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第六章 希《ねが》いのかなう夜

╭በ╮ⅩⅩⅠ.今宵、あなたの熱で貫いて(3)

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 ウォルフスがごくりと唾を飲み込んだ時、ミオリの咥内で欲望がどくんと弾けた。
 先端から熱い迸りがどぴゅどぴゅと放出され、喉を濡らしてゆく。

「!?」

 ミオリは驚いて、ウォルフスの雄を解放した。

「ぐ……っ、ん、んく、けほ……っ」

 片手はウォルフスを掴んだまま、もう片手で口を押さえた。
 咳き込みそうになるのを、なんとかこらえて呑み込む。

「……ふは……っ」

 ミオリは咥内にされたウォルフスの精を、ほぼすべて飲み干したのだ。

「馬鹿。もういいって言っただろうが。すまねぇな」

 大きく息をいた後ウォルフスが指を伸ばし、ミオリのくちびるから垂れた白濁を拭ってくれた。

「ううん、大丈夫。ねぇ、気持ちよかった?」
「ああ。すごくよかった」

 ミオリはウォルフスの言葉に笑みを返す。いつもウォルフスに気持ちよくしてもらっていた自分が、今度は彼を満足させられたことが嬉しい。

 微笑むミオリに、ウォルフスが手を伸ばしてきた。

「ミオリ」

 指が顎にかかり、そのまま上向かされる。そして、精の匂いが残るくちびるを塞がれた。

「ん、ふぁん……っ」

 もう片方の腕が太腿を押し開け、脚の間に忍び込んできた。

 すでに腿の内側まで蜜の伝う秘所を、にちょにちょと愛撫される。入り口を指先が掠めると、その先の姫洞がきゅんと疼いた。

 ――欲しい。この、せつなく蠢く肉の穴を、あなたの熱棒で貫いて欲しい――。

 灼けつくような欲望が込み上げ、ミオリはウォルフスの手に秘部を押し付けるように腰を揺らした。
 ウォルフスはそんなミオリの背に手を添え、ふたたび安臥させる。

「脚をもっと開いてくれ、ミオリ」
「……」

 ミオリは言われるままに、そろそろと脚を開いていった。さらなる蜜が奥処からとろとろと溢れ出し、敷布がぬるつくほどに淫蜜にまみれてしまう。

「このどすけべが」
「だ、って……っ、欲しくて……っっ」

 じらじらとこの身を灼く炎を、あなたの手で、体で慰めて欲しい。あなたの――肉の棒で、鎮めて欲しい。

 ウォルフスはずくずくに泥濘ぬかるんだ花床を満足げに眺めて、尋ねてくる。

「何が欲しいんだ? ミオリ」
「あ、あなたの……っ」
「俺の?」
「ウォルフスの、肉の棒が欲しいの……っ!!」

 限界まで焦らされ、ミオリは泣き声混じりで叫んだ。もう、肉の棒をもらうことしか考えられない。心が体がウォルフスを、彼に抱かれることを求めている。

 ウォルフスはミオリの脚を膝で折り曲げ、腰を進めて抱え込んだ。ようやく蜜口に尖端で触れられ、ミオリは期待に息を呑む。

「なるべく優しくするが、痛いかもしれねぇ」

 なにしろ彼の雄槍は、標準的なそれよりも逞しいのだ。

 ウォルフスが腰をわずかに押し出すと、待ち望んだかのように花びらがまとわりつく。ゆっくりと腰を突き出しあいを圧し開いてゆくと、ミオリは息をとめてぎゅっと眉根を寄せた。
 やはり、痛いのだろう。

「もう少し辛抱してくれ」

 ウォルフスはミオリを気遣いながららもゆっくりとし進み、やがて最奥まで辿り着いた。

「ほら、奥までったぞ」

 長く逞しい雄をずっぽり埋め込んだ淫肉は真っ赤に火照り、結合部から蜜が染み出している。
 ウォルフスはミオリの奥のさらに奥――子宮口に先端をぐいと押し込んだ。

 小さな体に巨大な熱杭をみっちりと埋められ、ミオリの体はがくんと跳ねた。喉から甲高い声が迸る。

「あ、あぁあああ……ッ!!」
「!!?」

 ウォルフスを呑み込む乙女の肉洞が、きゅうきゅうと痙攣し、収縮を繰り返す。

 ウォルフスは驚き、腰を引こうとした。だがミオリがそうはさせなかった。

「ミオ……リ、そんなに締め付けるな……っっ」

 散らされたばかりの処女肉は、自らを貫いた雄肉を離さんとするかのごとく、剛直を呑み込み、締め付ける。

「あっ、あァ、アァアア――――!!!」

 ミオリはがくがく全身を引き攣らせ――やがてくたりと力を失った。
 ウォルフスは驚き、ミオリに問うた。

「おい、ミオリ? もしかして……イッた、のか?」

 ミオリは涙の滲んだ瞼を開き、そしてこくりと頷いた。
 ウォルフスは吐き出す息とともに感嘆を口にした。

「は……凄ぇな。俺の精を呑んだから、そういうこともあるのかもしれねぇが――」

 淫魔の精は、人が膣から摂取することにより長命をもたらすが、口腔摂取した場合は媚薬として働くのだ。

「痛くはなかったのか?」

 ミオリは汗ばむ胸を上下させ、答えた。

「痛かった、けど……、いちばん奥にウォルフスがきて……、嬉しく、て」

 ミオリが微笑む。その目尻には、歓びの涙が浮かんでいる。

「――」

 ウォルフスは深い感動と欲情が、自らの中で膨れ上がるのを感じた。この淫らな少女が望むものを、初めて与えてやれたのが自分でよかった――心から、そう思う。

「しばらくこうしてるから、痛みが引いたら言え。俺も、動きたい」
「ええ」
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