infinite love

谷山佳与

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第2章 学園祭編。

学園祭の始まり。

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「学園祭初日!頑張って模擬店部門1位取るわよ!!!」

お~!!!
っと元気のいい声が教室から響く。教室の中央に立ち盛り上げてるのは、お祭り大好き唯ちゃんだ。
そんな様子を教室の隅っこで見ていた私はなんだかいいな~としみじみ思ってしまった。
クラスの出し物は定番の喫茶店。
衣装は全員おそろいで、女子は黒のワンピースにパニエを穿いて、白のフリフリのエプロンのメイドスタイル、男子は白のカッターに黒のベストに蝶ネクタイの執事スタイルで各自の体型にぴったり合うように作られているためとても動きやすい。
そして何より、かわいいのだ。
ふふっと口元が緩む。

「あ、ソフィ!ウィル君もお帰り~!!」

私とディを見つけた唯が手を振る。
唯の声にクラスメイトが振り向いたのだが皆心なしか顔が赤い気がする。
そしてなぜか歓声があがった。

「え?!なになに??髪を下ろしたのが変だったの?!」
「違うと思いますが?とっても可愛いですよ?」
「あ、うん。ごめん。ディに聞いた私が馬鹿だった」

そういって唯の元へと歩き出したとき、背後からぞくりとした視線を感じ振り向くもディだけしか立っていなかった。
気のせい?だろうか??
首をかしげながら輪の中に入ると、皆ディと同じようにかわいいと言ってくれたので非常に恥ずかしかった。
絶対耳まで真っ赤だ。
パタパタと手で顔を仰いでいると、校内放送がかかり一般入場が始まったことを教えてくれた。
いよいよ学園祭の始まりである。


「じゃあさっそくソフィとウィル君は客寄せとビラ配りをお願い。いい?絶対二人で行動すること。離れたとしてもお互い視界の中にはいること?」

唯からビラを受け取り、念を押されるように約束事をされた。
危険なんだろうか?
ウィル君よろしくね
という唯にディは笑顔でうなずいていた。

高等部のメインの入り口となる昇降口にやってくるとすでに多くの人で溢れていた。

『うっわぁ!楽しそうだね』
『ひとまずビラを配って教室に帰ろう』
『人ごみ苦手だものね』

くすくすと笑いながらどこか不満げな表情をしたディだがすぐに満面の笑み王子スマイルを浮かべてビラを配り始めるとすぐに女子生徒やら女性客やらに囲まれていた。
その光景に少しもやっともしたが、ディより先に配り終えてやる!!
と決意し私もビラを配り始めた。
唯に渡された100枚近くあったビラは30分も経たないうちに全部配り終えたので、一度教室へと戻ることにした。
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