10 / 77
第1章 学園編入編。
事件発生。
しおりを挟む
「きゃああああああああ!!!」
すぐその声が聞こえた方を振り返ると同時に、私は二人の手を振り切って走り出していた。
廊下の角を曲がってすぐの教室の入口の前に女子生徒が座り込んでいた。
「どうしたの?!」
「あ、アレ!!!」
「「フィー!!」」
少し遅れてディと龍の姿が目の端に映った。
『龍はそこで止まって!!!』
私の一声に龍が立ち止まる。
ディはそのまま私の傍までやってきて教室内部に目をやると、女子生徒の視界からそれを隠すようにし、彼女を抱き上げると龍の元へと連れて行った。
『彼女を保健室へ。』
それだけ言い女子生徒を龍に渡すと再びフィーの元へ戻ってきた。
何かあったんだと、事情は良く飲み込めない龍だったが目が合った私の視線に頷くと、ディの指示に動いてくれた。
教室内部には両手を祈るようにガムテープで固定されており口にもガムテープが貼られている男子生徒の姿。頭から血を流して、その体は宙に浮いている。
閉められた窓、ドアには鍵。
入口付近に落ちていた鍵を見ると、先ほどの彼女が持ってきたのだろう。
生存確認をするまでもなく、彼は息を引き取っていた。
死因は頭部の出血が先か窒息が先か。
『どう思う?』
『どうって、自殺じゃないでしょう?明らかに殺害されてなおかつこれは、犯人からのメッセージだろ?』
『祈り・・・、何かに対しての謝罪?願望?とにかく警察に連絡をして、ルイスに連絡を入れないと』
『そうだな。警察に関しては大丈夫なんじゃないか?あいつがしてくれるだろう?』
『うん。ちょっと電話してくる。』
そういって私は教室から外へ出ると、携帯を取り出し、ルイスに連絡をした。
数回のコール音で相手は電話に出てくれた。
『おはよう、ルイス。朝早くにごめんね?』
『・・・あ゛―今何時だ?』
『そっちはまだ明け方じゃないかな?』
『・・・そうか、それよりどうした?』
明らかに寝起きの声だが、何かあったことは察してくれたようだ。
『うん、実はね日本で事件に巻き込まれちゃって、どうしようかと。』
『好きにしたらいい。そっちでも権限は使えるぞ?まぁ協力要請があれば、表立ってだがな。』
『好きにすればいいって、事件について調べるって言ったら協力してくれるの?』
『あぁ。構わない。こちらで分かることについてならな。』
『分かった。それと正体は?』
『邪魔されるようなら、話しとけ。』
『・・・、なんか作為を感じるんだけど。』
『気のせいだろ?ふぁ・・・・、それより俺は眠い。要件が済んだのなら切るぞ?』
『あ、ごめん。おやすみ、ルイス。』
『ん、おやすみ。』
納得ができないところもあるが、時間帯が早いので次回かけた時にでも詳しく話せればいいと思い、ひとまずディの元へと戻った。
教室に戻る途中、龍と数人の教師がこちらへ向かってきていた。
「ディ、許可出たよ。」
「分かった。」
それだけ伝えると教室を出るのと同時に、龍たちが到着した。
すぐその声が聞こえた方を振り返ると同時に、私は二人の手を振り切って走り出していた。
廊下の角を曲がってすぐの教室の入口の前に女子生徒が座り込んでいた。
「どうしたの?!」
「あ、アレ!!!」
「「フィー!!」」
少し遅れてディと龍の姿が目の端に映った。
『龍はそこで止まって!!!』
私の一声に龍が立ち止まる。
ディはそのまま私の傍までやってきて教室内部に目をやると、女子生徒の視界からそれを隠すようにし、彼女を抱き上げると龍の元へと連れて行った。
『彼女を保健室へ。』
それだけ言い女子生徒を龍に渡すと再びフィーの元へ戻ってきた。
何かあったんだと、事情は良く飲み込めない龍だったが目が合った私の視線に頷くと、ディの指示に動いてくれた。
教室内部には両手を祈るようにガムテープで固定されており口にもガムテープが貼られている男子生徒の姿。頭から血を流して、その体は宙に浮いている。
閉められた窓、ドアには鍵。
入口付近に落ちていた鍵を見ると、先ほどの彼女が持ってきたのだろう。
生存確認をするまでもなく、彼は息を引き取っていた。
死因は頭部の出血が先か窒息が先か。
『どう思う?』
『どうって、自殺じゃないでしょう?明らかに殺害されてなおかつこれは、犯人からのメッセージだろ?』
『祈り・・・、何かに対しての謝罪?願望?とにかく警察に連絡をして、ルイスに連絡を入れないと』
『そうだな。警察に関しては大丈夫なんじゃないか?あいつがしてくれるだろう?』
『うん。ちょっと電話してくる。』
そういって私は教室から外へ出ると、携帯を取り出し、ルイスに連絡をした。
数回のコール音で相手は電話に出てくれた。
『おはよう、ルイス。朝早くにごめんね?』
『・・・あ゛―今何時だ?』
『そっちはまだ明け方じゃないかな?』
『・・・そうか、それよりどうした?』
明らかに寝起きの声だが、何かあったことは察してくれたようだ。
『うん、実はね日本で事件に巻き込まれちゃって、どうしようかと。』
『好きにしたらいい。そっちでも権限は使えるぞ?まぁ協力要請があれば、表立ってだがな。』
『好きにすればいいって、事件について調べるって言ったら協力してくれるの?』
『あぁ。構わない。こちらで分かることについてならな。』
『分かった。それと正体は?』
『邪魔されるようなら、話しとけ。』
『・・・、なんか作為を感じるんだけど。』
『気のせいだろ?ふぁ・・・・、それより俺は眠い。要件が済んだのなら切るぞ?』
『あ、ごめん。おやすみ、ルイス。』
『ん、おやすみ。』
納得ができないところもあるが、時間帯が早いので次回かけた時にでも詳しく話せればいいと思い、ひとまずディの元へと戻った。
教室に戻る途中、龍と数人の教師がこちらへ向かってきていた。
「ディ、許可出たよ。」
「分かった。」
それだけ伝えると教室を出るのと同時に、龍たちが到着した。
0
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる