあげる。ぼくを思い出して――亜莉紗」
「……あ……っ」

 素肌に触れられ、声が出てしまう。その手はそのまま、亜莉紗の胸の尖りを刺激し始めた。

「やめ……てぇ……」
「彼らに愛されて、全部忘れちゃったの……? 亜莉紗」
「う……くぅんっ」

 無理強いをされているのにその声と手はあくまでも優しくて、亜莉紗は体が反応してしまうのを抑えられなかった。
 瞳に涙を溜めて、その人物を見つめる。やはり知らない顔だが、亜莉紗と同じ日本人のように思える。

(どうしてそんな哀しい顔するの……)

 レイプされそうになっているこちらが切なくなってしまうほど、その人物は悲し気に瞳を揺らしている。
 だけどその手つきはあくまで的確に、亜莉紗の官能を呼び覚ましてゆくのだ。

「!!」

 ついにその指がパジャマのズボンにかかる。そしてそのまま、下着の中に侵入してきた。

「いやぁ……あ……」
「ぼくが、思い出させてあげるよ」

 くちゅり。脚の間に侵入した指が亜莉紗の秘所を割る。濡れる花びらの中を撫でられて、亜莉紗はついに声をあげた。

「んあ……あぁん……っ」

 くちゅくちゅと秘所を刺激される淫猥な水音に、いやが上にも高められてゆく。

「気持ちよくしてあげる、亜莉紗」

 そう言うと声の主は指を伸ばして、亜莉紗の蜜口と花芽を同時に刺激し始めた。

「ふぁ……っ、あはぁ……、んっ、んぁあん……っっ」
「イって、亜莉紗。ぼくの指で気持ちよくなって」
「あっあん……っ、んは……ん……っ、ああぁん……っっ」
「気持ちいいの大好きだよね、亜莉紗。……ほらイって。イくんだ」

 あくまで静かな声とは裏腹に、指の動きが激しさを増す。深夜の寝室に、ちゅくちゅくといやらしい水音が響きわたった。

「……ぁ、イ、イくっ、い……っ」
「イってしまおう、亜莉紗。ぼくが導いてあげるから」
「イ……イ――、ふぁっ、アァ――――――――ッッ!!!!」

 ついに亜莉紗は達した。ぎゅっと目を瞑り、快楽に耐える。身を震わせて官能が鎮まるのを待った。

 そして、再び目を開いた時には。

 亜莉紗に官能を強いたその人物の姿は、もうどこにもなかった――。
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