infinite love

谷山佳与

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第2章 学園祭編。

コンテスト開始。

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「“いよいよ始まりました!学園際一番のイベント、ミスター&ミスカリテゥスコンテスト!!まずは男子の部からスタートしたいと思います”」

コンテストが始まる直前、ディが真剣な面持ちで私とギルのいる控え室にやってきた。
コンテストで僕が何をしても、どう対応しても驚かず、合わせてくれって。
私とギルはわかった。とだけ返事をした。
そしてギルと二人少し何かを話すと二人して眉間にしわを寄せていた。
コンテスト始まるまでギルは携帯でなにか調べ物をしていた。
ディのあの口ぶりからして誰かと歩くのかな?
・・・なんか嫌だな・・・、ん?嫌ってなんだろう?
コンテストの衣装に着替えながらこのモヤッとしたものの正体をいまいち掴めずにいた。
ギルは紺のチェックで肩の部分が赤いシャツに白のズボン。アクセはアメリカで買物に出たときお揃いで買ったものをしていたのでそのまま使用する。
私は赤のキャミソールを首の後ろで大きくリボンを結びその上から紺チェックのカットソー、白の短パンにハイソックス、足元は同じ色のスニーカーをチョイスした。

控え室から舞台裏にやってくると男子の本選が始まっていた。
ステージに出る順番は予選で投票された順位の低い順。
溝口君、一ノ宮君、梓君、ディ、龍の順番らしい
男子の方に出る人も彼女と思われる女の子をエスコートしている。

『お姫様ちょっといいかしら?』

ディが出る直前ギルに呼ばれてステージ裏の隅っこまでやってくる。
不機嫌だけど笑みを浮かべたディの腕に絡みつく女の子の姿が視界に入った
視線を晒せぬまま固まっているとギルに頬を手で包まれ強引に顔を向けさせられた。

ダンあの子言ったでしょう?驚くなって。それにあの笑顔嬉しそうに見える?』
『・・・機嫌急降下中・・。』
『そうでしょう?それでちょっとお話しがあるの、お姫様の中で犯人は誰だと考えてる?』
『確信をまだ得てはいないけれど手紙は龍が好きな子。それも私が交換留学でこの学校に来るまで龍の隣に常にいた子。全女子がその人ならって思える人。ミスコンの常連。井ノ口瑠奈さん。鉢植えの方は今ディと一緒に歩いている子じゃないかな?女嫌いのディが腕組んで歩いているんだもの。物的証拠か確実な証言が欲しいところ?』
『よくわかってるじゃないの。ダンに小型マイク持ってないかって聞かれて貸してあげたわ。ふふ。証拠できたわね』
『相当嫌いなんだ。』
『あら当たり前じゃない。基本うちの野郎どもはお姫様溺愛でしょう?やり返したくもなるわ』

にっこり笑みを浮かべているけどあの、ギルさん目が笑ってませんよ?
正直怖いです。
頭を優しく撫でられると同時に男子のパフォーマンスが終了したようだ。
龍は今年も一人で歩いたみたいだ。
いよいよ女子の部。歩く順番は吉野さん、佐田さん、友池さん、井ノ口さん、私になる。
ディのパートナーになったあの子も女子の本戦出場者で現在三位。
女子の方は“デート”がテーマでそれっぽく見せなくちゃいけない。
それぞれのパフォーマンスを見るがどこか微妙にぎこちない。
それが逆に初々しくていいんだけれども。
ディと友池さんは先ほどと同様に腕を組んで、だけどディが少しエスコートしながらステージを歩く。
一番先にたどり着くとディは軽々と彼女を姫だきにし、くるりと回る。
彼女の髪がふわりと広がった。
う~ん、ディの目が若干すわりだしてきてびっくりだ。
これ、ブラックとかにならないよね?
止めるのかなり面倒なんだけれど・・・。
苦笑を浮かべ井ノ口さんのペアがパフォーマンスをしている最中龍が話しかけてきた。

『あれ、どうなってるんだ?』
『ちょっと、私とディ二人とも面倒事で、あんな感じですが相当機嫌悪いよ?あと、今日この後何が起こっても、怒らない、騒がない、でお願いね~?ディ今俳優さんだから』
『演技って事か。わかった。』
『女の嫉妬っていうのはね、いっつもめんどくさいことになるのよ』

とギルも言葉をたす。
そのニュアンスで意味を理解してくれる龍はため息をつく。

ぽんと龍の肩を叩き前のペアと入れ替わりでステージに立つ。
井ノ口さんとすれ違う時、甘い花の香りがした。
手紙に着いていたあの香りだ。
これで彼女だと確信する。
ギルとステージを歩きだし途中から私を片腕で抱きかかえると頬にキスをされた。
満面の笑みを浮かべるギルの表情から「そっちもしてね」と読み取れたので、おデコにキスを返した。
そのまま何事もなくパフォーマンスが終わるとそのまま舞台裏に戻った
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