infinite love

谷山佳与

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第2章 学園祭編。

試合 3。

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「それでは本日の第二試合、ルーカスチーム対龍也チームの試合を開始します。両者サークル内にはいてください」

審判の掛け声にサークル内にはいたのは両チームのチームリーダー、龍とルーカスの二人。
二人は身長も2cmしか変わらないしジャンプ力もほぼ互角と言ってもいいと思う。

「ティップオフ!!」

そういった審判の手からボールが空高く放たれる。
同時に飛んだ二人ほぼ互角の二人がジャンプボールをするということは必然的に力勝負となる。
ボールに視線を合わせながら二人の動きを見ていると

バッチっ!!!

と、ボールを叩く音が会場に響いた。
わずかながら勝ったのは龍で、ボールは敵チームの手に渡る。
最初にボールを持ったのはアレクだった。

『フィー龍につけ、エリヤはアレク、リアムには俺が付く』

ルークの指示により私は龍のマークに付くことになった。
ルーク、この配置はなんだ?とりあえず様子見なんだろうけども、体格的にいくならアレクだし、ポジション的にはリアムだよね?
ちょと解せぬよ、お兄ちゃんルーク
そんなことを内心呟いていると、アレクが中にはいていくのが見え反射的に龍のマークを外すとアレクの前に立つ。
私の動きをみてエリヤが私の代わりに龍のマークにはいてくれた。
ボールを視線で追いながらも周りを見る
アレクがシュートを打つ可能性は十分にある。
点数にはならないが、この状況を崩すためだ。

『フィー!お前は様子見という言葉を知らないのか?!』

ルークが何か言っているが正直あまり耳に入ってこない。
今の獲物はアレクの持っているボールだ。
アレクが動き出すのを見て手を伸ばす。バッチッと音が鳴ればボールはアレクの手から離れた。
弾かれたボールの先にはルークが居て、私はすぐさまフリーのポジションに動く。
パスで貰うより貰いに言ったほうが確実だ。
この六人の中で私が一番小さい私は小回りが利くし、彼らの視界にもギリ入りにくい、ルークからボールをもらうとそのままゴールへと向かう。

『間単に行けると思ってないよね?フィー』

すばしっこく動いたはずなのに、リアムにはお見通しですぐにみつかってしまう。龍に有効な技でもリアムに通用するかはわからない。
通用したとしても次は無い。
気が付けば、アイソレーションに近い状態で他の四人は私達から少し離れた場所に居る
ルークとリアムに正面から勝負を挑んでも負けるのは分かりきっている。
ならば正攻法じゃない方法でゴールを決めればいいだけのことだ。
ボールをつきながら頭の中で動きをイメージする。
そしてフェイクをかけリアムを抜く。
うまく抜けれたとしても気を抜けば一瞬でつかまるし、抜けきるとも分からない
何度かすばしっこく切り替えしゴールへとボールを投げ飛ばす。
転校初日龍相手にやったアレだ。
勢いよく放たれたボールはバックボードに当たりそのままゴールをくぐった。
だいぶ成功率が上がってきたなと確信する。

『さすが、ルーク達の妹。やることが予想外すぎる』

ピュ~っと口笛をふき、おどけた態度をとりつつも頭をなでてくれたのは、私の勝手な行動にすぐさま対応してくれたエリヤだった。
予想外なことをしないと、お兄ちゃんルーク達の相手は務まらないのでほめ言葉としてとっておく。
そしてすぐに試合は再開された。

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