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第3章 恋人たちの休息日。編
衣装合せ
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「この学校本当に、イベント好きだよね~」
放課後、幼馴染の龍にお呼び出しを受けた私とディは強制的に演劇部の部室に連れてこられた。
詳しい説明を特に受ける間もなく、渡された洋服に着替えさせられている状況である。
カーテンで簡易に仕切られた小さな個室のなかで着替えると、演劇部の部員さん達が簡単にヘアメイクをしてくれる。
「学祭で選ばれたミスとミスターは卒業するまでイベント毎では毎回お揃いの衣装だったり、ペアだったりするわけよ。今年は三人だからな~。生徒達のアンケートがぎりぎりまで纏まらなかったわけ。」
「結局なんの衣装なんですか?」
「俺にも良くわからん。」
「ちょっと、しっかりしなさいよ皇帝」
「俺だって、把握してないことはある!」
「龍也が、全部綺麗に覚えていたら、びっくりですよ、逆に。」
と、ディに冷静なツッコミをされていた。
ディと龍の衣装がわからない状態だが、何となく私は気づいていしまった。
水色のワンピースに、パニエ、黒いリボン、白いフリルのエプロンにボーダーの靴下に黒のショートブーツ。
アリスだな。ってことは二人は誰の格好するんだろうか?
まぁ外に出ればわかるな。ということで、自分自身の準備が終わると、個室からでて二人を待つことにした。
「アリスか。じゃあ俺はチャシャ猫なんだろうな。」
個室から出てきた龍は、ピンクとラベンダー色の猫耳とベージュのシャツにピンクのリボンに茶色のズボンにロングブーツ、耳と同系色のしっぽが付いている。
「似合うね。じゃあディはなんだろう?」
「白うさぎとか。」
「正解ですね。」
と一番最後に出てきたディは、オフホワイトの上下で黒のショートブーツ腰に懐中時計を下げて、頭にはうさぎの耳が付いている。首元には赤いリボンが結ばれていて、端にトランプのハートの模様が刺繍してあった。
アリスがテーマなんだね。そして、このメンツで校内を練り歩いたら、交通渋滞が発生しそうなんだけど大丈夫なのだろうか?
「しかし、フィーはリアルアリスだな。」
「何を着てもフィーは可愛いですね。」
龍にハグをされ、ディに指先にキスをされた。
この二人はナリュラルに王子するからな、だからファンが増えるんだと思うのよ。
まぁ、周りの部員さん達もチャンスとばかりに写真をとっていらっしゃるし、行動が早い!
「で、実際Halloweenパーティってなにやるの?」
「お菓子の交換と他学年交流だな。高等部は大学部と一緒。まぁ希望者だけの参加だがな。俺らはメインイベント扱いだから・・・めんどくさそうな顔するなよ。」
「希望者だけでやればいいと思いますよ?僕は。」
「まぁ、楽しめればいいいじゃない。」
ディの頭を撫でてやりながら苦笑を漏らす。
ハロウィンのイベントで碌な思い出が無いのだから仕方がないと思うのだけれど、それを言ったら私も同じ気がするのよね。
兄さん達の愛情表現は、場合によっては嫌がらせにしかならないし、私も何度怒った事か。
ある意味いい迷惑なのよね~。
「兄さん達居ないから、久しぶりに楽しめるわよ!ね?」
「そうですねー」
「リアム達が絡むと、大事件だよな、毎回。」
「いたずら好きだからね、悪気がないから余計タチが悪い」
はぁ。とため息を付きつつも、いそいそとスマホを取り出す。
「記念に写真撮ろうよ。絶対当日そんな暇無いと思うのよ。」
「そうだな」
ということで、三人での写真を龍にとってもらい、各々の全身は代わり変わりに撮った。
撮影した写真は、ギルとイヴ、もちろん二人にも送ってあげた。
二人とも手が空いたときにでも観るだろうと思って。
兄さんたちには絶対送らないでおこう。
一応龍とディにも釘を刺すと、制服に着替える事にした。
放課後、幼馴染の龍にお呼び出しを受けた私とディは強制的に演劇部の部室に連れてこられた。
詳しい説明を特に受ける間もなく、渡された洋服に着替えさせられている状況である。
カーテンで簡易に仕切られた小さな個室のなかで着替えると、演劇部の部員さん達が簡単にヘアメイクをしてくれる。
「学祭で選ばれたミスとミスターは卒業するまでイベント毎では毎回お揃いの衣装だったり、ペアだったりするわけよ。今年は三人だからな~。生徒達のアンケートがぎりぎりまで纏まらなかったわけ。」
「結局なんの衣装なんですか?」
「俺にも良くわからん。」
「ちょっと、しっかりしなさいよ皇帝」
「俺だって、把握してないことはある!」
「龍也が、全部綺麗に覚えていたら、びっくりですよ、逆に。」
と、ディに冷静なツッコミをされていた。
ディと龍の衣装がわからない状態だが、何となく私は気づいていしまった。
水色のワンピースに、パニエ、黒いリボン、白いフリルのエプロンにボーダーの靴下に黒のショートブーツ。
アリスだな。ってことは二人は誰の格好するんだろうか?
まぁ外に出ればわかるな。ということで、自分自身の準備が終わると、個室からでて二人を待つことにした。
「アリスか。じゃあ俺はチャシャ猫なんだろうな。」
個室から出てきた龍は、ピンクとラベンダー色の猫耳とベージュのシャツにピンクのリボンに茶色のズボンにロングブーツ、耳と同系色のしっぽが付いている。
「似合うね。じゃあディはなんだろう?」
「白うさぎとか。」
「正解ですね。」
と一番最後に出てきたディは、オフホワイトの上下で黒のショートブーツ腰に懐中時計を下げて、頭にはうさぎの耳が付いている。首元には赤いリボンが結ばれていて、端にトランプのハートの模様が刺繍してあった。
アリスがテーマなんだね。そして、このメンツで校内を練り歩いたら、交通渋滞が発生しそうなんだけど大丈夫なのだろうか?
「しかし、フィーはリアルアリスだな。」
「何を着てもフィーは可愛いですね。」
龍にハグをされ、ディに指先にキスをされた。
この二人はナリュラルに王子するからな、だからファンが増えるんだと思うのよ。
まぁ、周りの部員さん達もチャンスとばかりに写真をとっていらっしゃるし、行動が早い!
「で、実際Halloweenパーティってなにやるの?」
「お菓子の交換と他学年交流だな。高等部は大学部と一緒。まぁ希望者だけの参加だがな。俺らはメインイベント扱いだから・・・めんどくさそうな顔するなよ。」
「希望者だけでやればいいと思いますよ?僕は。」
「まぁ、楽しめればいいいじゃない。」
ディの頭を撫でてやりながら苦笑を漏らす。
ハロウィンのイベントで碌な思い出が無いのだから仕方がないと思うのだけれど、それを言ったら私も同じ気がするのよね。
兄さん達の愛情表現は、場合によっては嫌がらせにしかならないし、私も何度怒った事か。
ある意味いい迷惑なのよね~。
「兄さん達居ないから、久しぶりに楽しめるわよ!ね?」
「そうですねー」
「リアム達が絡むと、大事件だよな、毎回。」
「いたずら好きだからね、悪気がないから余計タチが悪い」
はぁ。とため息を付きつつも、いそいそとスマホを取り出す。
「記念に写真撮ろうよ。絶対当日そんな暇無いと思うのよ。」
「そうだな」
ということで、三人での写真を龍にとってもらい、各々の全身は代わり変わりに撮った。
撮影した写真は、ギルとイヴ、もちろん二人にも送ってあげた。
二人とも手が空いたときにでも観るだろうと思って。
兄さんたちには絶対送らないでおこう。
一応龍とディにも釘を刺すと、制服に着替える事にした。
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