infinite love

谷山佳与

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第2章 学園祭編。

本戦出場者。

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抱きしめられた状態で上を見上げれば、明るいブラウンの髪をハーフアップにまとめ紺の七分丈のジャケットに白のVネックのTシャツ、デニムというラフな格好をしたギルバートが立っていた。
”その格好でその口調はだめだよ”
といえば”それもそうね”と頷いた。

『はい、これ。講演会のチケット。それとももう貰った?』
『あ、うん。授業同じ人にプリントと一緒に渡された。でも、これ確実に行けるかどうかわからないんだ。』

なぜ?とギルが首をかしげたところで校内放送のチャイムが鳴った。
時計を見れば12時前。もうそんな時間かと思うのと同時に、あぁ結果発表かと他人事のような感想を抱いた。

《ご来校の皆様いかがお過ごしでしょうか?学園祭楽しまれていますでしょうか?この場をお借りてコンテスト本戦出場者の発表をさせて頂きます。
まず男子の部 百王華 龍也、雛森 梓、ダニエル・ディ・ウィリアム、一ノ宮和樹、溝口 捺。女子の部井ノ口 瑠奈、ソフィア・ジョディ・スチュアート、吉野 ユイコ、友池 春花、佐田 美波。以上十名は夕方の本戦出場が決定!なお女子の部出場者は必ずエスコートしてくれるパートナーとの参加が最低条件です。それでは皆様の健闘を祈ります》

放送が終るとクラスの皆が盛り上がっていた。

『わお、ミスコンでるんだ。珍しい』
『まぁ、なりゆき?でもパートナーか・・・。ディは駄目だからどうしようかな?』

ふむと口に手を当てて少し考えるが、やはり詳しく聞く必要があるだろうと言う事で龍に聞きに行こうと決める。

『ちょっと龍のところにいてくるから後任せていい?』
『わかった。とりあえず誰かと一緒に行って来て。あれ・・今日も来てたんでしょう?」

あれ・・がさすものは例の手紙。
昨日龍と大学部のイベントに出たものだから量が増えました。
そして少し悪質なものまで出てきたので、私もディも用心にこした事はないと思い警戒をしている。
ルークたちに事情は話してもいいけど相手が動くとは限らない。
だけどこのことがルーク達にばれたときが非常にめんどくさいことになる
リアムに話すとややこしい事になるからルークだけに話そうと思い、龍のクラスに付いてきてほしいと頼むと二つ返事で了承してくれた。
ギルは講演会の方に行ってくるといい、廊下で別れた

『それで?俺に言うことあるんじゃないの?フィー』

皆から離れたとたんルークがそう切り出してきた。
勘の鋭い兄を持つと隠し事ができないから困りものである。

『実は転入当初から色々と手紙を貰ってるの。私もディも。ほとんどラブレターだから良いんだけど、残り一割は嫌がらせの手紙なの。前者は丁重にお断りをしてるからいいんだけど残りがね。まぁ暇なのか毎日毎日入ってて、で今日見たらちょっと悪質なものに変わってきててね、ディと二人で警戒中。』
『アメリカの頃よりひどいか?』
『酷かったら警察沙汰ですよ。ぜんぜん軽いんだけど、まぁいかんせん相手は龍の信者というかファンクラブの子だからね~。なんとも・・・。』

苦笑を浮かべ話している内に龍のクラスへとたどり着いた。
ルークはそんな私の頭をやさしくなでてくれた。
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