infinite love

谷山佳与

文字の大きさ
上 下
46 / 77
第2章 学園祭編。

ペナルティ

しおりを挟む
翌日登校すると昨日のバスケット対決の事が校内新聞に大きく取り上げられていた。そのせいか転入初日より見世物のパンダ状態だ。
私は珍獣かなにかか!
今日まで日本にいるというルーク達が後で来るからさらにここは込み合うんだろうなと、大きなため息を付いた。
試合後の写真撮影会で一番人気だったのはリアム、次いでエイヤ。
エイヤは確かにかっこいいと思う。だけどリアムが一番人気だなんてといては複雑で仕方がない。

「こうして3人並んでる写真を見るとすごく似てるよね~。美形兄妹なんて羨ましいわ」

校内新聞を大きく広げて私の前で見ているのは唯ちゃん。
その隣には加奈子が座っている。
ディは男子のグループのところでなにやら話している。

「このメンバー後でこのクラス手伝いに来るけど大丈夫?」
「え?!」

加奈子に聞いたのになぜかクラスの大半女子が驚いた声を上げた。
その声にディもこちらを見て、近づいてきた。

「あの馬鹿に何かされたのか?」
「馬鹿って本当ディってリアムのこと嫌いだよね」
「嫌いというより苦手だ。それで、何されたんだ?」
「ディ、口調口調!」

すごい剣幕で両頬を固定されて聞かれる。
そして口調が怖い。
というより素が出掛かっている。

「リアムお得意の一言多くて私の機嫌を損ねた?で、無視してたらいじけていってルークにお願いされてペナルティ。」
「って事はしばらく一緒に居るわけですね。」
「そうだね。だから加奈子、場所振りどうしたらいい?ルークとリアムは日本語できるから接客可だよ。アレクとエリヤはちょっと無理だけど。」
「ペナルティはリアムさんなんだよね?なんで他の三人も?」
「連帯責任って引率の監督さんが言ったから?」

私の言葉に納得したのか、加奈子は口元に手を当てて少し考える。

「お兄さん達は接客してもらって、後の二人は裏方担当してもらおうかしら?」
「いいとおもうよ。」

加奈子の意見に同意すると同時に一般入場を知らせるアナウンスが流れた。
昨日の口コミと校内新聞のおかげか今日はビラを配る必要がないといわれ、メインの仕事が無くなった。
朝一で量を食べる人は居ないだろうからルーク達に教える余裕はあると思う。
ポケットから昨日いれていたピンを取り出そうと思い手を入れると、カサリという音と紙の感触にそういえば昨日嘉山さんからチケットもらったの思い出す。
犯罪心理学向けの講演っていったい誰が来るんだろう?
と疑問に思いながら、一緒にもらったプリントに視線を落とせば見知った人物の写真が右下に印刷されていた。

「ディ!ちょっと・・・・失礼しました。」

廊下に出ていたディを呼びに行ったのだが、ちょうどお客さんと写真を撮っているところだった。
反射的に教室へと引き返す。

「フィー!」

その光景を見ていただろうルーク一行がやって来た。
視界にとらえると同時にリアムに抱き上げられました。
昨日のいじけ具合を感じさせない満面の笑みで
ディと目が合ったが思いっきりそらしてしまった。
その光景を意外そうにルークが眺めていた。

『ダンと喧嘩でもしたのか?』
『え?あぁ、違うのちょっとタイミング間違えちゃて私が勝手にきまづいだけ』
『そうか』

それ以上ルークは何も聞いてこなかった。
とりあえず黒のエプロンを貸し出して、手伝ってほしい事を説明すると四人は笑顔でうなずきそれぞれの持ち場へと向かってくれた。
と、そこへお客さんの相手をしていたディが戻ってきた。
さっき思いっきり視線そらしたからなぁ~と構えてみたものの、何事も無かったように何の用だったの?と聞いてきたのでプリントを見せることにした。

『ギルが来るんだ。まさか高等部こっちには来ないよね?』
『う~ん、可能性はゼロじゃないよ?だってギルだし。』

苦笑を浮かべていると

『うふふ、正解!来ちゃった。』

と背後から抱きしめられた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

処理中です...