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「なぁ、魔王よ‥‥‥俺と旅をしてみないか‥‥?」第9話
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魔王「はい、ここがデッドブレッドの森です。」
ホルディスが見たものは森ではない。とてつもない巨大な頭蓋骨だった。巨大な頭蓋骨の頭の方は雲に隠れて見えないほどだった。
そして、どうやらその巨大な頭蓋骨の口が入り口らしい。入り口には根は太く先は鋭い歯が何本もあった。
その中には森というだけあって木があるが木の色は赤黒く、木々には血管の脈らしきものがちらちら見え、よく見ると何か流れているみたいに微妙に動いている。
ホルディス「ここに入るんだよな…薄気味悪いな…。」
魔王「はい、この先にいます。この森に入った人はよく迷う人が多くこの森の中にいる吸血鬼に血を吸われて死んでしまうので、森の案内人グレドを呼びますね。」
魔王は服に入っている古そうな巻物を出し地面に置くと、魔王は指をから一滴の血を出し巻物に付けた。すると紅く光る魔法陣が現れその中心部分から、刀を二本差しをしており、片眼鏡を着用している銀髪の執事の服装をした吸血鬼が現れた。
グレド「お久しぶりでございます。お嬢様。見ない間にご立派になられましたね。とてもお美しゅうございます。」
グレドは魔王の傍に近寄ると、しゃがみ込み、肩に手を回した。
グイド「私、グレド ・アルフレッドは偉大なるお方への絶対的な忠誠と我が身を捧げる事をここに誓います。」
魔王「グレド ・アルフレッドよ、その忠誠心、とても素晴らしいわ。流石である。」
グレド「とんでもございません!お嬢様!私には勿体無いお言葉でございます!必ずしも、お嬢様のご期待に添える様行動させていただきます。………ところでお嬢様、お嬢様の横にいらっしゃる方は誰でございましょうか。」
魔王「この方はホルディス様と言い、私と共にアバトロムを倒す為に一緒に旅をしてくださってる大切なお方です。」
グレド「まぁ!そうだったのでございますか!では、ホルディス様これからよろしくお願いします。」
グレドはホルディスに手を出した。ホルディスはその手を握り握手を交わした。
魔王「さっそくだけどグレド、デッドブレッド
の森を案内してほしいのだけど良いかしら?」
グレド「かしこましました。」
グレドは魔王の方を向き一礼した。
三人はデッドブレッドの森に入っていった。
『デッドブレッドの森の中』
入る前からホルディスは色々な疑問があった。何故巨大な骸骨の中に森があるのか、何故木は真っ赤で脈を帯びているのか、そんな疑問が頭の中で駆け巡っていた。そんな事は人間ならすぐに疑問になってしまう。そういう性質なのである。ホルディスはまさに目を開けたら知らない土地に一人でいる子供の様な気分だった。
ホルディス「なぁ魔王、なんでこんな森なんだ?」
魔王「この森はグレドの故郷でもあり、祖先の体の一部でもあるの。グレドの方がこの森については詳しいわ。グレド、説明よろしく頼みますね。」
グレド「かしこましました。では、説明させていただきます。デッドブレッドの森は、別名吸血鬼の森。お嬢様がおっしゃった様に、私の故郷であり、私の御先祖様の体の一部です。この頭蓋骨は私の御先祖様である初代吸血鬼王ダダン様の頭蓋骨でございます。ダダン様は、珍しい吸血鬼の希少種でした。一般の吸血鬼は、大人になれば私ぐらいの身長になりますが、ダダン様は希少種故巨大になり、圧倒的力とその様な力を持っているとは思えない様な優しさをお持ちになっておられました。そして当時、ダダン様の居られる国では吸血鬼達の仲間割れが起きておりました。そこでダダン様はその争いを止め平和を齎して下さいました。当時、吸血鬼国は王がおらず皆はダダン様にこの国を統括してほしいお願いをして、ダダン様は初代吸血鬼王となったのです。ダダン様の率いる吸血鬼族は、ライバル的存在のウルフ帝国との食料と領土問題で激しく対立し合い、この地でダダン様とバカルディは争っていたのですが、ウルフ帝国の皇帝バカルディは恐ろしく強い相手でダダン様と互角に渡り合っていました。その時、急に空が光り出し、お嬢様が舞い降りてきたのです。私はその時に神が舞い降りたと確信しました。このお方なら、この戦争を終わらしてくれると。お嬢様は絶望のオーラと圧倒的な力の差で、吸血鬼国とウルフ帝国をねじ伏せ、お嬢様の基で絶対的平和条約を結びました。しかし事件は起きました。ウルフ帝国の暗部がダダン様を暗殺し、ウルフ帝国は逃げ姿形を暗ましたのです……ウルフ帝国が憎い……。」
グレドは拳を強く握りしめた。グレドの握りしめた拳からは、血が垂れていく事にホルディスは気づき、グレドの肩に手を当て、ホルディスは何も言わずただ頷いた。ホルディスもその様な行為が自分の国でもあれば、グレドと全く同じ事を思うだろうと思ったからだ。魔王はダダンが暗殺をされた事を聞き目の色を変えた。
魔王「グレド、あなたの王を暗殺したウルフ帝国が憎いのは十分に理解できるわ。しかし、私が条約を結ばせたのは、絶対的平和条約よ。それを理解しているのかしら?」
グレド「ですから!私は、お嬢様の絶対的平和条約を反さない様にこれまでずっとウルフへの攻撃はせず、心の中で憎み我慢してきたのです!」
魔王「あなたは私の絶対的平和条約の条約書誌 第二十一条を見たのかしら?」
グレド「私が見たときには、第二十条までしか書かれておられませんでした。第二十一条があるなんて…初耳です…」
魔王はその言葉を聞き確信した。
魔王「これで私の中で引っかかっていた疑問が解決したわ。私が書いた第二十一条は『もし絶対的な平和の誓いを反せば、それと相当な罪を償わなければならない』と書いたのよ。でも、バカルディが私の知らない合間に仲間に、第二十条までの書誌を書かせ、それをダダンの持っている本物の書誌とすり替えたんだわ。きっとバカルディが二枚本物の書誌を持ってるはずよ。そして、私の部下にはバカルディの元部下の伝人がいるわ。その経路を利用し、私の所には初代吸血鬼王ダダンは暗殺ではなく、原因不明の病で亡くなったと報告が来たのね。それは暗殺した事を隠す為の報告だったと…。」
魔王の推察力は感心するほどの物だった。誰もがそこまでの事を推察する事など無に等しい。
その時、木々の間からウルフ達が現れ、ホルディス達を囲んだ。
ウルフ兵「なぜお前らがこんな所にいるのだ。ここは我がウルフ帝国 第三代目ジャメガ様の領地であるぞ!」
グレド「なぜ貴様らウルフ兵がここにいるのだ!ここは我が吸血鬼国ではないか!」
すると、ウルフ兵はニヤリと悪笑みをして、話しだした。
ウルフ兵「お前は知らねぇのか? いいだろう教えてやろう。お前ら吸血鬼の王は、我が王のジャメガ様が殺したぜ! お前の王は、吸血鬼の国民に知られず死んでいった!無様な姿でなぁ!ハッハッハッ!」
グレドはウルフ兵が放った言葉を聞いた瞬間、ジャメガへの怒り、そしてこれまで我慢して耐えてきたウルフ帝国への怒りが最高潮まで達した。
グレド「貴様らぁぁあああ!!!一度では足りず二度までもぉぉおお!!!」
グレドからは今さっきまで感じなかった殺意のオーラが溢れ出していた。魔王はウルフ兵に指をさし、そしてグレドに命令した。
魔王「私がこれからのグレドの行為を許可する!武器を持ち闘うのです!初代吸血鬼王とジャメガに殺された王の仇を打つのです!!」
グレド「お嬢様、ありがとうございます!!ウルフ兵よ!!いくぞぉぉおおお!!」
グレドは二本差ししている刀の一本を抜き出し、ウルフ兵達の方へ走り出した。
To be continued……
ホルディスが見たものは森ではない。とてつもない巨大な頭蓋骨だった。巨大な頭蓋骨の頭の方は雲に隠れて見えないほどだった。
そして、どうやらその巨大な頭蓋骨の口が入り口らしい。入り口には根は太く先は鋭い歯が何本もあった。
その中には森というだけあって木があるが木の色は赤黒く、木々には血管の脈らしきものがちらちら見え、よく見ると何か流れているみたいに微妙に動いている。
ホルディス「ここに入るんだよな…薄気味悪いな…。」
魔王「はい、この先にいます。この森に入った人はよく迷う人が多くこの森の中にいる吸血鬼に血を吸われて死んでしまうので、森の案内人グレドを呼びますね。」
魔王は服に入っている古そうな巻物を出し地面に置くと、魔王は指をから一滴の血を出し巻物に付けた。すると紅く光る魔法陣が現れその中心部分から、刀を二本差しをしており、片眼鏡を着用している銀髪の執事の服装をした吸血鬼が現れた。
グレド「お久しぶりでございます。お嬢様。見ない間にご立派になられましたね。とてもお美しゅうございます。」
グレドは魔王の傍に近寄ると、しゃがみ込み、肩に手を回した。
グイド「私、グレド ・アルフレッドは偉大なるお方への絶対的な忠誠と我が身を捧げる事をここに誓います。」
魔王「グレド ・アルフレッドよ、その忠誠心、とても素晴らしいわ。流石である。」
グレド「とんでもございません!お嬢様!私には勿体無いお言葉でございます!必ずしも、お嬢様のご期待に添える様行動させていただきます。………ところでお嬢様、お嬢様の横にいらっしゃる方は誰でございましょうか。」
魔王「この方はホルディス様と言い、私と共にアバトロムを倒す為に一緒に旅をしてくださってる大切なお方です。」
グレド「まぁ!そうだったのでございますか!では、ホルディス様これからよろしくお願いします。」
グレドはホルディスに手を出した。ホルディスはその手を握り握手を交わした。
魔王「さっそくだけどグレド、デッドブレッド
の森を案内してほしいのだけど良いかしら?」
グレド「かしこましました。」
グレドは魔王の方を向き一礼した。
三人はデッドブレッドの森に入っていった。
『デッドブレッドの森の中』
入る前からホルディスは色々な疑問があった。何故巨大な骸骨の中に森があるのか、何故木は真っ赤で脈を帯びているのか、そんな疑問が頭の中で駆け巡っていた。そんな事は人間ならすぐに疑問になってしまう。そういう性質なのである。ホルディスはまさに目を開けたら知らない土地に一人でいる子供の様な気分だった。
ホルディス「なぁ魔王、なんでこんな森なんだ?」
魔王「この森はグレドの故郷でもあり、祖先の体の一部でもあるの。グレドの方がこの森については詳しいわ。グレド、説明よろしく頼みますね。」
グレド「かしこましました。では、説明させていただきます。デッドブレッドの森は、別名吸血鬼の森。お嬢様がおっしゃった様に、私の故郷であり、私の御先祖様の体の一部です。この頭蓋骨は私の御先祖様である初代吸血鬼王ダダン様の頭蓋骨でございます。ダダン様は、珍しい吸血鬼の希少種でした。一般の吸血鬼は、大人になれば私ぐらいの身長になりますが、ダダン様は希少種故巨大になり、圧倒的力とその様な力を持っているとは思えない様な優しさをお持ちになっておられました。そして当時、ダダン様の居られる国では吸血鬼達の仲間割れが起きておりました。そこでダダン様はその争いを止め平和を齎して下さいました。当時、吸血鬼国は王がおらず皆はダダン様にこの国を統括してほしいお願いをして、ダダン様は初代吸血鬼王となったのです。ダダン様の率いる吸血鬼族は、ライバル的存在のウルフ帝国との食料と領土問題で激しく対立し合い、この地でダダン様とバカルディは争っていたのですが、ウルフ帝国の皇帝バカルディは恐ろしく強い相手でダダン様と互角に渡り合っていました。その時、急に空が光り出し、お嬢様が舞い降りてきたのです。私はその時に神が舞い降りたと確信しました。このお方なら、この戦争を終わらしてくれると。お嬢様は絶望のオーラと圧倒的な力の差で、吸血鬼国とウルフ帝国をねじ伏せ、お嬢様の基で絶対的平和条約を結びました。しかし事件は起きました。ウルフ帝国の暗部がダダン様を暗殺し、ウルフ帝国は逃げ姿形を暗ましたのです……ウルフ帝国が憎い……。」
グレドは拳を強く握りしめた。グレドの握りしめた拳からは、血が垂れていく事にホルディスは気づき、グレドの肩に手を当て、ホルディスは何も言わずただ頷いた。ホルディスもその様な行為が自分の国でもあれば、グレドと全く同じ事を思うだろうと思ったからだ。魔王はダダンが暗殺をされた事を聞き目の色を変えた。
魔王「グレド、あなたの王を暗殺したウルフ帝国が憎いのは十分に理解できるわ。しかし、私が条約を結ばせたのは、絶対的平和条約よ。それを理解しているのかしら?」
グレド「ですから!私は、お嬢様の絶対的平和条約を反さない様にこれまでずっとウルフへの攻撃はせず、心の中で憎み我慢してきたのです!」
魔王「あなたは私の絶対的平和条約の条約書誌 第二十一条を見たのかしら?」
グレド「私が見たときには、第二十条までしか書かれておられませんでした。第二十一条があるなんて…初耳です…」
魔王はその言葉を聞き確信した。
魔王「これで私の中で引っかかっていた疑問が解決したわ。私が書いた第二十一条は『もし絶対的な平和の誓いを反せば、それと相当な罪を償わなければならない』と書いたのよ。でも、バカルディが私の知らない合間に仲間に、第二十条までの書誌を書かせ、それをダダンの持っている本物の書誌とすり替えたんだわ。きっとバカルディが二枚本物の書誌を持ってるはずよ。そして、私の部下にはバカルディの元部下の伝人がいるわ。その経路を利用し、私の所には初代吸血鬼王ダダンは暗殺ではなく、原因不明の病で亡くなったと報告が来たのね。それは暗殺した事を隠す為の報告だったと…。」
魔王の推察力は感心するほどの物だった。誰もがそこまでの事を推察する事など無に等しい。
その時、木々の間からウルフ達が現れ、ホルディス達を囲んだ。
ウルフ兵「なぜお前らがこんな所にいるのだ。ここは我がウルフ帝国 第三代目ジャメガ様の領地であるぞ!」
グレド「なぜ貴様らウルフ兵がここにいるのだ!ここは我が吸血鬼国ではないか!」
すると、ウルフ兵はニヤリと悪笑みをして、話しだした。
ウルフ兵「お前は知らねぇのか? いいだろう教えてやろう。お前ら吸血鬼の王は、我が王のジャメガ様が殺したぜ! お前の王は、吸血鬼の国民に知られず死んでいった!無様な姿でなぁ!ハッハッハッ!」
グレドはウルフ兵が放った言葉を聞いた瞬間、ジャメガへの怒り、そしてこれまで我慢して耐えてきたウルフ帝国への怒りが最高潮まで達した。
グレド「貴様らぁぁあああ!!!一度では足りず二度までもぉぉおお!!!」
グレドからは今さっきまで感じなかった殺意のオーラが溢れ出していた。魔王はウルフ兵に指をさし、そしてグレドに命令した。
魔王「私がこれからのグレドの行為を許可する!武器を持ち闘うのです!初代吸血鬼王とジャメガに殺された王の仇を打つのです!!」
グレド「お嬢様、ありがとうございます!!ウルフ兵よ!!いくぞぉぉおおお!!」
グレドは二本差ししている刀の一本を抜き出し、ウルフ兵達の方へ走り出した。
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