infinite love

第３章 恋人たちの休息日。編

ダンスの種類。

今日は朝から何かしら、みんながソワついていた。
そういや、今日からダンスの授業が始まるんだっけ？
ディも朝からニコニコで授業を受けている。
その笑顔で、何人の女子を落としたんだか。

「ねぇ、唯ちゃんクリスマスダンパの種類ってなに？ワルツ？」

前の席に座る唯ちゃんに、声をかける。

「一応ワルツには、なるんだけどみんなまずはヒールの高さで苦戦するのよね。どうしても無理な子は高さ下げられるけど。」
「あ、ワルツなんだね。どっちの？」
「ペアによるとおもうよ？ベーシックワルツは必須だから、ワルツはみんな踊れるけど、他は足の痛みによるから。」
「そうなんだねぇ。ありがとう。」
「いいえー。」

アメリカのプロムで散々踊らされたから問題はないだろうし、ワルツ２種なら問題ないかな？
ただ、ディが我慢するかとは思えない。
殺人的な高さのヒールで踊るのなら、尚更だ。
内心ため息を付きながら、授業のあるホールへと行くとそれぞれ靴が準備されていた。
準備運動をし各々履き替えると、今日ダンス初心者と、経験者に分けられた。
初めの授業は全学年合同なのでかなりの人数になっている。
一応、経験者のグループへといけばものすごく見られている。
歩くだけで、苦戦する初心者と、なんとか、歩くのは普通に出来る経験者。

「フィー、ダン、ちょっとこっちに来てくれないか？」

と、声を掛けてきたのは、龍だ。

「なに？」
「二人ともスタンダード五種何踊れる？」
「「全部。」」
「というより、なぜ社交ダンスになってるの？あのくるくる回るべニーズワルツじゃないの？高校のダンパってそもそも本格的なワルツを躍らせようとするのはどうかと思う。」
「機嫌悪いなー。珍しく。とりあえず、ペア2組見本で、踊らなきゃいけないんだが、皆嫌がってな。」
「踊れと？」
「まぁ、そうなるな。五曲全部行けるヤツなんてそうそう居ないだろうし。」
「龍は、誰と踊るの？」
「俺は毎年ファーストダンスだけ踊って、逃げてたからなぁ。」

となると去年のミス、井ノ口さんとか。

「あ、ちなみに俺が知っている中で、五曲全部踊れる女子フィーだけだから。」
「そんな、情報要らない。で、見本は？全部踊るの？？」
「まぁな。一先ずはダンと踊るのが、やりやすいだろう？」
「まぁ。」
「じゃあ、はい。これで井ノ口さんと着替えてこいよ。」
「本番はもう少しながいからな。」

受け取ったスカートもどきを履くため、井ノ口さんと更衣室替わりの部屋へと向かった。