infinite love

谷山佳与

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第1章 学園編入編。

授業。

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犯罪心理学はここまで人気なのだろうか?
疑問に思いながら、空いている席を見付けディと共に座る。
さすが大学部向けの授業であって、高等部の人間なんて私とディの二人だけだ。
おまけに制服なのが余計に目立っている。

『初めて授業受ける?』

声をかけてきたのは隣に居た生徒。
明るいブラウンを無蔵差に後ろでひとつに結んでいる。
ディと同じで天パなのだろう。届かなかった髪が顔の横に少し落ちていた。

「あ、はい。昨日転校してきて。それで、えっと・・・日本語で大丈夫です。」
「そうか。普段は少ないんだけどな。俺嘉山典明かやまのりあきっいうんだ。」
「ソフィア・ジョディ・スチュアートです。それで、少ないのに何故?」
「よろしくソフィ。お隣さんは?」
「ダニエル・ディ・ウィリアム。」
「ダンだな。今日は特別に衛星中継で講義が受けれるスペシャルDAYなんだ。普段こない奴も来ている。」
「スペシャルDay?」
「あぁ、現場に居る人間が月替わりだが授業をしてくれていて、その講師がまた俗にいうイケメンでな。女子生徒の半数はその講師が目当てってわけ。もちろん、多少は授業自体にも興味を持っているから別に構わないけどな。」
「へ~・・・。」

嘉山の説明を受けながら、教室を見渡す。
確かに一部女子は先日のバスケの状況に似ている。
しかし選択性である程度成績が取れていれば問題ないのだろう。
専攻意外を息抜きにとっても問題ないか、それに高等部でも取れるのは、大学部に上がった時専攻を何にするかを判断するのに知識として与える為だと聞いたし。
まぁ。私達がじっくり観察して見極めればいいのかと一人納得する。
ふと、隣を見ればディが眉間にしわを寄せ考え込んでいた。

『どうしたの?』
『いや、そういえばギルがスーツの方がいいかしら?って言ってなかったかな?』
『そういや、出る前言ってた。何対策かは聞いてなかったけど、とりあえず背広を押してきた。』
『そういや、フィーはスーツ好きだよね。』
『好きというか憧れる?うち、家族スーツとは無縁でしょう?』
『確かに。先生来たみたいだよ。』

小声でディと話しているうちに、講師が教室に入ってきた。
元々準備をしていたパソコンを立ち上げてテレビ電話を継なぐ。
黒板にその画面が表示され左上にこの教室の様子が映し出されている。
そして画面に現れたのは私達がよく知っている人物だった。

『こんにちは。ギル・・・』
「きゃーーーーーー!!!」
「先生かっこいい!!」

おお、これまた人気ですね。
画面に映し出されたのは先程まで電話をしていたギルだった。
しかもスーツじゃなくて私服。
その私服もメンズ。
周りのお姉さま方の叫び声に驚きつつも軽く変装でもしようかと思う。
眠そうなのは時差から考えてもあちらは夜中だろう。
ご苦労さまである。

「嘉山さん、あの先生初めてなんですか?」
「えっと前回は、ルイス・ジャクソンさんだったかな?FBIの人。」
「・・・そうなんだ。」

何かこそこそやってるなとは思っていたけれど、大学で衛星中継の講義をしていたわけですね。講義っていうより、新人発掘。
隣に居るディは知っていたような顔をしていた。
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