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本編 東の妖精姫
再会2。
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用意された部屋は二部屋続きの大きな部屋で、リビングを中心に左右に別れていた。
左をノアお兄様、右側を私が使用することにし、寝室の方へと足を踏み入れれば侍女のアルマが荷ほど気を終えていた。
「お帰りなさいませ、メリッサ様。ご夕食まで少しお時間がございますが如何なさいますか?散策に行かれますか?それとも少し御休みなさいますか?」
「時間があるのであれば、図書館に行こうかしら。使用許可は頂いておりますし。」
「では、私もご一緒いたします。ノア殿下に一言お伝えして行きましょうか。」
「そうね。」
リビングに戻ってくると、お兄様はジャケットを脱ぎ、少しリラックスされて居るようだった。
「ノアお兄様、私アルマを連れて図書館の方へ行ってまいりますね。」
「道は大丈夫かい?」
「はい。先ほど王城の侍女の方に許可証と地図を頂きましたので。」
「アルマが一緒なら行っておいで。アルマ、メリーをよろしくね。」
「畏まりました。」
ノアお兄様に行き先を告げ、目指すは王族居住区との境にある図書館。
地図を頼りに進むと、大きな茶色い扉を見つけた。
扉をゆっくり開けると、中はシンと静まり返っていた。
「うわぁ。」
あまりの量に感嘆の声を上げると、左側から声をかけられた。
「許可証はお持ちですか?メリッサ王女殿下。」
カウンターに座っていたのは、深い緑の髪色とアメジストの瞳を持ちローブを羽織られている男性でした。
「は、はい!」
名前を呼ばれたことに驚きつつも、頂いた許可証を男性に渡すと許可証に右手で魔力を通していた。
フレイアス王国の人間の髪色は、魔力量に変わる事があると聞いたことがある。瞳も稀に変わるらしいが、めったに変わることは無いらしい。特に王族の瞳の色はどんなに魔力量が多くてもアメジスト。
つまりこの方は直系の王族の人間ということになる。
ノアお兄様より少し年上と思われる直径王族の王子は一人しか居ない。
「はい。有難うございます。こちらはお返し致しますね。メリッサ王女殿下が閲覧可能な場所へはこちらの許可証を翳すとご利用いただけます。とは、言ってもほとんどの書物は閲覧は可能です。王族指定の禁書以外はご利用可能ですので、探されている書籍などございましたらお気軽にお声がけ下さいね。」
「有難うございます。・・・ルイ王弟殿下。」
「おや、ご存知でしたか。ふふ、ゆっくり閲覧されてくださいね。」
「はい。」
許可証を受け取り、記憶違いで無くて良かったと内心安堵する。
そのまま図書館にまずはどのようなジャンル訳をされているか、一通りてまわることにした。
「王弟殿下が図書館のカウンター席にいらっしゃるとは、驚きましたね。」
「そうね。でも、ルイ王弟殿下は博識で王城の書物の管理をされていると、以前レティーシア様にお聞きしたことが有りましたし、ノアお兄様に年の近い王族は必然と王弟殿下に絞られますわ。」
小声で会話をしつつ、奥へと進むと陽の光が入り込む場所を見つけた。
大きな窓の下にはボックス型のソファが設置されており、サイドテーブルも設置されていた。
ここならばのんびり書籍を読むことも出来るだろうと思い、気になる書物を一冊取ってくると、一番陽が入り込む席へと向かった。
左をノアお兄様、右側を私が使用することにし、寝室の方へと足を踏み入れれば侍女のアルマが荷ほど気を終えていた。
「お帰りなさいませ、メリッサ様。ご夕食まで少しお時間がございますが如何なさいますか?散策に行かれますか?それとも少し御休みなさいますか?」
「時間があるのであれば、図書館に行こうかしら。使用許可は頂いておりますし。」
「では、私もご一緒いたします。ノア殿下に一言お伝えして行きましょうか。」
「そうね。」
リビングに戻ってくると、お兄様はジャケットを脱ぎ、少しリラックスされて居るようだった。
「ノアお兄様、私アルマを連れて図書館の方へ行ってまいりますね。」
「道は大丈夫かい?」
「はい。先ほど王城の侍女の方に許可証と地図を頂きましたので。」
「アルマが一緒なら行っておいで。アルマ、メリーをよろしくね。」
「畏まりました。」
ノアお兄様に行き先を告げ、目指すは王族居住区との境にある図書館。
地図を頼りに進むと、大きな茶色い扉を見つけた。
扉をゆっくり開けると、中はシンと静まり返っていた。
「うわぁ。」
あまりの量に感嘆の声を上げると、左側から声をかけられた。
「許可証はお持ちですか?メリッサ王女殿下。」
カウンターに座っていたのは、深い緑の髪色とアメジストの瞳を持ちローブを羽織られている男性でした。
「は、はい!」
名前を呼ばれたことに驚きつつも、頂いた許可証を男性に渡すと許可証に右手で魔力を通していた。
フレイアス王国の人間の髪色は、魔力量に変わる事があると聞いたことがある。瞳も稀に変わるらしいが、めったに変わることは無いらしい。特に王族の瞳の色はどんなに魔力量が多くてもアメジスト。
つまりこの方は直系の王族の人間ということになる。
ノアお兄様より少し年上と思われる直径王族の王子は一人しか居ない。
「はい。有難うございます。こちらはお返し致しますね。メリッサ王女殿下が閲覧可能な場所へはこちらの許可証を翳すとご利用いただけます。とは、言ってもほとんどの書物は閲覧は可能です。王族指定の禁書以外はご利用可能ですので、探されている書籍などございましたらお気軽にお声がけ下さいね。」
「有難うございます。・・・ルイ王弟殿下。」
「おや、ご存知でしたか。ふふ、ゆっくり閲覧されてくださいね。」
「はい。」
許可証を受け取り、記憶違いで無くて良かったと内心安堵する。
そのまま図書館にまずはどのようなジャンル訳をされているか、一通りてまわることにした。
「王弟殿下が図書館のカウンター席にいらっしゃるとは、驚きましたね。」
「そうね。でも、ルイ王弟殿下は博識で王城の書物の管理をされていると、以前レティーシア様にお聞きしたことが有りましたし、ノアお兄様に年の近い王族は必然と王弟殿下に絞られますわ。」
小声で会話をしつつ、奥へと進むと陽の光が入り込む場所を見つけた。
大きな窓の下にはボックス型のソファが設置されており、サイドテーブルも設置されていた。
ここならばのんびり書籍を読むことも出来るだろうと思い、気になる書物を一冊取ってくると、一番陽が入り込む席へと向かった。
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