嫌われ女騎士は塩対応だった堅物騎士様と蜜愛中! 愚者の花道

Canaan

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番外編

君のためにできること(物理) 3

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 ウィルクス夫人は銀のトレイに乗った封筒の中身に、一つ一つ目を通している。
 お披露目のための夜会に一度、その後はいくつかのお茶会に参加したヘザーとウィルクス夫人であったが、次に参加する催し物を決めているのだ。

「で、いくつか催し物に参加してみたわけですけれど。如何ですか。ヘザーお嬢様のご感想としては」
「は、はい……」
 お茶会でも、やはりヘザーを珍しがって積極的に話しかけてくる人はいる。好意を感じられる場合もあれば、単なる好奇心だったり、こちらの出自を小馬鹿にしているような雰囲気を漂わせている者もいた。
 近寄っては来ないが、遠巻きにヘザーを見て内緒話をしている女の人たちも多かった。
 似たようなことは騎士をやっている時もあったから、いい気はしないが傷つくほどでもない。

「その……感じの良くない人たちですけれどね。原因は、貴女の経歴や出自のことだけではないと思いますよ」
 ウィルクス夫人は続ける。
「ヒューイ様は結婚相手として非常に人気がありましたから……嫉妬のような感情もあるのでしょうね」
「ええっ?」
 思わず身を乗り出した。

 ヒューイが花嫁を探していたのはヘザーも知っている。
 ただ、彼は理想が高かった。
 ヒューイの理想とする女性は、バークレイ家よりも地位が高かったり金持ちだったり、強みのある家柄の男性に持って行かれてしまうのだ。
 彼はどこかで妥協しなくてはならず、だがなかなか決断ができずにいるうちに……ヘザーと出会った。
 そういう話ばかり聞いていたから、ヒューイの方が夫として望まれている、その可能性に注意を払ったことがなかったのだ。

「社交界は貴族や富豪だけではありませんから」
 そう。バークレイ家のように由緒正しい家柄ではあるが、貴族でない者もたくさんいる。
 それに加えて、なんと、普通の町人の娘が社交パーティーに参加することもあるらしい。
 これにはヘザーも驚いた。
 ウィルクス夫人は説明を加える。
「娘の結婚にすべてを賭ける親もいるのですよ」
 町人の娘でも、容姿に恵まれていると親は期待する。この娘が貴族や金持ちの目に留まったりしないだろうかと。
 そこで、全財産をかけてドレスや靴、装飾品の準備をし、娘を社交の場に送り出すのだ。
 大抵は父親よりも年上の老人に泣く泣く嫁ぐことになったり、嫁ぐ相手も見つからずに社交シーズンが終わってしまうことも多いようだった。

 つまり、バークレイ家よりも地位の低い家の娘や、一世一代の勝負に出た町人の娘からしたら、ヒューイは恰好の的だったのである。
 ヒューイの方はそういった娘たちを歯牙にもかけなかったようだが……だが、結局ヒューイは、トウが立っている上に条件の悪すぎる女と婚約した。
 ヒューイの目に留まることができず、どこかで妥協して他の家へ嫁いだ娘たちにしてみれば、ヘザーは嫉妬の対象であるようだ。

「妥協して嫁いだのであっても……今が幸せな方は、そういった醜い感情に囚われることもないのでしょうけれどね」
 だから攻撃的な言動をとられても、彼女らと同じレベルで争う必要はないのだとウィルクス夫人は言った。
 もともとヘザーは自分と他人とを比べてどうこう思う性質ではなかったが、幸せで満たされまくっている今は、ますます他が気にならない。イチャイチャしている恋人たちを羨ましいなあと思うことは多いけれど、他人に対して嫉妬や羨望、マイナスの感情があまり生まれないのだ。
「そこです。満たされていたら満たされていたで、無神経にもなりがちです。淑女は内面も磨くものですよ。充分にお気を付けなさい」
「は、はい!」

 夫人との話が終わって一人になると、ヘザーはクッションを抱きしめて考えた。
「内面も磨く、かあ……」
 この前、ベネディクトに言われたことをも思い出す。
 内側から湧き出る何かによって、自分は綺麗に見えたらしい。
 ヘザーが幸せなのも、綺麗に見えたというのも、全部、ぜーんぶヒューイのおかげだ。
 でも、自分はヒューイの役に立っているのだろうか。
 彼の部下だったころは微力ながら働いて尽くすこともできた。これからは彼の妻として、ヒューイを支えられるように頑張っているわけだが……だが何というか、こう……目に見える分かりやすい指標がない。

「何か……できたらいいんだけどな」
 ヒューイのために。ヒューイだけのために。


*


 とある夫妻が開催した昼食会に、ヒューイはヘザーと参加していた。
 夫の方が美術品の蒐集をしており、屋敷の中にはところどころに変わった壷や異国の甲冑が置いてある。

 ヒューイは廊下に飾られていた大きな絵画の前で足を止めた。
 隣にいたヘザーも、じっくりと絵を眺める。
「わあ、大きな絵。これ『創世神話』の絵でしょう」
「ああ。これほど大きなものは初めて見た」

 昔々、神話の時代の話だ。
 暗黒地下に住む魔物が地上を襲った。地上を掌握し、天上界に住む神々に戦を仕掛けるためだ。
 神々も、そうはさせまいと地上に降りて戦った。
 激しい戦いの末、魔物を追い返した神々は天上界へと帰っていく。
 しかし戦場となったこの地上は荒れ果ててしまった。地上に住む人間たちは嘆いた。
 これを哀れに思ったのが、神々の一人である勇者セイクリッドである。
 セイクリッドは愛剣フェルビアを大地に突き立てた。
 すると、そこから泉が湧き草木がよみがえり、大地を潤していった。
 人々はこの地を「フェルビア」と名付け、セイクリッドを建国の神として崇めるようになった。

 ……というのがフェルビア創世神話である。
 この神話は画家の好む題材で、あらゆる場面を様々な画家が描き表している。
 この屋敷に飾られているものは、勇者セイクリッドが地面に剣を突き立てた瞬間を描いたものだった。かなりの大作である。
 誰が描いたものか確かめようと、ヒューイはサインを探した。

「これは、リットン卿の絵ですね。百五十年程前に描かれたものです」

 振り返ると、見覚えのある金髪の男がいた。
 その隣には、似たような金の髪をした小柄な女性が。
「オリヴィエ殿! シンシア様も!」
 ヘザーが笑顔になる。

 ヘザーから彼らについての話は聞いていた。
 以前の夜会ではヒューイが大人げない振る舞いをしたせいで、挨拶する暇もなかったが、ようやく自己紹介し合う機会が訪れたのだった。

 オリヴィエ・グラックは異国ティエタの侯爵家五男。
 母親がヘザーと同郷らしい。要するに半分はフェルビア人。
 だから異国風の顔立ちにしては、流暢なフェルビア語を喋るのだ。
 他の兄たちのように剣で身を立てることはできないと悟り、母の故郷で美術品を取り扱う仕事に就いた。

 彼の婚約者、シンシア・マードックは父親が農場主で、母親は伯爵家の末娘。
 シンシアの父親は、貴族とはいえ異国出身の青年に娘を嫁がせることを渋ったようだ。
 オリヴィエが店を構えたことで態度が軟化し、ようやく婚約にこぎつけた……という話である。

「こんな大きな絵、描くのにどれくらいかかったのかしら」
「リットン卿の場合は……十年かけたらしいですよ」
「十年!」
 ヘザーの問いにオリヴィエはすらすらと答える。美術商なのだから当たり前と言えば当たり前かもしれないが。
 ヒューイはオリヴィエ、そしてシンシアを観察した。

「オリヴィエ様。私、リットン卿の絵は初めて見ました。十年もかけたのでしたら、この絵画が代表作なのでしょう?」
「それがね、リットン卿の作品で一番有名なものは、木炭のスケッチなんだよ」
「木炭のスケッチですか……?」
「それも、数時間で描いたらしいラフスケッチ。不思議なものだね」

 静かで優しい雰囲気にあふれた、感じの良いカップルだ。
 これまでのヒューイであったら、この二人を値踏みしていたであろう。
 ティエタの侯爵家五男と交流するにあたって、どれほどのメリットがバークレイ家にあるのかと。
 フェルビアとティエタの関係は昔から良好だから、ティエタの貴族と知り合っておいて損はないだろう。
 シンシアも、父親が農場主……投資の対象になり得るうえ、母親が貴族の血筋である。こちらも仲良くなっておいて損はない。
 ……そんな風に、目の前の二人を値踏みしていた筈だ。

 しかし今は、彼らがヘザーの良き友人であってくれるかどうか。
 オリヴィエとシンシアが、優しく誠実であるかどうかを見極めようとしていた。
 これも値踏みには違いないのだが、自分のためのものではない。

「今度ルルザの画商から、リットン卿の初期作品を仕入れることになっているんだ。絵画が到着したら、シンシア、君に教えてあげる。お店に見においで」
「はい。楽しみにしております」

 顔を寄せ合って幸せそうに話しているところからして、仲睦まじい二人である。
 新しい知り合いができた場合の、ある種の懸念をヒューイは抱いていたが──夜会だけでなく、別荘地に夫婦単位で招かれることも多い。妻に対して不誠実な男には注意を払わなくてはいけない──オリヴィエとシンシアに関しては心配なさそうだと判断した。

「ヒューイ殿も興味がおありでしたら是非、お店にいらしてください。異国の美術品を多く取り扱っていますので」
「え? あ、ああ。店は南地区でしたね」
 美術品に特別熱を入れているわけではないが、異国の古いものは見るのが楽しい。バークレイ家の資産になり得る希少品であれば、一つ、二つ購入するのも悪くはないだろう。
 美術品について、ヒューイはそう考えている。

 またどこかの催しもので会おうと握手を交わし、この日は新しい友人に別れを告げたのだった。



 ある日のヒューイは南地区の警備隊の詰所にいた。
 以前送り出した、自分の研修生の様子を窺うためだ。
 国境沿いの砦や、地方駐留軍に入った者たちを訪問することは距離がありすぎてさすがに無理だが、王都内にいる元研修生に関しては、時折様子を見に行っている。

 南地区に限らず、城下警備隊の詰所は男騎士だらけだし、そこに迷子の子供が泣いていたり、酔っ払いがくだを巻いている時もあって騒々しいことこの上ない。
 しかしこの日は、詰所にいる騎士がいつもに比べて少ない気がした。
 ヒューイは空いた机のある一角を眺めながら、元研修生に訊ねる。

「……何かあったようだな」
 つまり南地区のどこかで何かが起こったから、出払っている騎士がいるのだ。
「そうなんですよ。商店街の方で、泥棒騒ぎがあったみたいで」
「泥棒?」
「はい。商店街の……画廊……だったかな? 店主が店に出てきたら、扉が壊されていて、中も荒らされていたそうです」
 すぐにオリヴィエ・グラックの顔が思い浮かんだ。
 彼は絵画だけでなく美術品全般を扱っている筈だったが……。
「ひょっとして……グラック美術店か?」
「ああ、そんな名前でしたね。バークレイ教官の知ってるお店なんですか?」

 店にはまだ行ったことがないが、店主を知っている。
 ヒューイは詰所を出ると、オリヴィエの店に向かった。

 現場を調査していた騎士たちとちょうど入れ違いになったようで、ヒューイが店を訪ねた時はオリヴィエが一人で立ち尽くしていた。
「災難でしたね」
「あ、これは……ヒューイ殿」
 オリヴィエは力なく微笑んでみせた。その姿は痛々しい。
 こんなことが起きては元気が出ないのは当たり前だ。ヒューイは店を見回す。
 扉は取っ手の部分が壊されていて、壁に掛けられていたであろう絵画は額縁ごとひっぺがされて床に落ちている。分厚いガラスのショーケースは割られており、棚や机の引き出しもすべて開けられ、ひっくり返されていた。

「これは大変だ……」
 惨状に改めて顔をしかめる。
「でも、見た目ほどの被害はないんですよ。盗られたものはありませんから」
「盗られたものが、ない?」

 オリヴィエが言うには、被害は壊れた扉とショーケース、後は荒らされた際に少し傷ついた品がいくつかあるだけで、店から無くなっている美術品は何一つないらしい。
 ヒューイは泥棒の話を聞いたとき、よくあるタイプの犯罪だと思っていた。
 つまり、金に困っている人間が高価な美術品を盗んで売ろうとしたのだと。
 ただ、盗品を売り捌ける、いわゆる闇のルートを持っていない限りは、途中で捕まることが多い。だから犯人はある程度美術品に通じている人物だろうと、ヒューイはあたりをつけていた。
 しかし荒らすだけ荒らして盗んだものがない……とすると、犯人は別の目的を持っていたことになる。
 決まったもの。オリヴィエの所持する何かを狙ったに違いない。

「オリヴィエ殿。そういったものに心当たりはないですか」
 現場検証に来た騎士たちにすべて話した後なのだろうが、ヒューイも聞いてみる。騎士としてではなく、友人として。

 オリヴィエは俯いて何かを考えていたが、ふと顔を上げた。
「先ほどの騎士の人たちにはお話ししていないんですが……もしかしたら、と思うものはあります」
「それは一体」
「いや、しかし……」
 自分の勘違い、或いは考えすぎかもしれないとオリヴィエは言いよどんでいる。
「私の勘違いであったら、まったく無実の人間が、犯人だと疑われてしまうかもしれなくて」
 彼は社交界に身を置きつつ商売をやっている人間だから、そういったことにも気を配らなくてはいけないようだ。
「騎士団は貴方の立場も考慮して調査するはずです。容疑者も身分ある人間であれば、特に注意するでしょう」

 そこでオリヴィエはようやく語りだした。
「実は以前……ある商品を買い取ったのですが、しばらくしてから売り主が『やっぱり売れない、返してほしい』と言ってきたことがありまして」
「なるほど」
 美術品、宝飾品を扱う店ではよく聞くトラブルだ。
「買い取って時間が経っていましたから、私の手元にはすでにその商品はありませんでした」
 それに、売り主は「どうしても買い戻したい、金は返す」と言ったが、持ってきた金は全く足りていなかったらしい。
「買い取った金額そのままでしたら考えたかもしれませんが……五分の一以下の金額では、とても。こちらも、商売ですからね」
 オリヴィエは交渉の余地はないとやんわり告げて、売り主を追い返した。
「ですが、こんな風に店を荒らされるとは……あ、いえ。その青年がやったと決まったわけではないのですが」

「ふむ……売り主は青年、ですか」
「あっ……」
 彼は心当たりのある人物をなるべく濁して伝えたいようだったが、最後に口を滑らせた。そこで観念したように肩を落とす。
「は、はい。年若い……青年でした。二十歳になるかならないかの」
 なるほど。学生かもしれない。未来ある──かもしれない──若者だから、オリヴィエは大事にしたくないのだろう。心優しい男だ。が、犯罪は犯罪である。
 オリヴィエの話を聞きながら、ヒューイも考えをまとめる。

 犯人は、その青年の可能性が高い。
 二十歳そこそこだとしたら、親の所持品を売りに来たのではないか? そしてばれそうになって、慌てて買い戻しに来たと。しかも五分の一以下の金額で。
 おそらくは遊びで使ってしまった後……或いは親に内緒で作った借金返済に充てたのだろう。どちらにしても世の中をなめた話である。
 だがすでに品物はオリヴィエの手を離れていた。
 青年は金額が少ないことでオリヴィエが渋ったのだと考え、店の中を漁ろうと、泥棒に入った。
 つまり青年は「自分が売った品」そのものを取り戻さなくてはならなかった。
 金欲しさに親の所持品を持ち出して売ったは良いが、後になって特別な価値や思い出のあるもの、家宝に匹敵するものだと知った……そういうことではないか。

「オリヴィエ殿。青年が売りに来たのは、どういった品物なんですか」
「あ、はい。実は……」
 彼の言葉に耳を傾けようとしたその時、

「騎士たちが帰ったみたいぜ、今のうちだ!」
「けどさ、あれだけ探しても見つからなかったんだぜ。もうこの店にはないんじゃねえの」
「だったら店主をとっつかまえて……あっ」

 青年が二人、店の中に入ってきたのである。
 彼らは騎士服姿のヒューイを目に入れると、慌てて首元のスカーフを持ち上げ、顔の下半分を覆った。
 だがもう遅い。ヒューイは彼らの顔を見てしまった。
 どちらも二十歳くらいの青年である。
 調査に入っていた騎士たちがいなくなったのを見計らい、店に戻ってきたのだろう。
 もう一度探すため、或いはオリヴィエを脅して品物の在処を吐かせるために。

「やばい、まだ騎士がいた!」
「でも、一人だぜ」
 青年たちはひそひそ話をしている。
 相手が騎士とはいえ、一人だけならばなんとかできると考えているのだろうか。甘く見られたものだ。
 青年たちは腰に下げていたナイフに手を伸ばす。
 ヒューイは一歩前に出た。

「フェルビア王国の騎士に武器を向けるか。相応の覚悟があってのことだろうな」
 剣の柄に手をかけ、凄みながらもう一歩前に出る。
 青年たちの背後には取っ手の壊れた扉があるが、二人いっぺんに外へ飛び出すにはやや狭い。どちらか一人ならば捕まえられるだろう。
 それに、二人の雰囲気といい着ているものといい、金持ちのドラ息子といった風だ。こちらは剣を抜くまでもない。鞘で打ち付けて……と、彼らを捕まえるイメージを作るヒューイだったが、後ろから、

「動くな!」

 そう叫ばれて振り返ってみれば、悪ガキがもう一人いるではないか。
 三人目の悪ガキは裏口から忍び込んだようだ。オリヴィエを捕まえ、彼にナイフを当てている。
「そうだ、動くな!」
「油断したんだろ、ばーか!」
 扉の所にいる二人の青年も、俄然息を吹き返したように囃し立てる。
 オリヴィエは申し訳なさそうに呟いた。
「も、申し訳ありません……」
 戦力として彼に期待していたわけではまったくない。ないが、後ろにも気を配るべきだった。
 人質を取られたヒューイは、剣を捨てるしかなかった。


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