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第二章 宰相の不服、淫魔王の真心
╭በ╮ⅩⅠ.宰相の不服、淫魔王の真心(1)
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ミオリがウォルフスの部屋で過ごすようになって、半月ほどが経過した。
ウォルフスは昼間は政務や鍛錬に出ているが、夜になるとミオリと共に夕食をとり、そして寝台でミオリを慰めた。
不可解なのは事後、必ずウォルフスが部屋を出て行くことだった。だが、彼にも都合があるのだろう。ミオリはそう納得した。
しかし今夜は、ウォルフスは夕食を摂るとすぐに部屋を出て行った。
ミオリが湯浴みを済ませても、彼は部屋に戻ってこない。
(王様だもの、色々あるわよね)
ミオリはそう納得して、ひとりで就寝することにした。
ウォルフスの寝台は広いので、いつもは二人並んで就寝している。少し寂しく感じられて、ミオリは早く眠ってしまおうと固く瞳を閉じた。
どのくらいの時間が経ったのだろう。ようやくうつらうつらとし始めた頃だった。
衣擦れの音がして、枕元に人の立つ気配を感じた。
「……ウォルフス?」
瞳を開ける。しかし、ランプの薄明りに照らされた人物はウォルフスではなかった。
「……!」
そこに居たのは、黒色の長衣を着た人物――宰相エルシオだった。
「エルシオ、さま……?」
「こんばんは、聖女」
ランプに照らされ、眼鏡の奥の瞳は見えない。口元は笑っているが、その表情は読み取れなかった。
「こ、こんばんは……?」
上体を起こしたミオリはわけがわからず首をひねった。
たしかウォルフスは、この部屋には不可侵の結界を張ったと言っていたが――……。
「ああ、結界なら隙間を縫って侵入しました。あの方の魔術は強力だが、力押しですから」
「は、はぁ……」
なぜウォルフスの腹心である宰相が、このように侵入してくるのか。
「あの、ウォルフスから何か言伝が?」
「いいえ。私があなたに用があって参りました」
「……はぁ。ご用とは?」
エルシオはミオリの疑問には答えず、上掛けに手を伸ばした。そのまま剥ぎ取られ、ミオリは困惑する。
体の線がわかる夜着だけを身に着けた姿は、ウォルフス以外には見られたくなかった。
「貧相ですね」
「え?」
「なぜあの方はこのように貧相な小娘に執着するのでしょうか。よほど下の方の具合がいいのか……それとも」
まるで独り言のように呟くエルシオに戸惑い、ミオリは胸を掻き抱きながら尋ねる。
「あの……エルシオさま……?」
だが、エルシオは答えることはなかった。
彼はおもむろに手を伸ばすと、ミオリの髪を掴み寝台から引きずり降ろしたのだ。
「きゃあ……っ!」
「あの方にどのように奉仕しているのか、見せていただきますよ」
ミオリの髪を掴んだまま、彼は懐から何かを取り出した。そしてミオリの眼前に突き付け、命令した。
「しゃぶりなさい」
「これは……」
エルシオが手に持つそれは、黒々とした木彫りの何かだった。
わずかに反り返った棒状のそれは、見たことのない形だがかなりの太さと長さがあり、ミオリの口に入れるのは難しそうだ。
ミオリはわけがわからず、戸惑いを口にした。
「あ、あの……?」
「何をぼうっとしているのですか。あなたの大好きな男根でしょう」
「だん、こん……?」
ミオリが理解できずにいると、エルシオは深くため息を吐いた。
「頭まで弱いとみえる。まったく、こんな娘のどこがいいのか……」
そして、手にした棒状のものをミオリの口に押し付けた。
「あの方だと思って、奉仕するのです」
「奉仕? ……ぐっ!?」
強引にくちびるを開かれ、手にした棒をねじ込まれる。
「んんっ、んーっ!」
ミオリは嫌々をしたが、顧みられることはなかった。
「さぁ、舌を動かしなさい。あなたには穴としての価値くらいしかないのですから」
エルシオの言っていることはよくわからないが、侮辱されていることはわかる。ミオリは苦しさと悔しさに涙を流した。
この棒を舐めれば、しゃぶれば解放してもらえるのだろうか。意を決して咥内を侵す木の棒に、舌を絡める。
ちろちろと先端を舐めていると、エルシオは苛だったように棒を押し付けてきた。
「拙いですね。それではあの方を満足させられませんよ!」
「ん……ぐ……っ」
「ほらもっと舌を動かして、同時に頬を窄めて吸い込むのです……!」
エルシオがさらに責め苛む。ミオリは涙をにじませながら、彼の言うとおりに棒を頬張った。
「あ……、んぁ……」
なぜエルシオがこうもミオリに憎しみをぶつけてくるのか、まったくわからない。だがミオリは解放されたい一心で、口を広げて大きな棒を必死に舐めしゃぶる。
じゅぷじゅぷと、淫靡な音が寝室に響き渡った。
「そう……そうです。もっと唾液を絡めて、舌とくちびるを使いなさい!!」
エルシオの声が上擦り、興奮を隠しきれなくなってきた。
彼はミオリの髪を掴む手を後頭部に移動し頭部を固定した。そして、棒を掴むもう片手を前後に動かし始めたのだ。
「えぐ……っ、あぅ……っっ」
咥えた棒を乱暴に抽送される。喉の奥まで男根を模した棒に侵入され、ミオリはぼろぼろと涙を零した。
「うぐっ、あ、げ……げほっ、ごほ……っ」
吐き気が込み上げてくる。ミオリはついに咳き込んでしまい、がくりと床に手をついた。
ようやく、咥内を犯す木の棒から解放される。
エルシオはそんなミオリを冷ややかな瞳で見下ろし、唾液まみれの木の棒をこれ見よがしに彼女の足元へ放り投げた。
「口腔奉仕もまともにできないのですか。……まぁいい。次は下の具合を確かめさせてもらいます」
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