上 下
44 / 49
第七章 今宵、花嫁として

╭በ╮ⅩⅩⅥ.花嫁はふたりの腕《かいな》に抱かれる(2)

しおりを挟む
 リュートは瞼の血管が切れそうな程、全身の血流が激しくなるのを感じていた。
 ミオリの白く輝く内腿と、ウォルフスの黒く、鋼のように固い剛直。なんとも淫らな対比から目が離せない。

「あんっ、もっと、奥まで……っ」
「そうくんじゃねぇよ」

 ウォルフスはそう言いつつも、ミオリの太腿を腕でがっちりと固定し、下から腰を突き上げ始めた。

「あああああ……っ」

 ミオリはその愛らしい姫穴で、ウォルフスの猛る雄肉をずっぽりと頬張り、けなげに締め付けた。乙女の秘肉をきゅうっと収斂させ、そのくちびるからは絶えず甘い声が漏らされる。

 ウォルフスが腰を回し、馴染ませるように膣内を刺激し始めた。ミオリはかぶりを振り、桃を痙攣させ、全身で愛される歓びに喘いでいる。

「あぁ……っ、はっ、はぁあん、あん……っっ」

 飲み込む余裕のない唾が口に溜まるのか、溢れた雫の糸が顎まで伝い、やがて鎖骨のあたりにぽとりと落ちた。

 淫魔の精を三度も飲み干したその体は、かつてないほどの快楽に酔い痴れている。

「ミオリ、ほら、リュートを見てやれ」
「……ッ」

 ウォルフスの言葉に、リュートはぎくりとして後じさった。だがもう遅かった。

 ミオリがリュートに目を向けると、彼の股間は窮屈そうに布を押し上げている。
 ――勃起していたのだ。

「な……」
「リュート様」

 驚き、戸惑うリュートにミオリが声をかける。そして、せつない望みを口にした。

「リュート様、来て」

 リュートは一度目をつむり、そして。

「――」

 ふらふらと引き寄せられるようにミオリの元へ向かった。

 淫魔王の熱杭を深く呑み込んだミオリは、眼前にやってきたリュートを見上げる。そして微笑んで、こう言ったのだ。

「リュート様、好きです」

 そっと手が伸ばされ、はち切れそうに膨らむ股間をやさしく愛撫される。

「……っ」

 リュートはそれだけで目も眩むような快感を覚え、喉をひくりと上下させた。

 ――ミオリが。ずっと慈しみ、密かに愛してきた少女が今、彼の欲望を愛さんとしている……。

 彼の尖端からは先走りの雫が溢れ出て、布に染みを作った。

「ミオリ、愛している……ッ」

 リュートがついに思いの丈を吐き出すと、ミオリは嬉しそうに微笑んだ。
 そして、脚衣を押し下げ彼の雄を取り出した。ミオリはそのたおやかな指先で、楽器を奏でるように愛し始めたのだ。

「ミオリ……っ、ミオリ……っっ」

 リュートは激しい興奮に襲われながら、込み上げるせつなさと愛しさに身を灼かれ、何度もミオリの名を呼んだ。
 やがてミオリは上体をリュートに寄せ、ついに彼の肉棒を口に含んだ。精一杯に頬張り頬の内側で、そして舌でリュートを愛し始める。

 結界に閉ざされたリュートの寝室に、三人が愛し合う水音が響く。

 ウォルフスに掻き混ぜられる蜜壺がたてる音、ミオリがリュートの欲棒を口で愛する音――、
 じゅっぷじゅぷと、ぐちょんぐちょんと人の業そのもののような――あるいはせいあかしそのもののような生々しい音が、彼らの耳を冒し、さらなる興奮へと導いてゆくのだ。

 一番に上り詰めたのは、リュートだった。

「ミオ、リ……、も、う……っっ」

 愛しい少女に愛される肉棒が、限界の先を越えてどくんと膨らむ。そして。

「う、くぁ――……っっ!!」

 リュートはミオリの咥内で欲望を弾けさせた。びくびくと雄肉を震わせ、先端からどぴゅどぴゅと白濁が放出される。

 久方ぶりの射精は長く続き、何度かに分けて濃い精がミオリの喉にされた。
 長い間溜められていたリュートの雄汁は煮詰められたように濃厚で、ひどく粘ついている。

「ん、く、んく……こくん」

 吐精を終えた雄から口を離したミオリは、音をたて、リュートの精をすべて飲み干した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです

きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」 5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。 その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

獣人の里の仕置き小屋

真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。 獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。 今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。 仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。

金曜夜のティーンズラ部

空廻ロジカ
エッセイ・ノンフィクション
TL(ティーンズラブ)小説が大好きなイラストレーターによる、TLイラストと語りです。 主に「イマジナリーTL小説」(架空のTL小説)をでっち上げてイラストと語りを載せていきます。 [2018.11.15]「第11回エッセイ・ブログ大賞」読者賞ありがとうございます!

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

傾国の聖女

恋愛
気がつくと、金髪碧眼の美形に押し倒されていた。 異世界トリップ、エロがメインの逆ハーレムです。直接的な性描写あるので苦手な方はご遠慮下さい(改題しました2023.08.15)

純潔の寵姫と傀儡の騎士

四葉 翠花
恋愛
侯爵家の養女であるステファニアは、国王の寵愛を一身に受ける第一寵姫でありながら、未だ男を知らない乙女のままだった。 世継ぎの王子を授かれば正妃になれると、他の寵姫たちや養家の思惑が絡み合う中、不能の国王にかわってステファニアの寝台に送り込まれたのは、かつて想いを寄せた初恋の相手だった。

処理中です...