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第1章 学園編入編。
生徒会室。
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『ちょっとどこに行くの?!』
肩に担がれたまま私達は廊下を移動している。
廊下に人の気配はなく、皆各々の教室にでHRの最中なのであろう。
なので、現状を多くの生徒に見られる事は無かった。
下に降ろしてくれる気配なんて微塵にも感じないので、無駄な抵抗はやめたが、せめて体の向きは変えようと思い、身をよじる。
私の動きに合わせてディも立ち止まり、降ろしてくれるかと思ったら、膝の下あたりに手を置くと腕に座るような形に抱きかかえると再び歩き出した。
連れてこられたのは校舎の五階にある生徒会室。
扉をノックし、返事が来る前にディは扉をあけた。
室内には先程同じく教室を出ていった龍たち三人が居た。
「お、来たね。そこのソファに座ってよ。」
出迎えてくれたのは、梓くん。
龍と達也君は何か書類なのか、紙面に視線を落とし真剣に何か話している。
「・・・長居するつもりはない。それより僕らに何の用?」
やっと、降ろしてくれたと思ったら手は繋いだままだった。
うん、いやいいんだけど。
梓くんとディのやりとりは気にせず龍と達也君達の方へ視線を向ける
“それで、これはいつ届いたんだ”
“30分前だ。Brillio専用のメールに届いていた。”
“脅しだな。むしろ犯行予告のつもりか?”
“・・・なんとも言えない。”
「龍。私たちに何の用かしら?」
私の声に龍が反応をする。
「用があるのは俺じゃない。達也だ。」
「そう。丁度良かった。私も達也君に用があったのよ。昨日の事件について」
有無を言わせない笑みを浮かべると、龍達が居る机へと向かう。
「私は昨日の事件に付いての情報が全部欲しい。情報を得るには何か対価が必要でしょう?でも達也くんも私から欲しい情報がある。」
「・・・取引か・・・?」
「お互いの情報が対当であればそうだけれど、違うのならば差分の事はしないとね?それで情報はくれるの?聞きたい情報は私かしら?」
身長差があるから、私が見上げる形になるけれどじっと相手を見据える。
「・・・情報はやる。その代わり君達は何者なんだ?ただの交換留学生というわけではないだろう?」
「ただの交換留学生よ。表向きはね。」
「フィー。」
「大丈夫よ、ディ。許可は取れてるし?むしろ元凶は帰国後にでも問いただせばいいんだから。」
「これ、私の本当の身分証よ。」
ポケットに入れていた、手帳を出すと龍の座るテーブルに開いておいた。
梓くんも龍の傍にやってきて手帳を覗き込む。
そして、龍の表情が険しくなっていった。
肩に担がれたまま私達は廊下を移動している。
廊下に人の気配はなく、皆各々の教室にでHRの最中なのであろう。
なので、現状を多くの生徒に見られる事は無かった。
下に降ろしてくれる気配なんて微塵にも感じないので、無駄な抵抗はやめたが、せめて体の向きは変えようと思い、身をよじる。
私の動きに合わせてディも立ち止まり、降ろしてくれるかと思ったら、膝の下あたりに手を置くと腕に座るような形に抱きかかえると再び歩き出した。
連れてこられたのは校舎の五階にある生徒会室。
扉をノックし、返事が来る前にディは扉をあけた。
室内には先程同じく教室を出ていった龍たち三人が居た。
「お、来たね。そこのソファに座ってよ。」
出迎えてくれたのは、梓くん。
龍と達也君は何か書類なのか、紙面に視線を落とし真剣に何か話している。
「・・・長居するつもりはない。それより僕らに何の用?」
やっと、降ろしてくれたと思ったら手は繋いだままだった。
うん、いやいいんだけど。
梓くんとディのやりとりは気にせず龍と達也君達の方へ視線を向ける
“それで、これはいつ届いたんだ”
“30分前だ。Brillio専用のメールに届いていた。”
“脅しだな。むしろ犯行予告のつもりか?”
“・・・なんとも言えない。”
「龍。私たちに何の用かしら?」
私の声に龍が反応をする。
「用があるのは俺じゃない。達也だ。」
「そう。丁度良かった。私も達也君に用があったのよ。昨日の事件について」
有無を言わせない笑みを浮かべると、龍達が居る机へと向かう。
「私は昨日の事件に付いての情報が全部欲しい。情報を得るには何か対価が必要でしょう?でも達也くんも私から欲しい情報がある。」
「・・・取引か・・・?」
「お互いの情報が対当であればそうだけれど、違うのならば差分の事はしないとね?それで情報はくれるの?聞きたい情報は私かしら?」
身長差があるから、私が見上げる形になるけれどじっと相手を見据える。
「・・・情報はやる。その代わり君達は何者なんだ?ただの交換留学生というわけではないだろう?」
「ただの交換留学生よ。表向きはね。」
「フィー。」
「大丈夫よ、ディ。許可は取れてるし?むしろ元凶は帰国後にでも問いただせばいいんだから。」
「これ、私の本当の身分証よ。」
ポケットに入れていた、手帳を出すと龍の座るテーブルに開いておいた。
梓くんも龍の傍にやってきて手帳を覗き込む。
そして、龍の表情が険しくなっていった。
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