愚者のオラトリオ

Canaan

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番外編

毎日あんたで抜いてやる 1

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※※※
結婚の約束をしたあと、おあずけをくらったベネディクトの話。
3章9話の後日談。
※※※




 ステラとの熱い夜を過ごした翌朝、ベネディクトはたいへんご機嫌な状態で職場の机についた。
 寝不足気味ではあるが、まったくつらくはない。
 口笛を吹きながら今日の予定表を眺め、授業で使う資料の整理をする。
 昨夜は、ほんとうに、素晴らしい夜であった。


*


『ベネディクト。貴様は私と結婚したいと言ったが』
『うん、うん。言った。たしかに言った!』
 したい。ステラと、すごく結婚したい。月に数日しか会えなくても、自分は「ステラの帰る場所」でありたい。
 危険で殺伐としたステラ・ハサウェイを自分だけのものにしたい。
 ベネディクトはステラの肩を抱き寄せ、彼女の目元のほくろに口づける。
『あんたと結婚したい』
 ベネディクトはうっとりとしていて夢心地だったが、ステラの口調はそうではなかった。まるで、仕事の予定を尋ねるようなものだった。
『……いつ、結婚するんだ?』
『え? ええと……』
 そこでベネディクトも考える。正直な気持ちとしては「今すぐ!」と言いたいところだが、そういうわけにもいかない。
 まず、彼女は自分の期間限定の上官である。周囲の目や印象も考えると、婚約発表は、この期間を終えてからのほうが適切であるだろう。
 これに関しては残り数週間といったところだが、互いの家族に結婚のことを話し、挨拶に行き、承諾してもらわねばならない。二人とも家を継ぐ立場ではないが、ステラは、いわゆる醜聞持ちである。反対された場合は、ベネディクトの親や兄を説き伏せなくてはならない。
 ステラの家から反対されるとしたら、醜聞持ちであることの気後れか、逆に、自分が伯爵家の三男で、一介の騎士でしかないことだろうか。
 そして両家が納得したとしても、できればきちんとした式を挙げたい。ステラの醜聞を打ち消してしまうくらいの、とても幸せな、周囲から祝福されるようなものを。
 つまり、婚約を発表したあと、ベネディクトとステラは出来るだけ多くの社交行事に参加し、「婚約した二人は熱愛関係にある」「望み、望まれた結婚なのだ」と認識してもらう必要もある。ステラの少ない休日が社交界の行事でほとんど潰れてしまうことになると思うと心苦しいが、精一杯サポートはするつもりだ。

 少し考えてからベネディクトは答えた。
『そうだなあ……一年あれば準備できるか?』
 すると彼女は、上質なウイスキーみたいな色の瞳を見開いた。そして少しだけ間を置いてから頷いた。
『……本格的に動くのは、叔父が復帰してからでいいか?』
『ああ、そりゃもちろん』
『では、それまでは私たちは上官と部下だ』
『わかった』


*


 あのステラ・ハサウェイが自分との結婚を承諾してくれた……今でも夢みたいに思えるのだが、でも、これは現実である。
 ベネディクトが資料を揃えて机にトントンとしていると、ヒューイが出勤してきた。その日起きた時間によって──もちろん就業前を心がけてはいる──出勤時間がまばらなベネディクトに対して、ヒューイはきっかり十五分前にやってくる。彼は翌日の準備をしてからすみやかに退勤し、そして少しの余裕をもって出勤してくるのだ。
 ヒューイと目が合うと、ベネディクトは親指を立ててみせた。おまけに、ウインクもしてやった。
 ステラと上手くいったことはヒューイにも伝わったのだろう、彼はちょっと引き気味な表情をして小さく頷くと、自分の机についたのだった。

 そのすぐ後で、ステラもやって来た。勲章をいくつもつけた海軍の制服に身を包み、きっちりと髪を結いあげている。いかにも厳しい女軍人といった見た目だし、実際に彼女はそのとおりだった。
 でも、昨夜の彼女は自分の腕の中にいたのだ。ベネディクトに身を任せ──ベネディクトが彼女に好き勝手にされたりもしたが──そしてふたりで結婚の話をした……。
 幸せな溜息が出そうだった。今すぐステラを抱きしめて口づけたい衝動にも駆られたが、この場でそんなことをしたら、自分はたぶん殺される。
 それがわかっていたので、ステラがこちらを見たとき、ウインクするに留めておいた。ほんとうは投げキッスもしてやりたいところだったが、それは我慢した。ベネディクトなりに我慢したつもりだったのだ。
 そしてステラは、ベネディクトを無視した。
 もちろん、彼女がウインクを返すなんて思っちゃいなかった。ベネディクトは、しかめっ面をされておしまいだと踏んでいたのだ。でも、ひょっとしたらきまり悪そうだったり照れくさそうだったりの、レアな表情が引き出せるかもしれないと期待してもいた。
 しかし、ステラからはなんの反応も窺えなかったのである。
 あれ、おかしいな……と思いはしたものの、いまの二人は上官と部下の関係である。教官長が戻ってくるまでは、恋愛関係に陥っていることは──ヒューイ以外には──悟られてはいけない。
 これまで同じ騎士団内で結婚した男女がいるという話を、何度か耳にしたことがあるが、その度にベネディクトは思ったものだ。周りの奴らは気づいていたのだろうか、と。
 規模の小さな騎士団や騎士隊だったりすると、四六時中同じメンバーと顔を合わせていなくてはならず、家族みたいに慣れ合ったりしているところもあるらしい。
 そんな状況で隠すのは大変そうだし、かといってオープンにしたりすると周囲が気を遣う。
 職場内での恋愛って、なんだか面倒くさそうだなあ、というのがこれまでのベネディクトの感想であったが、まさか自分がそれをするとは思ってもみなかった。

 ふたりの関係を周囲に悟られてはいけない。いけないが……教官長が戻ってくるまでに、あとひと月もないだろう。どうせ期間限定なのだから、ちょっとだけこの状況を楽しみたかった。
 たとえば、ふいに視線が絡んだ時に二人だけの合図をするとか、書類と一緒にメモを渡してみるとか……そういうことが、してみたかったのである。



「ハサウェイ代理。これ、俺のクラスの、来週の予定表なんっすけど」
 ベネディクトは来月の予定表をステラに提出しに行った。
 教官長は中身を見もしないでサインだけくれてよこしたが、ステラはそうはいかなかった。少しでも疑問があると「これはどういった内容の授業なんだ?」「この人数を一人で担当できるのか?」「安全確認はどうなっている?」と、それはそれは細かく突っ込んでくるのだった。
 はじめはげんなりしていたベネディクトだが、彼女が細かくチェックすることを逆手にとった。
 ”今日の夜、部屋行っていい?”
 そう書いたメモを予定表と一緒に提出したのである。
 ベネディクトはちょっとワクワクしながらステラの表情を見守った。
 だが、彼女の眉はぴくりとも動かなかった。
「余計なものをつけてよこすな」
 それどころかベネディクトのメモだけをつき返した。
「え? いや、だってこれは……」
 ラブラブな恋人同士の秘密のメモじゃないっすか。読んでくださいよ。
 そう言いたいのをぐっとこらえて、彼女の手元にある予定表にもう一度メモを乗せようとする。
「ゴミをよこすなと言っている!」
「え」

 ゴミ。
 ……ゴミ?

 ベネディクトは手書きのメモに視線を落とした。
「ああ」
 わかった。宛名も差出人もないから、彼女はベネディクトが拾い物を渡してきたと勘違いしてしまったのかもしれない。
「ちょっとペン借りますよ」
「おい、何を勝手に……」
「すぐ返しますんで」
 ベネディクトは身を乗り出してステラの席にあった筆記具を手に取ると、メモに書き足した。
 ”代理へ 今日の夜、部屋行っていい? B”
「はい」
 念のため個人の名は出さずに、だがなるべくわかるように書いたつもりだった。
 書き足したものを改めて渡す。すると、ステラの表情がやっと変わった。
 こめかみをぴくぴくさせたのである。そして怒鳴った。
「貴様! ゴミをよこすなと言っただろうが!」
 彼女はベネディクトの愛のメモをびりびりに破いてしまった。
「えっ? ちょっと……」
「ふざけるな、ラスキン! 貴様、何をしにここへ来ている!」
「あっ、ハイ……すいません……」

 ステラは、職場での秘密のコミュニケーションはお好みでなかったようだ。
 けれども今のは、ちょっと冷たすぎやしないだろうか。しかも秘密のコミュニケーションのはずが、彼女が怒鳴るものだから周囲の注目を集めてしまっている。
「見ろよ。ラスキンのやつ、また説教くらってるぜ」
「あいつも懲りないよなあ~」
 幸いにもこれまでの関係が悪すぎたので、自分は「何かやらかして怒られているだけの人」だと思われているようだが。
 ステラが予定表のチェックをする様子をベネディクトは黙って見守る。最後に彼女がサインを入れたとき、小声で伝えようとした。
「あの、今日の夜、」
「ラスキン! 私語は慎め!」
 ベネディクトが全てを言い終える前に、ステラはそう怒鳴ってサイン済みの予定表をつき返してきた。
「え、いや、しかし……」
「私語は慎めと言っている! さっさと自分の席へ戻れ!」
「あっ、ハイ……すんません……」
 ベネディクトはとぼとぼと席へ戻る。
 たしかに私語なのかもしれないが、では、どうやってアポを取ればよいのだ。
 公私混同を避けたいにしても、ステラの場合は激しすぎではないだろうか。メモを渡すのもダメ、話しかけるのもダメときたら、逢瀬の約束を取り付ける隙が無いではないか……。



 そういうわけで、その日の夜ベネディクトはステラの居室を訪ねた。
 ノックをすると「誰だ」と問う声があったので、「俺だけど」と答える。すると、ぱっと扉が開いた。
 ステラは風呂を使ってきたばかりのようだった。ガウンを羽織り、いつもはきっちり結ってある髪の毛が、肩におろしてある。すごく無防備な姿に見えて、ベネディクトは息を飲んだ。
 しかしときめきに浸っている暇は無かった。
「貴様、何をしに来た!」
 彼女はドスのきいた声でそう怒鳴ったのである。
「ここには来るな、帰れ!」
 さらにそう続けると、ベネディクトの胸をどんと押して扉を閉めてしまう。
 とっくに業務を終えた時間だというのに、この対応は予想外だった。
「えっ、ちょっ……ちょっと待ってくれよ!」
「他人に見られたらどうする、帰れと言っている!」
「じゃあ、俺ら、いつ会うんだよ?」
「……私が代理の役目を終えたら」
「えっ……」
 ベネディクトは絶句した。
 堂々と交際宣言できないのはもどかしいが、教官長が戻ってくるまでにあとひと月もないはずだ……だったら、期間限定の秘密の恋を楽しもうではないか。そんな風に考えていた。
 しかし、ステラのほうはそうではないらしい。交際を隠すどころではなく、交際をスタートさせるのを「上官と部下ではなくなってから」ということにしたいのだろうか。
 あとひと月足らずとはいえ、彼女に話しかけるたびにこんな塩対応──と表現するのさえ甘ったるい──を受けるのかと思うと、絶望しそうになった。
 だったら、もう少し話し合うべきだろう。どこまでがOKで、どこからがNGなのかを。
「ちょっと、話してえんだけど」
「私は話すことなどない。帰れ」
 すげなく言われ、さすがにカチンときた。
「話するまで帰らねえぞ。扉を開けなきゃ大声だすからな」
 締め出された側の、しかも男が言うセリフではないはずだが、顔を見て話し合うにはこう言うしかないだろう。案の定、扉は開いたが彼女はしかめっ面だった。
「五分だけだ」
「……わかった」
 五分じゃイチャイチャする暇もない……!
 そう思ったが、今の雰囲気はイチャイチャどころではない。ほんとうに結婚の約束をしたのかすら怪しい勢いである。

 部屋に入ったベネディクトが扉を閉めるのを確認したあとで、ステラはこちらを見もせずに言った。
「何の用だ。またゴミでも持ってきたのではないだろうな」
「いや、だからさ……メモのことは悪かったよ。あんたがそういう接触を望んでないのもわかった。けど、ちょっと冷たすぎねえ?」
「……貴様は馴れ馴れしすぎではないか?」
「うっ……」
 まあ、浮かれていたことは否めない。
 でもベネディクトは特定の誰かにここまで夢中になったことがなかった。外見が好みとか、一緒にいて楽しいからという理由ではなく、異性の資質や魂に夢中になったことは、はじめてだったのだ。その女性が自分と結婚してくれると言う──今となっては自信が持てなくなってきたが……たしかに言ったよな?──ちょっとくらい、浮かれたっていいではないか。
 彼女に自分と同じような状態になってほしいわけではないし、そもそも恋に浮かれたステラ・ハサウェイというものは想像するのが難しい。
 しかし相思相愛──……たぶん。ほんとうに自信が持てなくなってきた──なのだから、もうちょっと、やりようがあるのではないだろうか。
 ベネディクトは、そのことを話し合いたかったのである。
「俺、いつまでこんなにつれなくされなきゃいけねえの?」
「だから、叔父が戻ってくるまでは馴れ馴れしくするな。誰かに悟られたらどうするんだ?」
「けど……教官長が戻ってくるのって……」
「先日、見舞いに行った。屋敷の中で、杖をついて歩く練習を始めているらしい。もう二、三週間だろうな」
「二週間か三週間も、あんたと個人的に会えないのか?」
「どちらにしろ、私の長期休暇も終わる。その頃には、私は黒鴎騎士団へ戻らねばならない」
「ぇええ……」
 彼女が本格的に騎士団長に戻ってしまったら、自分たちはほとんど会えなくなる。それは覚悟していた。だからこそ、ベネディクトは今のうちにたくさん顔を合わせておきたいのだ。
 結婚の約束をしたということはただでさえ現実味がないのに、ステラの休暇が明けたら、ますます信じられなくなりそうだから。
「前は一緒にメシ食いに行ったり、部屋の行き来してたと思うんだけど」
「だめだ。あの時と今では状況が違う」
 ステラは時計を確かめ、ベネディクトを振り返った。
「もう三分経つ。話は、以上でいいか?」
「いや、全然よくねえよ! こんなんで、俺らどうやって結婚の準備できるわけ?」
「だから、それは叔父が……」
「そしたらあんたは船に乗るんだろ。せめて……休みの前の日くらい、ゆっくり会えないのか?」
「……こちらが休みの日は、私は海軍の施設に戻る」
「じゃ、俺がそっち行くからさ」
 ベネディクトは海軍施設の部屋を借りたことがある。人質騒ぎがあったからなのだが、ステラと同意のうえで関係したのも、その場所であった。
 しかしステラはますます顔を険しくした。
「正式に発表するまでは、だめだ」
「こっそり行くからさあ、」
「だめだと言ったら、だめだ! 四分経った。そろそろ戻る準備をしろ」
「……。」
 取り付く島もないとは、こういうことなのだろうか。
 こちらは精一杯譲歩しているつもりなのに、ステラはベネディクトの気持ちをまったく汲んでくれない。そのことに腹が立ってきた。
 どう訴えようかと考えていると、
「もう五分経つ。出ていけ」
 ステラが扉を指さした。

 あんまりな対応に、ベネディクトはついつい、まるでステラが新人教育課にやってきた当初のように、声を荒げてしまった。
「ああ、ああ。ああ。わかった、わかった、わかりましたよ!!」
 ベネディクトの語調の強さに、ステラがハッと目を見開いたのがわかった。でも、止まらなかった。
「俺は、俺なりにあんたとうまくやっていこうと考えてたのによ……。あんたがそんな風なら、こっちだって考えがあるね!」
「ベネディクト……」
 そこで、ベネディクトはステラに向かって人差し指を突きつけた。
「これから、毎日あんたで抜いてやるからな! 覚えとけよ!!」
「な、なんだと……!?」
「あんたをオカズに、毎日抜いてやるって言ってんだよ! 気まずい思いをしやがれってんだ!」
 ステラに向かってそう叫び、ベネディクトは彼女の部屋をあとにしたのだった。


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