淫魔王と堕ちた聖女 あなたの肉の棒をください

空廻ロジカ

文字の大きさ
上 下
20 / 49
第二章 宰相の不服、淫魔王の真心

╭በ╮ⅩⅢ.白昼ふたり、慰め合って(1)

しおりを挟む

   † † †

 エルシオに襲われてのち、ミオリは夜の慰めをねだってこなくなった。襲われた件が尾を引いているのだろう。
 ミオリは男の欲望の恐ろしさを知った方がいい――ウォルフスはそう考えていたが、いざそうなってみると一抹の寂しさも感じる。

 だがミオリも欲求はあるようで、時おり頬を染めて荒い息を吐いている。
 ウォルフスが触れても彼女は怖がらなかったので、久方ぶりに指とくちびるで慰めてやると、ミオリは非常に乱れた。

 それでも、その後も自分からねだってくることはなかったのだった。

   † † †

 その日ウォルフスは、昼間のうちに政務から解放された。久しぶりの休みに、ウォルフスが向かったのは自らの寝室だ。

 彼の寝室には今、サウラ=ウルの聖女ミオリが同居している。
 いつしか聖女と過ごす時間は、彼にとって安らぎになっていたのである。

「ミオリ、入るぞ」

 勝手知ったる自分の部屋だが、一応声をかけてから扉を開ける。だが、いつもなら腰掛けている長椅子に、ミオリの姿はなかった。

「ミオリ?」

 その時寝台から衣擦れの音がして、そちらを見ると上掛けが盛り上がっている。
 具合でも悪いのだろうか。

「ミオリ、どうした?」

 近寄って見下ろすと、ミオリは上掛けを頭にまで引き上げ、顔を隠していた。

「どこか悪いのか。医者を呼ぶか?」
「ちが……う……」
「どうした。顔を見せてみろ」

 そう言うと、ミオリがおずおずと顔を出した。乱れた前髪が額に張り付き、その頬は朱に染まっている。

「熱でもあるんじゃないか?」
「違うの」
「違う? 顔が真っ赤じゃねぇか。待ってろ、すぐに医者を……」

 ウォルフスは踵を返しかけたが、彼の上衣の裾をミオリが掴んだ。

「どうしたんだ?」
「違うの。ひとりで……してて」
「何を? って、あ――」
「……」

 ミオリは耳まで真っ赤に染めて黙り込んだ。ウォルフスは咳ばらいをして、ミオリをとりなした。

「べつに悪いことじゃねぇ。我慢するほうが体に悪いしな」
「……でも、ウォルフスは我慢してたでしょう?」
「あー……」

 もしかして、ウォルフスに我慢させていることを気にして、ひとりで事に及んだと言うのか。

 確かに当初はそうしろとウォルフスも言ったが……。

「ミオリ。俺がお前を慰めてやりたいんだ。今度から、したくなったら俺を頼っていいぞ」

 だがミオリは瞳を揺らし、逡巡しているようだ。
 やがておずおずと口を開き、こんなことを言った。

「……ウォルフスは、わたしには突っ込みたくならない?」

 上目遣いでウォルフスを見上げ尋ねるミオリに、彼は苦笑いして答えた。

「そりゃしたくなるさ。だが、お前にはそういう事はしねぇと決めている」
「わたしを、怖がらせないため?」
「……まぁ、そうだな」

 本当のところはそれだけではない。ウォルフスはミオリを両親から、彼女の本来の居場所から預かっていると考えている。だから、処女を奪うわけにはいかない。

「やっぱり我慢、してるのね」
「それはそうだが、俺は自身の欲求より優先させたいものがあるってだけだ」
「……」

 ミオリはそれでも、首を縦に振らなかった。だから、ウォルフスは提案することにした。

「ミオリ、肉の棒を見てみるか?」
「えっ」

 ミオリは驚いてウォルフスを見上げた。

「お前に挿入はしねぇ。だが、お互いに慰め合うってのはどうだ? それなら、不公平じゃないだろう」
「……ウォルフス、我慢しないでも済む?」

 恐る恐る尋ねるミオリに、ウォルフスは安心しろとばかりに微笑み、言った。

「ああ」

 ミオリがようやく頷いたので、ウォルフスは寝台に上がった。そして、下袴の前をくつろげる。

「これが男の肉の棒だ。まだってないがな」

 萎えていてなお獰猛さを覗かせる立派な雄の象徴を、ミオリはじっと見つめる。

「これが、大きくなって上を向くの?」
「ああそうだ」

 答えてやったのち、ウォルフスはミオリのおとがいに指をかけ顔を上向かせた。そのまま引き寄せ、くちづける。

「ん……ふ……」
「キス、好きだよな?」
「うん、好き……」

 ふたたびくちづけ、角度を変えてミオリのくちびるを、舌を貪る。
 深いくちづけを終えて離れると、二人の間に透明な糸が引いた。ミオリが情欲を宿した瞳で、ウォルフスを見つめてくる。

 自慰をしていたというミオリだが、上は脱いでいなかった。
 ウォルフスはミオリの上衣を留める紐を解き、胸をはだけさせた。まろび出たひかえめな膨らみは、その先端をぷくりと尖らせている。

「は、あ……っ」

 ウォルフスは迷いなく吸い付き、舌を使って胸の尖りを刺激する。与えられる快楽に翻弄されるように、ミオリは体を震わせた。

 舌でなぞられ、つつかれたかと思えば、口を窄めてじゅるじゅると吸い込まれる。胸の尖端から甘美な感覚が駆け抜け、腰を伝ってミオリの下半身をジンと痺れさせてゆく。

「あ……ぁ、ウォルフス……っ」

 ミオリは無意識のうちに腰を揺らしていた。
 ウォルフスはそれを目敏く見つけると、喉の奥で笑った。

「下に欲しいのか?」
「ん、ふっ……っ」

 ミオリは喘ぎながら、こくこくと頷いた。自慰をしていたこともあるが、すでにミオリの脚の間には潤沢な蜜が滴っている。

「このどすけべが」

 ウォルフスのその言葉には、不思議なやさしさが宿っていた。
 ――彼に頭を撫でられた時のようなあたたかさが、その言葉に宿っているのだ。

 ウォルフスはミオリから上掛けを完全に剥ぎ取ると、スカートを捲って太腿に手をかける。

「ほら、もっと脚を開け」
「まだ昼間だもの。恥ずかしいわ」

 少し前まで、昼間だろうと肉の棒をねだっていた口で、そんなことを言う。
 少しはじらいというものが身に付いてきたらしかった。

「その昼間に、ひとりでしてただろ」
「だって……」

 ミオリはその先を言わなかったが、ウォルフスにはわかった。ウォルフスとの就寝時に発情しない為なのだろう。

「昼も夜も関係ねぇ。したくなったら、俺が慰めてやる。俺以外で達するのは許さん」
「ウォルフス? ……あっ」

 ウォルフスは強引にミオリの脚を開き、秘所に顔を埋めた。ぬるりと舌を這わせ、溢れる蜜を舐めとる。

「ふぁ……っ」
「お前の欲情は俺のもんだ。俺以外に欲情するな、俺以外でイくな、……ミオリ」

 一方的に宣言をして、ウォルフスはこりこりに勃起した淫核に吸い付いた。
 舌でちろちろと舐め上げ、ミオリの欲を煽ってゆく。

「ウォル……フス、あぁぁん……っ」

 ちゅぷちゅぷと吸っては吐き出される唾液が、表面を撫でてゆく。ミオリは絶え間なく喘いで、その腰をくねらせた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...