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番外編
君のためにできること(物理) 4
しおりを挟むその日ヘザーは『フェルビアの文豪を語る会』という催し物に、ウィルクス夫人と参加していた。
はっきり言って訳が分からないし興味も持てなくて、居眠りしてしまったらどうしようと不安になっていた。
しかし会場についてみれば、純粋に語りたい人たちはごく一部で、彼らは固まって話し込んでいる。
この場で出されるお茶菓子を楽しみにしていたり、知り合いとたわいない会話をしに来ている人たちが殆どだったので、ヘザーはほっとした。
だがたわいない会話をする知り合いがいない。ここはお茶菓子でも頬張って帰るか……と今日の予定を立てたところで、ウィルクス夫人がヘザーの袖をツンと引っ張った。
「マードック家のお嬢様がいらしていますよ」
夫人の視線に倣うと、シンシアが手を振ってこちらへやって来るところだった。
「あっ。シンシア様!」
「ヘザー様!」
なんと、シンシアも参加しているではないか。
二人は駆け寄り、手を取り合った。
「ヘザー様がいてよかった。知らない人ばかりだったら、どうしようかと思っていたんです」
「私も私もー! ……あれ? そういえば今日はオリヴィエ殿は一緒じゃないのね」
彼らは昼間の催し物でも一緒に参加しているイメージだった。オリヴィエは自営業だから時間の融通が利くのだろうと、そう思っていたのだ。
「あ、はい。オリヴィエ様は後から来るそうです」
彼はいったん自分の店に行って、事務仕事を少し片づけてからやって来るらしい。
ヘザーとシンシアは空いているテーブルに着いて、一緒にお茶を飲む。
ウィルクス夫人も彼女との付き合いには大賛成であった。
シンシアもオリヴィエも後ろ盾のしっかりした人たちだし、かといって気後れするほどに地位が高いわけではない。友人としてぴったりではないかと夫人は言っていた。
ヘザーは気が合えば相手の地位などはどうでもよいと思っているが……でも、社交界に出てはじめのうちにシンシアたちと知り合えて、本当によかった。
お茶を飲みながら、シンシアにヒューイとのなれそめを訊かれてデレデレしたり、反対にオリヴィエとシンシアの恋物語を訊いてニヤニヤしたりしながら過ごす。
だが、いつまで経ってもオリヴィエは現れなかった。
帰り支度を始めるものも出てきて、さすがにシンシアは不安そうな表情を見せた。
さらに他の者たちの会話が耳に入る。
「そういえばね、街を巡回している騎士たちが話していたんだけど……南地区の商店街で、泥棒騒ぎがあったそうよ」
「まあ、こわい。商店街? なんのお店かしら」
「古書とか絵とか扱ってるお店ですって」
そこでシンシアもヘザーも顔を上げた。
「ま、まさか……」
シンシアは泣きそうな顔になって手を揉み絞る。
「まさか、オリヴィエ様のお店では」
だから彼はこの場に現れないのではと、涙声になった。
そんなことないわよとか、気のせいよとか、無責任なことはとても言えない。泥棒が入ったのはオリヴィエの店ではないだろうか、ヘザーもそう思うからだ。
聞けば、シンシアはマードック家の馬車でやって来ているという。お付きの使用人は馬車の中で待っているらしい。
ヘザーは少し考え、それからウィルクス夫人に訊ねに行った。
斯々然々の事情でシンシアが困っている、彼女を安心させるためにも、マードック家の馬車に乗って一緒に南地区まで行ってきてもよいかと。
まだ日が暮れる前だったこともあって、夫人は頷いてくれた。
*
ヒューイは後ろ手に縛られ、壁に背を付けた状態で座らされていた。隣には同じ状態のオリヴィエがいる。
悪ガキ三人は店の中をさらに荒らしまわっていた。
彼らは「本日休業」の看板を勝手に掲げ、扉周辺を大きな額縁で塞いでしまったから、表を歩いている人たちは、この店の中の異変に気が付かないのだろう。
泥棒たちは絨毯を捲りあげ、美しい絵画を額縁から外したりして、何かを探している。
オリヴィエが身じろぎした。
「待ってくれ。店の中をこれ以上荒らすのは、どうかやめてほしい」
「じゃあ、さっさと出せよ! あれが必要なんだ!」
「私の手元にはないんだ」
「誰かに売ったのか? 誰に売ったか教えろよ! 早く!」
「それは……」
そこでオリヴィエは一度口ごもったが、すぐに続けた。
「売った相手には……私が話をつけて、返してもらうことにするよ。一日か二日、時間をくれないか」
「そんなの信用できるか! お前を自由にしたら、騎士団に駆け込むつもりだろう。さあ、何処にあるのか言え!」
「それは言えない。だが、必ず返してもらうから、どうか……」
彼らの会話を聞きながら、ヒューイは考えていた。
問題の品物が何なのか、結局答えは聞けないままであったが。
品物の在処はおそらく……シンシア・マードックの首元だ。
初めてシンシアを紹介されたときから、ヒューイは彼女のペンダントに気が付いていた。
宝石自体は特別大きなものではないが、その宝石が嵌まる、台座の装飾……ぱっと見ただけでも高価で珍しいものだとわかる。名のある細工師が施したものだと。
しかし女性の首元──というか胸元──をじろじろ見るわけにもいかないので、訊ねることはしなかった。
そしてオリヴィエが言葉を濁しているのは、婚約者を守っているからだ。
シンシアが持っているなどと言ってしまったら、彼らはすぐにこの勢いでマードック家に乗り込むに違いない。
自分が返してもらうから時間をくれと訴えているのはそのためだ。
だが悪ガキどもは聞く耳を持たない。
どうすべきか。
ヒューイの帰りが遅いと、ベネディクトあたりが気づいてくれたら良いのだが……いや、ベネディクトを信頼していない訳ではないが、偶然や幸運に頼るのはいけない。
そう考えていると、机で店の資料を漁っていた青年が言った。
「おい。俺がこの店に来た日……あれを売りに来た日と、返してもらいに来た日だ! 同じ日付のところに『マドルカス』って書いてある! マドルカスにあるのか!?」
青年は暦を調べているらしい。そしてどうやら探し物がマドルカスの街にあると、見当違いなことを言っている。
「いや、それはマドルカスの業者が……」
オリヴィエもそう言いかけたが、青年は決めつけた。
「マドルカスの人間に売ったんだな!?」
それから彼は仲間を振り返った。
「よーし。馬車の用意をしろ! マドルカスに着くまでに、売った相手を吐かせてやるぜ!」
「おい……その騎士はどうすんだよ」
「ほっときゃいいだろ。用があるのは店主だけだ」
「おいおい。ここに置いてく訳に行かないだろう。騎士の仲間がここに来たらさ、俺たち……手配犯になっちゃうんじゃねえの」
「あ……そうか」
やはり主犯の青年は考えなしの大馬鹿者らしい。
しかし仲間の方はある程度は知恵が回る。
……となると、自分もマドルカス行きの馬車に乗せられるのか?
この非常事態をどう切り抜けようかと、ヒューイは考えを巡らせた。
*
ヘザーとシンシアがオリヴィエの店の前まで行くと、騎士たちがうろついていた。
この店で何かが起こったのだと、考えるまでもない。
泣きそうになっているシンシアの手を引きながら、ヘザーは騎士の一人に告げる。
「この女性、お店の関係者なの。中に入ってもいい?」
取っ手の壊れた扉を抜けると、あらゆるものがひっくり返されて散乱している。以前の自分の部屋といい勝負だとヘザーは思った。
そして部屋の中にはベネディクト・ラスキンが立っていた。
さらに彼の説明で、オリヴィエだけでなくヒューイまでもが行方知れずだと知った。
「え……えっ? ヒューイがいなくなっちゃったの?」
ベネディクトが難しい顔で頷く。彼の説明によると……。
まずはオリヴィエが店に出ると、扉が壊され中も荒らされていた。もちろん騎士たちに通報して調査してもらう。
壊されたものはいくつかあるが、盗まれたものはなく、そして店主の心当たりも無いようだった。そこでこの日の調査を終えた騎士たちは現場から引きあげた。
ヒューイはヒューイで、南地区警備隊の詰所を訪れていた。
送り出した研修生の頑張り具合を見るためだ。その時にオリヴィエの店に泥棒が入ったと耳にしたらしい。彼は「グラック美術店」に向かったようだった。
昼過ぎには戻ると言われていたベネディクトは、ヒューイの帰りが妙に遅いと訝しんだ。
日頃の勤務態度からして、ヒューイは出先でふらふら遊んでしまうようなことは決してないからだ。
ベネディクトはヒューイが向かったはずの詰所を訪ね、彼が「グラック美術店」に向かったようだと訊き、念のために騎士を数人連れてこの店にやってきた。
「それでさ……一度目に調査に入ったやつがさ、さっきよりも店の中が荒れてるって言うんだよな」
店主ならば少しでも片づけたいと思うはずだ。いや、お店がこんなことになって、ショックから何も手につかないかもしれない。だが、さっきより荒れるのはおかしい。……それとも自棄でも起こして暴れたのか?
ここに来た騎士たちはいろいろと推理してみたようだ。
店主とヒューイの姿がないことも、また不可解だった。
二人は知り合いらしいので、嘆く店主をヒューイが飲みにでも連れて行ったのではないかとか。
だがメモも言伝も残さず、勤務中にそんな行動に出るとは、やはり普段のヒューイからしたら考えられない。
「それで、いなくなったんじゃないかって思ったんだよ」
「い、いなくなった……って……」
「ああ。犯人が戻って来て、二人はどこかに連れていかれたんじゃないかってさ」
「そ、そんな……」
目眩がして座り込みそうになったとき、シンシアがしゃくりあげた。
「シンシア様……ど、どうか落ち着いて。気をしっかり。ね?」
自分も落ち着いた状態とは程遠いが、今は泣いたり座り込んだりしている場合ではない。みんなで協力して、ヒューイたちの行方を突き止めなくては。
ヘザーは恐る恐る店の中を見回した。
「け、血痕とか、ないわよね……?」
「ああ。それは確かめた」
ベネディクトの返事にちょっとだけ安心する。
ヒューイたちは血を流したわけではない……少なくともこの場所では。
しかしこの散らかり方……床はほとんど見えない状態で、獣道とも呼べないような足を置く部分が飛び石のように点在している。
だが壁際の一角に、比較的大きく床が見えている部分があった。
ここに置かれていた美術品を丸ごと動かしたか盗んでいっただけかもしれないが……ヒューイとオリヴィエは拘束されて、ここに腰を下ろしていたのでは。そうも考えられるのだ。
ヘザーはそこに近づいた。
「やっぱここ、気になるよな」
ベネディクトも頷く。
「しかもここにさ、これが落ちてたんだ」
彼は何か小さなものをヘザーの目の前に出して見せる。
それは、銀のボタンであった。
このボタンのデザイン、ヘザーも良く知っている。騎士服の袖についているものだからだ。
ヒューイのものだろうか。手に取ってよく見てみると、ボタンは縁が削れていて、白い粉のようなものも付着していた。
「なにこれ」
「わからん……」
ベネディクトとシンシア、三人で床のスペースをじっと見つめていたが、ふいにシンシアが身を屈めた。彼女は床ではなく壁に注目しているようだ。
「あの。灯りを近づけてもらえますか? ここに……」
シンシアの指したところを見てみると、漆喰の壁に傷がついている。
記号のような模様のような。それでいてすごく馴染みのある文字のような気がするが、読めそうで読めない。
シンシアはしゃがみ込んで、壁の傷を指で辿り……
「……ル、……ド……マ……? マドルカス!」
唐突に叫んだ。
「これ、マドルカスって書いてあります!」
言われてみると、そう書いてある気がしてきた……そこでヘザーとベネディクトも気づく。
壁には「マドルカス」と上下逆さまに書いて──というか削って──あるのだ。
拘束されたヒューイがここに腰を下ろしていたのだとすると、すべて納得がいく。
後ろ手に縛られたヒューイは制服の袖のボタンをちぎり、キーワードとなる文字を削った。壁に背を向け、座ったまま削ったのだとしたら、文字が上下逆になっているのも頷ける話だ。
「ヒューイたちは、マドルカスに連れていかれた……そう考えていいのかしら」
「ああ。だが、そうと決まったわけじゃない。まずは上に報告して……」
そうだ。ベネディクトの独断で騎士や兵士たちを動かすわけにはいかない。上に報告し、ヒューイたちを追跡、奪還するのにふさわしい騎士団や騎士隊を決めなくてはならないのだ。
「王都に潜伏している可能性も捨てきれないから、各地区の警備隊と、門のところにいる奴らにも連絡だろ……」
王宮騎士はいろいろと決まりごとが多いのだ。連絡や手続きに時間がかかる。
しかし、ヘザーはもう騎士ではない。
「じゃ、私、一足先にマドルカスに向かってみる!」
「おう、頼むわ!」
「馬と剣って、貸してもらえる?」
ベネディクトは連れていた他の騎士たちに話を通し、ヘザーに馬と武器を貸してくれた。
「わ、私も行きます!」
そこにシンシアも名乗りをあげる。
ベネディクトは戸惑っているようだ。シンシアは馬に乗って剣を振るうような女性にはとても見えないのだから。
ヘザーも躊躇した。自分はドレスのまま馬に跨ることも厭わないが、彼女は大丈夫なのだろうか。だが着替えている暇などない。
「シンシア様……大丈夫なの?」
「お願いします。剣は振るえませんが、馬には乗れます。私が足手まといになったら、そこで置いて行ってもらっても構いません。私、オリヴィエ様が心配で……彼の無事を、一刻も早くこの目で確かめたいのです」
不安はあるが、マドルカスまでの道中、同じ目的を持った人が一緒にいると思うと心強い。ヘザーが頷くと、ベネディクトは彼女の乗る馬も手配してくれた。
王都は街ごとぐるりと城壁に囲まれている。
一般人の出入りは門番にチェックされるが、やはりベネディクトが話を通してくれて、ヘザーとシンシアは北の門──マドルカスに向かうには北の門を通るのが一番早い──から街道へと出た。
途中でふと、ウィルクス夫人の顔が思い浮かぶ。
シンシアと南地区へ向かう許可は貰ったが、王都を出る許可までは貰っていない。が、そんなお許しなど出ないだろうし、ヒューイが何かの事件に巻き込まれていなくなったと伝えたりしたら、夫人は卒倒してしまう。
シンシアも家の人に伝えなくて大丈夫なのだろうか……と、やや後方を振り返る。彼女は前を見据えて手綱を握っていた。オリヴィエのことが心配でたまらないのだ。彼女もまた、家の人に許可をもらうことなど二の次なのだろう。
ここは後で怒られることを覚悟して、マドルカスへ急ぐしかない。
「シンシア様。マドルカスへ行ったことは?」
「はい。馬車でならば、何度か」
王都からマドルカスまでの道は、整備された街道が伸びているからわかりやすい。しかし、日が暮れてきていた。
犯人たちが門番のチェックをパスして王都を出たのならば、ヒューイとオリヴィエは馬車に乗せられているはずだ。外からは、中が見えないようになっている造りの乗り物に。
そういう乗り物よりは、直接馬に乗って移動しているこちらの方が速い。
彼らがマドルカスに入る前に追いつければよいのだが。街の中へ入られたら、探すのは大変になる。
「このペースで走るつもりだけど、大丈夫?」
「は、はい。なんとか頑張ります!」
日が暮れて、月が出ていた。半月よりもやや円に近いものだ。
馬は人間よりも夜目が利くと言うが、闇の中で馬を飛ばすのは不安があったから、月明りがあるのは幸いだ。
前方からやってくる誰かとすれ違うたびに、彼らを呼び止め、馬車とすれ違わなかったかを訊ねた。
はじめのうちは「馬車なんていっぱいすれ違ったよ」という答えばかりであったが、夜が更けてくると街道を旅する人もぐっと減り、最後に呼び止めた人は「馬車……二、三台すれ違ったかな?」と答えた。
おそらくはその二、三台の中にヒューイがいるはずだ。ヘザーは少しペースを上げる。
そして月明かりの中、遠くにマドルカスの街のシルエットが浮かび上がったとき、馬車の車輪の音が微かに聞こえた。
目を凝らして馬車の輪郭をとらえる。
「シンシア様!」
「はい!」
「私はあの馬車に並走して、犯人たちの気を引くつもり。シンシア様はまっすぐにマドルカスまで行って、マドルカスの騎士たちを呼んできてほしいの」
王都側の援軍はまだ来ない。こうなったらマドルカスの騎士団に助けを求めた方が早い気がする。
シンシアを一人で走らせるのは申し訳ないが……街道は開けた場所をマドルカスの街までまっすぐに通っていて、この先に野盗などが潜むような岩場や林はないはずだった。
シンシアはどこから見ても愛らしいレディで、そんな女性がマドルカスの街に「助けてください」と駆け込めば、火急の用だと踏んで、マドルカス騎士団も動くだろう。
「お願いできるかしら」
「……やります。やってみます!」
シンシアは真っ暗な街道を眺め、唾を飲み込んだが、大きく頷いた。
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