淫魔王と堕ちた聖女 あなたの肉の棒をください

空廻ロジカ

文字の大きさ
上 下
17 / 49
第二章 宰相の不服、淫魔王の真心

╭በ╮ⅩⅠ.宰相の不服、淫魔王の真心(1)

しおりを挟む

   † † †

 ミオリがウォルフスの部屋で過ごすようになって、半月ほどが経過した。

 ウォルフスは昼間は政務や鍛錬に出ているが、夜になるとミオリと共に夕食をとり、そして寝台でミオリを慰めた。
 不可解なのは事後、必ずウォルフスが部屋を出て行くことだった。だが、彼にも都合があるのだろう。ミオリはそう納得した。

 しかし今夜は、ウォルフスは夕食を摂るとすぐに部屋を出て行った。
 ミオリが湯浴みを済ませても、彼は部屋に戻ってこない。

(王様だもの、色々あるわよね)

 ミオリはそう納得して、ひとりで就寝することにした。
 ウォルフスの寝台は広いので、いつもは二人並んで就寝している。少し寂しく感じられて、ミオリは早く眠ってしまおうと固く瞳を閉じた。

 どのくらいの時間が経ったのだろう。ようやくうつらうつらとし始めた頃だった。
 衣擦れの音がして、枕元に人の立つ気配を感じた。

「……ウォルフス?」

 瞳を開ける。しかし、ランプの薄明りに照らされた人物はウォルフスではなかった。

「……!」

 そこに居たのは、こくしょくの長衣を着た人物――宰相エルシオだった。

「エルシオ、さま……?」
「こんばんは、聖女」

 ランプに照らされ、眼鏡の奥の瞳は見えない。口元は笑っているが、その表情は読み取れなかった。

「こ、こんばんは……?」

 上体を起こしたミオリはわけがわからず首をひねった。
 たしかウォルフスは、この部屋には不可侵の結界を張ったと言っていたが――……。

「ああ、結界なら隙間を縫って侵入しました。あの方の魔術は強力だが、力押しですから」
「は、はぁ……」

 なぜウォルフスの腹心である宰相が、このように侵入してくるのか。

「あの、ウォルフスから何か言伝が?」
「いいえ。私があなたに用があって参りました」
「……はぁ。ご用とは?」

 エルシオはミオリの疑問には答えず、上掛けに手を伸ばした。そのまま剥ぎ取られ、ミオリは困惑する。

 体の線がわかる夜着だけを身に着けた姿は、ウォルフス以外には見られたくなかった。

「貧相ですね」
「え?」
「なぜあの方はこのように貧相な小娘に執着するのでしょうか。よほど下の方の具合がいいのか……それとも」

 まるで独り言のように呟くエルシオに戸惑い、ミオリは胸を掻き抱きながら尋ねる。

「あの……エルシオさま……?」

 だが、エルシオは答えることはなかった。
 彼はおもむろに手を伸ばすと、ミオリの髪を掴み寝台から引きずり降ろしたのだ。

「きゃあ……っ!」
「あの方にどのように奉仕しているのか、見せていただきますよ」

 ミオリの髪を掴んだまま、彼は懐から何かを取り出した。そしてミオリの眼前に突き付け、命令した。

「しゃぶりなさい」
「これは……」

 エルシオが手に持つそれは、黒々とした木彫りの何かだった。
 わずかに反り返った棒状のそれは、見たことのない形だがかなりの太さと長さがあり、ミオリの口に入れるのは難しそうだ。

 ミオリはわけがわからず、戸惑いを口にした。

「あ、あの……?」
「何をぼうっとしているのですか。あなたの大好きな男根でしょう」
「だん、こん……?」

 ミオリが理解できずにいると、エルシオは深くため息を吐いた。

「頭まで弱いとみえる。まったく、こんな娘のどこがいいのか……」

 そして、手にした棒状のものをミオリの口に押し付けた。

「あの方だと思って、奉仕するのです」
「奉仕? ……ぐっ!?」

 強引にくちびるを開かれ、手にした棒をねじ込まれる。

「んんっ、んーっ!」

 ミオリは嫌々をしたが、顧みられることはなかった。

「さぁ、舌を動かしなさい。あなたには穴としての価値くらいしかないのですから」

 エルシオの言っていることはよくわからないが、侮辱されていることはわかる。ミオリは苦しさと悔しさに涙を流した。

 この棒を舐めれば、しゃぶれば解放してもらえるのだろうか。意を決して咥内を侵す木の棒に、舌を絡める。
 ちろちろと先端を舐めていると、エルシオは苛だったように棒を押し付けてきた。

「拙いですね。それではあの方を満足させられませんよ!」
「ん……ぐ……っ」
「ほらもっと舌を動かして、同時に頬をすぼめて吸い込むのです……!」

 エルシオがさらに責め苛む。ミオリは涙をにじませながら、彼の言うとおりに棒を頬張った。

「あ……、んぁ……」

 なぜエルシオがこうもミオリに憎しみをぶつけてくるのか、まったくわからない。だがミオリは解放されたい一心で、口を広げて大きな棒を必死に舐めしゃぶる。
 じゅぷじゅぷと、淫靡な音が寝室に響き渡った。

「そう……そうです。もっと唾液を絡めて、舌とくちびるを使いなさい!!」

 エルシオの声が上擦り、興奮を隠しきれなくなってきた。
 彼はミオリの髪を掴む手を後頭部に移動し頭部を固定した。そして、棒を掴むもう片手を前後に動かし始めたのだ。

「えぐ……っ、あぅ……っっ」

 咥えた棒を乱暴に抽送される。喉の奥まで男根を模した棒に侵入され、ミオリはぼろぼろと涙を零した。

「うぐっ、あ、げ……げほっ、ごほ……っ」

 吐き気が込み上げてくる。ミオリはついに咳き込んでしまい、がくりと床に手をついた。
 ようやく、咥内を犯す木の棒から解放される。

 エルシオはそんなミオリを冷ややかな瞳で見下ろし、唾液まみれの木の棒をこれ見よがしに彼女の足元へ放り投げた。

「口腔奉仕もまともにできないのですか。……まぁいい。次は下の具合を確かめさせてもらいます」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです

きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」 5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。 その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです

白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。 ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。 「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」 ある日、アリシアは見てしまう。 夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを! 「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」 「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」 夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。 自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。 ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。 ※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

誰でもよいのであれば、私でなくてもよろしいですよね?

miyumeri
恋愛
「まぁ、婚約者なんてそれなりの家格と財産があればだれでもよかったんだよ。」 2か月前に婚約した彼は、そう友人たちと談笑していた。 そうですか、誰でもいいんですね。だったら、私でなくてもよいですよね? 最初、この馬鹿子息を主人公に書いていたのですが なんだか、先にこのお嬢様のお話を書いたほうが 彼の心象を表現しやすいような気がして、急遽こちらを先に 投稿いたしました。来週お馬鹿君のストーリーを投稿させていただきます。 お読みいただければ幸いです。

処理中です...