嫌われ女騎士は塩対応だった堅物騎士様と蜜愛中! 愚者の花道

Canaan

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番外編

憧憬と矜持のカノン 1

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※※※
番外編「君のためにできること(物理)」にて、悪者退治したヘザーが表彰されるところから。
一人でぐるぐる考えてしまうヒューイの話。
※※※



 王城の敷地内の、とある一角は大勢の見物人で賑わっていた。
 勲章の授与が行われるためである。
 ヒューイも騎士教育の質の向上に尽力したとして盾やメダルをいくつか貰っているが、今日行われるのは一般市民に対しての表彰だった。

 嵐の日に泥濘にはまった挙句、馬車の車軸が折れて立ち往生し、寒さに震えていた公爵家一行を救助した村人たち。火事になった教会の中に取り残されてしまった司祭と子供たちの命を救った勇気ある若者。
 それから、ならず者に攫われた美術商と王国の騎士を、剣戟の末に助け出した女性……というのが今回表彰される顔ぶれだった。
 ちなみに、ならず者に攫われたうちの一人はヒューイだったし、大立ち回りを演じた女とはヘザーのことである。美術商の方は他国貴族の血を引く男でもあったのが重要視され、ヘザーにメダルが贈られることになったのだ。

 これまでにもこの式典を見学したことはある。
 騎士になる前は、学校行事で連れてこられたことがあった。新人騎士だった頃は、式典の最中微動だにせず整列する大勢の騎士の中の一人を務めた。そして教官になってからは、今度は自分が研修生を引き連れて見学させ、それを授業の一環とすることもあった。
 今回は婚約者のヘザーが表彰されるものだから、ヒューイには関係者席が用意されていた。

 式典が始まるのを待っていると、後ろの方の見物人がいろいろと噂をしているのが聞こえてくる。
「今回表彰されるのって、女の人もいるんだってさ」
「知ってる知ってる! 俺もそれで見に来たんだよ! 盗賊団のアジトに乗り込んで、一人で倒しちゃったんだろ?」
「どんな女だよって話だよなあー」
 ヒューイは彼らの話を黙って聞いていたが、ヘザーが倒したのは盗賊団ではなく、調子に乗った金持ちのドラ息子たち三人で、直接剣を合わせたのはそのうちの二人である。それに、アジトに乗り込んだわけではない。
 噂話とは、どんどん誇張されていくものなのだな……と考えていたが、彼らの話はまだまだ膨らんでいく。
「剣を一振りしただけで、大の男が五人吹っ飛んだんだってさ!」
「俺は、剣を振るった時にかまいたちを起こして、それで敵を切り刻んだって聞いたぞ」
「しかも全員倒した後に、親指を立てて溶鉱炉に沈んでいったらしいぜ……」
「まじか。その女、やべえな……」
 彼女の噂が独り歩きするのは相変わらずである。
 ヒューイは思わず「ちょっと待て」と言いそうになって後ろを振り返ったが、その時丁度拍手が巻き起こった。
 メダルを授与する王族──毎回王族の誰かがこの役を務めているが、今年は王太子だった──が壇上に現れたのだ。
 ヘザーがメダルを受け取る場面を見守るため、ヒューイは姿勢を正してステージを見据えた。



「見て、見て。ほら!」
 メダルを受け取ってヒューイのところへやって来たヘザーは、ビロード張りの箱に入ったそれを、自慢げにヒューイに見せる。
 金の土台にフェルビア王国の国旗が刻まれ、着色された上で、さらにエナメルでコーティングされている。取り付けられているリボンは青地に金のラインが入ったものだった。
「ほう……手に取ってみるのは初めてだ。意外と精巧な作りだな」
「ね。綺麗だよね。貴方も付けてみたい? 付けてあげよっか」
「え? いや……」
 別に付けてみたいとまでは思わない。
 だが次に続いたヘザーの言葉に、思わず口を噤んだ。
「こういうの、騎士服に付けたら威厳あるよね。カッコいいだろうなあ」
「……。」
「貴方の騎士服にも貰ったバッジとか付けてあったよね。これからもいっぱい貰って、そのうち付けるとこ無くなっちゃったりして」
「……それは言い過ぎだ。そんなにたくさん受け取れるものでもない」
「ええー? 分かんないよー?」

 婚約者の贔屓目なのか、ヘザーはヒューイを持ち上げるが、この時ヒューイの頭の中にあったのは、騎士服を身に纏ったヘザーの姿であった。

 ヘザーがヒューイの部下になる前、彼女はこの国の第三王女の近衛隊長を務めていた。だが近衛隊長であったヘザーの貰っていた給料……これを知った時、ヒューイは驚きのあまり目を見張った。その次に、哀れに思った。
 騎士をやっていれば住む場所、食べる物、仕事着の支給はある。隊長とあって役職手当のようなものも付いていたが、それを考慮してもヘザーの給料は少なすぎたのだ。
 ヒューイ自身もたくさんもらっている訳ではない。メインの収入はバークレイ家で行っている投資や土地活用であり、ヒューイの場合は「騎士という職業に就いている」という事実が重要なのだ。が、自分の給料がヘザー並だったら、人生に失望していたかもしれない。そのくらい少なかった。
 ただでさえ女騎士の給与は少ないという。結婚が決まったら辞めていく者が殆どだから、それを見越した仕事しか与えられないのだ。稀に結婚もせず上にのしあがっていく女騎士もいるが、それは五年、十年に一人というレベルだった。
 そのうえ平民出身となると、これほどまでに哀れな金額なのか……というのがヒューイの感想であった。

 だが、ヘザーが騎士を続けていたら……彼女は、高い地位に台頭していくタイプの女騎士だったのではないだろうか。
 彼女を勝手にライバル視して辛く当たる男も多かったようだが、ヘザーにはそれを弾き返せる心意気があった。さらに後輩からは慕われる気質でもある。
 騎士を続けていたら、彼女こそたくさんのバッジをつけた制服を着ることになっていたかもしれない。

 自分と結婚するために、ヘザーが生き方を変えてくれた。そのことは重々承知している。
 だが、本来ならば、どんどん大きく積み重なっていったかもしれない彼女のキャリア……これを考えたら、喉の奥に何かがぐっと詰まったような気がした。



 数日後。

「本当にとんでもないことですよ!」
 バークレイ邸に打ち合わせにやって来たウィルクス夫人は、怒ったような困ったような、怯えたような……とにかく複雑な表情でヒューイにそう告げた。
 ヘザーの部屋で妙なものを発見したのだという。

「ウィルクス夫人、いったい……」
 そう訊ねつつ、ヒューイも考えた。
 ヒューイの思い当たる「ヘザーが所持していて夫人に見つかったら拙いもの」とは、避妊薬しかないのだが、マーシャル子爵邸でヘザーの持つ分をダメにしてしまい……現在、薬種屋の入荷待ちである。
 それからふと思い当たった。
 ひょっとして、彼女は隠れ食いをまだ続けているのだろうか、と。
「まさか……」
「そのまさかですよ!」
 ウィルクス夫人は大きく頷きながら、レティキュールからあるものを引っ張り出してテーブルの上に出した。よほど気に食わないものなのか、件の品は紙袋の中に入れられており、さらにハンカチに包まれていた。
 そしてそれは、ヒューイの思っていたものとは全く違っていた。
 ウィルクス夫人が出したものは、ナイフを咥えたドクロが刺繍されている、真っ黒い生地だったのだ。

「こ、これは……」
「ヘザーお嬢様の部屋に飾ってあったのです! ベッドの近くの柱に、丁寧に鋲で留めてありましたわ!」
「ウィルクス夫人、これは……」
「これは、邪教のシンボルに違いありません! まったく……バークレイ家に嫁入りするという女性が……なんという……」
 ウィルクス夫人はヘザーが邪教の信徒だと決めつけて嘆きまくっているが、ヒューイはこの絵に見覚えがあった。場合によってはナイフの部分が大腿骨──にしては小さいのだが、形はまさしくそれ──と思しきものだったり、葉巻だったりもする。
「ああああ、私というものがついておりながら……ヒューイ様、少しお時間を頂けますか?」
「夫人。これは『スカル・スカベンジャーズ』のトレードマークです」
「ヘザーお嬢様のことは、私が徹底的に教育し直して……え? なんですって?」
「彼女が贔屓にしている楽団(バンド)のトレードマークですよ」
「す、すか……なんですって?」
「『スカル・スカベンジャーズ』です。演奏会(ライブ)に行った折に、グッズとして販売されていたものを購入したのでしょう。怪しげなものではありません」
 ハッキリ言って見るからに怪しいものなのだが、事実でもあるし、夫人を落ち着けるにはそう説明するしかない。夫人は「らいぶ……? ぐっづ……?」と繰り返しながら目をぱちぱちさせている。
 この楽団の演奏会に初めて行ったときは、自分も似たような反応だったのだろうな、と、そう思いながらヒューイはドクロの刺繍を見つめたのだった。



「……と言うわけで、僕が返しに来た」
「あっ。これ、どこに行ったのかと思ってた! ヒューイが持ってたの? 気に入ったのなら、貴方の分も買ったのに」
「今、説明しただろう。僕が気に入って持ち出したわけではない!」
 ウィルクス夫人が「こんなもの、これ以上持っていたくない」と言うので──気持ちは分からなくもない──ヘザーと会う際に、ヒューイが持ってきたのだ。

 今日はヘザーの買い物に付き合うことになっているのだが、どこへ行くかはまだ聞いていない。
 広場の前で馬車を下りると、彼女は「こっち、こっち」と言って広場を突っ切り、ごちゃごちゃした細い通りへ入っていく。そしてそのまま、楽器店の前までヒューイを連れてきた。
「……楽器?」
 ヒューイは首を傾げる。ヘザーが楽器を嗜むとは聞いていない。それとも、これから習いたいのだろうか。ハープやヴァイオリンなどを。
「あ、楽器じゃなくて」
 ヘザーはそう言いながら楽器売り場を通り過ぎ、教本の類が置いてある店の奥まで進んでいった。よく見てみれば教本だけではなく、薄い冊子のようなものも並んでいた。
「スカル・スカベンジャーズの新譜! 買いたいの」
「新譜……だって?」
 そこでヒューイは一番最初に目についた冊子を手に取って、開いてみる。そこには何かの曲の楽譜と歌詞が記されていた。
 楽器の弾けるものはこれを購入して趣味の演奏をしたりするらしい。
 ヘザーは楽器を扱えるわけではないが、この冊子を買って新しい曲を覚え、次回の演奏会で一緒に歌うのだと言った。
「楽譜もちゃんと読める訳じゃないんだけど……新曲は前のライブで一回聴いてるし。音符を追っていけば、なんとなく思い出せるから。そうやって歌詞と合わせて覚えるのよ」
 そう説明して、目当てのものが置いてある場所を探している。この状況でヒューイの助けは微力にすらならないだろうが、自分もなんとなく視線を彷徨わせた。

 すると、大きなポスターが目に付いた。今売り出し中の楽団なのだろうか。メンバー四人のイラストが描いてあって、下部には「デッドマンズ・カオス」とも記されている。おそらくは楽団名なのだろう。
 楽団名もすごいが、メンバーの似顔絵もすごかった。
 かつらなのか染めているのか、あり得ない色をした髪の毛の男がいるし、似顔絵と言っても……全員が奇抜なメイクを施しているから、本当の顔が分からない。
 ちょっと呆気にとられつつもヘザーに話しかけた。
「ヘザー。この楽団は……」
「ああ! 『デッドマンズ・カオス』ね! この人たちね、今、人気急上昇中なんだって。特にリュートの『沈黙の墓守』がねえ、カッコいいって騒がれてるのよ」
 ヒューイはポスターを見直した。そして訊ねた。
「ち、沈黙の……何だって?」
「この人! 『沈黙の墓守』!」
 ヘザーがポスターに描かれた人物の一人を指さす。水色と白、二色の長い髪の毛。ぴったりした真っ黒い衣装には、人間の骨の模様──人体の骨格模型のような配置だ──がついている。骨の模様が際立つようにか、鮮やかな青いマントを纏っていて、さらに、口元を黒いマスクで覆っていた。
「黙々と演奏に徹していてね、コーラスにも参加しないし、お客さんの前では絶対喋らないんだって。だから『沈黙の墓守』っていうのかなあ。彼のこのコスチューム、すごくいいわよね!」
「ちょっと待て。その……『沈黙の墓守』というのがこの男の名前なのか!?」
「あははは、芸名に決まってるじゃない。この長い黒髪の人が歌い手で『闇夜の執行人』でしょ、こっちの黒髪をツンツン立ててる人がウッドベースの『漆黒の贄』。赤い髪の人がティンパニの『煉獄の門番』だよ」
「……。」
 知らない世界過ぎて、開いた口が塞がらない。これ以上考えると頭痛を覚えそうだったので、気を取り直して本題に入る。

「君が探しているのも、この辺にあるのではないか?」
 理解の及ばぬ話ではあったが、聞いている分には、ヘザーの好きな楽団と大差ないようにヒューイには思えた。だからこのポスターの近くに置いてあるのではないかと。だが、ヘザーは真顔で答えた。
「え? 違うと思うよ。『デッドマンズ・カオス』はハードロックだから」
「……ハ、ハード……なんだって?」
「ハードロック。『スカル・スカベンジャーズ』は、パンクロック」
「……。」
「あ。でも、メロコアっていう人もいるかなあ……。こういうのって、店員さんの裁量で分けられてたりするんだよねー。私としてはパンクにしときたいんだけど」
「…………。」

 わからない。
 ヘザーの言っていることが、ちっともわからない。
 彼女と一緒に過ごすうちになんだかわかったような気になっていて、この前ウィルクス夫人に若干得意気に説明してしまったが、自分は何もわかっていなかったことが、今わかった。

 彼女はいつもそうだ。さっきまで隣にいたはずなのに──物理的な距離のことではなく──気が付くと、ヒューイの手の届かないところに行っている。
 同時に、起こり得たかもしれない未来……勲章をじゃらじゃら付けた騎士服を纏い、大規模な騎士団を従えているヘザーの姿を思い描いてしまった。

「その……は、はーどろっくと、ぱんく……? は、何が違うんだ?」
 それは、今にもどこかへ行ってしまいそうな彼女の服の裾を掴もうとして訊ねたことだった。
 しかし、ヘザーは目をぱちくりさせ、次にお腹を押さえて笑ったのである。
「あははは! ヒューイってば、さっきからおじいちゃんみたい! あははは!」
「なっ……僕が、僕が年寄りみたいだと!」
「えっ? あっ……ごめん。怒っちゃやだ……」
 なにも年齢的なもので追い越したいわけではない。それに怒ったつもりはなかった。
 騎士を辞めたヘザーは結婚するために、ヒューイに合わせてくれているに過ぎないのだ。本来の彼女が見ている世界は、自分とまったく違うものなのだ……。それを思い知らされて、焦ったような気持ちになった。
「嘘だから、怒んないでえ」
「いや……もういい」
「ごめんねえ」



 結局、ヘザーのお目当てのものは、店員に訊かなくては分からない場所にあった。
 発売当日だったこともあり、店の奥の木箱に入ったまま、商品として並べられていなかったのだ。
 それでも手に入ったことが嬉しいのか、帰りの馬車の中のヘザーは甚くご機嫌であった。

「フン、フフーン……あっ、そうそう。歌い出しはこんな感じだった! 今度の演奏会では、何曲目にこれが出るのかなあ。早くちゃんと覚えたいな」
 座った途端に冊子を開き、もう音符を追っている。その横顔は真剣だ。こんなに真面目な顔をしたヘザーは珍しいのではないだろうか。
 ヘザーの横顔と、その眼差しに見入っていると、さすがに視線を感じたらしい。彼女は顔を上げてこちらを向く。
「あ、ごめん……退屈だったよね。これ見るのは、うちに帰ってからにする」
「いや、僕は構わないが……」
 別に相手をしてもらえなくてへそを曲げていた訳ではない。
 ただ、これほどまでに情熱を注ぐ対象がある……そのことに感心していたのだ。
 ヒューイにもそれなりに好きな音楽家や画家はいるが、ヘザーのような熱意を抱いたことはなかった。
「あら。でも貴方は仕事熱心じゃない」
「熱意をもって仕事に臨むのは当たり前のことだ」
「ええー。じゃ、今までに夢中になった趣味とかってないの?」
「うむ……」

 生まれてこの方、ヒューイは何かに情熱を注いだことがない。仕事や勉強には真剣に向き合うが、それは情熱とは違うものだ。
 夢中になるもの。情熱を注ぐ対象。
 あるとしたら……。
 同時に、ふとヘザーと目が合った。
「えっ、何? 何か思い当たった?」
「……いや、特には」
 彼女は純粋に答えを待っているようだった。
 なんとなく悔しかったし、気まずくなったヒューイは口を噤んだ。

 少し前から続いている、このスッキリしない気持ちは何なのだろう。
 自分だけに見えない糸が絡まって、もがいている気分だった。



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