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7.官能と、相反する感情

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「……ふ、っあん……っ」

 その昼も、わたしは学園の中庭で夕謡ゆうたからの奉仕を受けていた。隣では、依里子よりこ蓮路れんじの奉仕を受けている。
 夕謡の膝に座らされ、後ろから胸を愛撫される。指先で摘ままれくりくりと捏ねられると、腰に熱い熱が生まれた。

「おっぱい、気持ちいい?」

 夕謡がごく耳元でささやいてきて、背筋にぞくぞくとした官能が走る。わたしは思わずのように後ろを振り向いて――だけど夕謡は顔を離してしまった。
 わたしがもどかしげに身をよじらせると、夕謡はそれをどうとったのか、下肢に手を伸ばしてきた。
 内ももを滑るように撫でられると、体が反応してしまうのは仕方がないことだった。

「ん、ふぁ、はぁん……っ」
「腰、揺れてるよ?」

 夕謡の手が前に伸びてきて、下着の上から秘所に触れられた。そこはすでにしっとりと湿っている。

「ん……っ、んう……っ」

 下着越しにクリトリスを摘ままれた。そのまま指先で刺激されると、蜜口からさらに蜜が溢れ出す。

「……クリフェラ、して欲しい?」
「うん……っ、うんっ」

 わたしは浅い呼吸を繰り返しながらこくこくと頷いた。

「いい子、詩菜」

 夕謡はわたしの脳天にキスをおとしてから、わたしを立たせて自らも立ち上がる。わたしはベンチに腰掛け、自ら膝を立てて脚を大きく開いた。
 なんとも恥ずかしい態勢だけれど、これが一番クリフェラしてもらうのに適しているのだ。

「べっとべと、詩菜。ほんとうに可愛い……。クリもひくひくして、欲しがり屋さんだね」

 夕謡はわたしの脚の間を満足げに眺め、微笑んで言った。

「だって、気持ちよく、なりた……っ」
「うん。詩菜は女の子だから、気持ちいいのが大好きだよね。えっちだね」

 夕謡はわたしの前でひざまずくと、太ももを両腕で抱え込んだ。そしてついに――

「……っっ」

 わたしのそこ、刺激を待ち望んでその身を精一杯に膨らませるクリトリスに舌を這わせてきた。

「はぁ、あはん……っ」

 ぴちょぴちょといやらしい音をたて、夕謡がクリトリスを舐めあげてくる。側面から、裏側から、そして天辺を。
 どうして、クリフェラはこんなにも気持ちがよくてわたしを虜にするのだろう。何度奉仕を受けても、この快楽に飽きることはない。

「はん……っ、あぁ、すき、すき……っ」

 夕謡がわずかに口を離して訊ねてきた。

「何が好きなの、詩菜?」
「クリ、フェラぁ……っ、気持ち、よくて……! 夕謡にクリフェラされるの、大好き……っっ」

 そう言うと、夕謡はチュッと音をたててクリトリスにキスしてくれた。

「夕謡、すき、すきぃ……っ」

 そう、好きなのだ。だからわたしは、夕謡ともっと触れ合いたくて――

 その時。
 すでにクリフェラで達したらしい依里子が、蓮路と場所を入れ替わった。そして蓮路の股間に顔を近づけ、口腔奉仕を始めたのだ。

「…………!」

 わたしは衝撃を受けた。だって夕謡は――夕謡はあんなことをさせてくれない。それどころか、キスだって――

「詩菜、隣が気になる?」
「……っ」

 夕謡が困ったように微笑む。

「だいじょうぶ。詩菜は、詩菜が気持ちよくなることだけ考えて?」
「っ」

 夕謡がふたたびクリトリスに吸い付いてきて、わたしは思考を中断せざると得なかった。それほどにこの快楽は、わたしをぐずぐずにしていまう。

「あ、あん……っ、あは……っ、い、イ……っ」

 舌を激しく動かされ。わたしは熱い吐息を漏らした。もうすぐ、イってしまいそう。
 それを察した夕謡は、口をすぼめじゅぽじゅぽと音を立ててクリトリスを吸い始めた。

「ああんっ、い、いい……っ、いっく、いぁ……っっ」

 脳みそが煮えるように熱くなり、全身からどっと汗が噴き出た。イってしまう。

「あ……っ、ふぁん、あ、あぁ、あ――――――――ッ!!!!」

 四肢が痙攣する。クリトリスから体じゅうを快感が駆け抜け、わたしは果てた。

「……う、ふ……っ、うぁ……」

 絶頂の余韻に、わたしはだらしなく口をゆるませて吐息を漏らした。秘所から口を離した夕謡が立ち上がり、わたしの頬にそっとキスをする。

「よくイけたね。素敵だよ、詩菜」
「ゆ、うた……」

 目じりが熱い。それは官能の残り香なのか、それともわたしに触れさせてくれない夕謡への哀しみなのか……。
 わたしには、そのどちらなのか判断がつかなかった。

 夕謡がわたしの上半身を抱きしめ、背中を撫でてくれる。

「今日も気持ちよかったね。詩菜が気持ちよくなってくれて、嬉しい……」

 背中をやさしく、何度も愛撫される。そう、夕謡はわたしを大事にしてくれている。だから、不満なんて持っちゃいけないんだ……。
 わたしは夕謡に手を回し、背中にしがみついた。せめて、今だけは彼の熱を感じたい。

 昼休み終了の予鈴が鳴っても、わたしは夕謡から離れなかった。
 幸福感と、切ない気持ち。相反する感情が胸のうちでせめぎ合い、どうすることもできなかったのだ。
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